学習指導要領は, 公教育に対して全国一律の強制力をもつ. これにより保たれた教育水準がある反面, 指導要領を越えて教えるのは今まで違法 行為だったそうである. これでは先生や生徒 の自主性・創造性は育つまい. そして, 全国にいきわたってしまうというのが一つの 危険性である. たとえば, 今の「ゆとり教育」で育った世代を十分調査せずに, 完全週休2日へ向けて動き出している. どこかおかしくても比べる対象もなく, 結果を十分吟味せずに前に進むだけでは, 何が原因で何が問題であるか分からなくなる. 省庁にありがちな 無秩序な計画や達成願望でなければ良いのだが.
新しく教育課程が編成されたあと, その結果が現れるには小中だけでも計 9 年かかる.
10 年するとなぜか再編成することになっているが,これでは結果評価を反映させたくても無理である.
イデオロギーの時代の残念な遺産として, 定点観測のための「学力テスト」も行われていない.
その中で中教審など各種審議会が進行し, 何かしなくてはならない雰囲気ができる.
これでは全てが対症療法になる.