日本学術振興会 二国間交流事業
平成 26-27 年度 JSPS-CNR (日本-イタリア) 二国間共同研究

『発展方程式に対する新しい変分法の展開とその応用』
日本側研究代表者:赤木 剛朗 (神戸大学システム情報学研究科)
イタリア側研究代表者:Ulisse Stefanelli (IMATI-CNR)

お知らせ

研究の背景と目的

幾何光学、古典力学、熱力学、電磁気学、量子力学をはじめとする物理学の多くが変分原理によって定式化され、その理論的視点が多くの発展をもたらしていることは周知の事実である。それに伴い、汎関数の極値問題を解析するために様々な手法が開発され、変分法は物理学的にも数学的にも非常に強力な解析ツールとして知られている。一方、非平衡系の物理に現れる発展方程式(拡散方程式など)には勾配構造(ある汎関数を最小化する方向に状態が発展していく構造)があることが知られており、変分構造を持つ現象への過渡的過程を記述するものとして理解されている。従って、勾配系自体を変分原理に基づいて定式化し解析する視点はあまりない。本研究計画では、非平衡系の時間発展を記述する勾配構造を持った発展方程式に対する変分原理を模索し、汎関数の解析的・幾何学的な性質を解析することで発展方程式の解の定性的・定量的な性質を明らかにする新しい変分法の開発を目的とする。さらに発展方程式に対する変分的視点を応用することで、既に変分構造が知られ研究されている諸問題に対して新しい視点を与える。
さらに、両国の参加研究者が本研究課題の枠を超えて共通の問題意識を模索し、今後長期間に渡って両国間の研究交流の要となり、より広範囲な研究交流のネットワークを構築していくための土台を作ること目標とする。 また、本研究は非線形解析、数値解析、数理物理など複数の分野に関連するものである。その基本となるアイディアは単純であり、他分野への応用性が高い。そのため、本事業は我が国の非線形解析研究の継承と発展に加え、工学などへの波及効果を通して社会生活の向上に対する貢献が期待される。
今回のプロジェクトでは、平成 24,25 年度に採択された二国間交流事業(イタリアとの共同研究)ではじまった本共同研究の成果を、ますます発展・展開させていく。

来日研究者

セミナーや研究会のお知らせ

セミナーや研究会の記録

謝辞

本共同研究は、独立行政法人日本学術振興会が主催する平成 26-27 年度二国間共同事業(イタリアとの共同研究)のご支援をいただき実施しております。この場をかりて関係者各位に心よりお礼申し上げます。

リンク

連絡先

セミナー・研究会において来日研究者の講演等をご希望される方はご連絡ください。 また、当プロジェクトに関心をお持ちの方からのご連絡も歓迎いたします。


Last modified: Mon Aug 10 11:16:02 JST 2015