2019年度の記録

研究集会「第21回北東数学解析研究会」
2020年 2月 17日(月)--18日(火)

会場
北海道大学 理学部3号館 3-309号室
プログラム
詳細はこちらをご参照下さい.

「解析セミナー」
2020年 1月 24 日(金)16:00 開始
(通常の応用数理解析セミナーと曜日・場所が異なりますのでご注意下さい)

会場
東北大学 大学院理学研究科 数学棟3階305講義室
講演者
山田 義雄 氏 (早稲田大学理工学術院)
題目
数理生態学に現れるStefan型自由境界問題について
要旨
1985年 Miimura-Yamada-Yotsutani により生物種の棲み分け生存競争を記述するモ デルとして,反応拡散方程式に対する二相 Stefan 型自由境界問題が提起された.この 問題では,共存できない競合2生物種の生息域の境界を自由境界と考え,一定の有界領 域における自由境界や個体数の時間的変化が研究された.一方,2010年 Du-Lin は, このような自由境界問題を単独種に対する(一相)Stefan問題として,無限領域にお いて捉える新しいアプローチを提案した.彼らの研究は外来生物の侵入現象をモデル としており,反応項がロジスティック関数の場合に,侵入の成功と失敗,生息領域の 拡大速度,個体数変化の様子など,数学的にも生態学的にも興味深い結果が得られた .この研究を契機として多くの研究者が関連する自由境界問題に取り組み始めた.本 発表においては,正値双安定と呼ばれる反応項を伴う拡散方程式に対する自由境界問 題について,解の漸近挙動とその分類,自由境界の拡大速度の評価,個体数変化の時 間的推移とその評価などについて,最近の成果を紹介する.

2020年 1月 20日 (月) 15:30--17:40

会場
東北大学 大学院理学研究科 数学棟3階305講義室
第一発表者
加賀 義久 氏(東北大学 大学院理学研究科)
題目
「接着条件下における高階変分問題」
第二発表者
千葉 智史 氏(東北大学 大学院理学研究科)
題目
「Cahn--Hilliard方程式系における解の漸近挙動」

2020年 1月 16日 (木) 15:30--17:40

会場
東北大学 理学研究科 合同A棟8階801室
第一発表者
京野 世佳 氏(東北大学 大学院理学研究科)
題目
「完全非線形一様楕円型方程式の粘性解のリプシッツ連続性」
第二発表者
北野 修平 氏(東北大学 大学院理学研究科)
題目
「完全非線形積分方程式における ABP 最大値原理」

2020年 1月 9日 (木) 16:30--17:30

会場
東北大学 理学研究科 合同A棟8階801室
発表者
青木 基記 氏(東北大学 大学院理学研究科)
題目
「有界平均振動関数の空間におけるNavier-Stokes方程式の弱解の正則性」

2019年 12月 19日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
比佐 幸太郎 氏 (東北大学大学院 理学研究科)
題目
Existence of solutions for an inhomogeneous fractional semilinear heat equation
要旨
非斉次項付き分数冪半線形熱方程式のCauchy問題の可解性に対する必要条件および十分条件を考察する. そして, これらの条件を用いて解を持つために非斉次項が許容できる最も強い空間的な特異性を同定する. 必要条件については弱解を適切な試験関数を用いて解析する方法を採るが, そのためにはある分数冪Poisson方程式の解を考察することが鍵になる. 本発表ではその試験関数の構成法を中心に説明したい. なお, 本発表は石毛 和弘氏(東京大学)と高橋 仁氏(東京工業大学)との共同研究に基づく.

「解析セミナー」
2019年 12月 13 日(金)16:30 開始
(通常の応用数理解析セミナーと曜日・場所が異なりますのでご注意下さい)

会場
東北大学 大学院理学研究科 数学棟3階305講義室
講演者
清水 扇丈 氏 (京都大学大学院 人間・環境学研究科)
題目
半空間放物型方程式の初期値境界値問題に対する最大$L^1$正則性
要旨
半空間における放物型方程式の初期値境界値問題に対する最大正則性を考察する. DirichletおよびNeumannの非斉次境界項をもつ初期値境界値問題に対し, 斉次Besov空間上で時間について端点である最大$L^1$正則性を導く. 境界ポテンシャルとLittlewood-Paley 2進分解の概直交性が証明の鍵となる. 本研究は小川卓克氏(東北大学)との共同研究に基づく.

2019年 12月 5日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
高橋 悠樹 氏 (東北大学 材料科学高等研究所)
題目
Sums and products of Cantor sets and two-dimensional quasicrystal models
要旨
The spectrum of the tridiagonal square Fibonacci Hamiltonians, which is a two-dimensional quasicrystal model, is given by sums of two Cantor sets. We show the existence of an open set of parameters which yield mixed interval-Cantor spectra (joint work with J. Fillman and Y. Yessen). On the other hand, the spectrum of the Labyrinth model, which is another two-dimensional quasicrystal model, is given by products of two Cantor sets. We give the optimal estimates in terms of thickness that guarantee that products of two Cantor sets is an interval, and apply this result to show that the spectrum of the Labyrinth model is an interval for sufficiently small coupling constants.

「集中講義」
2019年 11月 26日(火),27日(水),28日(木),29日(金)

会場
東北大学大学院理学研究科 川井ホール
講師
久藤 衡介 氏(早稲田大学)
講義題目
非線形楕円型偏微分方程式に対する解析入門
プログラム
詳細はこちらをご参照下さい.

「集中講義」
2019年 11月 19日(火),20日(水),21日(木),22日(金)

会場
東北大学大学院理学研究科 川井ホール
講師
西畑 伸也 氏(東京工業大学)
講義題目
数理物理に現れる保存則系の数学解析
プログラム
詳細はこちらをご参照下さい.

2019年 11月 14日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
Philip Schrader 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目
Morse Theory for Elastica
要旨
I will introduce the classical Euler-Bernoulli elastica problem and its generalisation to Riemannian manifolds. It is possible to prove that the resulting variational problem satisfies the Palais-Smale (PS) condition, despite the difficulties that come from the constraints and reparametrization symmetry. The PS condition ensures a well-behaved gradient flow and makes available the minimax and Morse theoretic methods of counting critical points.

2019年11月7日 (木)

お休み

「東北大学OS特別セミナー」
2019年 11月 1日 (金) 16:00--18:00

会場
東北大学 数学棟305室
発表者
喜多 航佑 氏(早稲田大学大学院先進理工学研究科)
題目
On some parabolic equations with nonlinear boundary conditions of radiation type
要旨
本発表では,境界において非線形放射を課す場合に相当する非線形境界条件を伴う拡散方程式について考える.先ず,研究の物理的背景やモチベーションについて解説した後,問題の数学的な取り扱いとして劣微分作用素に支配される発展方程式の抽象論を用いた議論を紹介する.発表の後半では,非線形境界条件下での非線形熱方程式の解析に有効な道具である比較定理に関して得られた結果及び応用例を紹介する.また,時間大域解の漸近挙動について最近研究していることについて説明する.なお,本発表の後半は大谷光春教授(早稲田大学)との共同研究に基づく.

2019年 10月 31日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
菊池 弘明 氏 (津田塾大学)
題目
Non-uniqueness for an energy-critical heat equation on $R^2$
要旨
空間2次元で指数型非線形項をもつ非線形熱方程式を考える。 ここでは、この方程式における初期値問題の非一意性について話したい。 具体的には、原点で発散するような特異定常解$u_{S}$ を構成し、次にその特異定常解を初期値とする正則解$u_{R}$を構成する ことで初期値問題の非一意性を示す。 発表では、この特異定常解$u_{S}$と正則解$u_{R}$の構成法について その概略を話したい。 この発表はSlim Ibrahim氏(ビクトリア大)、中西賢次氏(京都大)、 Juncheng Wei氏(ブリティッシュコロンビア大)との共同研究に基づく。

2019年 10月 24日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
Bobo Hua 氏 (復旦大学)
題目
Harmonic functions on graphs
要旨
We survey some results about discrete harmonic functions on graphs, including Liouville type theorems, dimensional estimates of the space of polynomial growth harmonic functions, etc. Moreover, we discuss some generalizations to ancient solutions of heat equations.

2019年 10月 17日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
猪奥 倫左 氏 (東北大学 大学院理学研究科)
題目
Solvability of a semilinear heat equation via a quasi scale invariance
要旨
一般の非線形項を持つ半線型熱方程式の可解性について考察する. べき乗非線形項の場合には,方程式が持つスケール不変構造を用いた可解性の分類(いわゆる藤田-加藤の原理)がWeisslerによって為されている. 本発表では一般の増大度を持つ非線形項に対して凝スケール不変性を導入し, そこから定まる可積分条件から局所解の存在・非存在が分類できることを示す. また,初期値に凝スケール不変な積分量の小ささを仮定すると解は時間大域的に存在することについても述べる. 本発表は藤嶋陽平氏(静岡大学)との共同研究に基づく.

2019年 10月 10日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
谷口 晃一 氏 (名古屋大学大学院多元数理科学研究科)
題目
外部領域におけるSchrödinger方程式のStrichartz評価式
要旨
Strichartz評価式は, 1970年代Stricharzによって導入された時空間評価式で, 線形あるいは非線形Schrödinger方程式の解の構成や散乱問題の研究で重要な役割を果たしている. 本発表では, 外部領域におけるSchrödinger方程式のStrichartz評価式について得られた結果を述べる. 障害物は境界が滑らかで非補足的な集合とし, 境界条件としてDirichlet境界条件あるいはNeumann境界条件を扱う. 本発表はVladimir Georgiev氏 (ピサ大学) との共同研究に基づく.

2019年 10月 3日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
中村 謙太 氏 (東北大学 大学院理学研究科)
題目
$p$-Sobolev flowの正則性評価と大域存在
要旨
ユークリッド空間内の有界領域における,主要部が $p$-Laplacian である二重非線形放物型方程式を $p$-Sobolev flowと呼ぶ. 特に $p = 2$ の場合,ユークリッド 空間内の有界領域上の山辺流を含む.山辺流は R. Hamilton によって山辺の問題の一連の研究で導入されたものである. この発表では,$p$-Sobolev flowに対する正値性の伝播,Hölder評価等の様々な正則性評価と,大域存在について述べる. 時間があればLocal $L^\infty$ 評価についても触れる予定である. なお,本発表は三沢正史教授(熊本大),Tuomo Kuusi 教授(Helsinki 大) との共同研究に基づく.

「集中講義」
2019年 9月 9日(月),10日(火),11日(水),12日(木),13(金)

会場
東北大学 情報科学研究科棟6F 小講義室
講師
伊藤 弘道 氏(東京理科大学)
講義題目
システム情報数理学特選
プログラム
詳細はシラバス (情報基礎科学専攻 --> システム情報数理学特選) をご参照下さい.

2019年 7月 25日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
竹内 慎吾 氏 (芝浦工業大学)
題目
$L^q$-Lyapunov inequality for the one-dimensional $p$-Laplacian
要旨
Lyapunov 不等式は Hill 方程式が非自明解をもつためにポテンシャルが満たすべき不等式で、その $L^1$ ノルムに正の下限を与えるものである。Lyapunov 不等式には様々な方向への一般化が考えられている。例えば Elbert (1979) は $p$-Laplacian を伴う Hill 型方程式に対する Lyapunov 不等式を、また Egorov-Kondratiev (1996) と Canada-Montero-Villegas (2005) はポテンシャルの $L^q$ ノルム に下限を与える $L^q$-Lyapunov 不等式を得ている。この発表では、これらを統合した $p$-Laplacian の Hill 型方程式に対する $L^q$-Lyapunov 不等式を導く。その下限(と最小化関数)は1次元 Sobolev 不等式の最良定数とも関連が深く、$p$-Laplacian の固有関数(一般化三角関数)を用いて明示される。

2019年 7月 18日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
加藤 淳 氏 (名古屋大学多元数理研究科)
題目
On the asymptotics for the Cauchy problem on the wave-Schrödinger type system
要旨
波動方程式と Schrödinger 方程式の連立系の初期値問題の時間大域解の漸近挙動について考察する. 空間3次元の Zakharov 方程式に関しては, 小さな初期値に対し, 漸近自由であることが Hani-Pusateri-Shatah (2013), Guo-Lee-Nakanishi-Wang (2014) により示されている.この発表では, 相互作用が湯川型など, 漸近自由とは限らない場合に, 解の漸近形がどのように 定まるかを中心にお話しする.

「東北大学OS特別セミナー」
2019年 7月 12日 (金) 16:30--

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
橋詰 雅斗 氏(愛媛大学大学院理工学研究科)
題目
Trudinger-Moser型不等式に関する変分問題について
要旨
Sobolev不等式における最良定数は達成されないことが知られているが、適当な摂動項を加えることによって、その不等式の最良定数は達成されるようになることが知られている。この事実を基づき、本発表ではTrudinger-Moser不等式において摂動項を付けた問題を考える。Trudinger-Moser不等式は2次元型Sobolev不等式とみられることが多いが、最良定数の達成可能性についてはSobolev不等式とは異なり達成されることが知られている。このため、Sobolev不等式の場合とは逆に、どのような摂動項を加えると達成されなくなるか、という問題を考える。加えて、この問題に関する摂動項のより一般的な条件についても考察する。

2019年 7月 11日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
Junyong Eom 氏 (東北大学 大学院理学研究科)
題目
非線形放物系に対するODE型の解の漸近展開
要旨
本発表では, ODE型の時間大域解を持つような弱連立非線形放物系を考え,解のより詳細な時間大域挙動を調べる. 解の各成分ごとに展開した方程式系に於いて、その摂動項の一部を等しくさせるような特別な変換公式によりODE型解の高次漸近展開が可能になる. それによって変換された方程式系は良い構造を持ち,スカラ方程式で知られている様々な結果が適用できるようになる. 結果的に解の高次漸近展開がある熱方程式の解で記述できることが分かる.本発表は石毛和弘先生(東京大学)との共同研究に基づく.

2019年 7月 4日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
高棹 圭介 氏 (京都大学)
題目
外力項付き平均曲率流方程式に対するフェイズフィールド法
要旨
本発表では、外力項付き平均曲率流方程式の弱解について考える。外力項がない場合には、1993年にIlmanenがフェイズフィールド法によりBrakkeの平均曲率流の存在を示している。Ilmanenの方法では、最大値原理により解のディリクレエネルギーがポテンシャルエネルギーによって評価されることと、それにより単調性公式と呼ばれる評価が成り立つことが証明の鍵となっている。一方で、外力項付きAllen-Cahn方程式に対してIlmanenの方法を適用しようとした場合、そのままでは最大値原理が成り立たない。本発表では、外力項付きAllen-Cahn方程式に修正を加えることにより、単調性公式と、適切なソボレフクラスに属する外力項付き平均曲率流方程式の弱解の存在が得られたことを報告する。

「東北大学OS特別セミナー」
2019年 6月 28日 (金) 16:00--

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
浜野 大 氏(埼玉大学 大学院理工学研究科)
題目
Behaviors of the solution to nonlinear Schrödinger system in 5d
要旨
本発表では空間5次元で2次の非線形項をもつシュレディンガー方程式系を扱う. 本発表の前半ではシュレディンガー方程式の保存則などの基本的な性質をまとめる. また, シュレディンガー方程式を取り扱うための基本となる道具を準備し, それらを用いてエネルギー空間 (1階微分に対するソボレフ空間) での局所適切性 (Hayashi--Ozawa--Tanaka '13) を証明する. 後半では解の時間挙動について考える. 初期値が十分小さい場合, 非線形項の集中効果が薄まり散乱し (線形解に近づき) やすくなるため議論は比較的容易である. しかしながらそうでない場合, 線形部分の分散効果と非線形効果の兼ね合いで解の時間挙動が決定されるため複雑である. 本発表では基底状態解の作用よりも小さい作用をもつ初期値に対する解の挙動を決定づける. 具体的には散乱解と爆発解に分類され, それぞれの挙動を導く初期値の条件を与える.

2019年 6月 27日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
大沼 正樹 氏 (徳島大学)
題目
平均曲率方程式の半連続粘性解に対する強比較原理
要旨
本発表では, 平均曲率方程式の半連続粘性解に対しての強比較原理が成立する結果についてお話したい. 楕円型方程式についての解の強最大値原理は良く知られている解析学の結果の一つである. 20世紀末には粘性解を用いてBardi-Da Lioによって様々な楕円型方程式(退化楕円型方程式も含む)で強最大値原理が成立することが示された. ここで強最大値原理とは解(劣解)とその最大値を対象として考察し, 方程式を考察している領域の内点で最大値を実現するときは領域全体で解(劣解)が定数(最大値)となることである. 本発表で考察する強比較原理は強最大値原理を拡張したものであり, 劣解と優解を対象として考察し, 方程式を考察している領域全体で劣解は優解以下となっており, これらが領域の内点で一致するならば, 方程式を考察している領域全体で劣解と優解が一致することである. 強比較原理の研究結果はあまりないものの, 一様楕円型方程式に対してはその成立が示されている. しかし, 本発表で考察する平均曲率方程式は一様楕円型ではない. 平均曲率が局所リプシッツ連続であるときに強比較原理が成立することをお話したい. なお, 本発表は坂口茂教授(東北大学)との共同研究の結果に基づく.

「集中講義」
2019年 6月 18日(火),19日(水),20日(木),21日(金)

会場
東北大学大学院理学研究科 川井ホール
講師
高橋 太 氏(大阪市立大学)
講義題目
関数不等式に関連する数学解析
プログラム
詳細はこちらをご参照下さい.

研究集会「Workshop on Nonlinear parabolic PDEs and related fields - in honor of the 60th birthday of Marek Fila and Peter Poláčik -」
2019年 6月 13日 (木), 14日 (金)

会場
東京大学大学院数理科学研究科 大講義室
プログラム
詳細はこちらをご参照下さい.

2019年6月13日 (木)

お休み

2019 年 6月 6日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
加藤 正和 氏 (室蘭工業大学)
題目
スケール不変な消散項を持つ半線型波動方程式の爆発解のライフスパンについて
要旨
本発表では, 時間変数に依存する消散項を持つ半線型波動方程式の爆発解のライフスパンについて考察する。 消散項が1次のオーダーで時間減衰しスケール不変の場合の臨界指数は, 係数が大きい時は藤田指数, 小さい場合はStrauss指数になる事が知られている。 リュービル変換によって方程式の線形部が波動方程式に変換できる特別な係数の場合に, 爆発解の最適なライフスパンを導出し, ライフスパンの熱的・波動的なふるまいを考察する。 本発表は高村博之氏(東北大学), 若狭恭平氏(釧路高専)及び櫻庭みく氏(札幌北斗高校)との共同研究に基づくものである。

2019 年 5月 30日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
笠井 博則 氏 (福島大学 共生システム理工学類)
題目
グラフ・ネットワーク上の微分作用素の固有値問題
要旨
本発表で「グラフ・ネットワーク」とは端点からの長さが定義された辺と 辺の接続点・端点からなる 集合とする。まず,電気回路や神経系、 通信ネットワークなどのモデルとして考えられる「グラフ・ネットワーク」上で, 線形微分作用素(ラプラシアン)を離散化を用いて定式化する。 その上で,「グラフ・ネットワーク」上で定義した線形微分作用素(ラプラシアン)に対し, 離散化した行列表現を通して,固有値・固有関数の一般的な導出法を紹介する。 さらに,いくつかの具体的な「グラフ・ネットワーク」に対して,固有値・固有関数の 具体的な表示を紹介する。

2019 年 5月 23日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
三宅 庸仁 氏 (東北大学 大学院理学研究科)
題目
Blow up for a fourth order parabolic equation with gradient nonlinearity
要旨
本発表では, $p$-Laplacian 型の非線形項を持つ四階放物型方程式の初期値問題に対する有限時間爆発解の漸近解析に関して得られた研究 成果を述べる. 本研究で取り扱う方程式は形式的には下に非有界なエネルギーに対する $L^2$-勾配流となっているため, 最大存在時間が有界である解の存 在が期待される. また, 非線形項の形状から解 $u$ の勾配 $\nabla u$ が主体となって有限時間爆発が起こることが考えられる. 本発表で は, 以上の考察をもとに有限時間爆発解の存在と爆発時刻付近における $\nabla u$ の挙動を解析して得られた成果を述べる. また, 同時 刻における解 $u$ 自身の挙動に関して現在までに得られた成果を述べる. なお, 本発表は石毛和弘氏 (東京大学) と岡部真也氏 (東北大学 ) との共同研究に基づく.

2019 年 5月 16日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
田中 敏 氏 (岡山理科大学理学部応用数学科)
題目
1次元 Hénon 方程式の正値対称解のモース指数と対称性破壊分岐
要旨
Hénon 方程式は, そのポテンシャルの指数が大きいとき, 正値非対称解をもつ. その非対称解は対称解から分岐して現れると自然に予想される. 実際, 3次元以上の場合は, Amadori-Gladiali (2014) によって, そのことが示されている. 一方, 低次元の場合は, 多次元の問題に比べると対称性が低いこともあって, そのような分岐現象は発見されていなかった. 本発表では, 1次元 Hénon 方程式の2点境界値問題を考え, その正値対称解のモース指数を調べる1つの方法を紹介する. その結果, 方程式にあるポテンシャルの指数を増やしていくと, 正値対称解のモース指数が1から2に変化する瞬間が見つかる. それにより, 正値対称解から正値非対称解が分岐することが導かれる. 本発表は Inbo Sim 氏(韓国、ウルサン大学)との共同研究に基づくものである.

「東北大学OS特別セミナー」
2019 年 5月 15日 (水) 16:00 開始

会場
東北大学 数学棟209室
発表者
渡邊 圭市 氏(早稲田大学大学院基幹理工学研究科)
題目
相転移を伴う圧縮性・非圧縮性粘性二相流の自由境界問題
要旨
相転移および表面張力を伴う,圧縮性・非圧縮性粘性二相流体の自由境界問題を考察する.特に圧縮性粘性流体が Navier-Stokes-Korteweg 方程式,非圧縮性粘性流体が Navier-Stokes方程式によって記述される数理モデルを考える.本発表では,この数理モデルは従来の Navier-Stokes-Fourier方程式系の拡張でありながらも熱力学第2法則をはじめとする物理法則に矛盾しないことを説明する.また,時間局所解の一意存在についても説明する.

2019 年 5月 9日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
岡部 考宏 氏 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
題目
Asymptotic expansions of the 2D Navier-Stokes flow in the Hardy space
要旨
2次元全空間上でのナビエ・ストークス方程式の解に対する長時間挙動を考察する。これまでの研究では、解の非線形項のもつ本質的 な時間減衰を導く為に、初期値の一次モーメントが有限という条件が課されていた。このことは、Fujigaki-Miyakawa(2001)によって導出された漸近展開に置ける主要項の表現からも自然である。 本発表では、初期値に一次モーメントの条件を要求することなく$L^1$程度の空間減衰により、既存の研究で得られていた非線形項の本質的な減衰を導くとともに、漸近展開により主要項を決定する。

2019 年 4月 25日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
千葉 逸人 氏 (東北大学 材料科学高等研究所)
題目
ネットワーク上の蔵本モデルの同期現象
要旨
蔵本モデルは同期現象を記述する大自由度力学系であり、 神経細胞の同時発火や発電網の同期など、その応用は広い。 発表では一般のグラフ上で定義された蔵本モデルについて、 非同期解から同期解への分岐を一般化スペクトル理論を用いて 解析する手法を紹介したい。

「東北大学OS特別セミナー」
2019 年 4月 24日 (水) 16:00--

会場
東北大学 数学棟209室
発表者
数川 大輔 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
リーマン多様体の収束によるLaplacianの固有値の収束と熱流の収束
要旨
本発表では, リーマン多様体(または適切な測度距離空間)上のLaplacianの固有値やDirichlet形式, 熱方程式の解が, リーマン多様体を 動かしたときにどのように振る舞うかという研究について紹介する. 空間の収束概念は現在様々なものが知られているが, 本発表では主に Gigli-Mondino-Savaréによって定義されたpmG収束について紹介し, 上記の解析的対象に対する彼らの収束理論について解説する. さらに 発表者の研究対象である次元が無限大に発散する空間列(n次元の球面列など)の収束と固有値の収束に関する話題を最後に紹介する.

2019 年 4月 18日 (木) 16:30 開始

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
藤原 和将 氏 (東北大学 大学院理学研究科)
題目
On self-similar solutions to the derivative nonlinear Schrödinger equation
要旨
微分を伴う三次の非線型項を有するSchrödinger方程式の初期値問題を考える. 同問題の自己相似解を対応する積分方程式の解として考察する場合, 対応する線型問題の解の減衰は自己相似解の構成や漸近挙動を調べる上で不充分である. 本発表では, 同問題に対する自己相似解を構成する為の 修正エネルギー評価と漸近挙動を解析する手法を紹介する. 本発表はVladimir Georgiev氏(Pisa大学)及び小澤徹氏(早稲田大学)との共同研究に基づく.

2019 年 4月 11日 (木) 16:30 開始(変更になりました)

会場
東北大学 理学研究科合同A棟8階801室
発表者
川上 竜樹 氏 (龍谷大学 理工学部)
題目
Critical exponent for the global existence of solutions to a semilinear heat equation with degenerate coefficients
要旨
退化する係数を有する半線型熱方程式の正値時間大域解の存在について考える. 時間大域可解性を分ける臨界指数, いわゆる藤田指数は基本解の減衰評価に依存することが知られている. ここではある軸上または原点で退化する係数を有する熱方程式の基本解に対する $L^r$空間及びLorenz空間における評価, 及びその評価から導出される藤田指数に関する結果を紹介する. 証明ではGutierrez-Nelson('88)による$A_{1+2/N}$重みを係数とする 退化放物型方程式の基本解評価を用いる. 本発表は藤嶋陽平氏(静岡大学)及びYannick Sire 氏(Johns Hopkins University)との 共同研究に基づく.