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受賞者 
  藤原耕二 助教授  2005年度幾何学賞受賞

>>日本数学会 >>幾何学分科会

 本専攻の藤原耕二助教授が,2005年度の日本数学会「幾何学賞」を受賞されました.岡山大学で開催された2005年度日本数学会総合分科会(9月19-22日)においてこの受賞の発表があり, 授賞式と受賞特別講演は来春の日本数学会年会いおいて行われる予定です. 同賞は,幾何学の分野において顕著な業績をあげ,その発展に著しく貢献した数学者に贈られる賞で,1987年の創設以来これまでに33人が受賞しています.(東北大学からは1997年の板東重稔教授の受賞に続き2人目となります.)

 受賞対象となったのは,藤原助教授が大学院以来一貫して取り組んでこられた「幾何学的群論に関する研究業績」です.1980年代後半に,離散群を幾何学的な研究対象と捉え,幾何学的な手法で離散群に関する代数的な性質を導き出す研究が飛躍的に進展し,「幾何学的群論」とよばれる研究分野が誕生しました.藤原助教授の研究は,この新しい分野の研究の中心をなすもので,弱固有不連続という群作用の条件を定式化し,局所コンパクトとは限らない双曲空間に弱固有不連続に作用する群に対して擬準同型が豊富に存在することを示しました.それにより,これらの群の2次の有界コホモロジー群が,多くの人の予想に反して無限次元となることを証明されました.さらにこの結果の応用として,いまだに未知な側面が多い閉曲面の写像類群について,これらの群は階数の高い格子を含まないという有名な剛性定理の別証明をあたえ,有界コホモロジーの研究と写像類群の研究の双方に大きく寄与されています.

 このような種々の幾何学的アイディアを駆使した藤原助教授の一連の研究は,幾何学的群論の研究において重要なマイルストーンであるとともに,さらに新たな展開を期待させるものとして高く評価され,2005年度日本数学会「幾何学賞」の受賞となりました.

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