セミナーの予定

「集中講義」
2025年6月17日(火), 18日(水), 19日(木), 20日(金) 15:00-18:00

会場
川井ホール
講師
生駒 典久 氏(慶應義塾大学)
講義題目
峠の定理とその応用
プログラム
詳細はこちらをご参照下さい.

2025年6月26日(木) 16:30-18:00

会場
東北大学 合同A棟8階801室
発表者
澤田 宙広 氏 (北見工業大学)
題目
BZ反応と時間発展作用素について
要旨
分数関数を非線型項に持つBZ反応の初期値問題について, 時間大域古典解の一意存在を示す. 特に, 時間局所古典解の存在証明について詳しく述べる. 時間発展作用素を用いて逐次近似解を構成し, 正値性を確保することが肝要である. 最大値原理を適用して先天的評価を導き, 解が時間大域的に延長できること, 不変領域などを明らかにする. さらに, 数値解を安定的に構成するためのアルゴリズムについても議論する. 本発表は, 柘植 直樹 氏, 近藤 信太郎 氏, Novrianti 氏, 足立 悠路 氏との共同研究に基づく.

2025年7月3日(木) 16:30-18:00

会場
東北大学 合同A棟8階801室
発表者
渡辺 達也 氏 (京都産業大学)
題目
Ground state solutions for the nonlinear Schrödinger--Poisson system with a doping profile: positive and zero mass cases
要旨
本発表では, 半導体理論の研究に現れる, ドーピングプロファイルを持つ非線形シュレーディンガー・ポアソン系の定常問題について考える. 特に質量が正もしくはゼロの場合に, 非自明解および基底状態解が存在するかを考察する. ドーピングプロファイルは引力ポテンシャルのような効果をエネルギー汎関数にもたらすが, 非局所的であるため空間減衰が遅く, 可積分指数が悪いという特徴を持つ. さらに, 基底状態解の存在を示すために必要なファイバー写像の最大点の一意性を調べる上で, ドーピングプロファイルは本質的な困難を引き起こす. 本研究はボルドー大学の Mathieu Colin 氏との共同研究, および安徽理工大学の Yu Su 氏との共同研究である.

「東北大学OS特別セミナー」
2025年7月11日(金) 16:00-18:00

会場
東北大学 数学棟3階305講義室
発表者
田代 紀一 氏 (東京科学大学)
題目
接触角構造付き平均曲率流の存在定理について
要旨
平均曲率流は, 速度が平均曲率で与えられている曲面族のことで, 曲面の運動方程式ともいえる重要な幾何学的流れの問題の一つである. 平均曲率流に境界条件として0-Neumannを課した場合は, Mizuno--Tonegawa (2015) や Edelen (2020) などによる存在性や正則性定理の研究が知られている. しかし0-Neumannでない一般の接触角境界条件については, 境界まで込めた曲面の第一変分の評価が困難であることから研究が進んでいなかった. 本発表ではelliptic regularizationと呼ばれる手法を用いた接触角付き平均曲率流の時間大域弱解の存在性証明において, どのようにこの困難を解決できたかを報告する.