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黒木のなんでも掲示板2 (0037)

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Id: #b20020309033530  (reply, thread)
Date: Sat Mar 09 03:35:30 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020308232746
Name: くろき げん
Subject: 収入のうちどれだけを使っているか

去年の7月の中旬から今年の1月中旬までの半年間に収入のうちどれだけを消費しているかを通帳を見て計算してみました。結果は68%でした。この半年間は以前に比べるとあまり呑んでないし、買物らしい買物もほとんどしてない (ただし本は除く) ので、ちょっと小さ目の数字が出ているはず。実はお金を全然使ってないと思っていたが無駄のある生活のせいか予想していたよりかなり多く使っていた……。

やはり本代が馬鹿にならないのかもしれない。安い文庫本や新書だけではなく、結構高目の本が多いですから。最近悪魔の誘いのように感じているのが、高橋亀吉著『大正昭和財界変動史』上中下の三冊。値段は……。興味のある人は自分で調べて下さい。いずれにせよ、そちらは後回しにして『昭和金融恐慌史』 (講談社学術文庫1066) と『経済学の実際知識』 (同文庫1088) が先だな。

今欲しいものと言われると本棚が欲しい。置く場所はまだ十分あるはずだがどこに置こうか?

実はテレビもビデオも持ってない。でも最近ハードディスクに連続24時間録画できる機器の発売を知り、ほんのちょっとだけ心がゆれている。どうしたもんかな。まだ評判がよくわからないので様子見の状態。でも、そういうものを買ってしまうと、さらにあれもこれも欲しくなるんだが、問題は遊ぶ暇があるかどうかだな。あれもこれもしなければいけないのに……。

プライベートなことばかり書いても面白くないと思うので、家計調査の統計にリンクを張っておきます。インターネットのおかげで誰でも様々な統計結果を参照できるようになったのは非常に良いことだと思います。以下は自分に関係ありそうなところに進むためのツリー。


Id: #b20020308232746  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 23:27:46 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020308200308
Name: ひめたにし
Subject: 私が本当に買いたいもの
 色チョークと言えば、かなり以前のことになりますが、岡山大学の早津彦哉先
生が青チョークにヒントを得て、環境変異原物質を検出するブルーコットンとい
うものを開発されました。「教員は毎日毎日黒板に書いては消し、書いては消し、
の生活だけど、このチョークの粉は身体に害は無いのか?」と考えて変異原性試
験をしたところ、青色だけ変異原性あり。実は、青チョークに含まれる銅化合物
に変異原物質を吸着する性質があるから・・・というようなことを突き止めて、
川の流れの中に一定時間つけておくだけで変異原物質を高度に濃縮できる素材を
開発されたのでした。

 「みんながもうお金を使いたくない」ってことは絶対ないですね。お金が足り
なくて困っている人の方が目に付きます。
 でも、自分の好きなように暮らして年金から貯金していたおばあさんが、日本
に一人しかいない珍しい存在というわけではないと思います。高度成長期以前に
はほとんどいなかった「自分が消費したい分よりも所得が多い」層は、無視でき
ない数だけいるのではないかと思います。

 ところで昨日書いたおばあさんの年金が「月額35万円」というのは「2ヶ月で
35万円」の誤りではないかと気づきました。親戚の噂では「月35万円」だったの
ですが、今日ちょっと平均年金額など調べてみたら、非現実的だと思いました。
年金は2か月分が同時に振り込まれるため、混乱して伝わってきたものと思われ
ます。お詫びして訂正いたします。すっごい間違いでごめんなさい。

 以下、このページより。
 http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/data/dat-idx.html

 平成11年度のデータですが、老齢厚生年金の受給者は800万人余、平均月額は
17万円余です。4割の受給者が20万円以上を受け取っており、25万円以上の受給
者も15%います。
 年金受給世代ではほぼ9割が持ち家です。(家計調査)
 この世代の人たちの多くは、インフレ基調が続くことを前提に老後に備え、貯
蓄をしてきたことでしょう。しかし現実には物価は下降気味ですから、老後の生
活設計は(お金が余る方向へ)狂っていると思われます。年金は給料と違って、
会社が倒産して支払われなくなるということがありませんし。私の親戚のおばあ
さんのような人は、おそらく何万人という規模で存在していると思います。

 ただし、老齢厚生年金を受給できるのは一部の恵まれたお年寄りで、もと自営
業者などは苦しい人が多いでしょう。年金受給者の総数は厚生年金1700万人余、
国民年金1800万人余です。(両方受け取っている人もいます。)国民年金は月額
5万円程度ですから、これだけでは生活できないでしょう。

 私に何か買いたいものがあるかときかれれば、あります。「本を置く部屋」で
す。もうかなり限界に近づいてきたので、レンタルスペースを借りようと思って
います。2畳の広さで月額賃料1万円です。でも、これを借り始めても、私は所
得の方が支出より多いです。その差額は漫然と貯金しています。

 なぜ「漫然と」なのかと言えば、本当に欲しいものは、「本を置く部屋のある
住宅」だからです。でも、これは貯金額とは桁が違いすぎて、貯金したからとい
って買えるかどうかわからないのです。というか、貯金だけで買うとしたらおば
あさんになってしまいます。借金しなければ、役に立つ買い物になりません。
 現状では借金して住宅を買う気になれませんが、だからといって、貯金で別の
物を買う気にもなれません。それは、まだ諦めていないからです。不動産価格が
下がりきって緩やかな値上がりに転じれば、借金して買うことも無謀な行為でな
くなります。

 私と同じように考えて漫然と貯金をしている人は、結構いるのではないでしょ
うか。婦人雑誌の特集は「節約」と「収納」ばかりだと書きましたけど、これは、
「住宅が狭くて不満だから貯蓄に励む主婦」が大勢いることを示しているのでは
ないでしょうか。

 私のような消費者は、インフレが始まったらどうするか。ずばり、消費を手控
えます。物価はぜんぶ一斉に上昇するわけではありません。土地価格はまだ下が
りきっていない、と私は考えています。他の物価が上昇して地価だけが下がる状
況下では、不動産購入を諦めることはありません。

 このように考えると、現在進められている不良債権処理の思惑も何となく理解
できます。地価が下がりきって上昇に転じた時、住宅購入を諦められずに貯金に
励んできた人たちは一斉に動き出すのではないでしょうか。新規着工だけでなく
買い替えであっても、家具・調度類購入その他の付随的な消費は大きいし、何よ
り、漫然と貯金する理由が無くなります。一方、地価がどこまで下がるか様子見
をしていて、やはり無理だと諦める層に対しても、「あきらめ消費」の効果があ
ります。(バブル時代にできた言葉ですね。)
 私には、経済全体をインフレにするより、地価を下がるところまで下げてしま
う方が景気刺激効果が大きいように思えます。これは一消費者の実感として言っ
ているだけで、何も理論的裏づけは無いのですが・・・。

 黒木さんの場合、所得と消費はバランスを保っているのですか?

 たかつかさんへ:
 私は、同じ不況が長期間続いていると思っていました。この一年がそれまでと
違う不況だとは知りませんでした。日本が立国する産業基盤は生糸から始まって、
軽工業、自動車、家電、半導体・・・のように変化してきましたが、たかつかさ
んの業種が新興工業国の守備範囲(安価・大量生産)に入ってきて、日本の競争
力が無くなって来たということでしょうか。

 BUNTENさんへ:
 私も二酸化炭素の排出権取引は合理的だと思います。
 http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak121_125.html

Id: #b20020308200308  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 20:03:08 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020308194456
Name: くろき げん
Subject: 黄色もまずい場合があるのか

ついさっき「赤」ではなく「黄」のチョークを使うように注意していると書いたばかりですが、「黒板に赤いチョークを使わないようにしましょう運動展開中」によれば「加齢による水晶体の黄変で白色と黄色の区別がつかない人もいる」そうな。これも知りませんでした。

皆が知らない知識を広めるだけでほとんどゼロに近いコストで世の中がちょっとだけ良くなることはたくさんあるような気がする。問題を指摘する能力を持った人が実際にそうし易くなる環境を整えることは非常に重要なことだと思う (もちろんそれは非常に大変)。それが駄目なら、単にそれを買わなきゃ良い、他に移れば良い、……というような議論は乱暴だと思う。


Id: #b20020308194456  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 19:44:56 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020308190938
Name: くろき げん
Subject: 新色の赤チョーク

黒板とチョークは私にとってもっとも身近な道具なのですが、結構よくあるのが「だぁー! 白チョークがない!ない!ない!」という状態。「白」がないくせに、なぜか「緑」だとか「青」のチョークの箱が教壇の下のスペースに置いてあったりするんですね。「緑」や「青」なんて誰が使うんだ? そこに置いてある「緑」や「青」のチョークは少なくとも10年以上使われていない。これこそ資源の無駄遣い。でも誰も使わないのでこれ以上その色のチョークが購入されることはないでしょう。

実は、個人的に「赤」のチョークは注意して使わないようにしてます。色が必要な場合は「黄」のチョークを使う。あのピンク系の赤チョークで書いた字は色覚異常云々とは別に見難いと思う。この辺の問題について気になったのでついさっきちょっと検索してみました。最近では新色の赤チョークが販売されているみたいですね。恥ずかしながら知りませんでした。あとでうちの数学教室ではどういう赤チョークを使っているかを調べてみよう。


Id: #b20020308192457  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 19:24:57 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020308190938
Name: Lingko
Subject: 確かに、
お金を使ってもらえるのは直すとき1回こっきりですよねぇ。その後は最初からうま
く作ればコストは変わらず。

Id: #b20020308190938  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 19:09:38 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020308173617
Name: かも ひろやす
Subject: 色覚異常フレンドリー

ある銀行の窓口の表示板が緑の背景に赤の文字だったのを、私たち色覚異盛者にも配慮したものに直して欲しいとお願いしたら、数日後に同じ銀行に行ったら直っていた経験があります。全支店で直したみたいだから、そこそこ、お金は使ったのでは。

ただ、たいてい、「色覚異常フレンドリー」なものも「色覚異常アンフレンドリー」なものも、コストは変らないんですよね。最初から「色覚異常フレンドリー」なものを作ればよいものを、結果的に、わざわざ「色覚異常アンフレンドリー」なものを作ってから「色覚異常フレンドリー」なものに換えているのだから、環境負荷からは、いかがなmのかと。


Id: #b20020308173617  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 17:36:17 2002
Name: Lingko
Subject: お金を使ってほしいもの
街や駅の表示を、もっと自閉フレンドリーに、LDフレンドリーに、ADHDフレ
ンドリーに、痴呆フレンドリーに、知的障害フレンドリーに、高次脳機能障害フレ
ンドリーに、色覚異常フレンドリーに、弱視フレンドリーにしてもらえんものか。

そういうのって、お金使えると思うんだが。

Id: #b20020308173111  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 17:31:11 2002
Name: Lingko
Subject: お金を使いたいもの!!!!
いろんな面でのアシスティブ・テクノロジー。

生活のあっちもこっちもメタメタのズタボロだから、いろんな道具は使いたい、買
いたいあるいは借りたい、探したい。でもどこへ行って探したらいいかわからない。

普通はこういう生活用品って、「福祉機器」ってよばれる部類に入るのかもしれな
いけど、知的障害の合併していない自閉みたいに「障害」と認定されてない障害の
場合、福祉ユーザーじゃないってことで、情報が届きにくいのかも。

それと、残ってる機能を少しでも有効に使おうと思ったら、いろんな作業の疲労度、
疲弊度の合計を抑えればいいわけで、そうなると、福祉機器とかいうより、ごくふ
つうの生活用品を高級品(人間工学的によくできてる、とか)や老人向けやマニア
向け、プロ向け道具で固める、みたいな方が現実的。整理整頓エイドとして、子連
れでもないのにマザーズバッグ使ったりとか。でもそういう情報ってごちゃごちゃ
として整理されてない。

通販生活なりクロワッサンの店なりディノスや二光やニッセンのようなカタログな
り、飛行機の機内にある通販雑誌なり、旅行用品売り場なり、便利グッズ売り場や
100均ショップなり、ばらばらにチェックしてたんじゃ混乱するばかり。

荷物の重さで言語コミュニケーション能力が下がったり、体温調節がうまくいかな
かったりもするから、荷物の(あるいは衣類の)軽量化ってのもかなり「お金を使
いたい」分野。旅行用品売り場なんかが狙い目なのかしら。

時計にしても財布にしてもハンカチにしても、通販のカタログに全部、重さを表示
してあればいいんですが。

あ、そういえば、ハンズで「バネばかり」を買いましたよ。キーホルダーやら財布
やら時計やら買いに行くときに必要だと思って。1800円、景気回復に貢献?

Id: #b20020308062244  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 06:22:44 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307002235
Name: BUNTEN
Subject: RE:経済発展と環境問題

ゴミの排出量やエネルギー消費などの環境指標のGDP弾性値はおおむね正ですが、これはあくまで相関であって、因果ではありません。たとえばエネルギー価格等が上がると弾性値が下がります。
(言い替えると、汚染と経済規模にはおおむね正の相関があるが、価格体系を変えることで関係を変えられる。)

「健康で文化的な最低限度」維持のための方策を適切に織り込みながら(これをしないと政治的な困難度が増す)、環境に優しくない財やサービスの価格を上げれば、「神の見えざる手」によって"自然に"浪費が押さえられるでしょう。

……

排出権取引などは環境方面の人には評判が悪いのですが、適切な価格を設定できさえすれば(これが難題なのは認めますm(_@_)m)各国の成長を維持しつつ環境を守ることが可能になります。(*1)

日本の場合、一人当たり二酸化炭素排出量は印象ほど高いわけではなく、世界的に高水準の省エネを達成している(*2)のですが、家庭向けなどではまだ改善の余地がありますし、太陽光などの未利用資源もまだたくさんあります。たとえば、戸建て住宅の屋根を使って太陽光発電を行うと、その家の電気のほとんどを賄うことができます。(売買差額がおおむねゼロになる)

太陽光パネル工事は労働集約的ですから何かと批判の多い大型公共工事より金額当たりの雇用が増やせ、より大きな乗数効果が見込めます。電力需要の大きい昼間に多く発電するという特性から他の発電所の設備を効率よく運用する助けにもなります。目下の問題は、パネルを付けても採算が合わないということに尽きますが、炭素税を作って発電パネルの採算が合うように補助すれば、排出権を買わなくても目標を達成でき、おまけに経済も成長させられるのではないでしょうか。

*1*2注:*2な事情から、同じものを同じだけ作るとしても、外国で作るより日本で作って運ぶ方が世界的に見て二酸化炭素の排出が押さえられる可能性がある。*2を実現することができるような価格で排出権を取り引きするようにするのであれば、排出権取引は世界の利益になる。
Id: #b20020308061035  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 06:10:35 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307225216
Name: くろき げん
Subject: みんながもうお金を使いたくないって本当に本当なの?

別に全員が消費を増やす必要は全然なくて、貯蓄を増やしたい人は自由にそうすれば良いと思います。お金を使う気がない人とお金をもっと使いたい人の両方が存在する中で全体として増えれば良いのだ。もしも消費が平均的に1割増えればほぼ間違いなく大好況。

貯蓄が足りなくなると、古くなった生産設備を更新したり、新たな産業を起こしたり、新技術を進歩させるための研究をしたりするために生産力を十分に割けなくなる。実際、戦後の日本の経済成長は日本人の高い貯蓄性向に支えられて来たと言われています。節約の美徳は経済成長をもたらします。この意味でも無駄使いしない人を責めてはいけない。

でも、別の一方にはお金をもっと使いたい人がたくさんいるはずなんですね。ひめたにしさん自身には欲しいモノや使いたいサービスはないの?

ひめたにしさんの親戚のおばあさんのように35万円の年金収入があって悠々自適の安心生活を送りながら、貯蓄を積み上げている人ばかりじゃない。不況はそれとは正反対の収入が不安定な人たちを直撃しています。そして、失業している人たちには失業保険が支払われていれば良いというような冷たい考え方は当然否定されるべきだ。

皆が安心してお金を使い出せば、ほぼ確実にリストラ・失業・倒産は減少し、税収が増えて財政も少しは楽になるだろうし、インフレ率がプラスになればアメリカのように金融政策中心の景気対策でやって行けるようになるかもしれない。

ところが、これだけは個々人の努力でどうにもできないんですね。なぜなら、不況の世の中で一人だけお金をたくさん使っても良いことは何にもないからです。たとえば、将来が不安だからという理由で消費を1割節約し、貯金を増やしたり、借金を返したりしている人たちにとってその1割の節約は金銭的にも精神的にも非常に重要なことかもしれない。そういう人が無理してお金を使っても不況が解決するわけではない。

でも、政府がそういう不安を打ち消すような方向に政策転換したことをはっきり宣言し、日銀は経済に多大な害を与えているデフレに本気で対抗することを宣言し、政府と日銀がその約束を実現するようなあらゆる政策をガンガン実行すれば、皆の平均的行動は実際に変化すると思う。そしてその変化は1割のようなオーダーで十分。 (世界大恐慌について書かれた本を読むと実際に変化しているように見える。)


Id: #b20020308015626  (reply, thread)
Date: Fri Mar 08 01:56:26 2002
Name: ブタネコ
Subject: そのお婆さん **電機

アメリカだと、婆さんの遺産は母校の女子大に寄付され、経済はエコロジイにバランスする。エコロバアと言うべきか。
**電機の軍需生産部門にいた人が、ふとん乾燥機なんか設計させられてるのは、戦争より平和が大切とは言え、『使い尽くせない潜在的生産力』の象徴としての頭脳の浪費だな〜?ソ連の核兵器部門にいた人も。
ふとんを電気で乾燥するなんてエコロバアでないし、蒲団って日本文学の最低作品じゃないかと思うが、**電機のハイビジョンのプロジェクターを全国の教室にばらまき、歴史を実感できる映画を英字字幕つきで沢山生徒に見せるようなことをすれば。
Id: #b20020307230711  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 23:07:11 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307225216
Name: 岡田靖
Subject: 贅沢が貧乏の始まり
そのお婆さんがお金を社会事業に寄付しましたか?そうすれば、お婆さんはつまし
く、そして気の毒な人々は消費を増やせますから、経済はバランスします。しかし
郵便貯金の通帳を握りしめて節約に励んでいるなら、何をかいわんやなのです。

節約に励み、そのお金を貯蓄すれば成長は避けられない。逆に贅沢したり、社会事
業で「浪費」すれば、成長できなくなります。

Id: #b20020307225216  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 22:52:16 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307051101
Name: ひめたにし
Subject: 所得と消費のバランス
 経済発展と環境の関係について多数派の意見は、生産力増大がそのまま二酸化
炭素排出やゴミ増量に結びついてもよいわけではなく、経済成長を維持しながら
(技術開発によって)環境負荷を横ばいに押さえるか、または減少させるべき、
というあたりのようですね。

 さて、生産力の増加に伴って、消費と投資を増やさないわけにはいかない、と
いうお話はわかりました。
 つまり、家計レベルでは、所得が増えていく分だけ消費を増やさなければなら
ず、自分達の生活をどこか変化させ続けなければならないことになります。うん
と生産力が低かった時代には、多くの人が所得と釣り合うレベルに消費を押さえ
ていました。本当はもっと消費したいという気持ちを押さえてそうしていました
から、所得が増えれば自然に消費も増え、常に釣り合っていました。

 しかし現代の日本では、所得水準に見合った消費を望まない(無理に消費する
とかえって幸福が損なわれる)層が無視できない規模で存在するように見えます。

 私の親戚に80歳余のおばあさんがいました。最近亡くなったのですが・・・。
 その方はずっと独身で一人暮らしでした。娘時代から大企業の社員として働き
続け、定年まで勤め上げたため、月に35万円の年金をもらっていました。
 おばあさんの住居は古い文化住宅で、家賃は相当安かったろうと思います。食
べるものは偏食気味で、うどんとバナナを毎日食べていました。うどんは特定の
生協の銘柄のうどん玉しか口に合わないとか言ってましたが、この程度のグルメ
度では、食費がかさんでいたとは思えません。服装はいつもこざっぱりしていま
したけど、新しいものを買ったところは見たことがありませんでした。旅行は嫌
いだと言っていました。
 そういうわけで、文化住宅で若干の近所づきあいをしてテレビを見るだけの生
活に、おばあさんは十分満足していたようです。必然的にお金は貯まるばかりで、
亡くなる頃には最低2000万円はあったという噂でした。
 こういう人にとっては、所得に見合った消費を強く勧められたとしても、迷惑
でしかなかったろうと思われます。高齢者が長年の生活パターンを変えるのは、
それだけでストレスでしょうから。

 所得が不十分で生活が苦しい人がいる一方で、このおばあさんのような人もい
ます。所得と消費性向が別々の要因で決まるものである以上、所得に見合った消
費を万人が心がけなければならない社会というものは、暮らしにくいのではと思
います。黒木さんの言われる「そうならざるを得ない社会の仕組み自体がおかし
いのではないか」領域の問題なのでしょうが。
 これは超長期の問題であって現在の経済危機とは別の話なのか。むしろ、「こ
れ以上生産力が増えてくれなくてもいい。今の生活に満足しているから」と少な
くない人が考えていて、それが今の不況(生産力が余ってしまう)に現れている
とは考えられないでしょうか。12年も続く不況は、「消費を我慢している」にし
ては長すぎるのでは?「消費が必要とされていない」が当たっているのでは?
 そうだとすれば、社会の仕組み自体を見直すことも、そろそろ始めていく必要
があるのではないでしょうか?(つまり、経済のゼロ成長あるいはマイナス成長
を前提として、恐慌や悲惨な失業を無くす方策を立てていくということですが。)

Id: #b20020307223555  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 22:35:55 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307002235
Name: たかつか
Subject: 不況

たかつかです、ひめたにしさん、こんばんは。

> 不況を放置しておいてもよいのでは?というのは、「社会制度の改革で悲惨さ
>を緩和できれば」という条件のもとでの発想であって、現状のままの不況が続い
>てはならないと思っています。
ここに誤解があると思います。
皆さんが経済学の用語として使われている「不況」と今回の「不況」は経済指標
では同じ傾向でも意味が違う様に感じています。

1年前も不況だったと思いますが、企業の景気はそれほど悪く無かった。寧ろ
将来投資に意欲的な企業が多かったと思います。
今の不況(特にここ1年位)が理由をどの様に理解されているでしょうか?

そして理解頂けるか分かりませんが、我々は現状の数値が悪くとも将来的な目標
とか目的が明示されれば、我慢もできますし努力も可能です。
しかしながら、現状では先が見えない。それが最も困っている原因です。

> たかつかさんの言葉からは、最先端の技術者の方の焦燥感が伝わってきます。
私は最先端の技術者ではありません。昔は色々と最先端もやっていましたが・・
技術は企業間、技術間の競争なので、如何に苦労しようと、如何に難しかろうと
負ければそれまでです。どちらかと言えば日の目を見なかった商品開発の方が多い
ですから、単に負けるだけならば焦燥感にとらわれる事は無いです(慣れています)。

>国際競争力の低下問題は、不況の問題とは別のものを含んでいるように見えます。
いえ違います、不況は何度も経験しました。繰り返しになりますが、今の不況の
原因を何んだと考えられているのでしょうか?

今回の不況でもっとも打撃を受けたの業種の一つは、電子部品業界だと思います。
1年前であれば、日本でもっとも国際競争力を持っていた業種の一つです。
携帯電話の小型化でもっとも活躍した業種と言った方が分かりやすいかな。

かつては日本のお家芸だった家電、VTRテープや磁石は既に海外に移転し、CD
CD−R、も台湾へ、今度は電子部品と半導体。何が日本に残るかな?

不況だから国際競争力が低下したのではありませんが、国際競争力が低下し企業の
投資意欲が無ければ不況から脱する事は難しいのでは無いですか?


>しかし、基本としては、GDPが上昇すると各種環境指標は悪化します。
GDPで何を見ているのかに依るのですが、「不況」とGDPの関係は微妙だと
思います。実質的なGDPが正しく分かれば相関があるのでしょうが、無論経済
成長率が高い時は別なのでしょう。

今の「不況」だと、工場の操業率が50%以下の所が多いと思いますが、GDP
で見ればそんなに下がらないでしょう。

二酸化炭素に関しては、GDPの中身が問題ではないですか?
アメリカは何故、二酸化炭素削減の削減に反対したのでしょうか、自国の産業界
の反対は誰が何故反対したのでしょうね。
私には、工場から出る二酸化炭素のために反対したとは思えません。

生活様式の変化や無駄を減らすことでGDPが減少し、二酸化炭素削減されるので
あれば、非常に良い事です。でもそれを「不況」と呼ぶのでしょうか?

今の「不況」は経済指標に現れないものも含んでいて、寧ろそちらの方が重症の
ように私は感じています。これまでの「不況」は、ある意味でチャンスでもあった
わけです。

p.s.
BUNTENさんの比較優位の話は中学校(だったかな)の社会の教科書に出ていた話し
ですよね。企業では、特に最近は国際調達が流行っていて同じ規格であれば1円で
も安い所から購入します。もっとも価格だけはありませんが。

比較優位を実施すれば、政府の関与や業界団体の関与があって管理貿易的な感じ
(関税で調整するかな)がします。


Id: #b20020307174701  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 17:47:01 2002
Name: やまがた
Subject: 中央公論

池尾和人が、中央公論の4月号でとっても変な議論をしています。

  1. そろそろインフレ政策が取られそうだ
  2. インフレになったら(円安になるから)資本流出が起きる
  3. そうならないように、名目金利を上げなきゃいけない

以下、野口旭のハルマゲドン経済論批判より引用:

 付言すれば、資本流出が「望ましくない」ものであるかのような思い込みは 本書にかぎらず根強いが、そのような考え方は正しくない。むしろ、日本のよ うな恒常的な貯蓄過剰国にとっては、ある程度の資本流出は必要不可欠とさえ いえる。というのは、もしそれがなければ、投資機会の乏しい国内にさらに投 資を増やすか、政府財政支出(=財政赤字)を増やすか、所得を減らして貯蓄 を減らすかしかないからである。さらに付言すれば、膨大なデフレ・ギャップ を持つ現在の日本にとって、ある程度の円安が必要なことも明らかである。

池尾は前半では貿易財と非貿易財の区別について論じていて、これはまさに、そういう資本流出が起きにくい議論につながるはずなんだけどな。(クルーグマン「復活!」を参照)。それが後半になって、資本流出は危険だ、通貨統制や貿易統制につながる、と変な煽りに変わる。いなば氏が、池尾和人は最近変だとしばらく前に書いていたけれど、それとは比べものにならない危険水域に突入した感じ。


Id: #b20020307082744  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 08:27:44 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307051101
Name: 時田
Subject: 5-5-5 (go go go)体制の中身

石油換算5億t のエネルギーで、500兆のGNPを達成するのに、正味50兆の財政というのを5-5-5体制 と呼ぶことにしましょう。
5億t の中味を風力やゴミメタンなどを増やし、早急に原発震災の可能性のある浜岡と女川くらいストップするとか。

20億t物質を輸入し、2億t輸出してたら世界に冠たるゴミ大国に。
50兆の中で土建屋による川辺川ダムに代表される自然破壊など、意味のない公共投資が多すぎ。里山の保全や、農業体験という総合学習などで農村の雇用を作れば。
『内部化のメリット』は自明だが、おろかな政治勢力の抵抗は大変なもの。神奈川県が自動車税を検討したとき、自民党より自動車労組の連合がじゃまだてした。(ロケット業界にはこうした応援団はいない?)
なんといってもエネルギーを使うのは、酸化したものの還元。『使い尽くせない潜在的生産力』のうち、溶鉱炉(くず鉄の電解を増やすべき)やエチレンの巨大プラントで古いものにはお休み続けていただいても。セメントも生産を減らした方が。
エネルギーと水を浪費し、BOD を撒き散らしていた紙パ業界の30年の努力は、中西準子も賞賛している。
個人事務所やネット上の町工場街を。
案外大きいのが、ウソ教科書を作る会バカ不況。アジアに共通の市場を作らなければどうにもならないことを森島も指摘している。中韓の新幹線など日貨排斥。
Id: #b20020307081510  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 08:15:10 2002
Name: くろき げん
Subject: 日経新聞3/2の「M5ロケット廃止」の報道について

きっとここは最近経済に興味がある人が読んでいると思うので。

日経新聞3/2のとある記事で文部科学省宇宙科学研究所の M-V (ミュー5) を2005年の打ち上げを最後に廃止するという報道がありました。

しかし、その報道が事実であるかどうかは怪しいし、もしかしたら予算を削ることが業績になる方々による意図的な情報操作かもしれない。この件についてはハードSF作家の野尻抱介さんの掲示板における秋山演亮さんの記事野尻さんの記事で知りました。

日経の記事によれば「石川島播磨重工業や三菱商事などが小型衛星打ち上げ市場への参入を狙って官民共同で開発中の中型ロケット「J2」が2005年に完成する。このため、コストが高くJ2より小型のM5を廃止することにした」ということになっているのですが、秋山さんは「J2なんてまだ実現していない新規エンジンのロケットだし、そもそも価格がどうなるかも非常に不透明。それにあれはNASDA案として提出されたけれども宇宙開発委員会でぼろくそに叩かれて否定され、それでは!と民間に1/3だけ出資させて、民間プロジェクトだから宇宙開発委員会の縛りを受けない、とかなり裏技を使って推進させているプロジェクトでは?」とおっしゃっている。

さらに、日本惑星協会メールマガジン「TPS/Jメール」2002年3月6日号における「YMコラム」 (YM氏は宇宙科学研究所の的川泰宣教授) によれば現在1機60億円の M-V のコストはあと50億円投資すれば1機30億円強くらいにはできるのだそうだ。 J-II (J2) の方は石川島播磨重工業、経済産業省、文部科学省が各々150億円ずつの投資をして、ロシアとアメリカという二大宇宙大国の技術を全面的に買い入れて、 5年の歳月をかけて商業化のレベルに達する計画らしい。

要するに、もしも M-V の2005年廃止が本当に決定事項になってしまうと、その後はどのようなものが仕上がるか不透明な J2 に頼らなければいけなくなる。そういう不安の中で研究計画を立てなければいけなくなるのだ。そして、何よりも問題なのは、 NASDA の10分の1の予算のもとで独自技術によって成果を上げて来た人たちの士気を大幅に落とすことになることだ。

個人的にロケット研究への投資の仕方としてこれは危険なやり方だと思う。

そもそも日経の当該報道はどっから出て来たものなんだろう?

P.S. どうも「聖域なき改革」のような言葉が流行し出してから、不合理に見える“改革”が平気で行なわれるようになっているような気がします。一方で予算節約は全て正義だということになっているようだが、別の一方では流行分野へのばらまきが起こなわれているように見える。科学研究への投資の仕方においても科学的なセンスや合理性は全て無視されているような気がして仕方がない。アホな産業政策的発想を科学研究にそのまま持ち込もうとしているようだ。せめて、確実そうなものと訳のわからないものが適切に混ぜ合わさった全体として効率の良い科学研究投資が実現されるような制度を工夫して欲しいと思う。 (この件にはもっと詳しく調査が必要。実は全然詳しくない。詳しい人が助けてくれると嬉しい。)

P.P.S. ついでに日本独自の有人宇宙船構想FAQにもリンクしておくのだ。個人的にこういうことに興味を持つ人が増えるのは良いことだと思う。


Id: #b20020307072347  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 07:23:47 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305223004
URL: NCA00201@nifty.ne.jp
Name: BUNTEN
Subject: 貿易は競争ではない
誤解している人が多いのですが、国際貿易が成立するために必要なのは比較
優位であって絶対優位ではありません。(このことはたいていの経済学の
テキストに書いてあるはずです。)
国内のどの産業も他のすべての国より生産性が低かったとしてもなお、比較
優位のある生産物を輸出することで、貿易をしない場合より豊かになることが
できるのです。

Id: #b20020307072041  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 07:20:41 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305195751
URL: NCA00201@nifty.ne.jp
Name: BUNTEN
Subject: 不況は悪で、終息させなければならない
環境問題の解決は、副作用がきつい割にメリットが少ない経済の縮小によって
ではなく、環境コストの内部化によって行うべきだと思います。

内部化のメリット
環境負荷の高い商品は調整された市場によって"自然に"淘汰される。
原理上、経済の成長も可能。
デメリット
多くの人の目に触れにくいところで行われていた自然破壊が止まるが、誰にでも
見える物価が上がるため、デメリットだけのように感じられる。(適度のインフレ
になるかも(笑))
※生活保護などの基準は内部化による物価上昇を補えるものに変更する必要あり。
内部化する方法が複雑(適切な関数を見つけにくい)と思われ、利害が絡み合う
ので合意を得づらい。

経済の縮小による方法のメリット
とりあえず環境負荷は減る
デメリット
公害を生み出す社会構造は残る。
経済の収縮によって環境対策にコストをかける余裕がなくなる。従ってモラル
ハザード(不法投棄など)も起きやすくなる。
経済の縮小に起因する社会問題を回避できない。(デフレという副作用は危険
すぎる。)

Id: #b20020307051101  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 05:11:01 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020307002235
Name: くろき げん
Subject: 貯蓄の行く方と正しい節約の美徳

岡田さん曰く「経済は会計上の原則で、貯蓄があるなら投資をしなければバランスが取れない。」 ここで貯蓄とは「収入−消費」のことです。基本的なことなので僭越ながら簡単に解説することにします。

日本は1年間でおよそ500兆円分のモノとサービスを生産しています。日本全体でその500兆円分の収入を得ていることになる。日本に住んでいる人たちはその500兆円を皆で分配することによって暮らしている。

その500兆円分の生産のうち国内で消費されるのは民間と政府を合わせて7割程度です。残りの3割は住宅、企業設備、公共事業などの投資 (固定資本形成) と純輸出 (=輸出−輸入) です (「投資」という言葉が「株式投資」の意味での「投資」と異なる意味で使われていることに注意)。全収入の総計のうち消費使われなかった分は投資に使われることになる。そして、国内で使われなかった生産物は海外に売ることになる。

もしも、皆で一斉に消費を減らし、貯蓄を増やそうとすればどうなるのか?

日本には少なくとも500兆円分のモノやサービスを1年で生産する能力を持っています (デフレが続いていることから潜在的生産力はそれよりずっと大きいはず)。収入を増やしたい人たちの努力によってその生産力はできるだけたくさん使われることになります。

だから、消費が少なくなればまず民間投資が増えることになります。民間投資が増えれば企業の生産力が増強されることになる。

消費と民間投資を合わせても使い尽くせない分は、輸出するか政府が財政赤字を出して公共事業などを行なって使うことになります。

もちろん、政府が財政赤字を出して環境破壊の大きな原因であるコンクリートで固めまくりの公共事業を連発するのは嫌だという人は多いでしょう。そうすると、輸出に頼る以外にない。しかし無理をして輸出を増やしまくれば相手国から顰蹙を買うことになる。

それでは財政赤字も輸出で無理をするのも止めにしましょうということになれば余っている生産力は使われず、その分の生産で収入を得ていた人たちは失業・リストラ・倒産などの憂き目に会わなければいけなくなる。そして、それによって社会不安が広がり、自殺や犯罪が増加するかもしれない (必ずしも経済が原因であるとは限らないのですが現実に日本はそうなっている)。さらに、将来不安が原因で皆がさらに消費と投資をさらに減らすことになれば、ただでさえ悪い状況はさらに悪化することになる。最終的には不況が恐慌に転じ、痛みが一部の人たちに集中するだけではなく、皆の生活レベルが急激に悪化する事態を招くことになる。

財政赤字を拒否し、貿易黒字を増やし続けるのも無理ならば、国内の消費と民間投資を増やさざるを得ないのだ。

このような話を聞けば、誰もが「そうならざるを得ない社会の仕組み自体がおかしいのではないか」という素朴な疑問を持つと思います。しかし、現実問題として今すぐそういう社会の仕組みを変えることはできません。それ以前の問題としてどのように変えれば良いのかもわからないし、変えることができるとしても皆が現在と同等の幸福を保ったままできるかどうかわからない。これは昔からある極めて難しい問題です。いずれにせよ、これは超長期の問題であり、目の前の日本の経済危機とは全然別の話です。

最後に「節約の美徳」について考え方を整理しておきます。

資源の節約の仕方が広まることは非常に良いことだと思います。家計はそれによって無駄な出費を抑えることができ、節約した予算をもっと有意義に利用できるようになる。効率的な節約が組織的に行なわれれば環境問題にも貢献することでしょう。このような意味での「節約の美徳」は確実に正しい考え方なので、そのような考え方を広めている方たちは誰に何を言われても自信を失うべきではない。

しかし、もしも節約が単なる守銭奴に繋がるのであればそれは良い考え方とは言えなくなります。増えて行く通帳の数字を眺めて嬉しがっているだけではむなしい。せっかく稼いだお金なのだから有効な使い道を考えるべきだと思います。余っている生産力を有効に使うことを皆で真剣に考えるべきなのだ。

たとえば、ゴミを減らすために効率の良い消費生活をして節約したお金をさらに環境問題関係に投資すれば二重の意味で環境問題に貢献できることになります。いきなり投資しなくても、節約したお金から数千円出して自分自身の知識を増強するための本を買って読むのも良いかもしれない。そうやって勉強したことを世に広めたいと思う人は節約したお金でパソコンを買って使い方をおぼえて、インターネットで情報発信すれば良い。

不況とは余っている生産力を有効に使えないせいで社会がおかしくなってしまっている状況のことです。クルーグマンが「不況とは何か」を説明するために好んで利用している「キャピトルヒル子守協同組合の危機」の話は非常に印象的だと思います。ちょっとした子守組合でさえ不況の困難から逃れられないのだから、将来様々な改革が進んで環境問題を起こさない安定した節約社会が実現したとしても不況の問題は残ると思う。不況の問題を完全に避けようとすればものすごく効率の悪い社会になってしまうような気がします。効率が悪過ぎる社会は環境問題も解決できないに違いありません。やはり他にできるだけ害が出ない形で不況に対抗できる仕組みは必要だと思います。


Id: #b20020307012446  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 01:24:46 2002
Name: 時田 節
Subject: 成長につながる環境によい行動

成長や雇用につながる環境によい行動というのは、何万種類もあるし、ひとつひとつの効果は微々たるものだが、何もしないのより、どんどん始めた方がいいものです。2つだけ関連サイトをあげておきます。
ノルウェーで開発された、アルミに空気を通す簡単な装置による暖房及び給湯。http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/foreigninfo/html9907/caddet-800.html長野県のような、雪は多くても日照量も多いところで、抜群の効果を発揮します。
北海道白老町の家畜の糞によるメタン発電。 http://www.town.shiraoi.hokkaido.jp/public_htm/energyi/3-9.htm
本で、
路面電車が街をつくる : 21世紀フランスの都市づくり 望月真一 鹿島出版会  
              路面電車 : 未来型都市交通への提言 今尾恵介 筑摩新書

ワークシェアリングを電機労連が検討してるのもよいことでは。日産型リストラのが個別の資本には良くても、社会全体には電機労連的労資癒着の方が。オランダのように、ワークシェアリングがうまくいくにはオランダのような平等で民主的な社会にならないと。

唐の韓愈と並ぶ文人政治家で教育パパのCICEROのDe Officiisは(英訳http://www.stoics.com/cicero_book.html )は大学新入生にしゃれたプレゼントだろうが、CICEROという組織がノルウェーにある。
CICERO= Center for International Climate and Environmental http://www.cicero.uio.no/index_e.aspまあ、猿大統領のぶっしゅがキケロの言うことなど聴くわけないよな。
Id: #b20020307002235  (reply, thread)
Date: Thu Mar 07 00:22:35 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305223004
Name: ひめたにし
Subject: 経済発展と環境問題
 みなさん、こんにちは。
 急にいろいろな方が出て来られて、びっくりしました。早くも「過激な発言」
をしてしまったのでしょうか。私は誰かを批判するつもりはなく、思っているこ
とをそのまま述べただけなのですが・・・。私の発言には権威も説得力もありま
せんから危険ではないと思います。消費者の間に漂う「気分」を反映しています
ので、論破して不景気な「気分」を一掃しましょう。

 不況を放置しておいてもよいのでは?というのは、「社会制度の改革で悲惨さ
を緩和できれば」という条件のもとでの発想であって、現状のままの不況が続い
てはならないと思っています。

 たかつかさんの書き込みには、特に興味を引かれました。私は人間関係が狭い
ものですから、日本経済を牽引してきた業種の方と直接お話するのは初めてです。
日本人がエネルギーと食料に不自由せず生活ができるのは、国際競争力を持つ業
種の方々のおかげです。私はお風呂に入るたびに、「神様に」でも「この世界に」
でもなく、そういう会社の皆さんに感謝しています。
 たかつかさんの言葉からは、最先端の技術者の方の焦燥感が伝わってきます。
国際競争力の低下問題は、不況の問題とは別のものを含んでいるように見えます。

 経済成長によって環境が悪くなるばかりではない、環境対応技術の開発にも投
資が必要であり、不況ではそれができない、という御意見が多いようです。もち
ろん、それは真実です。しかし、基本としては、GDPが上昇すると各種環境指標
は悪化します。

 米国は二酸化炭素削減のための京都議定書から離脱することを表明しています
が、これはご承知の通り、京都議定書の削減目標を守ると米国が経済発展できな
いからという理由です。先月、ブッシュ大統領は京都議定書に代わる米国独自の
温室効果ガス削減対策を発表しましたが、「GDPと二酸化炭素排出量は正の相関が
ある」ことを当然の前提にしています。
 http://www.ecology.or.jp/w-topics/wtp31-0202.html

「成長を続けることで、環境汚染の少ない技術や省エネルギーへの投資が可能に
なる」ともブッシュ大統領は述べていますが、これを「経済成長するほど環境汚
染を減らすことができる」と読むことはとてもできません。
 http://plaza13.mbn.or.jp/%7Eyasui_it/USACO2GDP.htm

 総生産量が増えれば、何もしなくても二酸化炭素排出量は増加します。新しい
環境対応技術の開発には投資余力が必要ですが、だからと言って生産量の増加が
ひとりでに環境対応に結びついたりはしません。意図的な規制等があって初めて
そうなります。この違いは押さえておかなければならないと思います。

 しかし、不況で縮小したGDPの分だけCO2排出が減るとしても、たかだか1-2%
であり、しかも技術革新を伴わない自然減ですから、地球温暖化防止への貢献度
は大きくないでしょう。大気汚染物質の排出として考えても、その程度の減少で
目に見えた健康影響はないと思います。むしろ、不況に伴う倒産・リストラがら
みの自殺の方がよほど実害があります。
 このような意味で、環境問題は50年・100年の単位で考えることだという黒木さ
んの指摘は的を射ていると思います。

 ごみ問題については、ISOに対応しているような大規模な事業所でなく、自治体
が管轄する家庭ゴミや小規模事業所を念頭に置いていました。先進企業のゼロ・
エミッションへの対応には感心しています。
 自治体はゴミ処理に関わるコスト増大に頭を痛めており、「できるだけ物を買
うな」とも取れるキャンペーンを張るところがあります。自治体の財政難を考え
れば、これはこれで仕方の無いことのように思えます。(下記はほんの一例。)

 http://www.city.yatsushiro.kumamoto.jp/kurashi/kankyo/gomi_3.html
 http://kankyo.city.fukuoka.jp/gomi/business/jigyou/genryou.html
 http://www.takahata.or.jp/zenkokuhe/satokara/gomi/

 上述のように、環境問題・ごみ問題は、消費者マインドを冷やす方向に働いて
いるのは確かだろうと思います。
 あと、経済は拡大し続けなければならないのか?ということについても書きた
いですが、もう遅いのでまた明日。

Id: #b20020306201518  (reply, thread)
Date: Wed Mar 06 20:15:18 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020306002525
Name: くろき げん
Subject: 岡田靖さん、始めまして

岡田靖さん、始めまして。うわ、御本人がここを発見してしまうとは全然予想してませんでした。 (^_^;) 今後も CSFB のレポートを参考にして行く予定でいます。


Id: #b20020306122303  (reply, thread)
Date: Wed Mar 06 12:23:03 2002
Name: いなば
Subject: その昔

宮崎駿の名言に「行列して物を買うくらいのほうがいい、その方が空が青い」というのがありました。

その後ベルリンの壁崩壊後、悲惨な誤りだったことがわかりました。(宮崎氏はそのへんまだ理解していないようですが。)社会主義圏の方が環境破壊は深刻だったのです。

低経済成長イコール低環境負荷ということには必ずしもならないようです。もちろん、成長すりゃいい、というわけではないですが、ある程度の成長がないと、効率的な経営は維持できず、環境負荷の低い技術革新もできない、というのは確実です。
Id: #b20020306004742  (reply, thread)
Date: Wed Mar 06 00:47:42 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020306002525
Name: 時田
Subject: 2辺からなる3角形

成長なき資本主義を『2辺からなる3角形』とオチョクッタのはシュンペーターですよね。
だから、成長はするけどグリーンな成長をすればいいので、 Natural Capitalism: Creating the Next Industrial Revolutionのさんぷるぺーじ
Id: #b20020306002525  (reply, thread)
Date: Wed Mar 06 00:25:25 2002
URL: yasushi.okada@csfb.com
Name: 岡田靖
Subject: なぜ不況はままつましく暮らせないか?
黒木さんから過分なお褒めを頂いたCSFBの岡田です。もっとも即時に厳しい
レスが入っていましたが(笑

さて、不況はどうして問題か分からないと言う主旨の質問があるようですが、これ
は結構普遍的な問いではあります。30年前くらいの生活水準に戻る覚悟さえあれ
ば数%のマイナス成長が何年続こうと問題ではないと思う人も多いでしょう。

しかし、経済は会計上の原則で、貯蓄があるなら投資をしなければバランスが取れ
ないのです。もし、投資が貯蓄を下回れば在庫の山ができ生産は縮小しなければ
なりません。あるいはサービス業なら人が余って解雇しなければならなくなりま
す。もちろん、国内投資だけではなく海外投資をしても良いのですが、その場合は
経常収支が黒字を拡大し、貿易摩擦の原因になります。

最後に残る道が、政府が投資を増やすことですが、みなさんこれはお嫌いのようで
す(笑

そして、投資があれば生産力の増加が生じ、嫌でも所得が増えてしまいます・・・

つまり、国民が贅沢は敵でつましく暮らそうと貯蓄すれば、結局は経済の成長が
必要になってしまうのです。

Id: #b20020305235831  (reply, thread)
Date: Tue Mar 05 23:58:31 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305224048
Name: 時田 節
Subject: 不況の波の1つは50年とか100年の単位

いろいろな周期の波が、全部どん底で共鳴してるのでは?
2,3年のサイクルの在庫調整不況。これは若者の弱者などにセーフティネットを張れば、まあ大した問題ではないでしょう。
10年くらいの、労働力も設備もすべてが過剰だという複合不況。需要を政治が作りだすしかないでしょう。ブランシャールのような、現状でもっとも合理的な理論に反対してるわけじゃないです。
50年とかの深い谷。これが実は相当きいているのでは?
60年代までのソ連圏も含めた黄金時代のあと、もう30年も谷にあるという、ホブズボーム的な見方?
そして、この一番大きな谷から出る戦略が、
自然資本の経済 : 「成長の限界」を突破する新産業革命 01 日経(Paul Hawkenの訳)のようなソフトエネルギーパスだったり、
第3の道のような、公共財としての教育を大切にするとか、そういうことしかないのでは??
まあ、あしたは出光美術館に長谷川等伯を見に行って、それから古典四重奏団、最後は新橋の磯村で山形の 上喜元と、100年の孤独の谷からはい出すような、シアワセ中年オジサンの一日にしよう。
Id: #b20020305224048  (reply, thread)
Date: Tue Mar 05 22:40:48 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305195751
Name: くろき げん
Subject: 現在のデフレ不況は悪であり、恐慌の危険性は回避しなければいけない

たとえば50年とか100年の単位で考えるならば、短期の問題である不況は問題にならないかもしれない。実際、 1930年代の世界大恐慌から途中に第二次世界大戦を挟んだ50年後の1980年代には世界大恐慌は単なる歴史のひとこまに過ぎなくなってしまっている。 (私の場合は最近になって極めて面白い話であることに気付いた。)

これからの50年・100年について考えれば、ひめたにしさんや時田さんが言うように環境問題は本当に重要な問題でそれに対する対抗手段を社会全体で実行する必要があると思います。そういう長期の問題に対処するためには真の意味での改革を実行しなければいけない。

しかし、たとえ10年程度であったとしても一人の人間の人生にとっては本当に貴重な10年だと思います。その10年のせいで人生全体に影響を被る人だっているでしょう。 (「長期的には我々はみんな死んでいる」 (ばーいケインズ))

デフレ不況を放置したまま、「悲惨な失業」を減らすために増税し、そのせいで不況が悪化してさらにリストラ・失業・倒産が増え、さらにそういう人たちを政府が守るために増税しなければいけなくなり、……ということになったらやばいのでは? 増税などしなくても自然にそうなってしまう危険性は無視できないだけあると思う。そもそも単に「悲惨でない」だけの人生で誰が嬉しいでしょうか?

あと、時短やワークシェアリングによってそう簡単に失業が減らせるわけではないと思う (*)。

いずれにせよ、実際に困っている人たちがいるのに、「不況は悪いことではない」という個人的な価値観に基いて、不況放置に賛成し、自分好みの改革を進めようとするのはまともな考え方ではないと思う。

実際にこの不況を自分好みの改革のために利用しているように見えるのは小泉首相だ。小泉首相は「景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう」などと言っている。小泉首相を支持してなさそうな人であっても、こと社会改革の話になると似たような発想をしているように見える場合がある。

現在の日本のデフレ不況を放置しておくことには反対ですが、不況であっても楽しく生活するための知恵を広めるのは大事なことだし、必要なことだと思う。婦人雑誌が広めている効率的な「節約」と「収納」の方法は不況終了後の生活にも有益だし、休日を地域で過ごしてガーデニングを楽しむのも良いことだと思う。

不況が好況に転じて忙しくなり過ぎると今の生活が維持できなくなって困るというのであれば、そうならないような改革を実現する努力を不況であろうと好況であろうが続けるべきでしょう。でも、そういう改革を唱えながら、不況を放置しておくことに賛成するのは止めて欲しいと思う。


Id: #b20020305223004  (reply, thread)
Date: Tue Mar 05 22:30:04 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305195751
Name: たかつか
Subject: 今の不況とは何か?

金属メーカ勤務のたかつかです。

簡単にコメントします。

> 私が一番強く持っている疑問は、そもそも今の不況は悪なのか?終息
>させなければならないものなのか?という点です。

企業に勤めている人間として実感しているのは、今の不況はこれまでとは
異なるもので個々の企業努力などで太刀打ちできないと言うことです。
繰り返しになりますが、企業の効率改善や技術的課題の克服では全く太刀
打ちできそうにないのです。


> 環境屋の発想ですが、経済活動の質が同じである限り、不況は大気汚染
>や二酸化炭素放出を軽減させ、逆に好況はそれらを悪化させます。ゴミ減
>量化の掛け声も、要するに物を買うなということです。
環境屋の発想とのことですが、適正な利益が得られない状況では、環境に
向けられるお金が違うと思います。経済活動の質も変化しています。

排ガスにしろ、何にしろ、今の状況で規制を強化できるでしょうか?
ゴミの大部分は誰が出しているのでしょう?企業でしょうか?
環境屋ならば、ゴミなんかのデータをお持ちだと思います。データを示さ
れる事が必要では無いでしょうか?

大企業ではISO14000の取得も進み、皆さんが想像されるほどのゴミは出て
いないと思います。中小は今の景気では・・・

> それから、日本がアジアのNo.1カントリーであり続ける必要はないの
>ではないか?とも私は考えています。
既にNo.1であるとは思っていない人が多いと思いますし、拘る人も多く
無いと思います。

>マスコミ報道からは、日本は落ちぶれつつあって今にも中国に追い越され
>そうな印象すら受けますが、それはまだ虚像だと思います。
そうでしょうか?
日本が、日本企業が落ちぶれつつあるのは明白な事実だと思います。
中国の躍進もその通りだと感じています。

これは日本企業に技術力が落ちぶれたと言うのではなく、市場が評価する
商品を開発できないと言うことです。
東芝がDRAMから撤退するときに1GbitのDRAMを市場は256MbitDRAM4ヶと
しか評価してくれないと嘆いた人がいました。如何に高い技術を開発して
もそれを評価してもらえない場合、その商品から手を引く事になります。

不況とは関係なく、商品の価値、評価が昔とはずれていて(末端の市場
での経済的利益のみに過敏反応している)、新しい技術の導入が難しい
時代になった様に感じます。
そういう意味で、不況から脱した時に値が戻るのか?という疑問が我々
にはあります(多くの場面で悲観的な感じですが)。


> もちろん日本は地下資源が乏しく国土も狭いですから、健康で文化的
>な生活を送れる程度の食料やエネルギーを輸入するだけの生産力は、持
>ち続ける必要があります。
生産効率を追求すれば、必然的に世界の工場になら無ければ競争力が無い
と思います。程々の生産力さえ有れば良いというのは机上の空論だと思い
ます。そして、その地位は韓国へ、台湾へそして中国へ移動しています。

今回の不況では、多くの企業でぎりぎりまでのコストダウンを強いられ
ています。不況が終わったとしても、生産拠点としての日本の魅力は
殆ど無い様な気がしています。多くの技術者は今回の不況に疲れ、自信
を失いつつあります。

不況のままで良いのであれば生産力では無く、他の産業で日本を立国して
いくべきでしょう。

>でも、一般人が海外旅行に行ったり、海外の
>高級ブランド品を買ったり、高度な家電や情報機器を持ったり、政府と
>して外国に援助をしたりするほどの経済力は、無くても良いのではない
>でしょうか。
具体的にどの様な国になれば良いのでしょうか?
欧米の先進諸国では無いですね。
Id: #b20020305204604  (reply, thread)
Date: Tue Mar 05 20:46:04 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305195751
Name: 時田 節
Subject: 大賛成+佐和隆光+労働基準+教育基本法

ひめたにしさんの意見に大賛成です。
忙しすぎで著作が荒くなってきたと批判されている佐和隆光だが、最近の本を並べると、
・成熟化社会の経済倫理 93 岩波
・地球温暖化を防ぐ : 20世紀型経済システムの転換  97 岩波新書
・漂流する資本主義 : 危機の政治経済学 99 ダイヤモンド社
・21世紀の問題群 : 持続可能な発展への途 00 新曜社
・環境新時代への挑戦 : 循環型社会の実現をめざして 00 第一書林
・市場主義の終焉 : 日本経済をどうするのか  00 岩波新書
・自然資本の経済 : 「成長の限界」を突破する新産業革命 01 日経(Paul Hawkenの訳)
といった本が全体として主張してることかな?
若者の失業(ガソリンスタンドか内装工事かパーマ屋しかない)だって、駅前のデパートの肉屋などが、どれほど残業をやらせているか、労働基準監督所がちゃんとチェックすれば雇用はずっと増える。
昔価値のあった商品は、石油や粗鋼だったが、今は人間の頭脳なのだから、ひのきみ教師による知育抑圧教育より、教育基本法前文の、ものを考える教育を。
石橋湛山の小日本の小を、軍備だけでなく原発や化石エネルギーの使用を小さくの意味での小日本ですね。そっちの方が、明るく成長の余地があることを北欧の賢い国は示している。
Id: #b20020305195751  (reply, thread)
Date: Tue Mar 05 19:57:51 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020305015045
Name: ひめたにし
Subject: 不況は悪で、終息させなければならないか?
 小泉改革という実験は、放置しておいて終了する見込みはありませんね。この
実験は「不況は構造改革が不十分なせい」という作業仮説に基づいていますが、
クルーグマンによればこの仮説自体が誤りなので、実験終了の条件(仮説の正誤
が明らかになる)を満たすことはあり得ません。どこまで行っても景気は回復せ
ず、「まだまだ不十分だ」と号令を掛けながら進む・・・というところでしょう。
生産性が完璧に良好な状態に到達しても景気が回復していなかったら仮説の誤り
が実証されますが、そんな状態は実現不可能ですものね。

 インフレ誘導で不況が打開できると予測できる根拠や、ハイパーインフレの懸
念は薄いことなど、既にかなり論じられていて、このへんについては、私に新し
い意見はありません。

 私が一番強く持っている疑問は、そもそも今の不況は悪なのか?終息させなけ
ればならないものなのか?という点です。

 環境屋の発想ですが、経済活動の質が同じである限り、不況は大気汚染や二酸
化炭素放出を軽減させ、逆に好況はそれらを悪化させます。ゴミ減量化の掛け声
も、要するに物を買うなということです。
 新しい技術に伴うストレスも、人々の心を疲れさせているように見えます。こ
れ以上新しい商品は欲しくない、それよりもゆったりした時間が欲しい。「癒し」
が流行する世情は、そんな気分を反映しているように思えます。

 それから、日本がアジアのNo.1カントリーであり続ける必要はないのではない
か?とも私は考えています。
 仕事でアジア諸国の方たちと話す機会がありますが、彼らは依然として日本を
No.1カントリーと考え、非常に意識しています。私たちが普通に生活して新聞や
テレビで実感している「日本」以上に、日本は重要な国ですし、世界的な役割を
期待されているようです。マスコミ報道からは、日本は落ちぶれつつあって今に
も中国に追い越されそうな印象すら受けますが、それはまだ虚像だと思います。

 もともとこの国はユーラシア大陸の端っこの辺境な島であり、北から南から半
島から大陸から、食べるのに困った人たちが流れてきて住み着いた土地です。明
治維新から今に至るまで100年余、なぜかアジア第一の経済力や国際社会での
地位を得てきましたが、これは不自然なことだったのではないか。もう、No.1は
別の国に譲って、その他おおぜいの国になっても良いのではないか。

 もちろん日本は地下資源が乏しく国土も狭いですから、健康で文化的な生活を
送れる程度の食料やエネルギーを輸入するだけの生産力は、持ち続ける必要があ
ります。でも、一般人が海外旅行に行ったり、海外の高級ブランド品を買ったり、
高度な家電や情報機器を持ったり、政府として外国に援助をしたりするほどの経
済力は、無くても良いのではないでしょうか。

 不況で最も問題なのは、高い失業率ですね。「失業」を無くすことが無理だと
しても、「悲惨な失業」を無くすことはできないでしょうか。
 失業保険を充実させる、奨学金の拡充で、親が失業しても子供が高等教育を諦
めないようにする(これは全く逆のことが行われていますが)、ワークシェアリ
ングで失業そのものを減らす、などの対策が考えられます。財源は、失業してい
ない人から徴収することになるでしょうが。(要するに増税。ますます不況にな
りますね。)「悲惨な失業」さえ無ければ、不況はそれほど悪いものでないよう
に思えるのです。不況が始まって以来、休日を地域で過ごす人が増え、ガーデニ
ングが流行して、街の景色が和やかになったと感じます。婦人雑誌の特集は「節
約」と「収納」ばかりですが、むしろ主婦たちは楽しんで工夫しているように見
えます。
 こういう考えは間違っているでしょうか?

Id: #b20020305015045  (reply, thread)
Date: Tue Mar 05 01:50:45 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020304223122
Name: くろき げん
Subject: 小泉政権の実験はそのまま放置されている

経済的な実験と言えば「ニュージーランドの実験」が有名ですよね (J1, J2, J3, J4, J5, E1, E2, search "NZ experiment")。ニュージーランドの構造改革に偏った実験は皆を幸せにはできなかったようだ。

日本では小泉政権+速水日銀がデフレ不況下においてデフレをさらに悪化させるような“構造改革” (という名の財政再建+不良債権処理) を実行しようとしている。デフレ不況下での“構造改革”なんてのは聞いたことがない。

これが危険な実験であるということはクルーグマンが "A Leap in the Dark" (暗闇への跳躍、翻訳が『恐慌の罠――なぜ政策を間違えつづけるのか』 (中央公論新社) にある) というタイトルで指摘しています。実験を非難するなら今まさにそこで行なわれている実験を非難するのが先だと思う。

世界大恐慌について書かれたものを読めば読むほど、“正義感”に満ちた方々が小泉首相の“改革”に賛成している様は非常にやばい状況だという気がして来ます。実際、世界大恐慌のA級戦犯の多くは正義感に満ちた立派な人たちだったのだ。浜口宰相然り、井上蔵相然り、フーバー大統領然り。でも、良い猫とは鼠を取る猫のことなのだ。正義感に満ちた立派な猫でも鼠を取らずに、滅茶苦茶をやるのではどうしようもない。

それに対して、

(*) デフレ恐慌からの脱出のためには、政府と中央銀行が明確に政策体制を転換し、皆の将来予想を変化させることが決定的に重要である

という説は世界大恐慌の分析によって定説になっているように見える。この点に関しては、ピーター・テミン著『大恐慌の教訓』 (東洋経済新報社、邦訳1994、原書1989) が詳しいし、日本の場合を例にした簡単な説明が最近紹介した安達誠司「昭和恐慌デフレとレジーム転換の重要性」 (CSFB日本経済ウィークリー、 2001年11月16日) にある。

だから、「このままデフレが続く」という皆の予想を潰すというアイデアは、具体的な方法面では確かに実験的な試みになってしまうかもしないが、方向性においては決して突拍子もないものではない。インフレ予想を喚起するためのインフレ・ターゲティングというアイデアは上の説(*)の応用例の一つとみなされるべきだと思います。 (将来の物価の期待値が現在の需要に影響を与えないとは考えられないので個人的には有力なアイデアだと思っている。物価が下がり続けることが確実なときに、手許に現金を貯め込む欲望に抵抗したり、借金返済を優先することを止めることを皆ができるとは思えない。でも、お金ってのは皆で一斉に使い始めないと、たくさん使った人だけが損をすることになってしまうんだよね。消費者が皆で一斉に消費を1割増やせば、あっというまに大好況になり、失業率が減少し、インフレ率が上昇し、皆の収入も増えるでしょう。でも、一人だけお金をたくさん使っても、倒産・リストラの害に会う不安に怯えながら貯蓄を減らすことになってしまう。皆がお金をたくさん使ってくれるなら、経営者は投資を増やして利益を増やすことができる。でも、売り上げが増えるあてがないのに投資を増やす経営者は大損こくことになる。だから、政府と中央銀行が皆の行動を変えるような政策を実行しなければいけない。)

個人的に、やれることは何でもやるべきだと思うので、デフレが続くからお金を使い渋る、将来が不安だからお金を使い渋る、××のせいでお金を使い渋らざるを得ない、……のような需要側の問題をリストアップしてそれらの問題を解決するための政策を政府と日銀には次々に実行してもらいたいと思っています。でも、政府と日銀そして野党を眺める限り、今のところ全然期待できそうもないですよね。鼠を取ろうとしない猫ばっかりだ。

マイルド・インフレにさえ反対する人たちは不況から完全に脱出した状態のインフレ率はプラスの値になっているはずだということを知っているのかな? 失業率が減少に転じて、インフレ率がプラスになるまで景気が回復しないと、デフレ・ギャップが埋まったことにならない。インフレ率がプラスになることに反対している人たちは完全雇用が実現されることに反対しているひどい人たちだと言わざるを得ない。猫の飼い主も鼠を放置しておく方が嬉しいようだ。

P.S. 自己紹介どうもありがとうございます。ぼくも朝はごはん派。実は最近ずっとおかゆを食っている。


Id: #b20020304223122  (reply, thread)
Date: Mon Mar 04 22:31:22 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020304030406
Name: ひめたにし
Subject: クルーグマンの論文をアサヒ・コムで紹介してみました
 質問へのお返事、ありがとうございます。インフレ誘導が実際に行われる政
治的条件はほとんど整っていないし、行われることになったとしても、国民が
その意図どおりの消費行動に出るか心もとない、というのが黒木さんのお考え
ですね。

 黒木さんのお話はこのテーマに限ってみても多岐にわたっており、全部を同
時に話題にするほどの時間的余裕と文章力が私には無いのですが、何回かに分
けて次のようなことを知りたいと考えています。(箇条書きマニア。)

1 インフレ誘導で本当に不況を打開できるのか。
2 打開できる見込みが相当あるとして、実行される可能性はどの程度あるの
  か。
3 実行されるために必要な条件や方法論は何か。
4 そもそも、今の不況は悪なのか。終息させなければならないものなのか。
5 今の状態を放置しておいたらどうなるのか。何十年もデフレと不況が続く
  のか。
6 この掲示板での議論は、読者に対する何らかの行動提起に向かうのか。

 今回は6関連だけ書きます。1〜5を知りたいのは、結局、6としてどうな
のか知りたいからです。行動提起というのは、別に社会的な運動のようなもの
だけを指すのでなく、「もっとこういう話をしよう、面白いから」とか「預金
の一部はドルで持つのが得策」とか「次の選挙では何党に投票すべき」とかレ
ベルの行動も含めています。

 黒木さんの「今はチャンスを待ちながら、「 」「 」……のような話が広
まるように皆で話題にし続けて行くしかないと思う。」というのは、具体的な
行動提起ですね。私は、インフレ誘導で本当に不況が打開できるとまで確信し
ていないのですが、クルーグマンの主張を大勢の人に読んでもらって考えても
らいたいと思います。そこで、朝日新聞の掲示板で紹介してみました。
 http://board.asahi.com/nat/board/index.php?qid=446
 今のところの反応は、「インフレはダメ」「不況は構造改革が不十分なせい」
といったところです。「個人的にインフレ・ターゲティングの話題を前面に出
し過ぎるのはよろしくないような気がしています」という黒木さんのご心配は
当たっているようです。

 それから、「そういう知識は役に立つだけではなく、それ自体が非常に面白
い」には共感します。私がインフレ誘導策に興味を引かれるのは、もし行われ
るとすれば、近年に例の無い壮大な「実験」となるからです。実験によって作
業仮説を裏付ける・・・研究生活で一番ワクワクするのはこの過程ですね。
 一般国民は、実験するかどうかの意思決定には直接加われませんが、世論の
形成に何らかの影響を与えることは可能です。それに、経済というものは、お
金を通して自ら参加することができます。短期間で売ったり買ったりするよう
な暇は私にはありませんが、自分なりの未来予測を立てて、それに基づいて、
生活に影響しない範囲のお金を動かしてみることは、世の中の動きから目を離
さない動機付けになると考えています。

Id: #b20020304222652  (reply, thread)
Date: Mon Mar 04 22:26:52 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020304030406
Name: ひめたにし
Subject: 初期自己資本比率を高めるための自己紹介
 「ひめたにし」には特に意味はなく、適当に考えたハンドルです。いきなり
質問するには、やはり一行だけの自己紹介では不十分でしたか。とりあえず、
下記程度でよろしいでしょうか。

1 30代、女。
2 仕事柄、「安全」と「コスト」の折り合いをどうつけるかという話題に最
  も関心がある。
3 中西準子が好きで、環境ホルモンは嫌い。
4 「合理的な発言」より「売れる発言」を志向する「専門家」は嫌い。
5 今どき、携帯電話を持っていない。
6 自家用車も持っていない。
7 毎日お風呂に入れる生活は、たいへんぜいたくで幸福だと思っている。こ
  の生活が続いてほしい。しかし、これ以上のぜいたくはできなくなっても
  いいと思っている。
8 麻雀が好き。確率のゲームだから。ネット雀荘「東風荘」でも同じハンド
  ル使用。
 (でも、ずっとアクセスしていないので、ID 削除されているかも。)
9 小林よしのりを読んでいる。
 (これは相当馬鹿にされることを覚悟しています。自分で買うほどではない
  けれど、身近に買う人がいるため、出版されるたびに欠かさず読んでいま
  す。)
10 朝食に毎日パンを食べるのは健康に悪影響があると信じている。基本的に、
  朝はごはん。

 どの項目についても、詳しい説明をリクエストされたらお答えします。

Id: #b20020304040653  (reply, thread)
Date: Mon Mar 04 04:06:53 2002
In-Reply-To: b0036.html#b20020219024213
Name: くろき げん
Subject: 整理回収機構による不良債権の買取価格に関する論議について

不良債権の最終処理はデフレ不況対策にならないと考えているのですが、なんか妙な話になっていて面白いと思ったので書くことにしました。

整理回収機構 (RCC) は始めは損失が絶対に出ないように銀行から不良債権を安く買い叩く方針であり、銀行の方も安く買い叩かれても嬉しいような本当にやばい不良債権しか売ろうとしなかった。

小泉政権になってから、 RCC は時価で不良債権を買うことになった。それが真の意味での時価であるなら、別に RCC じゃなくても売れるはず。でも、現実には銀行は不良債権を RCC その他に喜んで売っているわけではないようだ。

ずっと前から与党の一部議員から出ていた案が、簿価による買い取り。さすがにこれが実現したら銀行にとって滅茶苦茶嬉しい。不良債権があればあるほど儲かることになる。実際に簿価で買い取ることにすれば、あっというまに RCC はすべての不良債権を買い取ることに成功してしまうでしょうね。でも、さすがにこれは非常識な提案なので与党内部で潰されている。

RCC が不良債権を安く買おうとすれば銀行は不良債権を売ろうとしないし、 RCC が不良債権を高めの値段で買うことは銀行のモラル・ハザードを引き起こすことになる。どちらにしてもこのやり方だと、銀行部門を健全化することはできそうもないように見える。

通常どうやって値段を決定するのが最も効率的かという問題に対する教科書的回答は「市場にまかせる」だと思うのだが、政府の方針はそれとは正反対のようだ。不良債権処理を市場にまかせていては失敗するというのであれば、失敗する原因を取り除いて市場原理がうまく働くような環境を整備するのが政府の役目だと思う。

少なくとも、政府がどの債権が特に問題のある不良債権であるかを決定し、それに対する処置を銀行に強制するというやり方よりはずっとましに感じられる。その理由は実質的に政府がどの企業を潰すかの選択に積極的に関与するのは非常にまずいと思うからだ。

小泉政権誕生後に特に力を得たように見える議論は、企業間のお金の問題は市場原理で解決しようとせずに政府が強制介入することによって解決しようとし、公的初等中等教育のようなところに安易に市場原理を持ち込んで効率を上げようとする、というようなまことに奇妙なことになっている。 (後者の問題に関する経済学的な批判は新美一正の「教育改革の社会経済学的分析−公立学校教育の再生に向けて−」 (JRR 2001.9) にある。新美の論説と苅谷剛彦著の『階層化日本と教育危機――不平等再生産から意欲格差社会【インセンティブ・ディバイド】』 (有信堂高文社) や『教育改革の幻想』 (ちくま新書 329) を比べて読むと面白いことに、批判対象が全く違うのにほとんど同じような結論にたどり着いている。それは流行中の“教育改革”案は基本的に格差を広げる危険な方向に向いており、全体として効率が上がるという主張にまともな根拠が全然ないということだ。)

P.S. 速水日銀総裁がしつこく政府に要請し、柳沢金融担当相がきっぱり拒否している銀行への公的資金注入の話もなかなか妙な話で面白い。そのことについてはクルーグマンの解説を見よ。


Id: #b20020304030406  (reply, thread)
Date: Mon Mar 04 03:04:06 2002
In-Reply-To: b0037.html#b20020303234353
Name: くろき げん
Subject: ひめたにしさんがおっしゃる通り

ひめたにしさん始めまして。 (この近辺は科学好きの方々がよく見ているようなので雑談として「ひめたにし」の解説をして下さると嬉しい。)

ええ、ひめたにしさんがおっしゃる通りだと思います。その上、速水日銀総裁はプラスのインフレ目標値を設定することには絶対に反対のようだし、小泉首相は「一定の目標を設定しても、いざそういうインフレになると制御できなくなる」「ある程度失業者が出ることはやむをえない」 (2000.8.23) と言っている。個人的には小泉首相の公約とインフレ目標の設定は矛盾しないと思うし、小泉氏の代わりに構造改革の中身を全部書いてくれたらしい竹中経済財政担当相 (得意技は「変わり身の術」) は実際に賛成しているのだが、なぜかそういうことになっている。そして、野党議員でインフレ目標の設定に賛成している人の存在を知らない。

政治的右派は「金融緩和は構造改革を遅らせる」などと言うし、政治的左派もインフレ目標政策におそろしく慎重だったり、明確に拒否していたりする場合が多い。左派がもしも「マクロだけに偏った政策だけの論議が集中することによって問題にするべき害悪に対する批判が弱まる」という理由で拒否しているのであれば心情的にはよく理解できます。でも、マクロ経済政策のせいで必要な改革ができなくなってしまうとまで思うようになってしまったら、政治的右派に近い立場になってしまいますよね。

あと、インフレ・ターゲットに賛成な人であってもこう考えている人は多いのではなかろうか? 速水日銀総裁がいやいや従っても誰も近い将来インフレ率が上昇するなどと信じないだろうし (誰が信じる???)、小泉首相が「構造改革なくして景気回復なし!」「景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう」のようなデタラメな発言を撤回して政策転換しない限り、皆が安心してお金をスムーズに使える状況になることはありえない。

実際、私自身はそう考えてます。「物価下落が続くという予想」を速水総裁が維持し、「少なくとも今後の数年間は極めて暗いという予想」を小泉首相が維持している。皆がお金を使い渋る主原因になってそうな二つの予想を日本の金融のトップと政治のトップが維持し続けているわけですからどうにもなりそうもない。重要なのは形式的にインフレ目標を設定することではなく、皆がお金を使い渋っている原因を取り除くこと。手段と目的を混同してはまずい。だから個人的にインフレ・ターゲティングの話題を前面に出し過ぎるのはよろしくないような気がしています。

今はチャンスを待ちながら、「デフレはインフレより怖い。世界大恐慌という歴史的な経験からもそうだし、デフレ下では失業・リストラ・倒産が増えたり、実質金利が高止まりしてしまうが、マイルド・インフレが経済発展に害があるという証拠はない」だとか、「不況は誰か悪い奴がいるから起こるのではなく、皆が同時にお金を使い渋る状況が生じてしまったときに起こる」 (cf. 子守協同組合で起こった「不況」の話) だとか、「世の中にはハルマゲドン経済論を宣伝することによって利益を得ている方々が結構いる」だとか、「大学1年生レベルの経済学入門書を読むだけで、日経新聞などの論説欄はデタラメが多いことがわかる」だとか、「日本の経済的苦境を中国のせいにするやつは信用してはいけない」だとか、……のような話が広まるように皆で話題にし続けて行くしかないと思う。

それにそういう知識は役に立つだけではなく、それ自体が非常に面白いですよね (そもそもこの世に面白くないことがあるとは思えないのだが)。個人的には不況・恐慌がらみの話は非常に面白いと思う。数学が怖くなかったり、インターネット上でタダで手に入る各種統計が宝の山に見える人であればさらに楽しみが増す。そういうことが面白いと思う人が増えて、積極的に発言し続けるようになれば世の中ちっとはましになるんじゃないかな?

P.S. ひめたにしさんのような礼儀正しく、論理的な方には言い難いことですが、ここではウェブ掲示板バージョンの“BIS規制”を採用しているので可能ならばもうちょっと詳しく自己紹介して下さると助かります。自己批判比率=自己紹介度/総批判度が8%を切ると、ここでは業務活動を停止して頂くことになってますが、純粋な情報提供は批判度ゼロと勘定されることになってます。:-) (この冗談を言ってみたかったというのがこういうことを言う動機なので、何か過激な意見を述べたい場合以外はひめたにしさんはあまり気にせずにこれからもここに参加して下さい。)


Id: #b20020303234353  (reply, thread)
Date: Sun Mar 03 23:43:53 2002
Name: ひめたにし
Subject: インフレ政策が実行される可能性は?
 はじめまして。環境分野で分析をやっている者です。
 経済に興味がありますが、とっかかるきっかけがありませんでした。黒木さん
のHPは中西準子関係が面白くて来るようになったところ、理系としては珍しく
経済のことが詳しく書かれていて、今では経済関係を中心に読ませていただいて
います。

 クルーグマンの提案している不況打開策の妥当性がこのところ議論されていま
すが、もう一歩進めて、それが妥当あるいは少なくともやってみる価値があると
仮定した上で、実際に日本政府が実行する可能性はどの程度あるのでしょうか?
 俗な発想で恐縮ですけど、私は貯蓄の一部をハイリスクな運用先に長期間預け
たいと考えており、本当にインフレターゲッティングが実行されるならば、外債
や外貨預金が有力な候補になります。

 経済政策で発言権を持つ有力者の中にインフレ嫌いな人が多いのではないか?
という意見が出されていましたが、一般国民にもインフレが嫌いな人は多いと思
います。単純に国民を5群に分けて考えれば、それぞれの立場はおおむね次の通
りと予測できます。

A 雇用されている人 --> 反対
 給与は上昇するにしても、必ず物価上昇より遅れますから・・・

B かつてサラリーマンで現在失業中の人 --> 多分反対
 失業手当が物価スライドされるとしても、その前に給付期間が終わるでしょう。
 新しい雇用先では給与水準が下がる場合が多いですから、インフレは嫌だと思
うのでは。
 インフレ政策で雇用機会が増えると説明されても、当面の生活の苦しさのほう
が先に立つのでは。

C 経営者 --> 賛成
 値下げ競争が終了し、債務が目減りする。ありがたいでしょう。

D もと経営者で、債務だけ残っている人 --> 賛成
 この群の人はAやBを兼ねているかもしれませんが、それを差し引いても債務
の目減りの方がありがたいでしょうね。

E 年金生活者 --> 絶対反対
 この人たちはもう、インフレなんてとんでもないとしか思わないでしょう。
 年金は物価スライドするにしても、大多数の人は老後資金としての貯金を心の
支えにしています。
 不動産が値上がりしても、自分が居宅としている場合には、生存中は収入に結
びつきません。

 最も多数派はA、その次はEですから、有権者のかなりの部分が反対というこ
とにならないでしょうか?この層の人たちの同意を取り付けるのは至難の技のよ
うに見えます。
 政府は、有権者の大多数が反対するような政策をこれまでに何度も行ってきま
したが、それらはすべて、有権者が知らないうちに決めて既成事実化するという
手法でなされています。ところがクルーグマンの提案では、まずは日銀が明確な
意思表明をすることから始まるというのですから、「知らないうちに」の手は使
えません。AやEの立場の人たちが、目先の利害を超えて日本全体のために合意
するまで説明を行わなければなりません。
 このような政策を日本の政治家が行う可能性はゼロに近い、と私には思えます。
皆さんは可能性がかなりあると考えておられるのでしょうか?質問する動機が個
人的すぎて申し訳ないのですが、貯蓄の運用先のことを除外しても、たいへん興
味があります。

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管理者: 黒木 玄  <kuroki@math.tohoku.ac.jp>  (Web Site)
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