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黒木のなんでも掲示板2 (0056)

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Id: #b20031210214535  (reply, thread)
Date: Wed Dec 10 21:45:35 2003
Name: くろき げん
Subject: ゼニを配るならまず国内に配ってくれた方が嬉しい

日銀が国債をたくさん買うとインフレが制御できなくなるなんて話はもう止めましょうよ。

ハルマゲドン経済論は止めましょう。みんな騙されている。 (今まで何度もくりかえして述べてきたが、私もひどく騙されまくっていた。しかも騙されていることにさえ気付いてなかった!)

「岩石理論」 (坂の途中で止まったままになっていた岩石がいったん転がり出すと止まらなくなってしまうのと同じように、日銀がデフレ脱出のために国債を大量に買い続けると制御困難なインフレが発生してしまう、という類のトンデモ経済論を「岩石理論」と呼ぶ) を信じている人はかなりたくさんいる。

「ブタ積み」だとか「ブラックホール」のような考え方 (日銀当座に積まれた超過準備は実体経済に無関係である、日銀が金融緩和しようとしても超過準備に吸い込まれてしまうので意味がないという考え方) を信じている人もたくさんいる。

さらに「銀行貸出が増えないと景気が回復しない」という説を信じている人もいる。ほとんど毎日のように「銀行が貸し渋っているのを何とかしろ」とマスコミが騒いでいる。別の一方では「不良債権問題をなんとかしろ!」だ。デフレを伴う長期不況下で政府が銀行に貸し出しを強制すれば不良債権は確実に増加しまくります。

財政についても「財政政策=無駄な公共事業をばんばんやること」だと思っている人はかなり多い。無駄でない公共事業を提案して政府にやらせるのは我々国民の責任であり、社会保険料の減額のような面白そうな財政政策を提案している人もいるのに(たとえば高橋洋一氏)。私には完全失業率がものすごく高くなっている特に若い人たちにとって、デフレが終わるまで政府に社会保険料を肩代わりしてくれる政策は非常にありがたいような気がするのだが。

1930年代の昭和恐慌や米国の大恐慌では10%を超えるひどいデフレになったのですが、金融政策レジームの転換後は1年程度で安定したマイルドインフレに移行できています。岩石理論はやはり経験に反するトンデモ経済論です。スティグリッツの次の発言の方が正しい。「ゆるやかな金融緩和、つまり少量の紙幣増発はデフレを打ち消す。ゆるやかな緩和など不可能だという主張があるが、そんなことはない。少量の紙幣を増発すれば、わずかだけデフレを食い止められる、それだけだ。目標のインフレ率を実現できるところまで紙幣を増発しよう。こう発想すれば良い。」

しかし米国は馬鹿なことに1937年頃に超過準備を吸収するという引き締め政策を実施して、回復しかけていた米国経済を再度不況に落とし込んでいます。そういう歴史を知っていれば超過準備が実体経済とは無関係であるという発想は極めて危険であることがわかります。現在の日本でそういう考え方の持ち主たちが70年前の米国と同じ失敗を引き起こすかもしれない。 (日本の場合はさらにひどく、景気を回復させた高橋是清をテロで殺して、軍拡路線に突進することになった!)

さらに、昭和恐慌でも米国の大恐慌でも銀行貸出が増加に転じるのは景気回復から3年から4年後だったことも知られています。 (実は理論的にも銀行貸出の増加が景気回復に遅れる方がもっともらしい。) 銀行貸出を先に増やすことによって景気を回復させるという発想はおそらく誤りです。銀行貸出という経路だけにこだわると失敗するでしょう。

リフレ政策支持者やクルーグマン支持者は昭和恐慌などに関する研究などを参照して守りを固める必要があると思います。少なくとも過去の経験と矛盾しないような提案を自分がしているかどうかを確認しないうちは極めて要注意だと思います。

いずれにせよ、悪しきデフレを完全に撲滅してより好ましいマイルドインフレの状態に移行するためには、他の政策がどうであろうと、金融政策の方針転換が最重要であることは間違いありません。どのような政策を提案する場合であっても、デフレを終わらせるための金融緩和に反対するようではいけません。反対することを止めて、金融政策だけでは解決できない問題については別の政策を提案すれば良いのだ。

P.S. 確かにデフレ脱出のための名目アンカーとして為替レートの利用は魅力的かもしれませんが、せっかく銭を配るならまず国内に配る政策を先に実行してからにした方が得だと思います。どうして自分達が得する前に外国人に得してもらう政策を先に行なおうとするのか、私には理解できない。国内に配られたマネーで海外資産を買いたい人がいたら勝手に買ってもらえば良い。どちらにしても為替レートを動かすためには国内の金融緩和も必要になります。


Id: #b20031208235452  (reply, thread)
Date: Mon Dec 08 23:54:52 2003
URL: http://nohome.at.infoseek.co.jp/
Name: ユキカゼ艦長
Subject: 日銀は、外国資産(=外国株+外債)を買え!
始めまして、ユキカゼ艦長と言うHNで活動しております。
ホームページを持っており、円安誘導にてインフレを発生させ、日本経済を復活させる事を目論んでいます。
http://nohome.at.infoseek.co.jp/

さて、クルーグマンの"It's Baaack"は、支持しています。
で、あとがき読んで、ココに来ました。

●日銀は、外国資産(=外国株+外債)を買え!

日銀が国債を買いすぎると、日銀のバランスシートの資産サイドが国債、負債がお札となり。
インフレ発生後の制御が大変です。GDP比、160%の国債をインフレなしで、解決した国なんてありませんから。

で、解決策として、日銀は、国債ではなく、世界中の外債と(インデックス)株を買い上げれば良いと思います。
中国が脅威ならば、為替レートが異常に安い今、中国株を大量に買ってしまえば良い。

債券は、年間のリターンが6%平均ですが、株は12%位あります。
円安に出来るし、数年後にインフレが酷くなった時でも、外貨準備高が増えるので、
インフレに困ったら円高でブレーキをかけ易くなります。

日銀券をモダンポートホリオ理論に基づいた投資信託券に替えてしまうのは面白いアイデアだと思っています。
(外債買え!は有ったが)このアイデアは、私が言い出しぺです。


●モタモタしているとデフレのまま、金利上昇=スタフグレーション
実は、既にジョージ・ソロスのような投機家が、国債の空売りを仕掛けています。
何を論拠にと言われそうですが、クルーグマンの文庫版の経済学入門の横に良く置いてある
藤巻健史氏の「タイヤキのシッポはマーケットにくれてやる」の特に後書きをご覧くだい。
既に公知の事実です。今の株価で国債の価格が下がったら、銀行、生保、...皆、もたないでしょう。


●固定金利で借金して不動産を買い、流動性資産として、日本株+外債+外国株を買おうぜ!
多分、クルーグマンの言うとおりインフレになると思います。
ならば、そのインセンティブ通りの行動を取れば大儲けの筈です。
日本経済にも、円安、株高、土地高貢献して、海外資産を日本国民として確保する。
しかも、儲ける。良い事尽くめなんです。
だから、Lunixの様なオープンコミュニティを作り、円安=インフレにしてしまえ!と言うアイデアです。

●色々書いてしまいましたが、本日は、この位で、反応を見ながら、また書くか、考えます。

上記の細かい話しは私のHPは以下にも書いて有りますのでよろしければご覧下さい
http://nohome.at.infoseek.co.jp/

ユキカゼ艦長

Id: #b20031207150937  (reply, thread)
Date: Sun Dec 07 15:09:37 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031207115337
Name: おおうち
Subject: Re:バーナンキの背理法
 失礼しました。石神さんの前の投稿を拝見した時に、買切り
オペの有効性そのものを疑ってらっしゃっているものと考え
てしまいました。

 中央銀行がその気になれば必ずインフレにすることが出来る
ことは事実として、そのインフレをきちんと調節できるか、と
いうことですね。それについては、以下のサイト内の
「利富禮政策関連頻出問對」(利富禮はリフレの当て字だそう
です)で概要の簡潔なまとめがあります。

http://bewaad.com/archives/themebased/reflationfaq.html#hyperinflation

 各論については、前出のいちごびびえすの過去ログを参照されると
リフレ政策を支持する人たちの考えがわかると思います。

Id: #b20031207115337  (reply, thread)
Date: Sun Dec 07 11:53:37 2003
Name: 石神
Subject: Re:バーナンキの背理法

パーナンキの背理法は知ってる上で言ってます。

その上で、デフレの中で日銀当座が数百兆積みあがった状態から、
マイルドなインフレに本当にスムーズに移行出来るの?
ってことについての疑問です。

繰り返しになりますが、日本の株式市場はせいぜい300兆、GDPは500兆です。
それらに匹敵するマネーを日銀は本当に機動的に調節して、
「丁度良い」調節ができるのでしょうか?
できるかもしれませんが、冒険であるのは間違いないと思います。
(意外と日銀当座に700兆が積み上がり、
政府の負債が日銀の負債に置き換わるだけに終わるような気もしますが)

インタゲ採用国はあっても、そこまでのマネーを供給しないと
インフレ期待を醸成できない所まで陥ってからリフレを行った国はあったのでしょうか?

97年以前であればリフレは間に合ったと思います。
それ以前の日銀のTooLate、TooSmallな金融緩和が
現在のデフレ不況の大きな元凶であるのは間違いないでしょう。

あと、岩田氏のいう長期国債買い入れだけではなく、
日銀を当てにして新発国債を政府がどんどん出して
公共事業をバンバンやるという方法ですが、
この場合目先の需給ギャップは埋まるでしょうが、
国家財政はさらに悪化し、無駄な公共事業はますます乱発されることになります。
多くの国民にとって決して利益にならないと思います。

Id: #b20031206215408  (reply, thread)
Date: Sat Dec 06 21:54:08 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031206201259
Name: おおうち
Subject: バーナンキの背理法
 はじめまして。
 いつも興味深くROMさせていただいています。

 石神さんの「どこまで買いオペすればデフレが止まるのか」という
疑問に解答するものとして「バーナンキの背理法」というのがある
そうです。

仮定:インフレになるまで日銀が国債を買いつづけるとして
 1.もしいつまでたってもインフレにならないのなら、政府支出を日銀
による国債購入代金ですべてまかなうことが出来、日本は史上初の
無税国家となる。じゃんじゃん公共事業でもすればすぐに景気回復
します。
 2.でも直感的にもそんなこにはならなそうです。つまり、いつかは
インフレになります。ということでデフレからは脱却することができます。

 この辺の議論は、いちごびびえすの経済/経済学板(このページの
冒頭にもリンクが張ってあります)で活発に議論されています。そちらの
ほうに行ってみたらいかがでしょうか。

 情報提供ということで、匿名にて失礼します。

Id: #b20031206201259  (reply, thread)
Date: Sat Dec 06 20:12:59 2003
Name: 石神
Subject: Re:マネーサプライを増やすのに銀行貸出の増加は必要条件ではない

岩田氏の議論は基本的に上限を設けず、
とことん日銀が長期国債を買えというもののようですね。

じゃあ、どこまで買ったらデフレが止まるのってのが私の疑問です。

 この政策【引用者註:インフレ目標が安定的に達成されるまで日銀が無制限に長期国債を購入するという政策】では、銀行が発行市場や流通市場から長期国債を購入し、その国債を日銀が購入するということが大規模に繰り返される。銀行が市中から長期国債を買うときには購入先の預金口座に長期国債代金を入金する。それにより預金 (通貨) が市中に供給される。銀行貸し出しが増えなくても通貨供給量は増えるのである。 (岩田規久男、日経新聞経済教室 2003.6.11)

っていうのを黒木さんが引いていましたが、通貨供給量が増えても
日銀当座に積み上がるだけになってるのが現状でしょう。

20兆30兆が日銀当座に積み上がるほどマネーを供給し、
それをデフレが止まるまで続けることを日銀がコミットしているにもかかわらず、
デフレは止まる気配すら見せないわけです。

じゃあ、数百兆の規模でやるの?
株式市場が300兆、GDPが500兆くらいの国で
そんなマネーを日銀が本当に機動的に操作できるの?
そのあたりに非常に冒険主義的なものを感じてしまうわけです。

そう、考えれば、先に書いた「不良債権完全棚上論」
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b0056.html#b20031201233451
がやはり正解のような気がします。
銀行システムを軽視したリフレ論ってのも
机上の「構造改革論」と発想が似ているような気もするのですが...



Id: #b20031205051341  (reply, thread)
Date: Fri Dec 05 05:13:41 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031204054725
Name: BUNTEN
Subject: 高圧洗浄、若干の訂正

図書館で借りてきた「キャピタル・フライト 円が日本を見棄てる」のP.67に、水道管のネタ元とおぼしき文を見つけた。なるほど、これは高圧洗浄のことではない。そして、給水管の汚れ(主にサビ)には山形氏ご指摘の化学洗浄が一般的な方法となる。

それにしても、いくら上水のバルブ(元栓)を開けても水道管の耐圧をオーバーすることはない。そんな水道管ならそもそも出口に蛇口を付けること自体無謀と言うべきだろう。
この本、ここに限らず煽り文句は多いが、何が言いたいのかはさっぱり分からない。少なくとも私にとっては、解読に苦労する本と言える。


Id: #b20031204194133  (reply, thread)
Date: Thu Dec 04 19:41:33 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031204005331
Name: svnseeds
Subject: マネーサプライを増やすのに銀行貸出の増加は必要条件ではない

石神さん、はじめまして。

標記の件ですが、例えば黒木さんご自身の説明がここの過去ログここにあります。

また、いわゆるゴキブリ系リフレ派に関するリンク集として、

- 山形さんの『クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門』サポートページ
- 羊堂本舗さんのちょき - インフレ目標

がよくまとまっています。

「リフレ派書籍一覧」は、bewaadさんのFAQありました

以上、ご参考まで。
Id: #b20031204054725  (reply, thread)
Date: Thu Dec 04 05:47:25 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031203131321
Name: BUNTEN
Subject: 高圧洗浄とリフレ

化学洗浄に加え物理的方法、つまりワイヤーを突っ込んでこそぎ落とすという方法も採られますが、実は木村氏に「乱暴きわまりない」とされた(?)高圧洗浄が最も無難というか配管に優しかったりします。乱暴そうに見えるが、実は効き目が確実な割に副作用が少ないという点では高圧洗浄とリフレはよく似ている。(笑)

Id: #b20031204005331  (reply, thread)
Date: Thu Dec 04 00:53:31 2003
Name: 石神
Subject: ご返事ありがとうございます

マネーを増やす必要があるというのは大賛成なのですが、
不良債権処理の強行に伴う査定強化のために
マネーが日銀当座から流れていかないというのが実情だと思っています。
日銀が20兆30兆と余計に供給しても日銀当座が積み上がるだけです。
「銀行を中心として経済を考える発想」自体は一理あるんだけれども、
その処方箋が正反対なのが問題なのではないかと思います。

他にマネーを増やす具体論であまりピンとくる話を聞いたことがありません。
理論的には日銀が株でも外債でも買えばいいようですが、
本当に大丈夫なのかいまいち腹に落ちません。
この辺は少し勉強したいと思っています。

社会保険料の減額は減税と効果は全く同じように思えます。
いずれにしても先の負担増が見えてしまいます。
所得税減税は相当規模でやってきましたが、
一般会計の支出の半分しか税収がない所までやっても
あまり決定的な効果は上がっていないように思います。

お奨めの岩田氏の本は読んでみます。


Id: #b20031203192118  (reply, thread)
Date: Wed Dec 03 19:21:18 2003
Name: くろき げん
Subject: リフレ政策について

リフレ (デフレ脱出) のために消費税を順次上げるという提案はきっとうまく行かないと思います。少なくとも、増税によるマイナスの効果や消費税を毎年のように上げるコストのデメリットの総和 (それは小さくない、たとえば消費税率を3%から5%に上げた直後に何が起こったか、いきなりの消費冷却) と「将来消費税率が上がるので今のうちにお金を使っておこう」という考え方のもとで消費が増える効果のどちらが大きそうかに関する見積りを出さずに、リフレのために消費税を順次上げようと提案するのは全然駄目だと思います。

やはり、リフレのためにはマネーを増やす政策をやらないと駄目です。物価に最も強い影響力があるファクターはマネーなのですから。財政の側がどのように動くにしても、金融政策の側でマネーを増やす政策を同時にやらないと駄目だというのが現在の標準的な考え方だと思います。

「リフレ論がだいたいその手段において無理がくることが多い」という発想と銀行を中心として経済を考える発想は現在の日本では多数派の考え方なのですが、残念ながら間違っていると思います。

現在、非常に忙しいので私自身が批判・反論には答えることができないと思います。しかし、すでにリフレ政策が正しい政策である点についてはすでにたくさんの本が出版されているのでそちらを見て欲しいと思います。私自身は岩田規久男氏のリフレに関する考え方に賛成であり、さらに「社会保険料減額」のようなより直接的な政策を含む高橋洋一氏の提案は非常に面白いと考えています。 (宣伝されれば人気が出そうな気がする。たとえば「デフレが終わるまで、年金のお金は政府が肩代わりしますから払わなくてよいですよ」と言われたらどう思うか?) 波及経路としてもしも為替経路と高橋氏の提案のどちらが嬉しいかと聞かれれば高橋氏の案の方が嬉しいでしょう。為替経路の利用によって通貨発行益を外国に取られるくらいなら、日本にばらまいてもらいたい。

どなたかが「リフレ派書籍一覧」を作って下されば、読む価値のある本がもっと読まれるようになると思います。


Id: #b20031203131321  (reply, thread)
Date: Wed Dec 03 13:13:21 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031203054445
Name: やまがた
Subject: 目詰まり
あと化学的に溶かすのも必須、ですわな。

Id: #b20031203054445  (reply, thread)
Date: Wed Dec 03 05:44:45 2003
Name: BUNTEN
Subject: 山形本と排水管

クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門の271ページ末尾から272ページにかけて、リフレ策について木村剛氏が「水道栓のバルブを全開にして水道管の中のゴミを水圧で吹き飛ばしてしまえば水の通りがよくなるだろうという、乱暴きわまりないもの」と言った(被引用部は孫引き)ことをとらえて「目詰まりを水圧かけて吹き飛ばすのは乱暴でもなんでもない、ごく普通のやり方なんですけど。」と指摘し、「何のために便所に吸盤がおいてあるのかご存じないのかしら?」と突っ込んである。

ところで、便所の吸盤(通称ラバーカップ)では最大1気圧程度しかかけられない。排水管の汚れがしつこい場合、1気圧ごときではとうてい足りないのでポンプで高圧水を作って吹きかけたり、高圧の熱湯で吹っ飛ばすなどの「乱暴きわまりない」やり方がごく普通に行われていたりするのだった。(^_^;)
で、皆さんにそれをお見せしようと試しに「高圧洗浄」だけで検索したら万単位で引っかかったのでちょっと絞ったのがこれ。それでも1000件を越えてます。

ついでにP.235の「絶対確実!流動性の罠脱出法」(The Foolproof Way of Escaping from a Lquidity Trap)の訳、それを言うなら「サルでもできる流動性の罠脱出法」ではないかと思ったら、ここはクルーグマンさんではなかったのね。残念。(ってそーゆー問題かいっ。m(_@_;)m)

P.S.
私が使っている「本やタウン」の客を増やそうと思ってそこで「クルーグマン〜」を検索してその結果を貼ろうとしたら、検索結果はリンクできないことが判明、やむなくAmazonにリンクし直した。ユーザーとしても自分の取引先にはそれなりに儲けてもらわないと困るので、もし関係者がこれを見たら仕様を再検討していただきますように。


Id: #b20031201233451  (reply, thread)
Date: Mon Dec 01 23:34:51 2003
Name: 石神
Subject: はじめまして

石神といいます。「明日への道標」というHPを7年前から細々とやっています。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh1899/index.htm

下の方で、消費税を次第に上げていくことで
需要を喚起する案が話題になっているようです。
確か何年か前に山形さんがクルーグマンの案かなんかということで
紹介されていたように記憶しています。

実は、私のHPで98年の5月に同じ案を提案していました。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh1899/page81.htm
クルーグマンより前か後かは解りませんが、
もし、前だったらなんとなくうれしいし、
後だったとしても同じことに気が付いたとしたらなんとなくうれしいです。

私の場合、所得税減税とセットして増減税中立でと思っていたので、
増税だと効果がないという議論はあてはまらないと思います。

現在力を入れているのは、
「不良債権処理を完全に棚上げするのが最大のデフレ対策だ」
という論です。

ちょっと私のHPから引用すると、
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh1899/page170.htm

>そもそも「不良債権の引当方法」だろうが「税効果の計上方法」だろうが、
>経済全体がうまく行くように「適当に」決めておけばよい問題である。
>もともと、実態がないのだから。
>つまり、今のようなおかしなマクロ運営が続けば
>シロの部分も加速度的にグレーやクロの不良債権に変わっていくし、
>まともなマクロ運営がなされればクロやグレーはシロに変わってくのだから。

>「不良債権の引当」なんて適当にやっといてね、
>「税効果」は最大限に計上しといてね、
>とやっておけば銀行の融資はどんどん増え、
>その結果、デフレギャップは埋まり経済は成長し
>結果として少ない引当、大きな税効果が結局は正しかったということになる。

>一方で銀行に過度に「引当」を積むことを要求し、
>「税効果」は厳格に査定するなどとやっていれば、
>信用収縮は進み、デフレギャップは広がって、
>その結果、その保守的な「引当」や「税効果」ですら実現できず、
>さらなる「厳格化」を求める議論に陥らざるを得ない。

>「実態のないもの」が「実態がないこと」を理解できない連中が、
>後者の「デフレの無限ループ」にはまり銀行と経済の破壊を繰り返したのが
>97年以降の鳥瞰的な構図である。
>「正しい引当」というもの存在すると思っている時点で、
>かならず、その無限ループにはまらざるを得ないのだ。

という具合ですが。

リフレ論がだいたいその手段において無理がくることが多いと思いますので、
これが一番市場原理に則った正統派のデフレ克服策だと思います。
よりによって「不良債権処理」をデフレ対策の筆頭に挙げた
小泉、竹中の倒錯ぶりには開いた口がふさがりません。


Id: #b20031117165540  (reply, thread)
Date: Mon Nov 17 16:55:40 2003
Name: やまがた
Subject: 体質改革。
これ、ちょっと笑える。

http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1069031481/480

Id: #b20031104053005  (reply, thread)
Date: Tue Nov 04 05:30:05 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031102121617
Name: 中野太郎
Subject: お札

その3種類の紙幣のうち真っ先に保存しておくべきは、実は最も新しい「国立印刷局発行」のものらしいです。

夏からずっと注意しているけど、「国立」銘の札は私の手元にはまだ1枚も回ってきたことがない…。


Id: #b20031102190222  (reply, thread)
Date: Sun Nov 02 19:02:22 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031102121617
Name: たかはた
Subject: Re: 3種類のお札

うーん。
日本のGDPがまあ500兆円くらいですね。仮に1000万人の人が1人あたり平均10枚の1万円札を手元に置いたとしても1兆円にしかならず、これはGDPの0.2%に過ぎません。これは非常に過大な見積もりと思いますので、実際の影響は本当に無視してかまわないくらいのものかと。

p.s.
どうでもいいですが(トリビア?)、国立印刷局は独立行政法人ですが「国立印刷局」なのですね。
たしかに、「独立行政法人」なる制度を導入する際の議論で、

国立美術館など、既に「国立○○」という名称で定着している組織がある。こうした組織で名称が変わるのはちょっと困る。

という話があって、「そーいう場合は独法化後も『国立○○』という名称でオッケーよ」ということになったとは記憶していますが。なぜ財務省印刷局が「国立」に拘ったんだろう?


Id: #b20031102121617  (reply, thread)
Date: Sun Nov 02 12:16:17 2003
Name: とくだ
Subject: 3種類のお札

 高校で数学を教えています。今、生徒たちに人気があるという「トリビアの泉」というテレビ番組を見たところ、「1万円札は3種類ある。」と言っていました。そこで、もしや千円札も3種類あるのでは?と財布の中をさぐってみたら、確かに3種類ありました。すなわち、大蔵省印刷局製造のものと、財務省印刷局製造のものと、国立印刷局製造のものの3種類です。
 そこで、私は大蔵省のものと財務省のものはとりあえず使わずにコレクションしておこうと思いました。同じ事を思った人は全国で何人かはいると思うのです。さて、これが日本経済におよぼす影響は果たしてあるのでしょうか?私は微々たる影響はあるとおもうのですが・・・。放送局には視聴率を細工するより、こういうこと(放送が世間に及ぼす影響)を調査してぜひとも発表してしてほしいと思うのです。
Id: #b20031019000956  (reply, thread)
Date: Sun Oct 19 00:09:56 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031013183813
Name: かわい
Subject: 勉強になりました

山形さん、お返事有り難うございます。ご指摘よく分かりました。
>実際に流動性の罠にはまっている、ということのほうが、その原因なんかより遥かに重要だ
クルーグマンが日本経済の危機の真相との処方箋を指し示して、ずいぶんになるのに、なかなか先に進みませんね。今年のダボス会議でも、竹中大臣に対してあきらめ顔でした。日産のカルロス・ゴーンでは有りませんが、竹中さんの代わりにクルーグマンが大臣になれば、日本経済も、復活できることは間違いないのでしょうに。残念です。

今後もクルーグマンの楽しい翻訳を期待しております。頑張ってください。

Id: #b20031013183813  (reply, thread)
Date: Mon Oct 13 18:38:13 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031013131224
Name: やまがた
Subject: 人口と期待インフレ

詳しい情報ありがとうございます。

日本が流動性の罠にはまっている原因として、将来の高齢化に対する危機感wo クルーグマンが挙げているのはおっしゃる通りです。ただ、川井さんの書き方だとはっきりしないのですが、期待インフレ率を4%くらいにする、という話(つまり4%という数字の設定ロジック)と人口減少は直接には関係していません。むしろ、実際に流動性の罠にはまっている、ということのほうが、その原因なんかより遥かに重要だ、と述べて、あまり原因探しに深入りする気はないことをはっきり書いています。ご参考まで。


Id: #b20031013131224  (reply, thread)
Date: Mon Oct 13 13:12:24 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20031003015714
Name: 川井
Subject: 本当に人口減少はウェルカムなのか?

おひさしぶりです、黒木さん、川井です。
はじめまして山形さん。

人口減少が話題になっているようですね。
藤正さんの議論のエッセンスは此処でも確認できると思います。
http://www1k.mesh.ne.jp/toshikei/158.htm
>これはどんなことをしても、人口減少が起こるんです。常識の範囲内で幾ら出産奨励をしても、人口減少は食いとめられません。
>これはよく認識していただきたい。これは決していろいろな仮説や何かを立ててやることではありませんで、必然の答えなんです。
>絶対間違いないということをいうわけです。

だからこそ人口減少を前向きに受け止め、かつそれに対応するシステム作りが重要である、と主張しているのであって、人口減少が100%OKだと言うわけではないと思われます。原田本の人口減少の議論もこの避けがたい事態を小手先で受け止めるのでなく、来るべき事態に対して社会システムをどのように改善するのが良いのか、前向きに受け止めようじゃないかという重要な議論のように思います。

これとは別に【デフレが少子化を加速しているのではないか?】という議論もあると思います。
インフレ基調の経済であれば、将来収入が大きい若年世帯は借り入れを通じて消費を拡大することが出来るでしょう。
子育てを将来の家計収入に対するある種の投資と考えれた場合、借り入れが減価していくのであれば人々はリスク分散の観点から子供の数を増やすのではないでしょうか?デフレ基調の経済はまったくその逆と言えるでしょう。ファイナンスの負担が年々増価していくわけですから子供を増やすことや生むことのリスクを引き受けられないのではないか、と思われます。

人口ピラミッドの先細りが避けがたいとはいえ、その逆三角形のスピードは社会システムの改革が実体についていけなければなりません。そのためにも、少子化の速度はゆっくりでないとまずいのではないか、という論議も必要なように思います。クルーグマンは日本の人口減少を重要視して、初期の頃から確かインフレのターゲット率を4%に設定していたのではないでしょうか?私の記憶違いで有れば、申し訳有りません。お教えいただけると幸いです。



Id: #b20031003015714  (reply, thread)
Date: Fri Oct 03 01:57:14 2003
Name: やまがた
Subject: どうもです。
情報提供ありがとうございます。ふーむ。みなさん参考にさせていただきます。

Id: #b20031003004054  (reply, thread)
Date: Fri Oct 03 00:40:54 2003
Name: ちあき
Subject: 「少子化・高齢化」ではなく「人口減少」ですが

石水喜夫『市場中心主義への挑戦―人口減少の衝撃と日本経済―』(新評論、2002年)が気になっている一編集者です。
連合総研での報告を読む限りでは、ケインジアンの系譜をふまえた議論を展開されているようで興味津々。

以上、とりあえず情報提供まで。


Id: #b20030927063355  (reply, thread)
Date: Sat Sep 27 06:33:55 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030925221630
Name: BUNTEN
Subject: 少子化と負担増(ちょこっと版)

山家悠紀夫『「構造改革」という幻想』の128-129ページにさわりだけ出ています。

実は、より詳しく数値を入れたものも幾つか手元にあるのですが、それらはバブル崩壊前か直後の計算であり、成長率の見通し等が実績よりかなり甘くなっていますので割愛させていただきます。

Id: #b20030926182922  (reply, thread)
Date: Fri Sep 26 18:29:22 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030926173539
Name: いなば
Subject: しょーがねーな

人口減少オッケー派として

藤正巌・古川俊之『ウェルカム・人口減少社会』文春新書
松谷明彦・藤正巌『人口減少社会の設計』中公新書
Id: #b20030926173539  (reply, thread)
Date: Fri Sep 26 17:35:39 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030926121432
Name: やまがた
Subject: 原田本
>山形さんのファンです

自己紹介では恥をかけるようにしろとは書いてありますが、しょっぱなから
恥をさらせとは書いていないのに……

で、原田本は手元にあったのに見ておりませんでした。早速見てみます。
ご教示ありがとうございます。取り急ぎ。

Id: #b20030926121432  (reply, thread)
Date: Fri Sep 26 12:14:32 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030925221630
Name: svnseeds
Subject: RE: 少子化と負担増

はじめましてこんにちは。
はてなダイアリーで日記を書いているsvnseedsと言います。山形さんのファンです(これで自己紹介になっているでしょうか?)。

少子化と負担増の件、既にご存知かもしれませんが、原田泰さんが「人口減少の経済学―少子高齢化がニッポンを救う!」と言う本を書いています。ただし、残念ながら現在は入手困難なようです(ちょっと前まではよく見かけたのですが)。
実は僕もこの本は未読(探してるところ)なのですが、同様の主張と思われるものが「奇妙な経済学を語る人びと―エコノミストは信用できるか」の第7章で展開されています。

ご参考まで&是非山形さんの感想を聞きたいです。
Id: #b20030925221630  (reply, thread)
Date: Thu Sep 25 22:16:30 2003
Name: やまがた
Subject: 少子化と負担増

少子化が進むと、ガキが一人で支えるジジババどもが増えて年金やその他の 負担が増し、とんでもないことになる、日本はお先真っ暗だ、という説に対して、年寄りは増えるがその分子供が減って育児費用は下がる、だからこれまで子供につぎこんでた金が年寄りにシフトするので、とんでもない支出増にはならない、という説があります。

この議論をきちんとやってる人とか本とか、もしご存じの方がいればご教示いただけないでしょうか。ふと興味をおぼえたので。


Id: #b20030910200948  (reply, thread)
Date: Wed Sep 10 20:09:48 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030902104610
Name: くろき げん
Subject: 田中秀臣、安達誠司、『平成大停滞と昭和恐慌 プラクティカル経済学入門』

忙しくてネット上ではだんまりを決め込んでいるのですが、最近出版された

を私もおすすめします。現在と過去の日本経済の低迷に関して安達氏が書いたものはすべて読む価値があります。あと、本屋でNHKブックスのコーナーに立ち寄った場合にはついでに

も合わせて買って帰ると良いかもしれません。タイトルからは想像できないでしょうが、実はこの「サラリーマン本」もリフレ政策本でかつ反シバキ主義に基いたトンデモ経済論に対する批判本になっています。


Id: #b20030902104610  (reply, thread)
Date: Tue Sep 02 10:46:10 2003
Name: ブタネコ

田中秀臣 安達誠司
平成大停滞と昭和恐慌 NHKブックス 
Id: #b20030810055058  (reply, thread)
Date: Sun Aug 10 05:50:58 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030624200732
Name: BUNTEN
Subject: 合理性

★インフレターゲット支持こそ経済学の本流その120、の264(書き込み時点でリンク切れ中)
に、改革いらね氏が「期待の源泉とは 経験がもっとも強い要因である」と書きました。これは当たっていると感じます。

アメがもらえたかどうかの外挿でお金をもらえる可能性を見積もったのは、科学的思考という意味での理性というよりはこのような比較的原始的なメカニズムだと思われます。しかしながら、条件によっては思考が節約できる割によく当たる(予測の実用性が高い)ので、半ば本能的な予測システムとして脳に組み込まれていると考えてよいのではないでしょうか。

この予測法の「合理性」( b0056.html#b20030622184535)は予測精度の高さにあるのではなく、思考の節約度と予測精度のバランスにあるのだと思います。
Id: #b20030730190832  (reply, thread)
Date: Wed Jul 30 19:08:32 2003
Name: drake
Subject: 破ってはならない記録

Reuters AlertNet ニュース "Japan economic woes keep suicides near record high" より More pain, any gain? No more of a terrible record!


Id: #b20030719153341  (reply, thread)
Date: Sat Jul 19 15:33:41 2003
Name: 大阪人
Subject: コラムのページを出している者です。

 はじめまして、コラムのページをつくっている、一市民です。
少年の事件に関しての報道に関しての意見を、まとめましたので
ご覧ください。

http://www.nanzo.net/chita/hodo.html

で、ご覧いただけます。
Id: #b20030718233315  (reply, thread)
Date: Fri Jul 18 23:33:15 2003
Name: drake
Subject: マニフェスト(と言ってもいろいろあるが)

国立国語研究所「外来語」委員会言い換え語一覧 にも 第2回言い換え対象語 にもまだ挙がっていませんが、最近、永田町あたりのバズワード…おっと!専門家(気取り)が好んで用いる流行語の一種…に「マニフェスト」という言葉がありますね。これこそ「公共性の強い場で使われている外来語のなかにも,一般への定着が不十分で分かりにくいもの」の代表かもしれません。

人によっては、欧州に妖怪を出没させた「コミュニスト・マニフェスト (Communist Manifesto) = 共産党宣言」を思い浮かべるかもしれないし、「ダダ・マニフェスト (Dada Manifesto) = ダダイスム宣言」なんてのもあったし、産業廃棄物などの「マニフェスト (manifest) = 管理票」もあるし、もしかしたら隠れ抵抗勢力を燻り出す「踏み絵」のことだと誤解する暢気な人もいるかもしれない。

バズワードと言いましたが、善意に解釈すれば、定量的目標や達成ステップが無いとマニフェストとは言えないとする考え方は、従来型の選挙公約からすれば一歩前進かもしれないですね。特に経済政策には当てはまりそうです。但し、間違った現状認識に基づいたものは却って有害かもしれませんので、取り扱い注意。

参考までに、おそらく日本の政党がモデル…おっと! お手本…にするであろう21世紀の元祖マニフェスト「英国労働党の2001総選挙マニフェスト」のページにリンクを張っておきます。真偽を見分けるにはまず本物を知らなければ……というわけで見てみると、確かに、インフレ目標が 2.5% とマニフェスト(明示)してあります。


Id: #b20030625063532  (reply, thread)
Date: Wed Jun 25 06:35:32 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030624200732
Name: i-ko
Subject: 理性なのか感情なのか

面白い実験の紹介をありがとうございます。とても楽しく読ませていただきました。

drakeさん。「なるほど、それもそうかな、とそんな気もしないではありません。でも、理性の働きだけだったら、たかが飴ごときで大金の約束を反故にされる可能性まで見積もるかな、という素朴な疑問も率直に言ってあります。」

そもそもたかがアメごときですが、大金自体も本当にもらえるわけがないことはわかっていての実験ですよね。実際にもらえるとなると、また実験結果も違ってくるのじゃないかなんて思ったのですが、そんな実験をする予算なんてないですね。そんな実験があったら、ぜーったいに参加したいです。

本気(冗談じゃないです)はさておき、損得勘定は理性的なものではあると思いますが、一時の感情によって左右されている事も衝動買いなどからもよくわかります。それがアメによって一時的な感情を抑えられるというようにも読めました。糖分が足りなくなると怒りっぽくなるともいいませんか?アメの中の糖分が理性的な落ち着きを与える(根拠なしの勝手な推測です)とか、科学的な根拠もあるような気がします。



Id: #b20030624200732  (reply, thread)
Date: Tue Jun 24 20:07:32 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030624053734
Name: drake
Subject: $3,000 + 飴 = $3,800

BUNTENさんの読み:
> 被験者は、来週の3000ドルと数ヶ月後の3800ドルについて、
> それぞれの入手可能性を勘案する操作を行っているはずで、
> その場合、答える前に飴を食べさせてもらったグループは
> 約束が履行される可能性を高く見積もり、食べる前に答えを
> 要求されたグループは、約束を反故にされる可能性を高く
> 見積もった、ということだと思います。

なるほど、それもそうかな、とそんな気もしないではありません。でも、理性の働きだけだったら、たかが飴ごときで大金の約束を反故にされる可能性まで見積もるかな、という素朴な疑問も率直に言ってあります。

これはあくまでも直観ではありますが、実際に飴を食べたことによる「実体験に基づく快感」(快感神経が重要な働きをすると言われています)が有るか無いかということが何らかの影響を及ぼしたのではないかと考えています。ダニエル・カーネマンのノーベル賞受賞記念講演(38分間のRealPlayer動画[このページからアクセス])を聴いた後では、ますますそのように思えます。(その講演の中の一例:14℃の冷水に60秒間手を浸けただけの場合と、その後15℃の[ちょっとだけましだがやはり冷たい]冷水に30秒間手を浸けた場合では前者の方が不快と感じた人が多かったそうです。明らかに後者の方が長時間冷水に手を浸けているわけですが)

いずれにしても、そのアメ実験の詳細なレポートを見るまではなんとも言えませんね。

なお、「合理的側面では説明しきれない感情的意志決定を問う行動経済学」と端折って書きましたが、参考までにそのニュースの関連部分を訳出しておきます:

この [アメの実験の] ような研究は、人間の態度や感情が経済的な選択に及ぼす影響に焦点を当てたものだが、それは行動経済学という現在急速に発展中の分野に属するものだ。

それは、人々は完全に合理的であり常に最上の経済的利益に向かって行動する、という経済学の基本原則のひとつに対して疑問を投げかけている。

……………………

「感情は我々を事実上別人に変える力を持っている - 中でも浪費家やけちん坊にする力を」とその研究に参加したカーネギー・メロン大学のジョージ・ローウェンステイン教授は言っている。

それにしても、何よりも希望が必要なこの経済的有事のときに、アメが無くてムチばっかりというのは余りにも人間心理にムチ(無知)な政治ですね。(「欲しがりません勝つまでは」で大敵デフレに勝てるとでも夢想してるのかなあ? 大事なのは『暗闇への跳躍』〔ホッブズ〕じゃなくて、『もっと光を』〔ゲーテ〕なんだがなあ)


Id: #b20030624053734  (reply, thread)
Date: Tue Jun 24 05:37:34 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030622184535
Name: BUNTEN
Subject: 合理性

これ、リンク先が英語だったのでコメント元だけから書いた話ですが…。

>合理的側面では説明しきれない

これはどうでしょうか。この実験は一見非合理と見える行動の裏に隠された合理性を暴き出した、と私は読みます。

被験者は、来週の3000ドルと数ヶ月後の3800ドルについて、それぞれの入手可能性を勘案する操作を行っているはずで、その場合、答える前に飴を食べさせてもらったグループは約束が履行される可能性を高く見積もり、食べる前に答えを要求されたグループは、約束を反故にされる可能性を高く見積もった、ということだと思います。(このため、飴をお預けされたグループは、800ドルの利子?込みの平均期待収益を、利子なしのそれより低く見積もる結果になった。)
言い替えれば、"約束"の実際の履行状況(ここでは飴がもらえたかどうか)を外挿した形の、単純ながら極めて合理的と言える推量がなされているのではないかと。

 ----

日本のデフレ期待が大きくなっているのは、小泉「改革」においては痛みは確実である(首相自身がそう言っている)一方、明日は不確実だと見られているからではないでしょうか。「改革」に期待する人とそうでない人の景気見通しを図示すると

       短期見通し 長期見通し
期待する人    ↓     ↑
期待しない人   ↓     ↓

となります。

「低金利」をチャンスと見て借金して投資した会社が潰れていくのを見ているので「改革」に期待する人でも今すぐ投資に踏み切ることはないでしょうから、短期的にはデフレが激化するのは当然だし、その結果(?)「改革」が成果を上げないことにしびれを切らして"期待しなくなった人"が増えてくると、全体としての長期見通しもどんどん暗くなっていくことになる。最近長期金利がむやみに低下してるのも、このように説明できそうな…。(^_^;)

(結論:痛みに耐えてうんぬん、という方針は百害あって一利なし。)

Id: #b20030622184535  (reply, thread)
Date: Sun Jun 22 18:45:35 2003
Name: drake
Subject: 行動経済学

「アメはお預け」では目先の現生(げんなま)にますます執着して先行投資などしたがらない?……どうもそうらしい。

末尾のリンク先の記事によると、「来週 $3,000 を手にするか、二三ヶ月後に $3,800 を手にするか?」という問いに対して、答える前にアメを食べたグループは二三ヶ月後の $3,800 を望み、食べる前に答えることを要求されたグループは来週の $3,000 を選んだそうです。

2002年のノーベル経済学賞受賞者の一人、ダニエル・カーネマンは心理学者で、不確実性の下での意志決定の研究が受賞理由であったわけですが、経済学の未開拓領域として、合理的側面では説明しきれない感情的意志決定を問う行動経済学 (Behavioral Economics) が成長中との話。

ボストン連銀が年一回開いている経済研究に関する会議の今年のテーマは「人間の行動 - 経済学・政策への意味合い」で、心理学者、人類学者、社会学者、経済学者のみならず、「根拠なき熱狂」(irrational exuberance) の名言を吐いた人が率いるFRB本部の職員も参加したそうです。

「今の痛みに耐えて明日を良くしようという『米百俵の精神』」ではますます先を見なくなる…なっている。これも貴重な実験結果。

リンク(どれも内容は同じ):
  Reuters News
  Yahoo! News
  MSNBC News
  Laurushealth.com Headline


Id: #b20030617191218  (reply, thread)
Date: Tue Jun 17 19:12:18 2003
Name: ブタネコ
Subject: 2万円のシーフード カレー

http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/lamer951125.html関連。
週刊朝日に2万円のシーフード カレーが。
Id: #b20030615181341  (reply, thread)
Date: Sun Jun 15 18:13:41 2003
Name: drake
Subject: デフレにおける減税政策

IMFの "Deflation: Determinants, Risks, and Policy Options"本文の37ページ、段落番号94から:
……需要を異時点間に再配置する方策、例えば投資に対する一時的な税額控除や時期が来れば自動消滅する消費税減税などによるもの、が最適であろう。
つまりデフレからの脱出には、長期的な出費増加をさせることなく、短期的に消費・投資マインドを上げることが大事……ということではないでしょうか。

Id: #b20030614185525  (reply, thread)
Date: Sat Jun 14 18:55:25 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030613002137
Name: 顕正居士
Subject: 消費税率を徐々に上げる
消費を振興する効果があるとおもいます。1日に1/365%ずつ上がるような場合には。
2-3年刻みの場合、たとえばPCを今日、買い換えようとか、おもわないのではないか。

また消費税には根本的な問題があります。政府の政策が国民経済に正負の影響を
与えると仮定し、所得税のみが税収であれば、有益な政策を立案する動機が生じる。
消費税は国民経済の現在の規模のみで徴収できるから、有益な政策を立案する
動機が減退する。および、そう人民が判断するからです。

消費税を今より上げないという約束をし、および少子化によって非現実的になって
いる強制保険の掛金を下げ、そのかわりに免税点を下げ、多くの人から幾らかの
所得税を徴収するほうが消費の振興には好ましいとわたしはおもいます。

Id: #b20030614124652  (reply, thread)
Date: Sat Jun 14 12:46:52 2003
Name: drake
Subject: IMF季刊誌

IMF の季刊誌 (Volume 40, Number 2) のページから2つ紹介します。
  1. A snapshot of Japan's economy:
    A tale of stubborn deflation and weak growth, illustrated with graphs.
  2. The move to inflation targeting:
    Why targeting a specified inflation rate has become increasingly popular with central banks.
1. は 1985-2002年の日本経済の諸指標をグラフ化した1ページもので、実質GDP成長率、失業率、名目賃金上昇率、インフレ率、など9指標があります。

2. には次のようなことが概説されています:

他にもいろいろあって、Dancing in Unison?: Economists lack evidence of increasing synchronization of the world's economies あたりも面白そうです。


Id: #b20030613234812  (reply, thread)
Date: Fri Jun 13 23:48:12 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030613213550
Name: n.n
Subject: 小さな疑問

くろきさんの「岩田規久男の日経新聞2003年6月11日経済教室は素晴しい!」の最後の部分:

政府と中央銀行は「インフレ目標付きの大規模長期国債買い切りオペ」という金融政策とそれをより効果的にするための「所得税減税」や「社会保険料減額」のような財政政策の組み合わせによってデフレを終わらせ景気を回復させることに集中し

にある「所得税減税」は、この記事全体の流れと、やまがたさんの質問に対するくろきさんの答えから考えると「消費税減税」になるはずでは?と思うのですが。


Id: #b20030613213550  (reply, thread)
Date: Fri Jun 13 21:35:50 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030613002137
Name: くろき げん
Subject: 減税と増税では向きが全然違う

繰り返しになりますが、スティグリッツや最近の岩田規久男は「景気が回復するまでのシニョレッジを財源とした一時的な減税」を政策パッケージの中に組み込むことを提案しています。マネーの散布の仕方として「消費税減税」は「社会保険料減額」と合わせて十分考慮する余地があると思います。しかし「最初から消費税率をアップし続ける増税路線」の方は全然駄目でしょう。

「景気が回復するまでのシニョレッジを財源とした一時的な減税」でも「最初から消費税率をアップし続ける増税路線」でも大きな違いがないという考え方もあり得るとする方が疑問だと思います。

効果の向きが正反対になる可能性さえある。立証責任は減税でも増税でも大きな違いがないと主張する側にあります。そして減税と増税では大きな違いがあるというのが過去の経験の教えるところでしょう。

消費税率を3%から5%にアップしたときの景気の動きを見ると税率がアップする直前には駆け込み需要が増えまくってますが、消費税率アップの後は需要が低迷しまくっている。これを (たとえば) 毎年のように繰り返すのはコストが大き過ぎるという反対意見も十分ありえると思います。

増税が需要を減らすマイナス効果と消費税率をアップし続けることによる駆け込み重要が増えるプラス効果とそれによって生じる混乱のマイナス効果を全部足して果たしてプラスが残るのか?

やはりデフレはマネタリーな現象なのでマネーサプライをどう増やすかを考える方が素直な考え方だと思います。


Id: #b20030613210111  (reply, thread)
Date: Fri Jun 13 21:01:11 2003
Name: drake
Subject: もう一人、誤りを認めた(らしい)偉い人

先日、「貨幣量目標…『うまくいっていない』(Targeting the Quantity of Money........"has not been a success")」という記事を目にして、ん?…と思ったら Brad DeLong の Blog でそれが話題になり、次いで、P. クルーグマンの「ついに認めましたね」というニュアンスも感じられるコメントが出ました。

上記記事によると、ミルトン・フリードマンがフィナンシャル・タイムズのサイモン・ロンドンに対して「貨幣の量を目標とするやり方はうまくいっていない」、「今ではかつてのようにそれを強力に推奨する自信はない」と考えを改めたことを認めたとのことです。ミルトン・フリードマンとはもちろんマネタリズムの大御所でノーベル賞を受賞したあの有名なフリードマンです。

クルーグマンは以前から貨幣総量(M1, M2, M3 など)の安定成長を機械的に目指すマネタリズムを「ナイーブ」な学説だと批判していました。[例えば、() とか ()] (2) の中ではジョーク好きの本領を発揮して「1977年以前でさえ M3.14159 とかなんとかの総量の着実な成長を維持することで経済を安定させることなどできないことは明らかだった」と揶揄気味に批判しています。

彼は、上記のコメントとそこに登場する Ben Stein というちょっと力不足なクルーグマン・アタッカーへの反撃文の中で、フリードマンは偉大な経済学者であるが、その業績はマネタリズムではなく、消費の恒常的所得仮説と自然率仮説にあると評しています。反撃文では、もはや貨幣総量を目標にする者などほとんどいなくて、インフレ率を目標にするのが今のやり方だと言明していました。

なお、Ben Stein の対クルーグマン攻撃自体はマネタリズム論争の本質とは関係のない幕間のコントみたいなものですから、笑うのが目的でなければ無視して差し支えありません。

P.S.: DeLong の Blog にコメントを寄せている Bobby は あの "The Unofficial Paul Krugman Web Page" の運営者です。


Id: #b20030613020338  (reply, thread)
Date: Fri Jun 13 02:03:38 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030612193302
Name: n.n
Subject:

「匿名で失礼します」の挨拶



私は、趣味嗜好を明らかに出来るwebサイトを持っていませんし、まだ数回、掲示板に記事を書き込んだ経験しかありません。そんな人間が使っている「n.n」という匿名が、ネット上で同定可能な名前とは言えないかもしれませんが、黒木さんの:

「匿名」者の穏当な発言を禁止するものではありません。今まで通り、「匿名」による有益な情報の提供は歓迎致します。

を読み、情報の提供ならできるのではないかと考え、投稿しました。なにぶん匿名ですので情報提供の投稿だけを行い、匿名での批判や議論への参加をしないよう気をつけたいと考えています。

初めて投稿する際に当然しなけらばならない挨拶をせずに、いきなり書き込んでしまったことをお詫びします。あらためてどうぞよろしくお願いします。


Id: #b20030613002137  (reply, thread)
Date: Fri Jun 13 00:21:37 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030612193302
Name: やまがた
Subject: 消費税
>消費税率を徐々に上げるという案は駄目。減税であることは非常に重要。

あ、ダメっすか? 結構自分で気に入っていたんですけど。どこに差が出ます
でしょうか?

Id: #b20030612193302  (reply, thread)
Date: Thu Jun 12 19:33:02 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030611153322
Name: くろき げん
Subject: 岩田規久男の日経新聞2003年6月11日経済教室は素晴しい!

n.n さん、昨日の岩田経済教室、私も読みました。

銀行貸し出しが増えなくても日銀が国債を買えばマネーサプライが増えるという点についても明確な説明がありますね。岩田規久男曰く、

 この政策【引用者註:インフレ目標が安定的に達成されるまで日銀が無制限に長期国債を購入するという政策】では、銀行が発行市場や流通市場から長期国債を購入し、その国債を日銀が購入するということが大規模に繰り返される。銀行が市中から長期国債を買うときには購入先の預金口座に長期国債代金を入金する。それにより預金 (通貨) が市中に供給される。銀行貸し出しが増えなくても通貨供給量は増えるのである。 (岩田規久男、日経新聞経済教室 2003.6.11)

あと、日銀のシニョレッジ (通貨発行益) を消費者に配布することによって消費を刺激することも同時にやった方が良いと言っている点にも注目です。一時的に消費税率を下げるという案はスティグリッツも述べてましたね。 (消費税率を徐々に上げるという案は駄目。減税であることは非常に重要。)

高橋洋一氏自身はシニョレッジの散布の仕方として「社会保険料減額」というアイデアも出しています。シニョレッジのばらまき方として「消費税減税」と「社会保険料減額」を使うことは効果の点からも平等性の点からも好ましいと思います。所得税は払ってない人がたくさんいますが、消費税や社会保険料は違います。

消費税収の10兆円や社会保険料の20兆円という規模の大きさを見れば、それらの減額という手段によってデフレギャップをかなり埋めることができそうです。景気が回復し切るまで政府がシニョレッジで消費税減税分や社会保険料減額分をまかなうという案は十分考慮に値すると思います。

いずれにせよ、デフレはマネタリーな現象なので、マネタリーな側面を無視せずに、景気対策を行なう必要があります。

今日 (2003.6.12) の日経新聞経済教室 (齊藤誠) はシニョレッジの使い方の効果と平等性の観点から見ても全然駄目だと思いました。特に次の部分には非常に驚きました:

 たとえば【引用者註:シニョレッジの使い方の例として】、日銀が大手銀行の株主となる。その上で優れた考査力をバックにガバナンスを行使するのが合理的かもしれない。そこでもセニョリッジが不良債権の償却原資に使われるかもしれないが、銀行の再生は日本経済の基盤になる。 (齊藤誠、日経新聞経済教室 2003.6.12)

日銀に優れた考査力があるという証拠は存在しないし、日銀にこのような形でシニョレッジを使う権力を与えるのはまことに好ましくない。シニョレッジの利用によって日銀が自身の権力を増やせないようにするべきです (この点においてもインフレ目標政策で日銀の自由をしばることは好ましい)。景気回復とは無関係なところでシニョレッジが費されることはできるだけ避けなければいけません。

この他に齊藤氏はシニョレッジを産業再生機構に使うことを提案しています。しかし、産業再生機構がほとんど機能していないことは各種経済報道によってよく知られていることです。そもそも産業再生は政府のやるべき仕事ではありません。 (それに対して、需要管理 (景気の安定) は政府と中央銀行以外には不可能な仕事なので政府と中央銀行がやるべき仕事になる。政府と中央銀行がやるべきでないことばかりをやって、やるべきことをやろうとしていないから、日本経済は低迷し続けているのです。)

政府と中央銀行は「インフレ目標付きの大規模長期国債買い切りオペ」という金融政策とそれをより効果的にするための「所得税減税」や「社会保険料減額」のような財政政策の組み合わせによってデフレを終わらせ景気を回復させることに集中し、私企業間のお金の貸し借りの問題 (不良債権問題) や私企業の再建の問題 (産業再生の問題) は市場にまかせて政府は直接口を出さない方が良い。


Id: #b20030612001321  (reply, thread)
Date: Thu Jun 12 00:13:21 2003
URL: qctcg@concerto.plala.or.jp
Name: 伏見 光章
Subject: 日本政府に期待はしない
はじめまして 伏見といいます。
住宅ローン関係の検索でやってきました。
今、趣味は仕事オンリーのため何もしていません。テレビも見ません。
興味のあることは、事業の展開に関すること、顧客獲得に関することです。
現在の政府の対応は、決してデフレを止められるものではありません。
もっと抜本的対策が必要と考えられますが、小泉さんにしてもそれが非常
に難しい。とにかく自分としては、自分の経済対策を自らの力で改善すべ
きと考え、本業の傍らサイドビジネスに余った時間を投入し、借金をな
くし、貯金が出来るようになったら、外貨預金をと計画しています。日
本国内に預金していたら日本国破産時に預金が紙くずになりますから。
サイドビジネスはハーバライフをメインに色んな物を売っています。
http://www7.plala.or.jp/ikefushi/

Id: #b20030611153322  (reply, thread)
Date: Wed Jun 11 15:33:22 2003
Name: n.n
Subject: 今日(6/11)の日本経済新聞の経済教室に
岩田規久男「脱デフレ、赤字国債購入も
消費税減税に充当  金融と財政、政策協定を」

が掲載されています。

岩田さんは

・日銀がマイルドなインフレ目標(1-3%)を設定し
  その実現にきちんとコミットする。
・インフレ目標が安定的に達成されるまで、オペ額の制約なしで
  長期国債買いオペを続ける。
・ドル建て債を定期的に買い、円安を誘導する。
・消費税の減税(税率を2-3%に引き下げる)

などの政策で、デフレを脱却することが最優先であると
説明されています。



 


Id: #b20030607150825  (reply, thread)
Date: Sat Jun 07 15:08:25 2003
In-Reply-To: b0056.html#b20030606214018
Name: drake
Subject: 貨幣の流通速度関数の起源、他

アーヴィング・フィッシャーは『貨幣の購買力』で金融論に大きな一石を投じましたが、実は、貨幣の流通速度という概念は17世紀のウィリアム・ペティ卿に遡ることができ、その後ジョン・ロック、リチャード・カンティロン、そしてインフレ期待を速度関数に導入したヘンリー・ソーントン、さらにクヌート・ヴィクセルを経てフィッシャーに至る、というのは米国リッチモンド連銀の経済思想史家、トーマス・ハンフリーの The Origins of Velocity Functions の受け売りです。

ウィリアム・ペティ卿は、富は通貨の蓄積量だけでなく流通速度の関数でもあると、日銀の人に卿の爪の垢を墓から掘り出して謹呈したくなるようなことを、"Quantulumcunque Concerning Money"(貨幣に関するコメント)の中で述べています。また、ソーントンによるインフレ期待の導入には、フランス革命期の財産担保紙幣 (assignats) の発行による西欧初のハイパーインフレが影響していたということです。

それを書いたトーマス・ハンフリーは他にも面白い記事を書いており、コスト・プッシュ(インフレ/デフレ)説の批判 Historical Origins of the Cost-Push Fallacy もその一つです。例の1873‐1896大不況にも触れています(p.12 の下半分)。これは特に「デフレの犯人中国だ」の人、「IT革命良いデフレ」の人は必読です。(モデルチェンジごとに性能アップ・価格ダウンのモータリゼーション時代、「インフレなき福祉をめざして」なんて言っていたのは何故?…石油ショックの前の話ですよ)


Id: #b20030606214018  (reply, thread)
Date: Fri Jun 06 21:40:18 2003
Name: drake
Subject: アーヴィング・フィッシャー『貨幣の購買力』

Library of Economics and Liberty にアーヴィング・フィッシャー『貨幣の購買力』の原著
"The Purchasing Power of Money: Its Determination and Relation to Credit, Interest, and Crises"
が収録されました。
有名な交換方程式 MV = PY の説明が載っているあの本です。
このサイトには他にもいろいろ古典やトピックス etc. があり、リンクも充実しています。


Id: #b20030605210355  (reply, thread)
Date: Thu Jun 05 21:03:55 2003
Name: drake
Subject: 今日は何の日

今日、6月5日は次のような、経済に関係のある出来事があった日です。
1723年6月5日 アダム・スミスが生まれました。
1883年6月5日 ジョン・メイナード・ケインズが生まれました。
1933年6月5日 フランクリン・ローズヴェルトが金本位制を放棄する法律にサインをしました。
1947年6月5日 ジョージ・C・マーシャルがマーシャル・プランを提出しました。

Id: #b20030604195458  (reply, thread)
Date: Wed Jun 04 19:54:58 2003
Name: drake
Subject: ゼロ金利制約下の最適金融政策

黒木さんがここここで紹介された「バーナンキFRB理事の日本金融学会での講演」で提唱されている物価水準ターゲティング (price-level targeting) の理論的ベースであり参考文献にも挙げられている:

Eggertsson, Gauti, and Michael Woodford (2003). "The Zero Bound on Interest Rates and Optimal Monetary Policy," working paper, International Monetary Fund and Princeton University, May.

が、著者の一人、マイケル・ウッドフォードのホームページにありますので、とりあえずリンクだけ張っておきます。

なお、ウッドフォードもクルーグマン曰く「流動性の罠&インタゲ陰謀団」(the liquidity trap, inflation-targeting cabal) の共謀者の一人です……注:「流動性の罠&インタゲ陰謀団」はクルーグマン一流のジョークで、彼はプリンストン大学が今や世界の常識となりつつある流動性の罠回避/脱出とインフレ・ターゲティングに関する研究のトップランナーだと自負しているのです。(世界の常識は日本橋の非常識?) [ところで清算主義陰謀団の世界本部はどこでしょう?]


Id: #b20030604025146  (reply, thread)
Date: Wed Jun 04 02:51:46 2003
Name: ときた
Subject: 齋彌

本荘の日本酒、「齋彌」というのを飲みました。
おいしかったです。
藤沢では、「田火田」という和食系の飲み屋で飲めます。無農薬のラディシュウ丸かじりなんかがメニューにある店です。
http://www.chokai.ne.jp/yurimasamune/a.htm
Id: #b20030602145521  (reply, thread)
Date: Mon Jun 02 14:55:21 2003
Name: かも ひろやす
Subject: TV番組

朝日ニュースター「経済討論バトル 頂上決戦」の次回(6/7(土) 午後5:00〜5:55)は
テーマ
インフレターゲットは必要か?
ゲスト
植草一秀(早稲田大学大学院教授)、岩田規久男(学習院大学経済学部教授)
だそうです。
Id: #b20030602041419  (reply, thread)
Date: Mon Jun 02 04:14:19 2003
In-Reply-To: b0055.html#b20030601025731
Name: くろき げん
Subject: 2003年度日本金融学会春季大会における福井総裁講演要旨

これもリンクを張っておくべきだと思ったのでそうしておきます:

次に引用する段落の「非常に強いコミットメントをしている」というのは明確に誤りですね:

 これに対し、現在日本銀行が採用しているコミットメントの下では、現実の消費者物価指数変化率が安定的にプラスの数値になるまで、超緩和を続けることが明確に宣言されています。言い換えますと、経済活動が回復に向かい人々の間にインフレ期待が起こって来たような場合でも、消費者物価指数変化率が安定的にゼロを上回らない限り、私どもはじっと我慢して、直ちにアクションを起こすことはせず超緩和を続けるという、非常に強いコミットメントをしているということです。それによって、将来の金融緩和効果を前借りしているのです。

日銀は2001年3月19日の政策委員会・金融政策決定会合で「新しい金融市場調節方式は、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで、継続することとする」と決定してこの決定は現在も継続中です。

これだとデフレが永久に終わらなくても日銀はコミットメントを達成したことになってしまいます。だから結局我々は「デフレがこのまま終了しないことを前提に行動を決定せざるを得ない」という状況に置かれ続けているわけです。

バーナンキ講演の大事な主張の一つは「デフレを終わらせる方法がある」ということです。日銀は政府と協力してデフレを終わらせるような政策を実施し、いつまでに目標を達成するかを明記したインフレ目標を宣言すべきなのです。実際にそういう方向に政策が転換すれば、我々は「デフレがもうすぐ終了することを前提に行動を決定せざるを得ない」と考えざるを得なくなります。実はこれが非常に重要なのです。

そもそも日銀ウォッチャーのあいだでは「日銀はデフレを終わらせるような政策の実行を拒否しようとしている」ことが常識になっています (この点については『まずデフレをとめよ』日本経済新聞社の第三章に所収の安達誠司氏の論説が詳しい)。だから、コミットメントが有効になるためには、実際にいつまでにデフレを終わらせるかを約束させることによって、日銀の裁量の範囲を小さくしなければいけません。

現在の状況では日銀は今後も引き締めぎみに金融政策を運営していくと予想できるので、なんだかんだ理由を付けてインフレ率がゼロ%を超えたり、超えかかったりすれば、すぐに引き締めようとするだろうと考えられるのです。実際2000年8月に日銀は無意味にゼロ金利解除を断行しています。日銀が我々の未来予測に影響を与えたければ絶対にそういうことをしないと正式に約束してくれなければ困るのです。

そのための保証がインフレーション・ターゲティングです。たとえば「3年以内に消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率を2〜3%程度にする」のような期限を切った強いコミットメントが必要です。もちろんその後のインフレ率も2〜3%程度に保ち続けることになります。 (インフレ目標の数値は人によって様々だが1%以上5%以下の範囲内にはおさまっている。多数派は1〜3%だと思う。最低値が1%とプラスの値なのは消費者物価指数は理論的にも実証的にも少し高目の値が出てしまうことがわかっているからです。)

日銀が「非常に強いコミットメントをしている」というのはトンデモない話です。

福井総裁の講演を各報道機関 (特に新聞) がどのように報道するかは要チェックですね。講演要旨を読んで感じたことは福井氏は前総裁の速水氏とは比較にならないくらい頭が良いということです。批判を封じるための細かい気遣いが随所に見られる。各報道機関が上で指摘した点に関して誤解しないことを祈るのみです。

日銀の方針が有効か否かを判定するための最も簡単な方法は、あなた自身が日銀の方針を読んで未来予測を大幅に変えなければいけないと感じられたかどうかをよく考えてみることです。もしも「このままデフレが続くのね」と感じたとすれば、実際そうなる確率が高いということになります。 (デフレが続くと皆が予想することはデフレに対して正のフィードバックとして働く。人間の未来予測が重要な役目を果たすところが経済学と自然科学の大きな違いの一つでありかつ面白いところでもあります。)


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