専攻長からの挨拶



 数学は自然科学の基礎であるだけでなく、様々な応用があります。本年度は、特に応用に関して、数学専攻で大きな出来事があります。学部生には、直接関係ないかもしれませんが、少し紹介しましょう。

 まず、片平キャンパスの「知のフォーラム」の援助を受けた「非線形偏微分方程式、その未知なる応用に向けて」というプロジェクトがあり、著名な外国人研究者や他分野の研究者も交えたワークショップが4週間に渡って開催されます。昨年度は、幾何学を中心にしたプロジェクトがありましたが、今年度は解析学が中心となり、これから進展が見込まれる分野の専門家による連続講演や金属研究所・流体研究所等の研究者によって、それぞれの分野の数学的アプローチが可能な応用研究を紹介して頂きます。若手の外国人研究者も数名、一月ほど滞在しますので、本専攻の大学院生や研究員にも刺激になるでしょう。

 もう一つは、本年度から「数理科学研究連携センター」が発足し、東北大学内の複数の研究所や研究科と共同して、数学を基軸にした応用研究を展開します。このプロジェクトは、今後の数学研究の方向性に大きな影響を与える可能性を秘めており、世界的にも注目されることでしょう。異分野の研究者との交流によって、東北大学発の新しい研究の誕生に立ち会えるかもしれません。

 これらの新しい試みも、本数学専攻の先人達が築いてきた広く深い数学研究の蓄積があって実現したものです。今、数学研究を取り巻く環境は変わりつつあり、様々な応用を目指してはいますが、個々の研究者の数学への向き合い方が大きく変わるわけではありません。是非、東北大学の数学専攻で、数学の伝統と進展を目の当たりにして、生の数学を楽しんでください。

2017年4月1日

                                       数学専攻長・学科長
                                            小池 茂昭


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