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黒木のなんでも掲示板2 (0045)

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Id: #b20020429052621  (reply, thread)
Date: Mon Apr 29 05:26:21 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020427233739
Name: ひめたにし
Subject: 本当の本当に銀行は困らない?
 国債の価格って、買い切りオペで本当に維持されるのでしょうか。新規国債の
入札価格は、期待インフレ率を上回るものにならざるを得ないと思うのですが
・・・。そうならなければ、少なくとも海外からの資金は逃げて行きますよね。
(銀行がどの程度社債を買ってるか知りませんが、社債にも同様のことが言えま
す。)
 そうなると、これまで国債に依存していなかった金融機関が「元本保証」かつ
「国債依存の銀行よりも高い金利」の商品を発売する余地ができ、預金者は大挙
してそちらへ流れる・・・ってことにならないのでしょうか?
 ブタネコさんの「学生証と国債」の例えには感心。うまいっ!と思いました。

Id: #b20020427233739  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 23:37:39 2002
Name: ブタネコ
Subject: 10年の間に

ひめたにしさん
本当に長期国債を売るのに困らないのなら、なぜ「借金踏み倒し」と罵る人が いるのでしょう。
まず、あとで触れますが、本当に困りません。じゃあ、なぜというと、どこにも馬鹿がいるからだが、どう馬鹿かというと、リスクもだが、『契約』とか『責任』とかが全然わかっていない。契約時に名目利息の支払いは約束され、先払い契約のタイプさへあるが、実質金利が約束されてたらいくら低利でも、中国に殺到してるトービン税も逃れている投機マネーが日本に殺到してたでしょう。
高校に入学したあたりから、学生証さへ持っていれば、自分でものを考えなくても学力がつくと錯覚し、そのまま国債という老人の学生証さへ持っていれば、ごくわずかでも金利がつくのが当り前と考える人が多い。
本当は、5000万中国ファンドを買っていて、年150万の損失より、ますます業績悪化で退職金が3000万減るとか、息子が就職できないとか、そっちの損失のが大きいのに、それは自然災害のように考えている。
国債現在高は、長期国債(10年以上)265兆 円、中期国債(2年から6年)89兆円。まさか、この金額が全部「売るのに困ら ない」とはとても思えないのですが・・・
国債を買うしか能のない銀行が手持ちを一気に放出したりしないので、これも荒唐無稽な想像でしょう。しかし、かなり多数の個人屑投資家が、国債を手放したり、預金を引き出したあとも、実物を買わず、流動性選好は変わらないかも。そういうつまらない人生を送るつまらない人間の多い社会がつまらないのはやむを得ないことですが、それでも全体として(マクロに)かなりの効果があることは、理論的にほぼ確実です。なにかひめぎみの杞憂は、個人屑投資家のシグマがマクロといった感じ。

まあ、10年くらいの間に、1フランが60円から20円になることもあるし、モデムが同じ値段で300から60000になることもあるが、フランがいくらになろうと、情報が速く大量になろうと、GoursatのCours d' Analyse Mathematique の価値は変らない。 名利に使はれて靜かなる暇なく、一生を苦しむるこそ愚かなれ。
Id: #b20020427225208  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 22:52:08 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020427204629
Name: くろき げん
Subject: デフレが終了したときの銀行の損得

インフレターゲット付きの長期国債の大量買い切りオペが発動したときに、銀行の損得はどうなりそうか?

確かに、もしもいきなり長期国債の市場価格が下がってしまうと銀行はその分だけ損をすることになります。国債は政府が元本を保証してはいるが、低い金利に甘んじ続けることはもっと有利な融資機会を失うという形で損をすることになる。機会を失う損を受け入れるか、国債を安く売って機会を活用するかの選択になる。この二つの選択が釣り合うところに国債金利が動くことになる。

しかし、そのときには市中銀行にある国債を2年程度で全部買い切ってしまうような勢いでの大量買い切りオペが発動しているので、実際には国債の市場価格はなかなか下がらないでしょう。むしろ最初のうちは長期国債金利は下がる (市場価格は上がる) ことになるはずです。

実際にデフレが終了することを皆が信じなければ、長期国債の金利は上がらない (市場価格は下がらない) のだから、実際にそういう傾向が出て来たときには、まさにインフレターゲティングが成功しているということであり、デフレはすぐさま終了することになるでしょう。

実際にデフレが終了すれば不良債権はどんどん減り、毎年増え続けている新規の不良債権に苦しめられている銀行はものすごく楽になるはずです。そして、有効な融資先も増えて利益もどんどん増えることになる。

今のままデフレを放置しておくことは、ペイオフ解禁によって預金者に不良債権のせいで銀行が潰れるリスクを負わせ続けることになります。デフレが終了すると困るような銀行は今でも十分にやばいのでは?

銀行は大数の法則によってリスクを分散させながら利ざやを稼ぐ専門家たちによって運営されてなければいけません。政府が責任を持ってマクロ経済を正常化した途端に潰れてしまうようではちょっとお話にならない。そういう恐れのある銀行が本当にあるならばそういう銀行からは早目に預金を引き上げておくべきだと思う。デフレはいつかは終了させなければいけないのだから、その前にそうしておかなければいけない。現実的にはこのように考えないとやばそうですよね。

P.S. 「借金踏み倒し」などと罵る人は、皆に分配するパイ全体のサイズを十分な勢いで増やし続けるためにはデフレの終了が必要だということがわかってないのでしょう。そもそも「財政赤字は実際には誰の誰に対する借金なのか?」というややこしい問題について真面目に考えたことがあれば、「インフレによる借金踏み倒し」などと単純馬鹿な意見を述べることは難しくなるはずです。たとえば「財政赤字は現在の我々が将来世代に借金していることである」という考え方に従えば、その借金は将来世代にとっても有益な形で使われなければいけないことになるし、将来世代に持続不可能なほどの負担を負わせることは防がなければいけないということになる。デフレを放置することに賛成している人は将来世代に必要以上に重い負担を負わせることに賛成していることになります。デフレを終了させて、税収を増やして、財政の持続性を確保することはやはり大事なことだと思います。


Id: #b20020427214247  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 21:42:47 2002
Name: くろき げん
Subject: 日本経済の大停滞の原因に関する俗説のまとめ

そうそう、『エコノミックス7』2002年春号を私も買いました (背表紙の一番上の部分が緑で「特集(1)デフレをどう克服するか」と書いてある、 B5版)。 1900円也。ここを見ている人であれば確実に楽しめる一冊になっていると思います。

余裕があればマクロ経済の部厚い教科書も購入しておいた方が楽しみが増す。経済の話はナマくさくなりがちなので、気楽に楽しむような工夫がどうしても必要な感じがします。しかし、気楽に楽しむためにはどうしても多くの知識が必要になってしまう。

『エコノミックス7』には、岡田靖・安達誠司・岩田規久男「デフレ克服には金融政策のレジーム転換が必要」が掲載されているだけではなく、原田靖の論説の中で「岡田靖氏の命名」 (もちろんけなすための命名) の「岩石理論」=「下り坂にある岩を動かし始めた場合と同様に、物価が少しでも上がったら止まらなくなるという説」がマイルド・インフレ下の現実では全然成立してないことも紹介されてますね。岡田氏の名が少なくとも二箇所登場しているということになる。

話題が脱線してしまいましたが、ここでまとめておきたいのは、原田泰氏が最近まとめている日本経済の大停滞の原因に関する俗説の否定です (参考:『エコノミックス7』、『中央公論』2002.5、『経済セミナー』2002.5 に掲載された原田氏の論説):

原田氏は、自分が否定している説が正しいという証拠を事実と数字の形で示し、しかもそれが十分正しいなら、いつでも自説を撤回する用意があると言っています (『エコノミックス7』 p.65)。原田氏は数字を示さない実感に頼った経済論議がどんなに信用できないかを示すことに成功していると思います。


Id: #b20020427204629  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 20:46:29 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020427200507
Name: ひめたにし
Subject: 本当に売るのに困らない?銀行がつぶれない?
 本当に長期国債を売るのに困らないのなら、なぜ「借金踏み倒し」と罵る人が
いるのでしょう。
 現在、日銀の当座預金残高は実績としては18兆〜19兆円台と、先日新聞で読み
ましたが、これは、乾いた薪は既に十分積み上げられていて、あとは火をつける
だけって状態なのではないでしょうか。これ以上買い切りを積み増す必要はある
のでしょうか。あったとしても、国債現在高は、長期国債(10年以上)265兆
円、中期国債(2年から6年)89兆円。まさか、この金額が全部「売るのに困ら
ない」とはとても思えないのですが・・・
 http://www.mof.go.jp/gbb/1312.htm

 それから、国債を買った人はリスクを引き受けなければならないのは当然です
が、国債が危なくなり始めたら、ペイオフ以上の預金を銀行に預けている人たち
は、早めに普通口座にお金を移すでしょう。これで銀行がつぶれたら、結局負債
は公金で穴埋めすることになります。国債依存の銀行&その銀行に依存しすぎの
大口預金者に、正当にリスクを負ってもらうためには、もう一年待って、普通口
座にもペイオフが適用されるようになってからの方がベターってことはないです
か?

Id: #b20020427200507  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 20:05:07 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020427180406
Name: くろき げん
Subject: 長期国債を買った人はそれに伴うリスクも引き受けなければいけない

デフレを放置しておくのは非常にやばい。だから、このままデフレを放置しておくべきだと主張している人たちは日本経済を破綻させる危険性のある政策を提案していることになる。これが大前提です。

他人に金を貸しつけて金利収入を得る行為には常にリスクが伴います。そのリスクを引き受けるつもりがないにもかかわらず、長期国債のようなものを買うのはおかしい。政府には日本のマクロ経済を安定させる義務と責任があります。デフレに突入してしまった国の政府がデフレ脱出のための政策を積極的に行なうのは当然のことです (その当然の責任を果たしてないことが問題になっているのだが)。そういうリスクがある中でマーケットが決めた金利が低いのはそのリスクを低い金利のもとで引き受ける覚悟のある人たちがたくさんいるということなのでしょう。

過去の金利がまだ高いときに長期国債を買った人はデフレになったおかげでぼろ儲けしていることになります。もしもデフレ終了に伴なって低金利の長期国債を買っている人たちを救済しなければいけないということになると、金利が高いときに長期国債を買ってぼろ儲けした人たちからも過大な金利収入を取り上げなければいけないという理屈になる。

長期国債をこのまま持ち続けていると損をすると感じているのであれば、早目に売ってしまえば良いのです。長期国債を買ったらそのままずっと持ち続けなければいけないなんて決まりはない。インフレターゲット論者の多くが提案している長期国債の大量買い切りオペが始まれば売るのに困ることはないはずです。今でも日銀は月に1兆円の買い切りオペを実行しています。

デフレを終了させてマイルド・インフレで経済を安定させることの重要性を説く人たちは、皆に分配するパイ全体の大きさが順調に増えるための環境整備を提案をしているのに、パイの大きさが一定のゼロサム経済を前提にして「借金を踏み倒す気か!」などと根本的なところで誤解している人たちがいるわけですよね。

政府にはマクロ経済を安定させる責任があり、したがってデフレを終了させる責任もあるということを知らないのか、知ってはいても自分だけ損をしなければ良いと思っているのか?


Id: #b20020427180406  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 18:04:06 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020427140933
Name: ひめたにし
Subject: もっと政治的に納得できるインフレ目標値の決め方はないのでしょうか?
 銀行にとっては、貨幣の中立性が成立しない期間は10年・・・?
 インフレで借金を踏み倒す気かって怒るのは、固定金利で債権を持っている人
たちですよね。最も発行金額が大きい国債は、10年ものと5年もの。
 http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/za131224.htm
 ゴキブリたたき派にとっては、国債の金利を上回るインフレ率なんて超ゆるせ
ない発想に違いありません。それは私も、心情的にたいへん理解できます。とな
ると、なおのこと、目標値を具体的に何%にするかは、貨幣の中立性なんかで片
付けられない、極めて政治的な利害の対立する問題でしょう。どんな案があるの
か、さらにお聞きしたいと思います。これをクリアせずしてインフレターゲッテ
ィングは実行できないような気がします。

Id: #b20020427140933  (reply, thread)
Date: Sat Apr 27 14:09:33 2002
Name: ブタネコ
Subject: 現在の充溢

昼飯は、 北海道の新タマネギがいっぱい入った酢豚を平塚の八海で。街のコックが野菜の味がわかることが、農業保護より先では。生活実感のない経済議論はむなしい。
無論、一定額の外貨預金は原発震災のリスクを考えたら、生命実感ですが。

マクロ経済学って、世代間の公平を保つという発想とは無縁なのでしょうか。
まともなマクロの経済運営をすることが、後世に負債を残さないことになるのだけど、経済学と歴史学の分業、経済学内部での分業としては、あまり長期のことは考えないみたい。マンデルでも、ノーベル賞をとったMundellよりも、『官僚論・疎外論』や『資本主義発展の長期波動 ケンブリッジ大学特別講義録』などのErnest Mandelのがずっと一般読書人には売れ筋だったような?
今の買い物と将来の買い物を比べて、将来の買い 物を優先しているからのように見えます。
見田宗介の時間の比較社会学に、日本人は未来の為に現在を犠牲にし続けている、現在が充溢しなければ未来は切り開かれないのにということが述べられている。
充溢の溢は鎰の金へんをさんずいにしたものだが、おばかJISにはない。
Id: #b20020426203531  (reply, thread)
Date: Fri Apr 26 20:35:31 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020426104248
Name: ひめたにし
Subject: ゴキブリ軍団に賭けた!
 本日、1ドル128円台になったのを機に、懸案だった外貨預金を実行しました。
 http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b0037.html#b20020303234353
 景気が回復するためには円安が必要、ということは確信しましたので、私のお
金も少しは役に立つかな?と思っています。と言っても、仮に倍の円高になって
も生活に支障が無い程度の金額。一方、経済動向に無関心になってしまっては勉
強にならないので、それなりの金額でもあります。
 この上は、ぜひともインフレターゲッティングを実現させていただきますよう、
今後のゴキブリ軍団の健闘に期待します。

 「貨幣の中立性を放棄」は不正確だったかもしれません。「貨幣の中立性が成
立しないような仮想の経済を想定して議論する」と言うべきか・・・。
 環境問題は、利害が対立するグループどうしのバランスをどう調整するかに直
面することが多いですが、とりわけ難しいのが「世代間の公平」です。今の世代
の利便性と、廃棄物を残される後世代の利害をどう考えるか。
 マクロ経済学って、世代間の公平を保つという発想とは無縁なのでしょうか。
「1%から5%未満位」が妥当で、数値自体には「あまり意味はない」というの
は、一般人には即座に納得できません。1%のインフレが続けば、お金の実質価
値は20年後でも82%。5%のインフレなら36%。これは大きな違いに見えます。
もっとも、インフレ率に応じて預金や株の名目利回りが決まり、結果的には貨幣
は中立になるんだろうなと、ちょっと考えればわかるのですが。
 でも、それならば、「冬場に稼いだ 5 時間分の子守りは、夏には 4 時間分に
しか相当しないよ」と交換比率を決める過程は不要ということなんでしょうか?
人々が貯金に励んでいるのは、今の買い物と将来の買い物を比べて、将来の買い
物を優先しているからのように見えます。この交換比率(期待インフレ率)を操
作することで将来の買い物より今の買い物のほうをオトクにする適正割引率とい
うものが存在するのではないのでしょうか?

Id: #b20020426142200  (reply, thread)
Date: Fri Apr 26 14:22:00 2002
Name: ブタネコ
Subject: Michel Aglietta

昼飯に、将来収入の2000円を先行投資してワインを飲んでたら、10年ひと昔、空想的社会主義の祖国ふらんすでは、レギュラシオンの連中が『貨幣の中立性は幻想』なんていってたことを思いだす。
それでパリ10大の Michel Agliettaのページに 行ったら、華麗な転向というか、政府の手堅いマクロの御意見番に変身してる。
Impact du vieillissement sur les transferts internationaux d'Epargne
貯蓄の国際譲渡に関する高齢化の影響
Macroeconomic Consequences of Pension Reforms in Europe
L'avenir de nos retraites face a la globalisation financiere
金融国際化に直面する退職者の将来
などなど、ひめたにしさんに役にたちそうな論説がずらずら。
そうだ、数学と美術の結合のメビウス展は、会場の美術館のオーナーの自治体がアルゼンチン国債を焦がし、face a la globalisation financiereで、この夏の運命やいかに。
Id: #b20020426104248  (reply, thread)
Date: Fri Apr 26 10:42:48 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020426013214
Name: ブタネコ
Subject: えっ!貨幣中立性?

まず、山崎のリンク先の発言が、ひめぎみの『引用』と矛盾はしないが、例になってるかな?
でも、リンク先にあるように、自分の利益が山崎発言で弁護される人は、社会に何人かはいるでしょ。土地を売ったら転がりこんで来た紙幣を三和銀行にひたすら平蔵してる中金持ち。
小金持ちで、まともなマクロのが平蔵より、その人の利益になるのに、自分を中金持ちと幻想し、山崎を紙幣持ちの言論私兵と有り難がる向きも。

で、後半が良くわからなくて、『貨幣の中立性を放棄』とありますが、貨幣の中立性が、仮説的な学説なら放棄できますが、観測にもとづく一般経験則なら放棄できません。ある普通の環境で成り立つ経験則なら、その環境を変えなければなりません。
以下は退屈な教科書の復習なので、Blanchardで英語塾
neutrality of money
The proposition that an increase in nomial money has no effect on output or the interest rate but is reflected entirely in a proportional increase in the price level.
つまり、酒を飲んで気分が良くなる(短期)けど、三日すれば血糖値(よく貨幣の中立性は長期というけど、Blanchardは中期だと)も戻る。だが糖はヘモグロビンにこびりつく(長期の社会の没落)。
で、短期の悪酔いを心配する向きには、中期の中立性を持ち出して「金利ぐらしも、年金の積み立てとりつぶしも、あんたの退職金も、娘の就職も、昔とそんなに変わらず、まあまあのもんやろ。」のが良いのでは?
おばかマクロが現在を暗く、中期をもっと暗く、長期をもっともっと暗くするより。
ひめぎみのをブタは、高齢化で労働力の価値が上がり、国債の価値の変化と比べると、長期には proportional increase in the price level が成立しないから と読解していいんですよね?
じゃあ、『労働力の価値』って何でしょうか?賃金でしょうか?付加価値を付ける能力でしょうか?
賃金だと、今中国と同一労働30倍で、左翼の橋本からも高過ぎと言われているのが、「過剰で社会問題化している 労働力であり、価値の低いものです」とどう結合すればいいのか。(失業者のこと?)
労働力の価値は、付加価値を付ける能力で、それを文部省が全力で破壊してるから社会の将来が暗いのでは?
今でも、看護婦さんの賃金とか一部のサービス労働の価格は上げなければいけないし、中年の保育婦の現場復帰とか、労働力の量の確保も、喫緊の課題で短期景気回復に結びつくものです。
そういうわけで、後半はわかるようでわからない。
Id: #b20020426013729  (reply, thread)
Date: Fri Apr 26 01:37:29 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020425191919
Name: ひめたにし
Subject: Re:数学書も経済学書もわかりずらい
> そうゆう人が多く、数学に至っては、わかろうとどんなに努力する人に
> も通じない本も多かったり。

 やっぱり。それでも実害はないですから、いいですが。
 医薬安全性研究会は知りませんでした。佐久間さんの本は読んだことがあり
ます。

Id: #b20020426013214  (reply, thread)
Date: Fri Apr 26 01:32:14 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020425173025
Name: ひめたにし
Subject: 貨幣の中立性を放棄して議論すべきでは?
 岡田靖さん、早速の御説明、ありがとうございます。
 インフレ期待という未来のことを議論する場合には、貨幣の中立性が成立する
ために必要な「長期」が、これまでの常識を越えた長期になるのではないかと感
じます。
 ゴキブリ駆除提唱者の山崎元氏によりますと、
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/8536/saimu010115jmm.htm
「自分が困るかも知れないということ以上に、安易な債務者を事後的に救済する
アンフェアが『嫌い』です。」
「インフレが抑えられたまま債務を清算しなければならないことが不安な連中は、
そろそろ量的緩和とか、物価上昇率目標とか、成長率の目標値といった、露骨に
意図的な『調整インフレ』ではない表現で、調整インフレと実質的に同じ内容が
国民に受容される誤魔化しの表現は何かを探っているようです。」
 とのことです。要するに、「インフレを期待する奴らは、借金を踏み倒すつも
りの奴らだ」と読めます。そしてこれは、日本人の道徳観にマッチしていますし、
有権者の多数派は債権者ですから、国民の支持をすんなり集めることのできる主
張でしょう。
 論者は現在の貯金の金額で老後にも同等の買い物ができるべきだと考えており、
それを阻もうと意図的に動く者は不道徳だとしています。つまり、現時点での買
い物と老後の時点での買い物が比較されている。この土俵では、何十年という時
間を越えても貨幣の中立性が成立しません。

 これに対する納得のいく説明は、(少なくとも議論の上で)貨幣の中立性を放
棄することではないか、と私は思います。
 現在、国債発行で得た資金で買われているものは、過剰で社会問題化している
労働力であり、価値の低いものです。それに対して、例えば10年後の、労働力が
減少した社会では、同じものを買うためにはそれなりに大きな金額が必要なはず。
今、10年もの国債の市場金利は1.4%程度ですけど、今後の生産年齢人口の減少と
年金受給者の増加を考えれば、このような金利で買う方がおかしいのであって、
インフレを前提に考えないのはそれこそ「安易な債権者の救済」ではないかと思
うのですが。

Id: #b20020425221014  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 22:10:14 2002
Name: ブタネコ
Subject: Lars E.O Svensson Princeton University はわりと読みやすい

Inflation Targeting: Should It Be Modeled as an Instrument Rule or a Targeting Rule?
http://www.princeton.edu/~svensson/papers/it10abs.htm
周辺にLiquidity TrapやAsymmetric Informationなどどれも、そんなに長くなく、PDFで読める。

ほんとは、誰かエコノミックス7の都市再生あたりに関係して、おもしろい問題提起をしてくれないかな。増田論文は速水融『歴史人口学で見た日本』文春新書なんかも文献にあげてる。
Id: #b20020425191919  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 19:19:19 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020425163614
Name: ブタネコ
Subject: 数学書も経済学書もわかりずらい

ひめたにしさん
数学や経済学の先生って、わかろうと努力する人にだけわかればいいってスタ ンスなのでしょうか?
そうゆう人が多く、数学に至っては、わかろうとどんなに努力する人にも通じない本も多かったり。ケインズの最初の解読者はヒックスって神話があったり。

『数学の場合』
* それでも70年代のブルバキ的抽象数学全盛に比べ、80年代からは物理や計算科学とクロスオーバーし具体的になっている。(抽象的だからわかりやすいのが、数学の本質という面も)。
*高校で数学から疎外された数学教師が紙屑問題集でシバキをやり、大学で突然本物の数学が始まるのもまずい。
医薬安全性研究会を御存じですか?
名大 吉村(増山の後任で理大へ)東大 大橋 医科歯 佐久間といった統計の大家が、普通のメーカーのエンジニアに、超丁寧な講習を何年もやっている。
*工学系のエンジニアは数学の勉強時間を増やせ!振動を解析する人がベッセル関数も知らないのでは。中国のエンジニアは漢文の教科書みたいな中文スミルノフをコーランにしている。

『経済の場合』
*三池闘争のとき、向坂と弟子達は、炭坑に出前授業した(ホッパー大学)
*ところが、同じ岩波の大きな本でも、向坂訳資本論は書斎の飾りのような雰囲気で、サミュエルソンは新しい時代を感じさせ、読みやすく編集された教科書。
*エコノミックス7とか、黒木さんがよくリンクする新美は読みやすいのでは。
*伊藤のインフレ本は、ちょっとイバッタ感じかな?本当はジャーナリストや政治家があたり前の経済理論をマスターし、国民にわかりやすく語るべき。大昔のマル経だったらロ−ザ ルクセンブルクみたいに。
*エコノミックス7なら、吉川洋支持者が、こことか苺とかで、岡田さんらに再質問し、岩田ゼミの学生が答えるとか、弁証法的な議論の場が大切。
Id: #b20020425175157  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 17:51:57 2002
Name: 岡田靖
Subject: 昼めし
>ブタネコさんへ

例の雑誌買っていただいた御礼を忘れてました。万一お目にかかる機会があれ
ば、2000円位の豪華(?)ランチを奢ります(笑

しかし、反インフレ政策派はすぐに1920年代のハイパーインフレを持ち出
してゴキブリ退治に精を出すのに、1930年代の話で都合が悪いと「そんな
昔話をされても意味はない!」と、怒り出すのは困ったもんです。

Id: #b20020425173025  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 17:30:25 2002
Name: 岡田靖
Subject: 目標インフレ率の決め方
>ひめたにしさん

インフレは、マイルドな範囲にとどまっていて、あらかじめ予見できるものな
ら、経済の実態には影響しないという「貨幣の中立性命題」を多くの経済学者
が認めています。長期的には、資本ストックと労働力、そして技術水準が経済
の実態を決めるのであって、お札の量は関係ないとうことです。

そういうと、なぜおまえ等ゴキブリ軍団はインフレターゲットなんかを支持し
まして不況脱出に効果があるなどというのか?と小一時間問い詰められそうで
すが(笑)、それには二つのわけがあります。

1)予見できない物価の変動を完全に避けることはできない。そのため、ある
程度のインフレマージンをとっておかないとデフレになる可能性を否定できな
い。そして、そうした予見できなかったデフレは、債務契約の名目値が容易に
は変更できないために、すぐに債務者から債権者への富の移転を引き起こす。
普通は理論モデルでは無視されるが、債務者は楽観的で積極的だが、債権者は
逆なので、この富の移転は景気を悪化させ、始まったデフレをさらに激化させ
る可能性が高い。

2)価格ことに賃金は、下方に対して硬直的ないし粘着的であることが経験的
にわかっている(理由の定式化にはいろいろ問題はあるが)。しかし、市場経
済は相対価格の調整を通じて資源の配分を調整するメカニズムだから、下方に
硬直的な価格がある世界で価格全般に低下圧力がかかると、あがるべきものの
上昇が十分でないのに、下がるべきもののも十分下がらず、結局は調整は不足
してしまう。その結果、市場を通じた産業構造の自動的な調整メカニズムが機
能せず、「構造転換」ができにくくなる。

3)だが、高いインフレ率も好ましくないことは明らかである。なぜなら、分
散が大きくなり、価格のシグナルとしての機能が損なわれる。

この結果、妥当なインフレ率の目標は、経験的に1%から5%未満位という事
がわかっています。そのどれが最適なのかは、中立性が妥当し、あまり意味は
ないということになるます。

ただし、フリードマンなどの研究には「最適インフレ率」に関するものがあり
ますが、上で考慮したような問題を無視しているので結果的にデフレが最適で
あるという非現実的な結果を導いていて、失業の発生する現実世界には適用は
できないと思います。

Id: #b20020425163614  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 16:36:14 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020423015410
Name: ひめたにし
Subject: インフレ目標値の決め方
 数学や経済学の先生って、わかろうと努力する人にだけわかればいいってスタ
ンスなのでしょうか?
 「デフレの経済学」にも「構造改革論の誤解」にも、少子高齢化の話がまった
く出てきません。黒木さんはクルーグマンの子守協同組合の話を何度もリンクし
ているのに、人口問題についてほとんど触れていません。私には、非常に不可解
です。
 「デフレに関しては日本特有の何かで説明しなければ説得力がゼロだと思いま
す」ということは、私もずっと前に書きましたけど、
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b0041.html#b20020403204915
バブル前後の金融政策が日本特有の失敗だったと証明することは非常に難しい。
ほとんど不可能だと思います。

 私は一般庶民の立場でこの掲示板に書いていますが、環境分野の研究者として
は、「わかろうと努力してくれない人にもわかる」を基準にしています。
 2年かかった研究も、テレビで紹介されたら3分間。新聞記者と話せば、先方
が書きたい部分だけ記事にされる。そんな断片的な情報伝達で、自分の仕事が不
特定多数の消費行動に影響を与えてしまいます。痛い目にも遭ってきました。環
境分野では、消費者ができるだけ誤解なく合理的な消費行動をするように情報発
信するにはどうしたらいいか考えるのに、相当エネルギーを使います。
 インフレターゲットも、学者どうしの議論で優位に立つのは大事でしょうが、
政策にするなら、有権者にわかりやすくなければいけないでしょう。

 というわけで、キャッチコピーを三つ考えました。
「痛みは分けあうほうがいい」
「貯金競争は、もうやめよう」
「3%のインフレ目標で、老後と失業の不安解消!」

 さて、今日はちょっと質問があります。
 インフレ目標値を何%にするのかは、子守協同組合の話から明らかではないか
と思うのですが、日本の経済学者で既に提案している人はいないのでしょうか?
 「(CPIで測ったインフレ率は1%程度高目の数字が出ることが知られているので)
インフレ率は1%を下限にしてもらいたい」というような話は「デフレの経済学」
でも出ていますが、このように循環的な発想だけで考えていては答えは出ないの
ではないでしょうか?

 子守協同組合では
 「だから答えは、冬場に稼いだポイントは、夏には価値が下がるよ、というの
をはっきり決めておくことだ――たとえば冬場に稼いだ 5 時間分の子守りは、夏
には 4 時間分にしか相当しないよ、という具合に。」
 日本の場合は
総人口,年齢3区分別人口:中位推計(単位:万人)

             2000年  2020年  2030年
-----------------------------------------------------------
総人口          12693     12411     11758 

年少(0〜14歳)人口    1851      1510      1323
生産年齢(15〜64歳)人口   8638      7445      6958
老年(65歳以上)人口       2204      3456      3477

 2000年には、8638人が働いて、その余剰生産力(本人が使えない分の生産力)
を2204人が買っている。(3.92人:1人)
 2020年には、7445人が働いて、その余剰生産力を3456人が買うだろう。(2.15
人:1人)
 すると、需要と供給のバランスから、2020年の物価は81.9%上昇するはず。
 急激な上昇を避けるため、20年間均等に上昇するようコントロールするならば、
1年分の上昇率は3.04%。
(子供は貯金を貯めることも使うこともないので除外。)

 このようにインフレ目標値を設定すれば、世代間の不公平感を解消できるので
はないでしょうか。国勢調査の結果に合わせて5年ごとに目標値を見直すとか。
出生率が上向けば低めに設定しなおすとか。生産年齢人口の増加が見込まれても、
マイナスのインフレ率ってことはなく、下限は1%とか。

 日銀の人が書いた下記の説明では、「インフレターゲットしてもいいけど、ど
うやって目標値を決めるの。ボクに責任がかかるのはイヤ。決めてくれたらやっ
てもいいけど」という官僚らしい発想が読み取れるので、決め方についてゴキブ
リ軍団で何か案があるのかな?と思って質問してみました。
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kouen/ki0011.htm

Id: #b20020425064809  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 06:48:09 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020425012651
Name: ブタネコ
Subject: スティグリッツ@無料ヴィデオ

ノーベル賞e-記念館のヴィデオは無料。
http://www.nobel.se/economics/laureates/2001/stiglitz-video.html
http://www.nobel.se/economics/laureates/1999/mundell-video.html
マンデルは、
Had the price of gold been raised in the late 1920's, or, alternatively, had the major central banks pursued policies of price stability instead of adhering to the gold standard, there would have been no Great Depression, no Nazi revolution and no World War II.
と言い切っている。

ブリュッセルは食べ物がおいしくていいな。
Id: #b20020425012651  (reply, thread)
Date: Thu Apr 25 01:26:51 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020423231804
Name: やまがた@ベルギー
Subject: スティグリッツ
実はノーベル賞をとってから、かれのエージェントがすごく強気になって、各種著書の
前渡し金が半端でないくらいはねあがって、とうてい商売にならない、という面がある
そうです。

Id: #b20020424165441  (reply, thread)
Date: Wed Apr 24 16:54:41 2002
Name: ブタネコ
Subject: 補足

下の書き込み、2行で、引用終了なのに編集が悪くてすいません。
内容の裏付けになりそうな 北海道新聞の普通の記事です。

Id: #b20020424141244  (reply, thread)
Date: Wed Apr 24 14:12:44 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020424011247
Name: ブタネコ
Subject: 近過去の事実と近未来

たかつかさん
今半導体で問題となっているのは、半導体を比較優位産業とした国が複数あって、それ らの国の生産量が世界の需要より少ない時には共存できたのだけど、供給量が需要を上 回るようになって共存が難しくなったという点です。

まあ、『比較優位産業とした』は『比較優位産業としたいと願望する』だろうが、それはどうでもよく、なぜ、『供給量が需要を上 回るようになって』しまったか、近過去だけを振り返り、製品も中級品に限定しよう。
韓国などの投資は、予想というものが不可能だから、はずれてしまった。
中国のは供給過剰ぎみにすでになってきての大投資です。中国としては『政治・社会・軍事』的に合理的でも、マーケットはとてもトリッキーなプレーヤーを抱えてリカードゲームをすることになった。
値崩れは、大恐慌の生糸の値崩れの比ではありません。最初に研究費込みで投資した日本の電機メーカーは、1兆以上の損失。
前にも書いたが、中国が、過剰投資に向かうとき、談合して、投資を控えるみかわりに、高級品の工場を中国で立ち上げるとか、あすかにもっと中国の研究者を招待するとか、田中さんのいう純粋な経済原理の貫徹のためには、政治しかなかったのに、宗教立国で靖国が日本の政治家。
無論需要では、日本の教育界とか中国の一般人民とか、まだ封建主義の社会が透明な民主主義になり、自然な需要が韓国の囲碁会みたいにたちあがれば理想。

で、このことはまた繰り返しそう。あすかがうまくいって、実用化になれば、またアメリカがいちゃもんをつけて実用化を遅らせ、収穫期になると、中国の過剰投資の実はからっぽ。
これでは、ITの投資は回復せず、経済全体としての需給ギャップも埋まらない。まず基礎のみならず、応用の研究者も地球市民となり、コモンズを増やしていくしか。
P.S. 岩手県小繋村のコモンズは、江戸時代は百姓のエコ共同体のものであったが、明治の暴政は不在地主のものに。戦後も変わらず、百姓の為に闘ったのが戒能弁護士。娘さんがDVの法にとり組んでいる。
Id: #b20020424011247  (reply, thread)
Date: Wed Apr 24 01:12:47 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020423002633
Name: たかつか
Subject: わたしは一応技術屋 私は技術屋です(一応)

私はデフレ対策や一般的な産業政策をどうこう言うつもりはありません。

田中さんは忙しそうですが、若干誤解もあるようなので書いて見ました。

私としては、元々
>しかも半導体という既存技術の応用分野での競争になぜ政府が介入しなけれ
>ばいけないのか?
から始まった事で田中さんの過去ログは難しそうだし時間も無いので
読んでいません

>怒りぽいところは、「職業倫理」的なものと考えてほしいなあ。経済学の基
>本も誤解したまま、疑似経済学的な発言を黙認できないからね。
とすれば、もう少し具体的に書いた方が紛れが無くていいでしょうね。

>ちなみにたかつか氏の書かれた反論は逐一、間違ってるんだけど、
評価なら逐一やって貰えるとありがたいですね。

>私の反論の意味を考えてほしいなあ。
意味がある部分にはそうしますが、読解力の問題もありますから。

--------
>>>>比較優位産業は時流に乗った企業が突っ走る事で出来る(例えばゲームの
>>>>>任天堂)こともありますが、産業として大きくするにはある程度の育成も必要
>>>
>>>違う。比較優位産業は「常に存在する」。特定産業への政府の優遇は、むしろ市場
>>>に 歪みをもたらし、真の比較優位産業の顕在化をさまたげる。
>>
>>そんな事は分かっています、国内だけで考えれば常に存在しますよね。
>
>まだ分かってない。「国内だけ」って何?
>比較優位っていうのは「国内と海外」があって成立するの!

なるほど野口の本の139頁〜143頁にある比較生産費説を読むと「相対生産性」
は地域内の財の生産性の相対比較によって決まる。2国間で、共通に必要と
する財であれば、相対生産性が高い方、比較優位な方が生産する事で全体の
生産量が増えるという事ですね。国内だけというのは不適切だったですね。

私の頭にあったのは、相対生産性は国内産業の比較からきまるが、その絶対
生産性が他国より劣る場合本当に大丈夫なのか?と言う疑問です。
言い換えると、実際の世界では比較優位産業は一国の独占では無く複数の
国が同じ比較優位産業を持っている、その時には絶対生産性の優劣で序列
が出来るのでは無いか?という疑問です。

>なら、そもそも「比較優位産業は時流に乗った企業が突っ走る事で出来る(例え
>ばゲームの任天堂)こともありますが、産業として大きくするにはある程度の
>育成も必要」なんて絶対書かないよ。
これは「育成」という意味に誤解があるのでは無いかと思います。
例えば、ゲームやソフトの産業で活躍する人にとって、教育や環境が大きな影響を
持つ事は認めて良いと思います。また、ベンチャー企業を興しやすくする環境づくり
等が必要になると思います。そういう事がここで書いている「ある程度の育成」の
意味です。


>>>日本での半導体の製造が不可能になるのは、単にそれが比較劣位になったから。そ
>>>の 場合には別の産業が比較優位になるだけ。それで問題なし。
>>これも違う、日本国内での比較優位は変動していませんよ。海外との競争に勝てない
>>だけです。
>
>だから、「日本国内での比較優位」なんていう概念はないの!
これはすみません、相対生産性の誤りです。
日本国内での相対生産性は変化していないですね。相手の国の相対生産性が変化すれば
両国の比較優位産業が変わるのですよね。

今半導体で問題となっているのは、半導体を比較優位産業とした国が複数あって、それ
らの国の生産量が世界の需要より少ない時には共存できたのだけど、供給量が需要を上
回るようになって共存が難しくなったという点です。

日本の相対生産性も他国の相対生産性も変わらず、日本の比較優位だけが動くのだろうか?
という疑問です。

>>田中さんが比較劣位になったというので有れば、具体的に根拠を示してくれませんか?
>日本の半導体は、輸出が減って、韓国などからの輸入が増えているんじゃなかったっ
>け。それが、「比較劣位になった」ということ。

う〜ん。財務省の貿易統計だと、半導体等電子部品の輸出は3兆6474億円(内IC
は2兆3724億円)で輸入は1兆9095億円(IC分は不明)だけど、これで比較
劣位になったと言えるの?
http://www.mof.go.jp/trade-st/2001/200128c.pdf

>>>>衰退産業の立場から言うと変ですが、その時に備える事は悪い事では無いと思いま
>>>>す。
まず、どうもその時に備えるを、半導体産業へ税金を投入すると誤解させたようです。
ここは、半導体が衰退した後に備える、次世代の比較優位産業が育つ様に環境整備を
するというつもりでした。

>>>衰退産業になることが明らかな産業に、なんで国民の貴重な税金を投入する必要が
>>>あ るの? というのが根本的な問題。
>>それは当然、政府や産業界の上の方では衰退産業だと思っていないからでしょ。
>>こんな処に突っ込みを入れてもしょうがないと思いますが。
>>まっ、取りあえず公式の見解は(総合科学技術会議(第8回)議事次第)
>>・製造業は名目GDP及び全就業者中の25%の地位を占める。
>>・全輸出入額に占める製造業の製品割合は70%。貿易財収支については、他の
>>入超を補って余りある外貨を稼ぎ出している。
>>・製造業はGDP全中間投入額の約50%、広範な経済活動を支える製品供給。
>半導体の話をしているんでしょ。製造業のデータ持ってきてどうするの。
原文は製造業の復活を言っている文書でその一つに半導体産業があるのですが。

>>あのね〜、だから「マクロ経済学者には申し訳ないけど」と言う枕言葉をつけたの
>>ですよ。リカード・モデルによる比較優位を信用できないというより、前にも書いた
>>けど、野口ちくま新書の165〜166頁には同じ比較優位産業を持つ国でも生産性
>>によって差が出る事が書かれていますね。生産性を上げる必要は野口も認めている
>>と思うけど、どうでしょう?
>>やはり読解力の問題かな(-_-;)
>
>やっぱり「読解力の問題」だね。生産性は高ければ高いほどいいのはあたりまえ。
>だけど、あの本のどこに、「生産性を上げるために政府が何かをすべき」と書いてあ
>った?
そうかな?あの本には「生産性を上げる方法」は書かれていなかっただけの様に思い
ますが、どこかに書かれてありましたか?
全ての国で自然に比較優位産業ができて、それなりに生産性が上がるのであればそれは
理想的な気がします。そこで、比較優位が出来る理由は何でしょうか?


>>>そし て、「どの分野が将来有望かを市場以上に政府が適切に予想することができ
>>>ない」
>>申し訳ないけど、これ間違っていますよ。
>>我々は「どの分野が将来有望かを市場も政府も適切に予想することができない」と
>>思っています。将来有望かどうか、なんて分かりませんよ。丹念に調査をしても外れ
>>る時は外れます。
>
>新事業にリスクがあるのはあたりまえ。
>「市場(民間企業)にさえうまくできないことを、政府にはなおさらできない」と言
>っているの。

リスクなんて言っていません。それから市場を民間企業とするのも変です。
企業も投資家も消費者も政府も、将来の事は分からない。アメリカのITバブルが、
最近の例だと思います。
特に発見とか発明が関係すれば予測はより難しいものになります。




Id: #b20020424004548  (reply, thread)
Date: Wed Apr 24 00:45:48 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020423231804
Name: ブタネコ
Subject: ル モンドだと

4/19 13にリンクしたルモンドだと、山形さん紹介の後半の Saying the Unspeakable で、to question the American commitment to pure laissez-faire internationalismが、LA CRISE ASIATIQUEでpureであり、かつまたキッシンジャーばりの地政が事態を悪化させたこと、日本はそれなりの貢献をし、日本の高官たちと考えの一致するとこもあったけど、まあそこまでだったというか、となってるけど、そのときアフガンでまずセンを担ぎだしたように、スティグリッツをもう少しよいしょしときゃよかった。
Id: #b20020423231804  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 23:18:04 2002
Name: くろき げん
Subject: 靴なしスティグリッツ

山形さんが紹介していたのでこちらでも紹介:

ノーベル経済学賞をとったし、面白いことをずばずば言っているので、スティグリッツの著書の翻訳だとか、エッセイの翻訳を集めたものだとか、色々出ると思っていたのですがなぜか出ないですね。日本でも教科書の翻訳は有名でかなりの人が世話になっているはずだし、出せば一定部数売れないはずがないと思うのだが。


Id: #b20020423143418  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 14:34:18 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020423141531
Name: 時田
Subject: 見やすい信号機

大切な情報をどうも。意見を変えます。
久米のニュースステーションでもこのこと(天下りの為に普及しない)をやっていたから、僕と同様に考えてた人は多いかも。ニュースステーションももう一度取り上げ、法外な玉取り替え料だけをしばけば。
などといいつつ、警察系が天下ってるタクシーが田舎道を暴走してくれると喜んだり、人間はかってなもの。
官需の別の例として、海上保安庁が定置網を航行する船舶から守るため、ブイにつけるレーダー反射鏡のしろうとアイデアコンテストを開き、名古屋大の数学入試と風車をミックスしたのが当選し、大量の官需が生まれ、発明者は生産をアウトソースするので融資を申請した。
官需が確定してるのに、銀行がやったことは、科研費も顔まけの書類の山の作成を善意の発明家にしいたこと。
事務員ごっこと、その給料がGDPの大きな部分を占める社会はイヤです。
Id: #b20020423141531  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 14:15:31 2002
In-Reply-To: b0045.html#b20020422135153
Name: かも ひろやす
Subject: 発光ダイオード

発光ダイオード交通信号機は、多くの色覚異常者には見づらいので、普及してほしくありません。実際、運転中、ひやっとした経験があります。

白熱電球交通信号機はくっきり見えて発光ダイオード交通信号機は見づらい人は、たくさんいます。その逆の人には、出会ったことがありません。発光ダイオード交通信号機には、そのような問題があることは知っておいてください。関連会社の利権の問題だけではありません。


Id: #b20020423082834  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 08:28:34 2002
Name: 居酒屋のおやじ
Subject: おやじ談義
黒木さんへ、メールはわざとなのに。笑

ただの「居酒屋のオヤジ」で結構ですよ。

それと半導体の技術的な側面がいま問題になっているわけではなくて、
ただ半導体産業の産業論的な話が中心のはず。たしかに半導体の
技術をよく知っていることに対しては尊重しますが、いまは「疑似経済学」
的な発言への「抗議」?が中心だと思います。半導体の技術的なことがメイン
ならば、私なりに自制?します。つまり比喩的にいえば、「マクロとミクロ」
が違うように、「技術論と産業論」は違うということでしょうか。


Id: #b20020423030621  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 03:06:21 2002
Name: ブタネコ
Subject: 温度を低下するべきときに相転位

僕は、社研の超秀才達、ヒルファーディングの長坂聡助手とか、教育危機の経済学の馬場宏二の25年来のファンです。教育大の長坂助教授とは教育大廃校反対闘争のとき、文教委員会の傍聴席でとなりに座ったことも。
で、社研の助教授で『国際金融論』 東大出版の著者であり、橋本のよき読み手の河合正弘副財務官でさへ、マイルド インフレ推進を旗幟鮮明にしている。ひきつけを起してる子供に、どんなバカな小児科医でも漢方薬を処方したりしないのに。
田中さんは、産業政策一般を述べられたが、35年も昔、日本の半導体やコンピュータの立ち上がりにおいて、IBMの破壊的新技術(GEさへ撤退)の暴風の前で、たちんぼの木となって、若葉(富士通も三菱も町工場)を守った平松さんのことを、三菱からIBMの研究所長に移ったMさんが、たまたま藤沢オペラの男性合唱のコアだったから、よく聞かされたものです。
で、1986年に通産省の黒田真氏が日米半導体協議で行ったことが、経済合理性に反することはGATT理事会さへが警告したのでは。(第3国抜きで大艦巨砲に屈服)。右翼総理の中曽根は日本は不沈空母と浮かれ、外相はぱっとしない倉成さんで、でもまあ、戦前の海軍軍縮みたいに、国際政治での高度の判断はあるが、面従腹背がおとなのすることなのに、体制過剰適応の文部省の俗吏下流がしたことは、基礎研究に近い大学での研究にさへ容嘴したと、たかつかさんは書いておられる。
田中さんはプラス試行の産業政策は、善意にかかわらずうまくいかないことが多いと、正論を述べる。たかつかさんは、マイナス試行の産業政策が劇的に成功した歴史事実を報告している。
Id: #b20020423020420  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 02:04:20 2002
Name: くろき げん
Subject: クールダウン Part 2

繰り返しになりますが、クールダウンの要請をよろしく。>たかつかさん、田中さん

やりとりを続けるのは歓迎なのですが、もっと読み易い書き方があると思う。「まとまった有用な情報を手に入れたい人を読者に選ぶような文章を書いた方が色々な意味で得」だし、「適当に相手の発言を無視して、自分の意見をサポートする論拠と証拠を読み易くまとめるようにして最終的な判断は読者にまかせることにした方が気楽でしかも建設的」だと思います。

あと、「大学の先生ならどんな理由があれ、素人相手にカッカするのは良くないよ」や「いまネットの経済学談義の実情をルポしている最中なのでかっこうの実演ができました」のような発言はちょっと困るのだ。その理由は、ここを「大学の先生」を (もしくはときどきあるように「科学者」や「研究者」を) 変に特別扱いする場所にしたくないからです。大学の先生だってほとんどの分野について素人に過ぎないのだから、「大学の先生 versus 素人」という見方をするのはおかしいし、そういう発想ではうまく情報交換をできなくなってしまう。半導体に関しては (実際には科学技術一般については) たかつかさんの方が田中さんよりも知識が豊富なわけですよね。

田中さんを相手にするときには、「大学の先生」だという事実は無視するのが正解で、どっかのオヤジと一緒に酒でも呑みながら話している感覚でやりとりすれば良いと思う。 (……てなことを言うと田中さんに失礼か? でも、そういうノリになっていることは誰も否定できないと思う。)

P.S. ええと、田中さん、「メール」じゃないです。


Id: #b20020423015410  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 01:54:10 2002
In-Reply-To: b0044.html#b20020420182253
Name: くろき げん
Subject: 日本だけがどうしてデフレに苦しんでいるかが説明できなければいけない

いつかきたみちなんですが、大事なことはしつこく繰り返して説明するべきだと思うので繰り返しておきます。

アメリカやヨーロッパの日本以外の先進工業国はデフレに苦しんでないので、「中国などが安いものをどんどん輸出しているからデフレになっている」という説明は相当に無理があります。日本とアメリカの中国からの輸入の規模はともにGDP比で1%程度で同じくらいなのですが、日本はデフレになっており、アメリカはそうではない。

デフレに関しては日本特有の何かで説明しなければ説得力がゼロだと思います。しかも、日本が1994年からGDPデフレータの意味でのデフレに突入していることを説明しなければいけない (消費税率アップの影響は除く)。

たとえ中国の影響が多少あったとしても、他の先進工業国ではデフレに突入してないのだから、日本だけが犯した失敗が決定的だったのだと考えられます。色々調べてみると、1980年代の後期から1990年代前期にかけての金融政策の失敗がデフレの主な原因であると考えると、非常につじつまのあった説明が可能になるのです。

前川レポートのようなトンデモ・レポートがなぜか絶賛され、必要な金融引き締めが遅れまくってバブルが膨らみ、バブルが膨らみ切ったところで日銀と大蔵省が破壊的なやり方でそれを潰し、バブル崩解が原因の不良債権や資産デフレという重大な問題をあまり認識せずに金利をゆーっくり下げて、ついに日本をデフレの罠にはまらせてしまった。このように考えると、 1980年代後期から1990年代にかけての動きを非常に良く説明できます。 1980年代後期には行き過ぎた金融緩和を続けるべきではなかったし、バブルは自然に潰れるにまかせるべきだったし、バブル崩解後の1990年代前期には大幅な金融緩和を素早く実行するべきだったのです。

国のマクロ経済の動きに中央銀行が行なう金融政策が大きく影響しているという事実はかなりの普遍性を持っています。経済の規模や中身が変化してもその事実に変化はない。子守り共同組合の場合でさえ成立している。 (子守り共同組合のような極めて小さな規模の営みにおいても新たな規則の制定によって問題が解決しなかったことは興味深い。正解は「金融緩和」であった。)

ちなみに、公共事業などの財政政策を平時の景気対策の中心に使っている国は少なくて、金融政策が中心の国の方が多数派らしいです。もしも中央銀行が行なう金融政策がマクロ経済に何の効果も持たないならば、多くの国が愚かであり続けていることになる。

そして、「成熟した先進工業国では構造改革によって生産性のアップをもくろんでも実質GDPの潜在成長率を急激にかつ大幅に上げることはできそうもない」というのもかなり信頼できる経験則です。もしも急激に生産性を上昇させることができれば投資がかなり増えることが予想されるので景気対策になるのですが、それはまあ不可能だと考えた方が良い。無理矢理の構造改革の多くはデフレ圧力を高めるのでむしろデフレ不況を悪化させる可能性の方が高い。構造改革はやはり長期の問題なのだ。

デフレ不況脱出という短期の問題にはまず金融政策を使うことを考えるというのが標準的な考え方だと思います。理論的には反目し合っているはずの海外の経済学者たちの意見はこの件に限って一致しまくっているように見える。もはやクルーグマンは必要ないとさえ言える。日本がデフレに陥っている状態は危険であり、デフレは金融政策によって終了させよと。

もちろん、こういう難しい問題には確実なことは言えないと思いますが、「少なくともデフレの中国原因説は誤りである」と断言することには何の問題もないと思います。

ついでに述べておけば、バブル崩解が日本経済の長期低迷の主な原因であるという考え方も信用できないようです。 『経済セミナー』 2002.5 に掲載されている原田泰・岡田章昌「バブルの大きさはバブル後の不況の大きさと関係があるか」 (64-68頁) では崩解したバブルの大きさとその後の経済停滞の大きさは関係なさそうだというデータが示されています。

まとめ:以下の主張は俗説であり信用できない:

ついでに述べておけば、為替レートの問題を無視して「日本の物価は高過ぎる」などと言うのも誤り。

そしてさらに、昭和大恐慌 (および世界大恐慌) の教訓の一つは、円高を保ちながら、国内の物価水準を下げる方向の政策を断行すると悲惨なことになるということです。だから、「日本の物価は高過ぎる。円安も好ましくない。したがって、日本の国内物価水準を下げるべきである」などと言う人は、物価に関して誤った考え方を述べているだけではなく、日本経済を破滅させかねない政策を提案していることになります。

昭和大恐慌と世界大恐慌の教訓からわかることは、デフレ不況に陥った場合には金融緩和によって「国内マイルド・インフレ」+「円の為替レート下落」を目指すのが正しいということです。

インフレ率が下がり過ぎるのは危険なので、日銀にはインフレ率ゼロを目指すことを明確に放棄してもらわなければいけない。どの程度のマイルド・インフレが好ましいかについては諸説あるようですが、最悪でも消費者物価指数 (CPI) で測ったインフレ率は1%を下限にしてもらいたい。 CPIで測ったインフレ率は1%程度高目の数字が出ることが知られているので、 CPIで1%のインフレは現実の生活ではゼロ・インフレだと認識されることになる。

なお、「インフレ率を高める方向」の政策の例として、私はニュージーランドが採用しているインフレターゲティングの事例を紹介しています。引用:

各国の最近のデータに皆が近付き易くなっていれば、「インフレターゲティングをデフレを止めるために採用している国はないと言っている人がいるようだけど、 0〜3%のインフレターゲティングを採用しているニュージーランドは、 1998年末から1999年にかけてインフレ率がマイナスになってしまったときに強力に金融緩和を行なってインフレ率を上昇させて目標値の範囲内に戻すことに成功しているんだよね」というようなことを言える人も増える。 (ニュージーランドの事例は、高橋洋一 (経済産業研究所客員研究員) が『週刊ダイヤモンド』2002年3月23日号の66-67頁で紹介していた。)

昭和大恐慌での経験からも、「銀行からお金が出て行かないからデフレが終了しない」という考え方も信用できない。 1998年度以降資金余剰主体になっている日本の企業部門の資金が実物にまわるだけでも相当な効果が期待できると思う。

「デフレの中国原因説」「内外価格差を埋める良い物価下落説」がトンデモであることが暴露されただけではなく、「前例がない」「銀行貸出が増えないと駄目」のような意味のある批判に対しても次々にそれに反すると考えられる事例が紹介され、反対勢力はどんどん追い詰められているのだと私は考えています。


Id: #b20020423004413  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 00:44:13 2002
Name: 田中
Subject: 時間は有限です
黒木さんへ。

たかつかさんが先の私のメールにまた返答してきても、短時間では彼が
まともな経済学の「本当に初歩」を理解することはできないと思いますので
しばらくほっときます。時間は有限なんで。
(それでも目にあまればすぐにでも参戦しますが。笑)。

いまネットの経済学談義の実情をルポしている最中なのでかっこうの
実演ができました。もっとやりたいですが、はまると時間がどんどん蕩尽
されてきますね。それが最大のリスクかもしれません。

ときたさんのアフォリズムには完全になれて読解のコツもわかりました。
ひょっとしたら同じ思想かもしれない。笑。

ではしばらく休みます。まじに締め切りがやばいので。

Id: #b20020423002633  (reply, thread)
Date: Tue Apr 23 00:26:33 2002
Name: 田中
Subject: あれ!?素人さんでしたか
あれ!?素人さんだったのか。なんかやたらヘンテコな経済学の知識を確信
的に振りまわして、あまつさえ野口本や私に食ってかかるので、てっきり
産業問題に関心があるか、それを専門にしている人かと思ったよ。

過去ログもっと丹念に読めばよかった。経歴などの紹介もあるんでしょうから。

怒りぽいところは、「職業倫理」的なものと考えてほしいなあ。経済学の基本も誤解したまま、疑似経済学的
な発言を黙認できないからね。

ちなみにたかつか氏の書かれた反論は逐一、間違ってるんだけど、これも
素人だから大目にみなきゃいけないかな? 笑。 いや、御自身では「わかってる」
と書いてるけど間違ってるか、理解してないんだけど(笑)。

もし素人ならば、たかつかさんの場合は「かなり」謙虚に野口本を読んだり、
私の反論の意味を考えてほしいなあ。

たかつかさんの反論への反論も逐一書けるんだけど、黒木さんが「クールダウン」
を要求しているし。それに私や他の「声の出るゴキブリ」軍団が実名でどんどん
登場しているのは、黒木さんへの(掲示板運営への)信頼感とシンパシーによるんだよね。だから
黒木さんの意見は管理者というだけでなくそれ以上に尊重したいんですが、軍団の方から(笑)「やれ!|と
いうので、多少表現がきついが、たかつか氏への軍団からの愛の鞭?ということで以下書きます。
これは勉強になると思うし、たかつかさんの意欲はすごそうなので、表現
は気に入らなくても、ぜひ野口本でも基本的な本でもいいから再読して、
その上でまた経済学的発言をしてほしいと思いますよ。

>黒木さん、すみませんがきびしくやりますので、御寛容ください。

--------
>>>比較優位産業は時流に乗った企業が突っ走る事で出来る(例えばゲームの
>>>>任天堂)こともありますが、産業として大きくするにはある程度の育成も必要
>>
>>違う。比較優位産業は「常に存在する」。特定産業への政府の優遇は、むしろ市場
>>に 歪みをもたらし、真の比較優位産業の顕在化をさまたげる。
>
>そんな事は分かっています、国内だけで考えれば常に存在しますよね。

まだ分かってない。「国内だけ」って何?
比較優位っていうのは「国内と海外」があって成立するの! 「そんな事は分かる」なら、そもそも「比較優位産業は時流
に乗った企業が突っ走る事で出来る(例えばゲームの任天堂)こともありますが、産業として大きくするにはある程度の
育成も必要」なんて絶対書かないよ。

>>>>おそらく「みらい」は成功確率は低いでしょう、その場合は半導体の進展はそこで
>>>>止まる
>>>>可能性が強くなります。そうなれば日本での製造は無くなるでしょう。(-_-;)
>>
>>日本での半導体の製造が不可能になるのは、単にそれが比較劣位になったから。そ
>>の 場合には別の産業が比較優位になるだけ。それで問題なし。
>これも違う、日本国内での比較優位は変動していませんよ。海外との競争に勝てない
>だけです。

だから、「日本国内での比較優位」なんていう概念はないの!

>田中さんが比較劣位になったというので有れば、具体的に根拠を示してくれませんか?

日本の半導体は、輸出が減って、韓国などからの輸入が増えているんじゃなかったっ 
け。
それが、「比較劣位になった」ということ。

>>>>衰退産業の立場から言うと変ですが、その時に備える事は悪い事では無いと思いま
>>>>す。
>>
>>衰退産業になることが明らかな産業に、なんで国民の貴重な税金を投入する必要が
>>あ るの? というのが根本的な問題。逆に将来有望ならば、それぞれの企業がこ 
>>ぞって
>> 研究開発投資をするはず。つまり、「応用研究に政府が金を出す必要はいずれ
>>にして もない」ということ。
>それは当然、政府や産業界の上の方では衰退産業だと思っていないからでしょ。
>こんな処に突っ込みを入れてもしょうがないと思いますが。
>
>まっ、取りあえず公式の見解は(総合科学技術会議(第8回)議事次第)
>・製造業は名目GDP及び全就業者中の25%の地位を占める。
>・全輸出入額に占める製造業の製品割合は70%。貿易財収支については、他の
>入超を補って余りある外貨を稼ぎ出している。
>・製造業はGDP全中間投入額の約50%、広範な経済活動を支える製品供給。
>原文は http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu08/siryo1-2.pdf
>の41頁にあります。

半導体の話をしているんでしょ。製造業のデータ持ってきてどうするの。

>>>>マクロ経済学者には申し訳ないけど、何もせずに産業が出来るとは思えない
>>
>>もしそう考えるとすれば、それは単にあなたが「比較優位を理解していない」こと
>>を 意味する(野口ちくま新書のリカード・モデルの説明をもう一度読んで欲しい。
>>どこに「政府」が出てくる?)
>
>あのね〜、だから「マクロ経済学者には申し訳ないけど」と言う枕言葉をつけたの
>ですよ。リカード・モデルによる比較優位を信用できないというより、前にも書いた
>けど、野口ちくま新書の165〜166頁には同じ比較優位産業を持つ国でも生産性
>によって差が出る事が書かれていますね。生産性を上げる必要は野口も認めている
>と思うけど、どうでしょう?
>やはり読解力の問題かな(-_-;)

やっぱり「読解力の問題」だね。生産性は高ければ高いほどいいのはあたりまえ。
だけど、あの本のどこに、「生産性を上げるために政府が何かをすべき」と書いてあ 
った?
これを良く読んで、黒木さんの爪の垢でも煎じて飲めば?
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b0043.html#b20020415183136

>>そし て、「どの分野が将来有望かを市場以上に政府が適切に予想することができ 
>>ない」
>申し訳ないけど、これ間違っていますよ。
>我々は「どの分野が将来有望かを市場も政府も適切に予想することができない」と 
>思って
>います。将来有望かどうか、なんて分かりませんよ。丹念に調査をしても外れる時は
>外れます。

新事業にリスクがあるのはあたりまえ。
「市場(民間企業)にさえうまくできないことを、政府にはなおさらできない」と言 
っているの。

最後にP.Sで書いたようなことは書かないほうがいいと思うよ。たかつか
さんにとって益ある発言ではないから。


Id: #b20020422222442  (reply, thread)
Date: Mon Apr 22 22:24:42 2002
In-Reply-To: b0044.html#b20020420200305
Name: たかつか
Subject: こんなに反論されるとは思わなかった(^_^;)

田中秀臣さんって短気なんですね。(-_-;)

>あのさあ、連絡先ってその人の名前と所属だけ書くことかな(笑
あのね、田中さん、掲示板にどんな連絡先を書くのが妥当だと思っているのですか?
田中さんなら、名前と所属から調べれられると思いますよ。


>アメリカやフランスでも同様の議論がありますね、と書いただけ。あと日本の経済学者
>は何かいっているのか?という問いの答えになってないじゃないの? 
引用は正確にされた方が良いです。

>>ちなみにこの半導体をめぐる産業政策論争は、アメリカやフランスでもかなり論議
>>が盛り上がっているようですよ。日本の現状は経済学者は何か言っているのか?
>>程度でしょう。
この文を読んで上で、私は、「日本の現状は・・・・程度でしょう。」という文だと
理解しましたが、読解力が無いですか?


>たとえば、
>http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b0043.html#b20020417225046
>>>比較優位産業は時流に乗った企業が突っ走る事で出来る(例えばゲームの
>>>任天堂)こともありますが、産業として大きくするにはある程度の育成も必要
>
>違う。比較優位産業は「常に存在する」。特定産業への政府の優遇は、むしろ市場
>に 歪みをもたらし、真の比較優位産業の顕在化をさまたげる。

そんな事は分かっています、国内だけで考えれば常に存在しますよね。


>http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b.html
>>>おそらく「みらい」は成功確率は低いでしょう、その場合は半導体の進展はそこで
>>>止まる
>>>可能性が強くなります。そうなれば日本での製造は無くなるでしょう。(-_-;)
>
>日本での半導体の製造が不可能になるのは、単にそれが比較劣位になったから。そ
>の 場合には別の産業が比較優位になるだけ。それで問題なし。
これも違う、日本国内での比較優位は変動していませんよ。海外との競争に勝てない
だけです。
田中さんが比較劣位になったというので有れば、具体的に根拠を示してくれませんか?


>>>衰退産業の立場から言うと変ですが、その時に備える事は悪い事では無いと思いま
>>>す。
>
>衰退産業になることが明らかな産業に、なんで国民の貴重な税金を投入する必要が
>あ るの? というのが根本的な問題。逆に将来有望ならば、それぞれの企業がこぞって
> 研究開発投資をするはず。つまり、「応用研究に政府が金を出す必要はいずれ
>にして もない」ということ。
それは当然、政府や産業界の上の方では衰退産業だと思っていないからでしょ。
こんな処に突っ込みを入れてもしょうがないと思いますが。

まっ、取りあえず公式の見解は(総合科学技術会議(第8回)議事次第)
・製造業は名目GDP及び全就業者中の25%の地位を占める。
・全輸出入額に占める製造業の製品割合は70%。貿易財収支については、他の
入超を補って余りある外貨を稼ぎ出している。
・製造業はGDP全中間投入額の約50%、広範な経済活動を支える製品供給。
原文は http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu08/siryo1-2.pdf
の41頁にあります。


>>>マクロ経済学者には申し訳ないけど、何もせずに産業が出来るとは思えない
>
>もしそう考えるとすれば、それは単にあなたが「比較優位を理解していない」こと
>を 意味する(野口ちくま新書のリカード・モデルの説明をもう一度読んで欲しい。
>どこに「政府」が出てくる?)

あのね〜、だから「マクロ経済学者には申し訳ないけど」と言う枕言葉をつけたの
ですよ。リカード・モデルによる比較優位を信用できないというより、前にも書いた
けど、野口ちくま新書の165〜166頁には同じ比較優位産業を持つ国でも生産性
によって差が出る事が書かれていますね。生産性を上げる必要は野口も認めている
と思うけど、どうでしょう?
やはり読解力の問題かな(-_-;)

産業政策に拘りますね、私は殆ど興味は無いのですけど。

>「一国の生産資源は有限だから、特定
>の産業を 優遇することは、他のすべての産業を冷遇することに他ならない」
分かっていますよ、何か勘違いしている。


>そし て、「どの分野が将来有望かを市場以上に政府が適切に予想することができない」
申し訳ないけど、これ間違っていますよ。
我々は「どの分野が将来有望かを市場も政府も適切に予想することができない」と思って
います。将来有望かどうか、なんて分かりませんよ。丹念に調査をしても外れる時は
外れます。


>もちろん他方には、「経済学的に許容できる産業政策」というのがあり、それは私が
>先に定義した「政府の介入によって、特定の産業が直面する市場の失敗を解消する
>政策」のことです。たとえば、公共財としての科学的知識の創出および供給はそ
>れあ たるでしょう。基礎的研究にわれわれの税金が投じられることを正当化する経
>済学的 な根拠は、まさにここにあるわけです。しかし、その意味での産業政策は、
>特定産業 の優遇とは、少なくとも理念としては無縁であるべきです。
ゴメンね!
素人は、税金の使い方は経済学的理念より国民の合意だと思うんだ。

>まあ、産業政策の基本的な理解もないままに、産業政策の話題で妙なリアクション
>を繰り返すのは、その自省なき態度とともに多くの傍観者の冷笑を浴びてるんじゃ
>ないの? 笑。 僕は半導体産業の知識がないのは「誤解」もふくめて率直に
>いってますけど、そのような知識の欠如よりも(知れば足りるだけだからね)、
>どんなに読んでも誤解してしまう理解力の欠如の方が深刻だと思うけどね。ちなみ
>に上のたかつか氏への僕の反論にきちんと応えてみたら?
答えになっているかな?(一応素人なりに考えた結果)

悪いけど、暇が無いので1日一回、ここを覗いて書くので精一杯、矢継ぎ早に書かれ
てもね。

p.s. 大学の先生ならどんな理由があれ、素人相手にカッカするのは良くないよ。
私は慣れているけど、そうでない人もいて、たまに変な事になります。名前をもっと
大事にするべきだと思います。


Id: #b20020422135153  (reply, thread)
Date: Mon Apr 22 13:51:53 2002
Name: ブタネコ
Subject: スタートより撤収と総括

黒木さん。
実はどのような研究活動にどこがどのようにどれだけ資金を出せばうまく行くかについて私は考え方がよくまとまりません。そう簡単な問題ではないと思う。

まったくです。それで、
松:わかんないけど、エイッと大判振るまい。
竹:わかんないから、形式的オザナリ予算。
梅:わかんないから、金はやらん。
の三択で、僕は松路線でいいと思う。今日も普賢が水洩れ事故だが、過去の間違いから撤収するだけで、松のもとでは十分にある。
第5世代とか地熱(アイスランドでは大成功)とか、大判振るまいしたのに成果が十分でなかったプロジェクトについて、なんでの説明が十分でないことも、松に賛成する納税者が少ない理由。
マイルド インフレと同じで、やらなかった場合の損失をどう評価するのか。風力なら、とっくに原発20基分の発電量が確保されているのに。
民間独力のベンチャーを官需があと押ししない。青色ダイオードで交通信号を作れば、10倍長もちで電気の消費も大きく減るが、玉切れ交換で暴利をむさぼる警察OB会社の利権が大切。
地方に土建(森林破壊林道とか)で、お金を還流するなら、地方大学の研究を充実させた方が。
まともな仕事をしている人は人柄が悪くてても職業倫理を持っているが、なにもしてない人はなにもない。つまんない研究でも、まともな仕事に入る。
Id: #b20020422120046  (reply, thread)
Date: Mon Apr 22 12:00:46 2002
In-Reply-To: b0044.html#b20020420183533
Name: さんぼんまつ
Subject: おくれてすみません

たかつかさんへ ちょっと見ない内に議論が進んでしまっていて今さら発言することは大変申し訳ない
し、よく半導体のプロジェクトを知らないで発言してしまったことを反省しております。
>さんぼんまつさん達は、大学の工学部でLSI関係の開発をすることや教育をする事
>にも反対でしょうね。今、大学、国立の研究所共に独立行政機関になり、企業からの
>委託テーマと資金を欲しがっています。企業も多くの人材(教授として)を大学へ送
>り込んでいます。

上記の様には考えておりません。基礎と応用に関しての分類が難しいという議論を皆
さんがされていますが、教育全般はその社会に必要な公共財だと考えております。
だから、その意味で教育も市場に任せろとは考えてはおりません。

市場にも「市場の失敗」というものがあり(例えば独占)その場合は政府が介入しな
いとその国の人々が不利益を被る事になります。市場は絶対であるとはかんがえてお
りません。

>また「リスクを政府が取る」?政府はリスクを取っていないと思いますよ。
>また、その様にお考えで有れば、極端に言えば金融政策もとる必要は無いと思います。
>経済学でもそういう立場の人たちがいますから、原則論としてどの様な原則を取って
>居られるのか教えて下さい。

銀行の護送船団の話しでは、ちょっと飛躍し過ぎてしまったかもしれません。また、
リスクを取るという言葉も不適切であったかと思います。すみません。ただ、僕が
ここで申し上げたかったのは、事実上、銀行を潰さないという風に旧大蔵省がした
ならば、銀行は貸し付けを増やした方が利益を得られます。その中で、ただ貸し付け
を増やす事ばかりに目がいって、十分な審査をしないまま貸し付けが行われて、不良
債権などが増えたのではないか、ということを申し上げたかったのです。上記のよう
に政府が銀行を守るという行動を取ると、銀行はいい加減な行動を行う可能性が高く
なると思いもいます。お金も経済活動における資源の一つとみなせば、それがかえし
てもらえるかどうか分からないところに貸し付けられるというのは、非効率的では
ないかと考えました。
つまり、ここで僕が申し上げたかったのは、そのように、政府の介入の仕方によっては、
資源配分をゆがめてしまい、比較優位が達成されないことがあるということです。
また、原則論をお話いたしますと、政府が介入するべきは、上記のような市場の失敗が存在する時であって、その他はなるべく介入は行わない方がよいと考えております。

金融政策に関しましては、恥ずかしながら不勉強で金融政策を取る必要がないという
ことは始めて聞きました。この文章だけから発言してしまうと、また誤解を招いてしまう
かもしれませんが、極端に言うとマクロ政策もいらないという議論にもなるかと思
います。僕は上記のようには考えておりません。政府の仕事はマクロ経済の安定化も
ある と思います。市場は決して万能ではないと思いますし、現在のようなデフレの経済下で
は消費が停滞します。消費の停滞はどの経済主体(個人、企業)にとっても合理的で
あると思いますが、残念ながら個人の合理的な行動が全体にプラスに働かない場合も
あります。その場合には政府が財政や金融政策を用いて経済を活性化させるのは必要
であると思いますし、政府にしかできない仕事だと思います。
長くなりました。すみません。それでは失礼いたします。
Id: #b20020422111553  (reply, thread)
Date: Mon Apr 22 11:15:53 2002
Name: 田中秀臣
Subject: 基礎と応用など
ブタネコさんの挑発にのって(笑)、ここは例の「基礎と応用」について整理し
ましょう。まず、ブタネコさんも私(=『産業政策の経済分析』、sstiglitzなど
)の書いた字面の基礎的研究、応用研究の定義にこだわりすぎていますね。基礎
的研究と応用研究の字面の定義だけで理解してはそりゃあ、単純すぎるでしょう
。しかし、両方の定義は、経済学的な文脈で整理されているわけです。定義の
字面をそのまま批判するのは、今度のケースでは世間知的に簡単ですが、それ
らの定義がのっかっている経済学的な知見までも含めて批判・検証するべきだ
と私は思いますよ。もちろん前もっていいますが、皆さんが持ちだすであろう
個々の事例は、私も存じ上げないものが多いので、その都度判断を保留しなが
ら御意見拝聴ということになりますが、少なくとも以下のように産業政策論的
文脈における基礎的研究と応用研究は考えてはどうかな、と思っています。

・「基礎と応用」の区別は技術的にはなかなか難しいと思うが、経済学的に
は、公共 財として社会にあまねく無料で公開されるべきものか(=基礎)、
収益を目的として 企業や個人が特許によって専有=排他的に利用しても弊害
が少なく、むしろその収益 が新知見発見のインセンティブになりうるものか
(=応用)で区別した方がいいと考えます。し かし、この区別もケース・バ
イ・ケース。たとえば、OSはどちらであるべきは、論争 の種だろう。リナッ
クスの信奉者は当然前者と考えるだろうし、マイクロソフトは後 者と考える
はず。

わたしがもし「頑固主義」であるとしたら、上の基礎と応用の経済学的定義
(それは先に私が定義したもの、すなわち『産業政策の経済的分析』や
stiglitzの教科書などにあるものと含意は同じ)にこだわりつづけて、それで
個々のケースを判定しますが、それは経済的な知見にたち続けるという意味で
の「頑固」であり、個々のケースに一般則みたいなのをごりごりにおしつける
という意味の「頑固」ではないことは、先に時田さん宛(だったかな?)に書
きました。そして反対に上の定義の経済学的含意に配慮しないままで、個々の
ケースをごりごり押し付けていくのだとすれば、それは単に知的な怠慢と私に
は思えます。そうしないと「地道な努力をしている人が基礎研究」(詠み人知らず)
であるとか、産業問題を比較優位もしらず語り、常識だけで語る陥穽にはまるでしょう。


次に
・原則的に、公金(われわれの税金)で賄われるような研究の成果は、パブリ
ック・ ドメインの公共財として、無料で社会に広く公開されるべき(たとえば
論文という形 で→経済学にしぼれば、大学の紀要ぐらいは全文ネットで入手で
きたほうがいいと思う)。逆にいえば、特定の企業や個人が特許によって専有
し、収益化することを目的 とするような研究には、公金は投入されるべきで
はないと考えます。

それと最期に崎山さんや黒木さんの話題に関係しますが、

・基本的には、大学はどのような種類の研究をやってもいいと思います(公序
良俗に反しないかぎり。あと公費援助という問題は切り離して、わたしはこの
発言「基本的には、大学はどのような種類の研究をやってもいい」をいま書き
ましたので誤解のないように)。さらに金儲けに直結する研究 をしてもいい
でしょう。ただし、いったんその研究に公金が用いられたら、それで直接「金
を もうける」のはまずいと思います。それをしてしまったら、「公金を自分
のふところに入れる」 のとそう変わらなくなる。しかし、「産学協同」のよう
に企業がスポンサーになって 研究が行われる場合には、その成果は(少なくと
もその一部は)、企業が占有権を主張できると思います。
ただこの研究費問題については、今朝も書いたように、もう少し経済学以外の
分野の実態も調べた上で、おそらく他分野の温度差もはかりながら、文部科学
省問題、大学改革ネタとしてそのうち論じたいと思います。

Id: #b20020422094539  (reply, thread)
Date: Mon Apr 22 09:45:39 2002
Name: ブタネコ
Subject: 中国に『林学科』を寄付したい。

田中さんの『「基礎的研究」とは、「独創的な研究によって全く新しい知識を発見・発明する研究活動」』定義は、宇都宮大学の日光実習林や東大の北海道の実習林を守る、森番の技官のオジサンの人生が、今の日本ではまったく独創的なんだな〜って、微笑んでしまった。
フランスでさへ、輸出産業の知の欺瞞人達は大切にしても、40年も昔、ナンシーのスタニスラフ公ゆかりの林業学校を廃校に。今になって、ドイツとの間で、川辺の生態系復元などの応用に差が。
当面、帯畜と岩大の畜をまとめて合理化などとんでもない。岩手の里山の緩斜面の短角牛はうまいのだ。

北京の清華大学は、最近は成果大学で、花々しい応用の成果にジャパンマネーもどんどんあつまり、それは自然でよいことだが、魏の時代くらいまで、北京は無論、大同の奥まで見事な森林だったのが、今は半沙漠で、『林学科』を寄贈したい。

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管理者: 黒木 玄  <kuroki@math.tohoku.ac.jp>  (Web Site)
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