宮路和明副厚生労働相は15日、帝京大医学部受験をめぐる「口利き」問題の責任を取り、小泉純一郎首相に辞表を提出、政府は同日の持ち回り閣議で辞任を決定した。01年の省庁再編で新設された副大臣で、引責辞任は初めて。小泉首相が、医療制度改革関連法案成立に影響を及ぼすことを懸念し、事実上更迭した。後任について、福田康夫官房長官は同日夕の記者会見で「今のところ置かないでいく方向」と述べ、当面は空席とする方針を明らかにした。
宮路氏は同日昼、坂口力厚生労働相を通じ、首相官邸に辞意を伝え、その後、辞表を提出した。宮路氏は記者団に、「自ら副厚労相就任を望んだが、とどまることが法案成立をはばむことにならないかと思い身を引くことにした」と語った。
後任人事の時期について政府筋は同日夕、国会会期末(今月末)の直前になるとの見通しを示した。医療制度改革関連法案審議が大詰めを迎える中、新任副大臣では答弁が難しい場面が予想される一方、今回の人事と、9月に取りざたされる内閣改造との関連を避ける狙いがあるとみられる。
宮路氏の辞任を受け、与野党は15日午後、同法案を審議している参院厚生労働委員会の理事懇談会を開き、審議再開について協議。野党側は宮路氏と沖永荘一帝京大総長の参考人招致を重ねて要求したが、与党側は「宮路氏は衆院議員で参院への招致はなじまない」などと拒否し、16日に再協議することになった。
[毎日新聞7月15日] ( 2002-07-15-19:10 )