セミナーの予定

2025年1月23日 (木) 15:00-18:00 (いつもと開催日時が異なりますのでご注意下さい.)

会場
東北大学 合同A棟8階801室
発表者
佐藤 由菜 氏 (東北大学)
題目
$p$ - Laplacian を含むある退化放物型方程式の粘性解とその極限問題について
要旨
本発表では $p$ - Laplacian を含む, ある退化放物型方程式に対する初期値境界値問題について考察し, $p$ が十分大きい場合に粘性解が一意的に存在すること, およびその粘性解が $p→∞$ としたときに $∞$ - Laplacian を含む退化放物型方程式の粘性解に収束することを示す. 正規化された $p$ - Laplacian を含む特異放物型方程式に対する初期値境界値問題の粘性解の一意存在や $p→∞$ としたときの特異極限問題は Banerjee--Garofalo (2013) によって研究された. 正規化された $p$ - Laplacian は弱い特異性を有するが一様楕円性を保つため, ア・プリオリ評価が準線形放物型方程式の古典論によって保証されるなど, 解析に有利な側面がある. 本研究で扱う退化放物型方程式は古典論の枠組みからは逸脱する問題であり, また発散型にもならないため, 粘性解の理論の援用が重要になる問題と言える.
発表者
鈴木 啓太 氏 (東北大学)
題目
一般化 Hénon 方程式の最小エネルギーの極限について
要旨
一般化 Hénon 方程式の最小エネルギーにおいて, パラメータ $\alpha$ を十分大きくした際のエネルギーについて考察する. 通常の Hénon 方程式においては, $\alpha$ を十分大きくした際, 最小エネルギーは最小エネルギー解 $u$ の境界に近い部分の寄与が大きいことが Byeon--Wang (2006) によって示されている. 本発表では一般化した Hénon 方程式においては重み関数 $g$ の値が大きい領域における解 $u$ の値がエネルギーに大きく寄与することを示す.
発表者
新田 志郎 氏 (東北大学)
題目
劣線形な局所反応項を持つ非線形熱方程式
要旨
本発表では, 劣線形な藤田型方程式の反応項が局所化された問題について考察する. 局所化されていない劣線形な藤田型方程式に関しては Aguirre--Escobedo (1986) によって, 正値解の存在と初期値が恒等的に $0$ でない場合の解の一意性が証明されており, 一意性の証明については劣解を用いることで行われている. 本発表は Aguirre--Escobedo の手法を参考にし, 劣解の構成を紹介したのちにそれを用いることで得られる一意性についての部分的結果を述べる.