2010年度の記録

2011年1月27日 15:00--17:35

講演者及び題目
第一講演
15:00?15:45
講演者:寺田 瑞穂 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:ある非線形楕円型方程式の解の存在について

第二講演
15:55?16:40
講演者:山本 宏子 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目:半線型楕円型方程式Neumann問題の特異摂動解に現れる凝集現象

第三講演
16:50?17:35
講演者:田辺 亮仁 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目:ある半線形楕円型方程式の特異な球対称解の構造

2011年1月20日 15:00--17:35

講演者及び題目
第一講演
15:00?15:45
講演者:吉川 裕志 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:非線形の移流項をもつ消散型波動方程式の解について

第二講演
15:55?16:40
講演者:瓜屋 航太 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目:非線形Schr\"odinger方程式系の解の時間無限大での漸近挙動

第三講演
16:50?17:35
講演者:鈴木 武徳 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目:積分微分方程式における進行波解の安定性

2011年1月13日 16:00--17:40

講演者及び題目
第一講演
16:00?16:45
講演者:鈴木 謙一 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:Sobolev空間における合成関数の微分と質量保存則

第二講演
16:55?17:40
講演者:岡本 正志 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目:非線形複素ギンツバーグ・ランダウ方程式の初期値問題およびナッシュの不等式について

2010年12月16日 16:00--17:30

講演者
木下 保 氏 (筑波大学大学院数理物質科学研究科・数学専攻)
題目
On the new family of wavelet interpolating to the Shannon wavelet
要旨
バトルールマリエウェーブレットの族はその次数を上げると、シャノンウェーブレットへ近づくことが知られている.本講演では、また別の正規直交なウェーブレットの族として、L_pノルムの位相でシャノンウェーブレットへ近づくようなウェーブレットの族を構成し、その正則性および減衰度等を報告する.また、ここで得られたウェーブレットの族に対して適切な分類を与え、さらにその中で最適な時間周波数窓をもつものを紹介する.

2010年12月9日 13:30--15:00

講演者
野々村 真規子 氏(千葉大学大学院理学研究科)
題目
多細胞系の数理モデル
要旨
生物がどのように複雑な形を形成し高次の機能を発現しているのか.その疑問にアプローチするために、様々な細胞モデルが考案され、研究が行われてきた.今回紹介する多細胞モデルは、Allen-Cahnモデルをもとにして、細胞の排除体積と細胞間の接着の効果を入れたものである.多数の細胞の系の計算にも適した形をしている.講演では、モデルの説明、そのモデルを使って細胞分裂を計算する方法、応用例などを中心にお話する.

2010年12月2日 16:00--17:30

講演者
高田 了 氏(東北大学大学院理学研究科数学専攻)
題目
On the analyticity of the solution to the Euler equations with non-decaying initial velocity
要旨
本講演では,非圧縮性 Euler 方程式の解の解析性について考察する.初期速度場が空間無限遠方で減衰しない場合を取り扱い,初期速度場が解析的ならば解も解析的となることを示す.特に,Taylor 級数の収束半径に対する評価式について詳しく述べる.尚,本講演の内容は澤田宙広氏(Darmstadt工科大学)との共同研究に基づくものである.

2010年11月18日 15:30--17:45

講演者及び題目
第一講演
15:30?16:30
講演者:Michael Ruzhansky 氏 (Imperial College London, UK)
題目:Global Sobolev properties of Fourier integral operators

第二講演
16:45?17:45
講演者:Marek Fila 氏 (Comenius University, Slovakia)
題目:Homoclinic and heteroclinic orbits for a semilinear parabolic equation

2010年11月11日 16:00--17:30

講演者
貝塚 公一 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
Resolvent estimates on symmetric spaces of noncompact type
要旨
本講演では、非コンパクト型対称空間上の楕円型Fourierマルチプライアーに対する一様レゾルべント評価、及びそれらに付随する分散型方程式の解に対する時間大域的平滑化評価について考察する.具体例は、実双曲空間上の自由Schr\"odinger発展方程式である. Euclid空間の場合にはマルチプライアーの階数の上限として空間次元が現れるが、対称空間の場合にはpseudo-dimensionという量が現れることについて詳しく述べる.

2010年11月4日 16:00--17:30

講演者
和田出 秀光 氏(大阪市立大学数学研究所 専任研究所員)
題目
The existence of positive solutions to the semilinear elliptic equation involving the Sobolev-Hardy critical terms
要旨
In this talk, we consider the existence of positive solutions to the semilinear elliptic equation involving Sobolev-Hardy critical terms. In particular, we investigate the equation having two different kinds of non-compact terms, that is, the Sobolev critical term and the Sobolev-Hardy critical term. Of course, the corresponding energy functional can not satisfy the Palais-Smale condition in general. However, we will show that there exists a threshold number such that if the min-max value can be taken strictly smaller than it, the min-max value becomes a critical value with a suitable bounded domain. More precisely, it turns out that the threshold number can be characterized by a least-energy positive solution on a half space.

2010年10月7日 16:00--17:30

講演者
鈴木 政尋 氏(早稲田大学 重点領域研究機構 非線形偏微分方程式研究所)
題目
プラズマ物理に現れるEuler-Poisson方程式の定常解について
要旨
プラズマが接触する固定壁付近に形成される境界層(シース)の数学解析を行う.プラズマ物理ではEuler-Poisson方程式を用いた形式的な議論により,シースが形成されるための条件としてBohm条件が提案されている.本講演では,シースをEuler-Poisson方程式の単調な定常解と定義して,Bohm条件を数学的に検証する.具体的には,Bohm条件は定常解が存在して且つ時間的に漸近安定であるための十分条件を与えることを示す.

2010年7月22日 16:00--17:30

講演者
石渡 通徳 氏(福島大学理工学群共生システム理工学類)
題目
On variational problems associated with Trudinger-Moser type inequalities in $\R^N$
要旨
本講演では、Sobolev 不等式の臨界版である Trudinger-Moser 型不等式に付随する最大化問題の可解性を考察する.不等式は、増大度を示すパラメータを含む.滑らかな有界領域上では、パラメータが臨界の場合も含めて最大化関数が常に存在することがFlucker によって示されている.本講演では非有界領域では有界領域と異なる状況が出現すること、特にパラメータが小さいときには最大化元が存在しないことを報告する.

2010年7月15日 16:00--17:30

講演者
筒井 容平 氏(大阪大学)
題目
Herz空間上の Navier-Stokes方程式について
要旨
実空間の Littlewood-Paley分解を用いて定義される Herz空間、または、その弱型の空間 weak Herz空間を用いて Navier-Stokes方程式の well-posedness を考える.これらは、power weight, |x|^\alpha, 付きのL^p空間、または、weak L^p空間の一般化である.

2010年7月1日 16:00--17:30

講演者
赤木 剛朗 氏(芝浦工業大学システム工学部)
題目
fast diffusion 方程式の解の漸近形の安定性/不安定性について
要旨
fast diffusion 方程式の解は有限時間で消滅することが知られており, 空間 1 次元の場合に, 正値解の漸近形の安定性が証明されている. 本講演では符号変化する解の漸近形を扱い, 最終的には空間 1 次元の場合に漸近形の安定性/不安定性を明らかにする. 符号変化する解の漸近形の安定性/不安定性を調べるためには, 正値解の場合と異なり, 解の消滅時刻が生成する汎関数の等値面上で方程式が生成する力学系の解析が必要となる. 本講演は, 梶木屋 龍治 氏 (佐賀大学) との共同研究に基づく.

2010年6月24日 16:00--17:30

講演者
関 行宏 氏(東京工業大学理工学研究科 / 東京大学数理科学研究科)
題目
Non-self-similar behavior for a semilinear heat equation with strong absorption
要旨
強い吸収項を持つ半線形熱方程式の解は正の初期値から出発しても有限時間のうちにゼロ点を形成させることがある.そのゼロ点全体の集合を dead-core と呼ぶが、dead-core が形成される瞬間の速さ(dead-core rate)は、ある条件下においては自己相似解のそれにはなりえないことが知られている.これはその時刻における解の挙動が自己相似的でないことを示唆している. 本講演では dead-core rate が具体的に求まる特殊解の構成法を示す.その構成には、ある種の線形化作用素の解析と接合漸近展開法、解のアプリオリ評価が鍵となる.講演では、特に低次元での作用素論的な取り扱いについて詳しく述べる.

2010年6月17日 16:00--17:30

講演者
岩渕 司 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
斉次 Besov 空間における Keller-Segal 方程式の時間大域解について
要旨
本講演では, 放物-楕円型の Keller-Segel 方程式の初期値問題における時間大域解を考察する. スケール不変性が成立する場合を取り扱い, 斉次 Besov 空間の枠組みにおいて小さい初期値に対する時間大域解について考える. 特に, 斉次 Besov 空間の微分指数が負である場合を考えて, 初期値問題の解の適切性と非適切性について述べる.

2010年5月13日 16:00--17:30

講演者
中嶋 文雄 氏(岩手大学教育学部数学科)
題目
地球磁場の逆転の数学モデル
要旨
地球磁場は約百万年の間に数回、その北極と南極を反転させて来た.この磁場の発生と反転の仕組みを数理的に解明しようとして 1950年代、力武常次博士は4次元の非線形常微分方程式系を考案して以来、この方程式系は力武モデルとして世界的に研究対象になって来た.しかしこの方程式は解くことできず計算機のsimulationによるばかりであった.またこの方程式は地球内部の電磁流体の回転は定数の駆動力によると仮定しているため流体の回転の向きに関し数学的な対象性に欠けるという不自然さを有している.そこで本講演ではこの定数の駆動力を負性抵抗で置き換えて回転に対する対象性を得ると同時に磁場の反転を数学的に証明する.

2010年4月22日 16:00--17:30

講演者
服部 裕司 氏 (東北大学流体科学研究所)
題目
非圧縮性流体中の渦構造のパラメタ共鳴不安定性
要旨
3次元非圧縮性Euler方程式の定常解である渦構造は、ひずみ流や曲がりなどの効果によるパラメタ共鳴型の不安定性をもつ.本講演では渦輪やらせん渦などの具体例を通して、われわれが発見した曲率不安定性を中心に、不安定性発現のメカニズムについて述べる.ノーマルモード解析と短波長安定性解析の関係、弱非線形性解析と数値解析の結果についても紹介する.

2010年4月15日 16:00--17:30

講演者
水野 将司 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目
外力項付きの porous medium 方程式の解に対するヘルダー評価とその応用
要旨
外力項付きの porous medium 方程式の弱解に対するヘルダー連続性を考察する. 外力項のない方程式に対しては様々な研究がある一方で, ・O力項付きの方程式の解と外力項の関係はあまり研究されていなかったと思われる. 本講演では, 過去に考察されていた条件より弱い条件において, 弱解に対するヘルダー評価を与える. さらに退化 Keller-Segel 系の減衰する大域解の漸近挙動に関する応用を述べる.