next up previous
Next: 審議会のありかたとその議論 Up: 小中高校の問題 - 指導要領の周辺 Previous: 小中高校の問題 - 指導要領の周辺

10 年ごとの改訂と全国一律の問題

学習指導要領は, 公教育に対して全国一律の強制力をもつ. これにより保たれた教育水準がある反面, 指導要領を越えて教えるのは今まで違法 行為だったそうである. これでは先生や生徒 の自主性・創造性は育つまい. そして, 全国にいきわたってしまうというのが一つの 危険性である. たとえば, 今の「ゆとり教育」で育った世代を十分調査せずに, 完全週休2日へ向けて動き出している. どこかおかしくても比べる対象もなく, 結果を十分吟味せずに前に進むだけでは, 何が原因で何が問題であるか分からなくなる. 省庁にありがちな 無秩序な計画や達成願望でなければ良いのだが.

新しく教育課程が編成されたあと, その結果が現れるには小中だけでも計 9 年かかる. 10 年するとなぜか再編成することになっているが,これでは結果評価を反映させたくても無理である. イデオロギーの時代の残念な遺産として, 定点観測のための「学力テスト」も行われていない.gif その中で中教審など各種審議会が進行し, 何かしなくてはならない雰囲気ができる. これでは全てが対症療法になる.



Koji HASEGAWA
Mon Jul 17 22:59:59 JST 2000