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見村万佐人(みむらまさと)

東北大学大学院理学研究科数学専攻 助教


2011年4月1日より2012年4月30日まで、東京大学大学院数理科学研究科の学振特別研究員PD(受入研究者:金井雅彦先生)をしておりました。2011年3月、同大学院の博士課程を修了しました(指導教員:小澤登高先生,現在は京都大学数理解析研究所)。


主に無限離散群論を研究しており、Kazhdanの性質(T)などの剛性(Rigidity phenomena)に興味を持っています。

東京大学大学院数理科学研究科に所属中に、東大幾何グループ、および、作用素環グループ(河東泰之先生のサイト)に所属していました。


2016年8月25日より(進行中:2018年8月24日まで)、日本学術振興会・海外特別研究員として、EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)に(また)長期滞在しております。受け入れ研究者:Nicolas Monod教授。

2012年4月17日より2012年9月11日まで、 ヌーシャテル大学に長期滞在いたしました。(研修:Alain Valette教授)

2010年2月15日より2011年1月11日まで、日本学術振興会・優秀若手研究者海外派遣事業の助成を受け、EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)に長期滞在していました(研究指導委託:Nicolas Monod教授)。

学歴

2002年3月
私立麻布高校卒業
  
2002年4月
東京大学教養学部理科T類入学
    
2004年4月
東京大学理学部数学科入学
    
2006年3月
同上 卒業
    
2006年4月
東京大学大学院数理科学研究科数理科学専攻修士課程入学(指導教官:小澤登高准教授)
  
2008年3月
同上 修了
    
2008年4月
東京大学大学院数理科学研究科数理科学専攻博士課程進学(指導教官:小澤登高准教授)
  
2011年3月
同上 修了
 

職歴

  
2008年4月1日〜2011年3月31日
日本学術振興会特別研究員(DC1) 採用番号20・8313(受入研究者:小澤登高准教授)
    
2011年4月1日〜2012年4月30日
日本学術振興会特別研究員(PD) 採用番号23・247(受入研究者:金井雅彦教授)
  
2012年5月1日〜現在
東北大学大学院理学研究科数学専攻 助教
 

賞罰

博士論文

Rigidity theorems for universal lattices and symplectic universal lattices.(普遍格子と斜交普遍格子の剛性定理)

東京大学大学院数理科学研究科, 2011年3月

要旨

一般の群上の行列群Gに対し, Gの(バナッハ係数の)コホモロジーに関する剛性定理を得た. 群Gの主な例は普遍格子SL_m(Z[x1,...,xk]); ここでmは3以上, および斜交普遍格子Sp_{2m}(Z[x1,...,xk]), ここでmは2以上, やこれらの指数有限の部分群である (kは任意の自然数を表す). 本学位論文で得られた定理は, 十分大きい(具体的にも指定できる. 例えば, mが4以上なら大丈夫である)mに関する次の2結果を含む:

系として, 準同型の剛性(ここでは, Gからターゲットへの群準同型が必ず有限の像をもつことを指している) が以下の群をターゲットとするときにそれぞれ示される: 低い微分可能性のみを仮定した, 円周の自己微分同相群; 曲面の写像類群; そして, 自由群の外部自己同型群. これらの結果は高ランク(代数群の)格子について過去に得られていた剛性定理 (Bader--Furman--Gelander--Monod; Burger--Monod; Farb--Kaimanovich--Masur; Bridson--Wade)の, 一般の環上の行列群の場合への拡張と捉えられる. ここで, 上のGは一般にマルグリスの有限性定理を満たさなく, 従って(半単純)代数群の格子としては一般に実現できないことを特記する.

最後に, ユークリッド整域上の特殊線型群の擬準同型を研究した. 擬準同型は上の(2)で自明な(実数への)表現を考えている場合に対応し, この場合特に安定交換子長という概念と強い関係がある. 本学位論文では特に, ICM 2006 などで提示されたM. AbertとN. Monodの問題を次数が6以上の場合に解決した. これは次のような面白い2性質を同時にもつ群の新しい例を与える: 交換子長が非有界であり; にもかかわらず安定交換子長は恒等的に0である.

より詳しい要旨は, 本リンクにあるPDFファイルをご参照ください.