セミナーの予定
「東北大学OS特別セミナー」
2025年12月12日(金) 16:00-18:00
会場
川井ホール 2階セミナー室
(いつもと開催会場が異なりますのでご注意下さい.)
発表者
佐藤 和暉 氏 (大阪公立大学)
題目
非局所過剰決定問題の分岐解析
要旨
本発表では, Kirchhoff 型非局所項を含む2階偏微分方程式の過剰決定問題について考察する. 局所過剰決定問題の結果と同様に, 考察する非局所問題に解が存在するならば, 領域は球体で解は球対称関数となる. 一方で領域が球対称領域の場合, 非局所過剰決定問題の解の個数は, 非局所項から定まる超越方程式の解の個数と一致することが示される. 本発表は 高橋 太 氏 (大阪公立大学) との共同研究に基づく.
2025年12月18日(木) 16:30-18:00
会場
東北大学 合同A棟8階801室
発表者
中島 慶人 氏 (東北大学)
題目
非整数階時間微分を含む時間依存する凸汎函数に対する勾配流方程式の可解性とその応用
要旨
1階時間微分を含む抽象発展方程式については, 線形の場合には半群理論をはじめ古くから体系的な可解性に関する理論が確立されており, さらに非線形の場合にも劣微分作用素に基づく枠組みにより解の存在に関する理論が整備され, さまざまな偏微分方程式へ応用されてきた.
これに対して非整数階時間微分を含む抽象発展方程式については, 連鎖律やライプニッツ則といった基本的な計算法則が成立せず, さらに初期時刻までの履歴全体に依存する非局所性のため, 従来の1階時間微分に基づく線形・非線形の理論をそのまま適用できない場合が多い.
このため, 非整数階時間微分を含む抽象発展方程式の研究は依然として未開拓であり, 特に非線形抽象発展方程式については可解性に関する理論すらほとんど知られていない.
本発表では, 非整数階時間微分を含む時間依存する劣微分作用素を伴う非線形抽象発展方程式の可解性について得られた結果を述べる.
また得られた可解性の理論を, 時間とともに変化する領域上の非整数階時間微分を含む退化拡散方程式へ応用する.