山崎 武【Takeshi YAMAZAKI】准教授

研究分野

数理論理学


最近の関心ごと

 自然数 0, 1, 2, 3, . . . を対象にした形式体系を一階算術といい,自然数と自然数からなる集合の両者を対象にした形式体系を二階算術といいます.二階算術の特徴は,順序や和積演算や数学的帰納法の他に,(定められた言語で)定義しうるどんな自然数の集まりも「集合」としてあつかえることを保証する集合存在公理があることです.
 皆さんが大学で習った数学の多くの部分は二階算術の枠組で展開されることが昔から知られていました.このとき,集合存在公理が重要な役割を果たします.私の研究テーマの一つは非常に制限された形の集合存在公理について調べることです.さらに詳しく言うと,主に次の2つを研究しています.
(1)集合存在公理によって特徴づけられる部分体系を利用して,数学の定理を分類する.(このような研究分野を「逆数学」といいます.)
(2)部分体系のモデルやそれらに対応する自然数の部分集合のクラスについて考察する.
 また関連して,再帰理論的なランダム性の分析,ベール空間やカントール空間上の集合の次数構造の研究,三階算術における逆数学の研究もしています.


学生に望むこと

皆さんに特に望むことは次です.
(1)セミナーなどに積極的にかかわり,勉強や研究を自ら楽しむこと.
(2)扱う数学的対象や理論に対して真摯であること.
また,自主ゼミの相談や現在活動しているセミナーの参観を歓迎します.現在(2008年度)のセミナー(自主ゼミ含む)の話題は, (i)組み合わせ論に関する逆数学と再帰理論,(ii)カントール空間の再帰的閉集合に関する次数構造の研究,(iii)記述集合論,などです.


指導した修士論文の標題

  • 佐藤 隆「二階算術における代数学の展開」(2007)
  • 松家宏幸「線形論理と関数の表現」(2007)

備考

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