2019年
1月21日(月)13:00--15:50
(!!) 合同A棟801号室
発表練習会
ひとり発表15分+質疑応答5分
講演順:
13:00-13:15
桜田 紘佑『重さ, 深さ, 高さを固定した有限/対称多重ゼータ値の和の双対性』
13:20-13:35
内間木将斗
13:40-13:55
柿木文太朗
14:00-14:15
片桐宥
(休憩)
14:30-14:45
浅田友明『代数体のWitt環の有限決定因子』
14:50-15:05
千葉伊織
15:10-15:25
金井佑真
15:30-15:45
伊東大輝
2019年
1月14日(月・祝)
お休み
2019年
1月7日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
伊東 大輝 氏 (東北大学) [Daiki Ito]
タイトル:p進L関数と非正則素数について
2018年
12月31日(月)
お休み
(冬季休業)
2018年
12月24日(月・祝)
お休み
2018年
12月17日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
浅田 友明 氏 (東北大学) [Tomoaki Asada]
タイトル:代数体のWitt環の有限決定因子
アブストラクト:Witt環とは, 体の二次形式を分類するための環である.本講演では代数体のWitt環が同型であることと, 以下の6つの情報が一致することが同値であることを紹介する.
すなわち, 代数体の次数と実素点の個数,剰余体の標数が2の素点の個数とそれらの局所次数, 代数体と各局所体が-1のべき根を含むかどうか, の6つである.
この結果を用いれば代数体をWitt環が一致という同値関係で完全に分類できる. さらに, 代数体の次数を固定すれば, その同値類の個数は初等的に計算できることも分かる.
講演で話す内容の全ては, J.P. Carpenter, K. Szymiczek, R. Perlis, P.E. Conner, R. Litherlandの結果である.
2018年
12月10日(月)
お休み (函館数論幾何研究集会 2018)
2018年
12月3日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
千葉 伊織 氏 (東北大学) [Iori Chiba]
タイトル:p-Lucas propertyを満たすG-functionsの代数的独立性について
アブストラクト:
Siegelによって定義されたG-functionsの中には、p-Lucas propertyと呼ばれる合同式を満たすものが存在する。B.Adamczewski, Jason P.Bell, E.Delaygueによって、G-functionの一例になっている超幾何級数のある一般化に対してp-Lucas propertyを満たす十分条件や、代数的独立を与える十分条件が与えられている。本発表では、p-Lucas propertyを満たす十分条件を少しだけ緩めることが出来たので、その証明と例を与える。
2018年
11月26日(月)
お休み
(代数的整数論とその周辺、RIMS)
2018年
11月19日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
金井 佑真 氏 (東北大学) [Yuma Kanai]
タイトル:Non-torsion etale sheavesに対するproper base change theorem
アブストラクト:Grothendieckによるproper base change theoremはよく知られている. これはsheafがtorsionな場合を扱っている. これに対してDeningerは, normal射という条件を付け加えることによってnon-torsion sheavesに対するproper base change theoremを証明した. 本講演ではこのnormal射という条件をさらに弱めたgeometrically unibranch射を導入する. 最後に, この射に対してもDeningerの証明のアイデアを用いることによって, non-torsion sheavesに対するproper base change theoremを証明する.
2018年
11月12日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:内間木 将斗 氏 (東北大学) [Masato Uchimagi]
タイトル:
多重ポリ Bernoulli 多項式の間の或る関係式について
アブストラクト:
多重ポリ Bernoulli 数は, 古典的 Bernoulli 数を多重ポリログ函数を用いて拡張したものと定義されるが,
2014 年に Imatomi-Kaneko-Takeda により導入されたものと,
1999 年に Arakawa-Kaneko により導入されたものの 2 種類が存在する.
これらに対する漸化的関係式は, それぞれ Imatomi-Kaneko-Takeda と Hamahata-Masubuchi により示されている.
本発表では, この 2 種類の多重ポリ Bernoulli 数に対して新しい関係式の系列を与える.
この関係式族は共に古典的 Bernoulli 数に対する漸化式の自然な拡張となっており,
また先行研究で得られていたそれぞれの関係式族と同値であることも示される.
2018年
11月5日(月)
お休み
(p-adic cohomology
研究集会、東北大学)
2018年
10月29日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
柿木 文太朗 氏 (東北大学) [Buntaro Kakinoki]
タイトル:A filtration on the higher Chow group of zero cycles on an
abelian variety
アブストラクト:
Aをアーベル多様体とする。Gazaki('15)における、A上のゼロサイクルのなすチャウ群への減少フィルトレーションの導入と同様の手法で、高次の場合に、ゼロサイクルのなす高次チャウ群上に減少フィルトレーションを構成し、対応する結果を記述する。本講演では、チャウ群のフィルトレーションに関して、染川K群との結びつき、およびp進体上でのBrauer-Manin
pairingへの応用を復習した後、高次の場合における同様の結びつき、およびp進体上の曲線に付随するヤコビ多様体の類体論への応用を述べる。
2018年
10月22日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
桜田 紘佑 氏 (東北大学) [Kosuke Sakurada]
タイトル:重さ, 深さ, 高さを固定した有限多重ゼータ値の和の双対性について
アブストラクト:有限多重ゼータ値(FMZV)とは, 通常の多重ゼータ値の類似物で Zagier によって導入されたものである. 有限多重ゼータ値は, 多重ゼータ値と同様に多くの線型関係式を持つ事が知られていて, 多重ゼータ値の満たす関係式族と類似の関係式族を探索し導出することが課題の一つとなっている.
有限多重ゼータ値の満たす関係式の1つに Hoffman による Height-one duality がある. これは Hoffman duality と Reversal relation を用いて導かれる関係式であるが, 金子-大野はここから類推することで, 多重ゼータスター値における高さ1の双対的関係を証明し, さらに高さ一般における双対的関係を予想した. 後にこの予想は Li によって証明された. 他方, FMZV においても金子によって, Height-one duality の高さ一般への拡張が予想されていた. 本講演ではこの予想について解説し証明を与える.
2018年
10月15日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者:
片桐 宥 氏 (東北大学) [Yu Katagiri]
タイトル:
ソレノイドから定まるある力学系のp進エントロピー
アブストラクト:
複素力学系のエントロピーは力学系から定まる量であり、古くから多くの研究が行われてきた。
2009年に Deninger はエントロピーのp進類似であるp進エントロピーを定義し、
有理整数係数Laurent多項式環から定まる力学系について、
複素力学系のエントロピーの結果のp進類似にあたる結果を示した。
次の2つの力学系のp進エントロピーについて、 次のことを示したので、それについて講演する。
・上述の Deninger の結果を利用して、代数体の整数環係数Laurent多項式環から定まる力学系のp進エントロピーを求め、p進Mahler測度で表せることを示す。
・ソレノイドから定まるある力学系について、p進エントロピーが定義できる十分条件を見つけ、その場合におけるp進エントロピーの明示公式を示す。
2018年
10月8日(月・祝)
お休み
夏休み
2018年7月23日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
講演者: 宮﨑 弘安 氏 (Jussieu IMJ-PRG / 理化学研究所 iTHEMS) [Hiroyasu Miyazaki]
タイトル: モジュラス付きモチーフのMayer-Vietoris系列について
アブストラクト:
Voevodskyの(幾何学的有効)モチーフの圏DMは, あるホモトピー圏の商の擬アーベル化として表示できる. 商に現れる関係式はホモトピー不変性とMayer-Vietoris系列である. 近年, Kahn-齋藤-山崎らにより, 非ホモトピー不変な数論的現象を捉えることを目的として, モジュラス付きモチーフの圏MDMが導入され, 活発に研究されている. しかし, MDMの具体的な表示は知られていない. 主な困難は, Mayer-Vietoris系列の適切な対応物が見つかっていないことにある. 本講演では, モジュラス理論について簡単に復習した後, Mayer-Vietoris系列の対応物の存在について述べ, MDMの具体的な表示を与える. (Bruno Kahn氏との共同研究)
2018年7月16日(月・祝)お休み
2018年7月9日(月)お休み--仙台広島整数論集会
2018年7月2日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者: 伊東 邦大 氏 (東北大学大学院理学研究科) [Kunihiro Ito]
- タイトル:
C型multi-indexed poly-Bernoulli数の関係式
-
アブストラクト:
ベルヌーイ数を多重対数関数を用いて拡張した多重ポリベルヌーイ数は、荒川-金子、今冨-金子-武田により導入されてから、明示公式、漸化式、B型とC型の変換公式など数多くの関係式が発見されてきた。B型multi-indexed poly-Bernoulli数は、それら関係式のうちの「双対性」を見通し良くとらえるために、金子-津村により導入されたものである。
本講演では、このmulti-indexed poly-Bernoulli数が、多重ポリベルヌーイ数の持つ性質と類似の性質を有することを解説する。まずC型multi-indexed poly-Bernoulli数を導入し、この数が、多変数荒川-金子ゼータ関数の特殊値に出現することを説明する。また現在までに講演者の得たmulti-indexed poly-Bernoulli数の関係式のうち、漸化式、B型とC型の変換公式を解説する。
2018年6月25日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者: 窪田 隆弘 氏 (東北大学大学院理学研究科) [Takahiro Kubota]
- タイトル:
特別な上指数を持つ Multi-poly-Bernoulli 数の関係式について
- アブストラクト:
Multi-poly-Bernoulli 数 (MPB#) は, 関-Bernoulli 数の一般化として今冨-金子-武田によって定義された (2014). 特に, 上指数が非正の MPB# は, 整数値をとることが知られており, 計算機を用いて容易にその値を求めることができる.
本講演では, 特別な非正の上指数をもつ MPB# に対して, 今冨-金子-武田による明示公式を紹介した後, 講演者が計算機を用いて予想した関係式族とそれに付随する命題について, 具体例を交えつつ説明する.
2018年6月18日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者: 川﨑 菜穂 (東北大学大学院理学研究科) [Naho Kawasaki]
- タイトル:
論文「M. Hirose, K. Iwaki, N. Sato, K. Tasaka, Duality/Sum formulas for iterated integrals
and their application to multiple zeta values, arXiv:1704.06387」の紹介
- アブストラクト:
多重ゼータ値の基本的かつ重要な関係式に, 双対公式と和公式がある.
本論文では, 多重ゼータ値を特殊値にもつhyperlogarithmに対して, これらの関係式の一般化を与えている.
また, 本論文におけるhyperlogarithmに対する和公式の証明は, 従来のものと方法が異なっている.
講演ではこれらについて説明する.
2018年6月11日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者: 堀江 まどか (東北大学大学院理学研究科) [Madoka Horie]
- タイトル:
論文紹介 (On mono-nodal trees and genus one dessins of Pakovich-Zapponi type)
- アブストラクト:
Hiroaki Nakamura, On mono-nodal trees and genus one dessins of Pakovich-Zapponi type, Tokyo J, Math, 39 (2017) 783--795
の紹介をする。
この論文では、有理数体上定義されるX-shaped plane trees (つまり、種数0の特殊な場合のdessins d'enfants) を決定している。
本講演では、計算機を用いた主定理の根幹を支えるPakovich diagramをもとにした、
Pell-Abel方程式の解で与えられるBelyi functionについて解説する。
2018年5月14日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者: 村上 友哉 氏 (東北大学大学院理学研究科) [Yuya Murakami]
- タイトル: モジュラー対応の交点数
- アブストラクト: モジュラー多項式は楕円曲線のj不変量を用いて定義される整数係数2変数対称多項式で、その零点集合はモジュラー曲線のアフィン平面モデルを与える。2つのモジュラー多項式が定める2つの平面代数曲線の交点数を2次形式の類数に関する和で表示する公式がHurwitzにより与えられている。本講演ではj不変量の代わりにレベル構造付き楕円曲線の不変量(種数0のモジュラー曲線の関数体の生成元)を用いて定義される新たなモジュラー多項式を考察し、Hurwitzの公式の一般化となる交点数の公式を紹介する。また、この交点数がSp_2(Z)に関する次数2、重さ2のSiegel Eisenstein seriesのフーリエ係数に関する和で書けることも紹介する。
2018年5月7日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者: 甲斐 亘 (東北大学大学院理学研究科) [Wataru Kai]
- タイトル: 論文紹介「The homotopy coniveau tower」 Marc Levine著
- アブストラクト:
K群に収束し, 通常のコホモロジー群を$E_2$項に持つスペクトル系列の存在が, 位相空間の文脈ではAtiyah-Hirzebruchにより1960年代から知られており, 代数幾何の文脈でも長い間(おもに非特異多様体に対して)予想されていた.
その構成はBloch-LichtenbaumとFriedlander-Suslinにより2002年までになされたが, 技術的に込み入った点が多く, 論点の整理や別構成を試みる論文がいくつか書かれた.
本論文はその一つである.
ここでは, かなり一般的な仮定を満たす反変関手について, 「台の余次元」に基づいたスペクトル系列の構成法を提示し, K理論の場合には$E_2$項がmotivic cohomologyに一致することを証明している.
2018年4月30日(月・祝)お休み
2018年4月23日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者 :西来路 文朗 氏 (広島国際大学 看護学部) [Fumio Sairaiji]
- 講演タイトル : $Zp$上定義された1次元可換形式群の$p^2$等分点の体のガロワ群
- アブストラクト: 本田平氏による可換形式群の分類理論により,
$Z_p$上定義された1次元可換形式群の強同型類は,
付随する特殊元で決まることが知られている.
形式群の$p$を法とする簡約のFrobeniusの$p$乗準同型の
$Z_p$上の定義方程式が特殊元である.
形式群の高さが1の場合,
$p$べき等分点の体は$Q_p$上のアーベル拡大になり,
ノルム群が特殊元を用いて記述できる(Lubin-Tate理論).
高さが2以上の場合, $p$等分点の体はLubin-Tate理論に帰着できる.
そこで, $p^2$等分点の体のガロワ群を調べたい.
このたび講演者は, $p^2$等分点の体と$p$等分点の体のなす
アーベル拡大のノルム群の生成元を求めた.
特殊元の係数がすべて$p^2$で割り切れない形式群については,
$p$べき等分点の体のガロワ群も決定できた.
これらの結果について報告する.
2018年4月16日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者 :関 真一朗 氏(東北大学大学院理学研究科) [Shin-ichiro Seki]
- 講演タイトル : 有限多重ゼータ値に対する双対関係式の一般化と最近の進展について
- アブストラクト: 金子-Zagierによって定義された$\mathcal{A}$-有限多重ゼータ値に対する双対関係式はHoffmanによって証明されているが、Rosenによって導入された$\widehat{\mathcal{A}}$-有限多重ゼータ値に対する一般化や有限多重ポリログの関数等式への拡張が得られている(一部、佐久川憲児氏との共同研究)。これらの(博士論文に収録されている)結果について概観した後、最近になって山本修司氏との共同研究によって明らかになった大野型の一般化とその副産物について紹介する。
2018年4月9日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
- 講演者 :田中 亮吉 氏(東北大学大学院理学研究科) [Ryokichi Tanaka]
- 講演タイトル : ランダムディリクレ級数
- アブストラクト:ランダムな係数を持つ無限級数の分布には, 調和解析, 力学系, ハウスドルフ次元論と関わって長い研究の歴史がある.
特に独立かつ一様な符号を係数とする幾何級数の場合は, Bernoulli convolutionsと呼ばれ, パラメータの数論的性質が, 分布の正則性に影響することがErdosらにより知られており, これは現在も活発に研究されている.
一方で, ランダムな係数を持つディリクレ級数も, 解析関数としての性質が多く調べられてる.
ここではある特定のタイプのランダムディリクレ級数が, 確率論の研究の中で現れてきたので, その分布について考察した結果を報告したい.
講演では, もともとの確率論の問題と動機を, 説明して(特別な背景知識は必要ない), 主結果の証明にも触れたいと考えています.
Ron Peled (Tel Aviv University), Yuval Peres (Microsoft Research), Jim Pitman (UC Berkeley)との共同研究に基づく.
2017:
2017年度世話人: 山内 卓也
2017年4月 24日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 :山内 卓也 氏(東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 数論的交点数とジーゲル級数
アブストラクト:直交型志村多様体の数論的サイクルとジーゲルアイゼンシュタイン級数のフーリエ級数との間には不思議な等式が成立することが
期待されており実際幾つかの場合においてそれが実証されている。
この問題はKudlaによって提出され、その後Kudla, Rapoport, Yang, および関連する研究者等によって推し進められた。本公演では原型となったGross-Keating の
モジュラー曲線の交点数の計算を復習し、そこに現れるある種の帰納的構造がジーゲル級数にも登場する帰納的構造と完全に
一致することを説明し、それを用いたKudlaの問題に対するconceptual reformulation を紹介する。この研究は現在も進行中であり
京都大学のSungmun Cho 氏との共同研究である。
2017年5月 8日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 :大野 泰生 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 多重ゼータ値と2色半順序集合の繋がり
アブストラクト:多重ゼータ値は、リーマンゼータ関数にある種の多変数化を施した関数の収束域での特殊値である。ゴールドバッハやオイラーも扱った、この値の張る空間はある種の対称性を含む調和を携えており興味深い。この多重ゼータ値と2色半順序集合との間には2通りの繋がりが知られている。ひとつは反復積分を経由するものであり、もうひとつは荒川金子型のゼータ関数を経由するものである。本講演では、これらの繋がりをゆるやかに辿りつつ、いくつかの研究対象と成果のさわりの部分を俯瞰したい。
2017年5月 15日(月)お休み
2017年5月 22日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 川 菜穂 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文 M. Kaneko and S. Yamamoto, A new integral-series identity of multiple zeta values and reguralization, arXiv:1605.03117.の紹介
アブストラクト:多重ゼータ値には定義の級数表示の他に反復積分表示が知られている. 本論文では, 新たに積分級数等式を与え, 複シャッフル関係式の下で,
この等式と正規化基本定理が同値であることを証明している. これには, Yamamotoによって導入された, 2色半順序集合に付随する積分が中心的働きをする.
応用として, 正規化基本定理と双対公式から川島関係式が導かれる.
2017年5月 29日(月)函館集会のためお休み
2017年6月 5日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 小田部 秀介 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文 A. Tamagawa, On the Tame Fundamental Groups of Curves over Algebraically Closed
Fields of Characteristic >0, in Galois groups and fundamental groups, Math. Sci. Res. Inst. Publ.,
vol. 41 (2003), pp. 47--105. の紹介
アブストラクト:論文の前半では、不分岐とは限らない被覆の理論への応用を目的として、
射影代数曲線上のベクトル束の大域切断に関するRaynaudの結果を因子付きの場合に拡張している。
論文の後半では、実際にその応用として、代数曲線上のほとんどの巡回tame被覆に対し、その
一般Hasse-Witt不変量が十分に大きいことを示している。さらに、その帰結として、
代数曲線のコンパクト化の種数がtame基本群から群論的に復元できるという結果を得ている。
主に後半の内容について紹介する予定である。
2017年6月 12日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 呼子 笛太郎 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文N. O. Nygaard, “The Tate conjecture for ordinary K3 surfaces over finite fields”, Invent. math. 74, 213-237 (1983)の紹介
アブストラクト:近年supersingularな場合を含むK3曲面のTate予想がMaulik, Charles, Madapusi Peraにより独立に証明された。
一方Ordinaryと呼ばれる大部分のK3に対しては、Nygaardが1983年にTate予想を証明していた。
この講演ではK3曲面の定義から始めて、Nygaardによる証明を紹介する。
2017年6月 19日(月)13:15--15:30 合同A棟801号室 (二つ講演があります。)
-
講演1: 13:15-14:15
講演者 : F-C. Ivorra 氏 (Universite de Rennes 1)
講演タイトル : The Artin part of a motive, weights and motivic nearby sheaves
アブストラクト:The notion of Artin part of a relative motive has been introduced by Ayoub and
Zucker in their study of motives associated with compactifications of
arithmetic quotients of Hermitian symmetric spaces. They predict the existence
of a relation between the Artin part of relative motive and the (conjectural)
punctual weight filtration on the heart of the (conjectural) motivic t-
structure on the triangulated category of motives.
In this talk, I will present a recent joint work with Julien Sebag in which
verify the Hodge theoretic side of Ayoub-Zucker’s prediction for smooth
cohomological motives (motivic analogue of local systems). I will explain how
to compute the Artin part of the motivic nearby sheaf and relate it to the
Betti cohomology of Berkovich spaces defines by tubes in non-Archimedean
geometry. In the first part of the lecture, I will explain the results about
motivic nearby sheaves and their relation with tubes needed and obtained in a
previous joint work with Ayoub and Sebag.
講演2: 14:30-15:30
講演者 : 赤塚 広隆 氏(小樽商科大学商学部)
講演タイトル : ディリクレL関数の一階導関数の零点について
アブストラクト:Yildirim(1996)は、ディリクレL関数の導関数の零点について研究を行った。Yildirimは任意回数の導関数について考察し、それらの零点を、trivial zero、nontrivial zero、vagrant zeroの三つに分類した。本講演では、一階導関数については、導手が小さい場合を除きvagrant zeroがないことを説明する。また、vagrant zeroの非存在により、導手が大きい場合の導関数の零点分布について先行研究をいくつか改良することができたので、それについても紹介したい。本研究はAde Irma Suriajaya氏との共同研究である。
2017年6月 26日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 伊東 邦大 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文 K. Ihara, M. Kaneko, D. Zagier, Derivation and double shuffle relations for multiple zeta values. Compos. Math. 142 (2006), no. 2, 307?338. の紹介
アブストラクト:多重ゼータ値には有理数係数の線形関係式が数多く発見されており、近年ではすべての線形関係式を生成する大きな関係式族の決定が問題になっている。井原-金子-Zagierは発散する多重和に対応するHoffman代数の元にある正規化を施すことで、複シャッフル関係式の拡張となる関係式族を導いた。この関係式族は一般複シャッフル関係式と呼ばれ、和公式、Hoffmanの関係式などの重要な関係式族を含むことが分かっている。本講演では、論文の中盤で述べられている、一般複シャッフル関係式の同値な言い換えについて紹介する。
2017年7月 3日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 窪田 隆弘 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文 K. Kamano, A formula for multi-poly-Bernoulli numbers of negative index. Kyushu J. Math. 67 (2013), 29-37. の紹介
アブストラクト:ベルヌーイ数を一般化したものに, ポリベルヌーイ数および多重ポリベルヌーイ数がある. Kamanoは上指数が負の多重ポリベルヌーイ数について研究し, 多重ポリベルヌーイ数のいくつかの系列について, その値の扱いやすい明示式を与えた. 本講演では, その明示式について紹介する. また, 後半では, Komakiによって得られたポリベルヌーイ数と多重ポリベルヌーイ数の関係式についても併せて紹介する.
2017年7月 10日(月)仙台広島整数論集会のためお休み
2017年7月 24日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 高瀬 幸一 氏 (宮城教育大学数学)
講演タイトル : Sp_{2n}のgeneric supercuspidal 既約表現の構成
アブストラクト:非アルキメデス的局所体上のSp_{2n}のsupercuspidalな既約表現を具体的に構成して, それが generic であることを証明します. このような表現論に不慣れな学生さんもいらっしゃると思いますので一通り基本的な定義と簡単な歴史などを述べながら, 時間の許す範囲で解説したいと思います.
2017年10月 16日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 甲斐 亘 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文 L.L. Avramov
"Locally complete intersection homomorphisms and a conjecture of
Quillen on the vanishing
of cotangent homology"
Annals of Mathematics, 150 (1999), 455?487 の紹介
アブストラクト:Andre-Quillenホモロジー (cotangent complexとも言う)は, 可換環の準同型に対して与えられる不変量であり,
Andre, Quillenによって1960年代後半に導入され, Illusieも研究した.
環準同型がスムーズであるという条件は, Andre-Quillenホモロジーが1次以上ですべて消滅するという条件に言い換えられ,
l.c.i.であるという条件は, 2次以上の消滅に言い換えられる.
本論文では, Quillenによって予想されたという, l.c.i.射のより強力な特徴付けを証明している.
講演ではAndre-Quillenホモロジーに初めて触れる聴講者のために, 定義や性質を少し時間をかけて振り返ったあと,
主結果の証明の概略を説明したい.
2017年10月 23日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
-
講演者 : 小田部 秀介 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文 Sekiguchi, T., Oort, F., Suwa, N., On the deformation of Artin-Schreier to Kummer, Ann. Sci. ecole Norm. Sup. (4), Vol. 22, No. 3 (1989), 345--375. の紹介
アブストラクト:Kummer(完全)系列は、標数0の体上のスキームの巡回被覆の記述を与える。Artin-Schreier系列は、標数p>0におけるp次巡回被覆の記述を与える。Artin-Schreier系列のKummer系列への変形は、混標数(0, p)におけるp次巡回被覆の記述を与える。本論文では、この変形を用いて、標数p>0の体上の完備非特異代数曲線の(不分岐とは限らない)巡回被覆の標数0への持ち上げ問題に取り組んでいる。上記の変形理論は、その後、関口氏と諏訪氏によって、より一般的な理論へ拡張されている。本論文は、その出発点を与える。講演では、上記の系列の変形の構成から始めて、主結果の証明を紹介する。
2017年10月 30日(月)お休み
2017年11月 6日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
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講演者 : 川村 悟史 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 高次Mahler測度とゼータMahler測度に関する解析的考察
アブストラクト:多項式$f$に対して決まる実数である高次Mahler測度 (以下HMM) および それら
の母函数であるゼータMahler測度 (以下ZMM)
は黒川-Lal\'{i}n-落合 ('08) および赤塚 ('09) においてそれぞれ導入された.
これらはK.
Mahlerが積分表示を与えたMahler測度の一般化として定義され, 1次のHMMが
Mahler測度である.
HMMとZMM, 特にMahler測度の計算を実際に行うと, (多重)ゼータ値, (Dirichlet
の, および楕円曲線の) L-函数値,
種々の超幾何函数の特殊値など, 特殊函数の値との関連があることが知られて
(もしくは予想されて)いる.
本講演ではHMMおよびZMMの定義とその計算例を紹介したのちに, HMMの極限値や
ZMMの解析接続についての成果について述べる.
2017年11月 20日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
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講演者 : 呼子 笛太郎 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : Bhargav Bhatt, Anurag K. Singh ”The F-pure threshold of a Calabi-Yau hypersurface”, Math. Ann., (2015)の論文紹介
アブストラクト:log canonical thresholdは特異点の不変量であり, 標数0の代数幾何や特異点論において盛んに研究されてきた. これの正標数類似になっていると考えられている概念にF-pure threshold (fpt)というものがある. 紹介する論文において, Calabi-Yau hypersurfaceのaffine coneのfptが計算され, hypersurfaceのversal deformation spaceのHasse invariantという数論的な値と結びつくことが示された. 講演では標数0の話から始めて、主結果の証明を紹介したい.
2017年11月 27日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
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講演者 : 川崎 菜穂 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 論文S. Yamamoto, A note on Kawashima functions, arXiv:1702.01377.の紹介
アブストラクト:Kawashima関数は, digamma関数を一般化したものであり, 多重ゼータ値のKawashima関係式の証明にも用いられる重要な関数である. digamma関数に対して成り立ついくつかの公式はG. Kawashimaによって一般化されている. 本論文では, 半順序集合上の積分を用いて, Kawashima関数のいくつかの新たな公式を得ている. このことについて, Kawashimaの結果と合わせて紹介する.
2017年12月 4日(月)お休み
2017年12月 11日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
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講演者 : 和山 裕嗣 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 荒川-金子型多重ゼータ関数の補間とt多重ゼータ値
アブストラクト:荒川-金子型, すなわち荒川-金子, 金子-津村の多重ゼータ関数の特殊値は
それぞれEuler-Zagier型の多重ゼータ値 (MZV) , 多重ゼータスター値 (MZSV)
を用いて表されるが, 山本により導入されたt多重ゼータ値 (t-MZV) は
MZVとMZSVを補間するものとして知られる.
本講演では, 大野泰生氏との共同研究で構成した関数が荒川-金子型多重ゼータ関数を
補間し, その特殊値がt-MZVで書けることを説明する. またt-MZVに関して
講演者の得た予想と, その部分的な解決についても紹介する.
2017年12月 18日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
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講演者 : 安洪 石 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : TBA
アブストラクト:TBA
2017年12月 25日(月)お休み
2018年1月 22日(月)13:30--15:00 合同A棟801号室
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講演者 : 堀江 まどか 氏 (東北大学大学院理学研究科)
講演タイトル : 丁度2つの頂点をもつdessins d'enfantsについて
アブストラクト:dessins d'enfantsとはRiemann面上のある種のグラフであり、dessins d'enfantsの同型類はRiemann面の同型類を細分化したものである。本講演では、dessins d'enfantsの研究において本質的な役割を持つBelyiの定理を紹介する。次に、実例を見ながら問題の同型について解説する。さらに、dessins d'enfantsの同型類が対称群の部分群の共役類と代数的に対応していることに着目して求めた、ある種のdessins d'enfantsの同型類の個数を表す公式を、講演の本題として報告する。
2018年1月 29日(月)13:30--14:50 合同A棟801号室 (修論発表会の予行演習)
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講演者 : 和山裕嗣氏、川村 悟史氏、安洪 石氏、堀江まどか氏。
講演タイトル : TBA
アブストラクト:TBA