2012年度の記録

2013年1月10日 ー修士論文発表1ー 15:40--16:30

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

講演者
小林 加奈子 (東北大学大学院理学研究科)
題目
吸収項付き熱方程式の解の高次漸近展開

2013年1月17日 ー修士論文発表2ー 14:45--

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

第一講演者 14:45--15:35
佐々木 将太 (東北大学大学院理学研究科)
題目
ある半線形熱方程式の大域解の非存在


第二講演者 15:45--16:35
打矢 景 (東北大学大学院理学研究科)
題目
空間遠方で減衰しない初期値に対する修正 Korteweg-de Vries 方程式の適切性


2013年1月21日 ー修士論文発表3ー 13:00--

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階203室

第一講演者 13:00--13:50
藤田 翔 (東北大学大学院理学研究科)
題・レ
弱 Besov 空間における非一様 Euler 方程式の局所解の存在


第二講演者 14:00--14:50
中嶋 知也 (東北大学大学院理学研究科)
題目
非一様 Navier-Stokes 方程式の時間局所解について


第三講演者 15:10--16:00
西本 健太郎 (東北大学大学院理学研究科)
題目
多重連結領域における非一様 Navier-Stokes 方程式の定常問題の可解性

2013年1月24日 ー修士論文発表4ー 14:45--

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

第一講演者 14:45--15:35
阿子島 慎平 (東北大学大学院理学研究科)
題目
ある非線形楕円型方程式の安定解について


第二講演者 15:45--16:35
伊藤 心 (東北大学大学院理学研究科)
題目
ある高階非線形分散型方程式に対する孤立波の軌道安定性


第三講演者 16:50--17:40
高橋 沢弥 (東北大学大学院理学研究科)
題目
貝殻に見られる模様を生成する反応拡散方程式の弱解の構成

2013年1月31日 ー修士論文発表5ー 14:45--

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

第一講演者 14:45--15:35/dt>
久保 英太郎 (東北大学大学院理学研究科)
題目
実補間空間における指数可積分型不等式


第二講演者 15:45--16:35
君島 敦史 (東北大学大学院理学研究科)
題目
退化 drift-diffusion 方程式の解の爆発と時間大域解の存在


2012年12月20日 16:00--17:30

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

講演者
小野寺 有紹 (東北大学大学院理学研究科)
題目
求積曲面を生成する幾何学流について
要旨
本講演では発展する閉曲面の動きを記述する幾何学流を導入し考察する. 特に, 与えられた初期曲面に対しその幾何学流を用いて構成される閉曲面族のそれぞれは, 求積曲面と呼ばれるポテンシャル論的特徴付けをもつ曲面となることが示される. ここで, 求積曲面とは, 与えられた測度に対し, それと全く等しいニュートンポテンシャルを生成する曲面をさす. 講演では, 幾何学流を導入する背景やその意義, そして幾何学流が実際に一意的に解を有することを示す. また, モーメント問題と呼ばれる逆問題との関連性についても触れたい.

2012年12月 6日 16:00--17:30

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

講演者
久保 隆徹氏(筑波大学 数理物質系)
題目
Stokes 半群の重み付きLp-Lq 評価とそのNavier-Stokes 方程式への応用
要旨
本講演では,外部領域においてNavier-Stokes方程式の解の時間無限大での 重み付き漸近挙動を示すことを考える.重み付き漸近挙動を示す重要な鍵は Stokes半群の非斉次重み付き$L^p-L^q$評価である. これは,全空間での重み付き評価とDan-Kobayashi-Shibataによる局所 エネルギー減衰定理を組み合わせて示すことができる.
本講演では,重みがない場合と比較しながら,その証明のアイディアを 紹介し,Navier-Stokes方程式への応用として時間無限大での重み付き 漸近挙動の結果を述べる.本講演は,佐賀大学の小林孝行教授との 共同研究に基づいている.

2012年11月29日 16:00--17:30

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

講演者
高橋 太氏 (大阪市立大学 理学研究科)
題目
大きな指数を持つ2次元 H\'enon 方程式の最小エネルギー解の最大点について
要旨
本講演では、2次元有界領域における H\'enon 方程式 $-\Delta u =|x|^{2\alpha} u^p$ の Dirichlet 問題を考察する。 最近、この方程式の最小エネルギー解について、 非線形項の指数 $p$ を無限大にした時の漸近挙動が C. Zhao によって研究されているが、 本講演では、最小エネルギー解の Morse 指数の情報を用いることにより、 $p$ が十分大きい場合には、最小エネルギー解の最大点の個数は1であることを示す。

2012年11月22日 16:00--17:30

会場:東北大学 理学研究科合同A棟3階303室

講演者
牛越 惠理佳氏(東北大学 理学研究科)
題目
Hadamard variational formula for the Green function of the Stokes equations
要旨
本講演では、 遅い非圧縮粘性流体の運動を記述した流体力学の基礎方程式であるStokes方程式に対するHadamard変分公式の導出について考察する。 Hadamard変分公式とは、1908年にHadamardによって提唱されたものであり、領域を摂動をさせた時に、領域に依存する関数、 例えばGreen関数や固有関数等が、どのような摂動をするのかを表現したものである。 本講演では、Stokes方程式の速度場と圧力のGreen関数に対するHadamard変分公式の導出方法について得られた結果について述べる。

2012年11月 8日 16:00--17:30

講演者
中西 賢次氏(京都大学理学部)
題目
非線形分散型方程式の大域挙動分類
要旨
非線形分散型方程式は、波動の分散性と非線形相互作用を特徴とする偏微分方程式であり、 それらの競合によって、①散乱②ソリトン③爆発など、様々な時間発展を生みだす事は良く知られている。 しかし偏微分方程式としての研究では、個別の現象について多くの研究がなされる一方、 時間発展の様相が変わりうる設定での結果はほとんど無かった。 講演者は Wilhelm Schlag との共同研究で、空間3次元の3次非線形 Klein-Gordon 方程式の場合に、基底状態より少し上のエネルギーレベルまで全ての解を9個の集合へ分類し、 それぞれの解集合の存在と特徴付けを与えた。 そのうち6個は上記の3タイプを時間遷移するもので、特に散乱と爆発の間の遷移は初期摂動に対し安定である。 この証明の鍵となるのは、次の one-pass 定理である: 「エネルギー制限下で挙動変化するには基底状態の近くを通る必要があるが、どの解も高々1回しか通れない」。 本講演では研究の概要を示した後、one-pass 定理を中心に詳しく解説する。時間があれば、エネルギー臨界冪の非線形波動方程式について最新の結果も紹介したい。(Joachim Krieger, Wilhelm Schlag との共同研究)

2012年11月 1日 16:00--17:30

講演者
石渡 哲哉氏(芝浦工業大学 システム理工学部)
題目
あるベクトル値偏微分方程式に対する構造保存型差分法
要旨
磁性体中の電子スピンや液晶の配向ベクトルなどの動きをモデル化した 方程式(系)では、初期値を球面上から取れ・ホ解ベクトルも球面上に値を 取ることが知られている。本講演では、Landau-Lifshitz方程式を題材に、 このような幾何的特性を維持するような差分スキームを提案する。我々 の提案する差分スキームでは、上記のような特性だけでなく、方程式の もつエネルギー構造も同時に継承することも同時に示される。講演では、 これらの性質や誤差解析の結果と共に、他の一般的な差分スキームによ る計算結果との比較を紹介する。時間があれば、液晶の配向ベクトルの 運動モデルであるEricksen-Leslieモデルに対する結果も紹介する。

2012年10月25日 16:00--17:30

講演者
前田 昌也氏(東北大学 理学研究科)
題目
On the weak interaction between soliton and non-trapping potential
要旨
本講演ではポテンシャルをもつ三次元非線形シュレディンガー方程式(NLS)について考える. ポテンシャルのないNLSは一定速度で動くソリトン解をもつ. 我々はこのような解が速度が十分大きい時にポテンシャルがついたNLSにおいても存在し, 漸近安定であることをしめす.
本研究はS.Cuccagna氏(Trieste大)との共同研究である.

2012年10月18日 応用数学セミナー --院生企画--

講演者
J. Brezina 氏 (九州大学 数理学府)
題目
On the asymptotic behavior of solutions to the compressible Navier-Stokes equation around a time-periodic parallel flow
要旨

2012年10月11日

講演者
田崎 創平氏(東北大学 理学研究科)
題目
Second gradient energy-induced secondary bifurcations of steady states in phase-separating elastic systems
要旨
 合金などの変形する混合物において様々な相分離ダイナミクスが現れる。 特に、パターンの形成と粗大化に関する報告にはあまり一貫性がない。 その要因の最も有力なもののひとつとして、弾性との相互作用が挙げられる。 そこで本講演では、弾性を考慮した Cahn-Hilliard 方程式において、 弾性的相互作用を、定常状態とその安定性の観点から考察する。
 はじめに、標準的なモデルが通常の Cahn-Hilliard 方程式に 帰着されてしまうことを示す。この場合の定常問題については多くの研究が なされている。安定解はある種の空間的単調性をもつことが分かっている他、 空間一次元ではすべての解が陽的に求められていて、特に二次分岐は存在しない。
 次に、歪み勾配エネルギー(変位の第二勾配の寄与)を考慮する。 この場合も、一次分岐については Cahn-Hilliard 方程式と同様である。 しかし、一次分岐枝の上に、混合モード解を放出する二次分岐点が 存在することが示される。この二次分岐によって、様々な空間周期の 安定定常パターンが現れていると推測される。

2012年7月26日

講演者
木本 慎一氏(東北大学大学院理学研究科・M2)
題目
吸収項付き熱方程式に対する極限方程式

2012年7月12日 応用数学・WPI-AIMR Math Unit 共催セミナー

講演者
石渡 通徳氏(福島大学)
題目
On the concentration and the leaking phenomena for solutions of reaction-diffusion equations
要旨
本講演では、多項式型非線形項をもつ反応拡散方程式にみられる、ある特殊な 解の挙動を扱う。反応拡散方程式の解の挙動は多岐にわたるが、原則として、 初期値が「小さい」ときには反応項を無視した線形熱方程式に従い、「大きい」 場合には拡散項を無視した非線形常微分方程式に従うことが知られている。 一方でこれら以外の挙動をとる解も存在することが知られているが、これらは 拡散と反応が同等の効果を及ぼし生成されるため、その挙動の詳細はいまだ 解明されているとは言えない。本講演ではこうした解の典型的な挙動のうち、 「エネルギー構造の非コンパクト作用のもとでの漸近的不変性」により生じる 挙動(「凝集」「逃げ去り」)とその解析の一端を紹介する。

2012年6月21日 16:00--17:30

講演者
長澤 壯之 氏(埼玉大学理学部)
題目
メビウス・エネルギーの特異性除去と変分公式の絶対可積分性
要旨
メビウス・エネルギーは、結び目のエネルギーとして1991年に提唱されたもので、
結び目が自己交叉を起こすと、エネルギーが発散するように定義されている。
すなわち、エネルギー密度に特異性を有する。
自己交叉を起こさなくても見掛け上特異性を有しており、そのため、
エネルギーは密度の主値積分で表される。絶対可積分性が保障されないため、
種々の計算が面倒であった。例えば、変分公式も主値積分による表現になる。
ここでは、自己交叉以外に起因する特異性が除去できる事を示し、それをもとに
第一変分・第二変分公式の絶対可積分性を導く。石関 彩(埼玉大学)との共同研究。

2012年5月24日 16:00--17:30

講演者
梶木屋 龍治 氏(佐賀大学)
題目
Least energy solutions of the generalized H\'{e}non equation in symmetric domains
要旨
H\'{e}non 方程式は, 半線形楕円型方程式の1つである. この方程式のレイリー商を最小にする関数は, 解になる. これを least energy solution という. 領域が, 球の場合にH\'{e}non 方程式のあるパラメーターを大きくすると, least energy solution が球対称でないことが知られている. この講演では, 一般化されたH\'{e}non 方程式を点対称や面対称な領域において考察する. このとき, least energy solution が対称性を持たないことを証明する.

2012年5月17日 16:00--17:30

講演者
加藤 圭一 氏(東京理科大学)
題目
時間に依存する関数を用いた波束変換とそのシュレーディンガー方程式への応用
要旨
時間にも依存する関数をうまくとり,その関数をもとにして波束変換を行うと, シュレーディンガー方程式などの,時間に関し1階,空間に関し2階の偏微分方程式を, 1階の偏微分のみを含む方程式に変換できる.変換後の方程式は,特性曲線の方法を用いて,積分方程式に帰着できる. ポテンシャルを持った時間に依存するシュレーディンガー方程式の場合には, その特性曲線は古典軌道になる.このことを用いて, シュレーディンガー方程式の解の特異性を初期値の情報から決定する.

2012年5月10日 16:00--17:30

講演者
坂口 茂 氏(東北大学 情報科学研究科)
題目
拡散と領域の幾何
要旨
R. Magnanini 氏(フィレンツェ大)との長年の拡散と領域の幾何の関係に 関する共同研究に基づいて, 不変な等・キ面に関する最近の展開や未解決 の問題等の課題を述べる。

2012年4月26日 16:00--17:30

講演者
小川 卓克 氏(東北大学 理学研究科)
題目
Ill-posedness for the nonlinear Schr\"odinger equations in two space dimensions
要旨
非線形 Schr\"odinger 方程式の解の時間局所適切性は, ゲージ不変なエネルギー保存則を持つ問題では $L^2$ が空間次元にかかわらず最良であるが, ゲージ不変性をもたず保存則が成りたたないものでは, 空間次元に依存することが知られている. ここでは空間次元2次元の問題に対して 適切性の限界である Sobolev 空間を考え, 特に強い意味での非適切性を 解の Modulation 空間での漸近展開を用いて構成的に示す. (岩渕司氏との共同研究)

2012年4月19日 16:00--17:30

講演者
生駒 典久 氏(東北大学理学研究科)
題目
ある非線型連立 Schroedinger 方程式系に対する最小化問題の可解性
要旨
Bose-Einstein 凝縮や非線型光学等において現れる非線型連立 Schroedinger 方程式系の最小化問題について考察する. より正確には,質量制限条件を2つ課した集合上におけるエネルギー汎関数の最小性について議論する. この結果より対応する Schroedinger 方程式系の基底状態解が軌道安定であることも紹介する.