田中 一之  Kazuyuki Tanaka

所 属: 東北大学 大学院理学研究科 数学専攻
所在地: 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉(〒980-8578)
 職 : 教授
学 位: Ph.D.(mathematics), University of California, Berkeley, 1986
e-mail: tanaka @ math.tohoku.ac.jp


研究分野

 私の専門は,数学基礎論です.数学基礎論は,19世紀末に数学の基礎付けを目的として生まれ,20世紀前半にゲーデルの不完全性定理の発見などにより豊潤な研究領域になりました.その後,集合論,モデル論,証明論,再帰理論(計算可能性理論)のような独自の研究対象と方法論を持つ分野がここから誕生し,現在はそれら全体をロジックと呼ぶことが多くなっています.

 私の研究テーマを一つあげると,ヒルベルト・ベルナイスの2階算術を現代のロジックの手法(強制法など)で再検討することです.2階算術とは,自然数と自然数の集合を対象とする理論で,いろいろな公理系がありますが,なかでも2分木に関するケーニヒの補題を公理に持つ体系WKLoは,広範囲の数学が自然に扱えることと,その無矛盾性がPRA(ヒルベルトの「有限の立場」の形式化)と同程度であることから,「ヒルベルトのプログラム」との関係においてとくに重要です.私は,WKLoにおける数学の諸定理の証明可能性と,この体系のモデルの性質を調べることの両方に興味を持っています.

基礎論に関心のある学生へ

 大学院で基礎論を研究すると決めている方でも,学部時代にこの分野の正規な講義や演習を受けた人はあまりいないと思います. 最近は読みやすい入門書もふえていますが,研究に結び着く知識はやはり研究の場に身をおいてはじめて会得できるものです. まずはゼミや勉強会に参加したり,先輩院生たちと交流して,研究の雰囲気に馴染むことが大切でしょう. 疑問があれば,気楽にご相談下さい. 

私の論文・略歴は,英語頁をご覧下さい.


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Last modified: Oct. 23, 2002