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黒木のなんでも掲示板2 (0031)

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Id: #b20010518144617  (reply, thread)
Date: Fri May 18 14:46:17 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010518003323
URL: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
Name: あもう
Subject: 科学的
私は、「科学的」の意味を、

「どこどこの教授が言った」

から、

「少なくとも論文が審査を通ってあるレベル以上
の雑誌に掲載されている」
「それをもとに追試でも確認されている、あるいは追試可能な
情報が公開されている」
「これまでにわかっていることととの整合性の度合いが
こういう実験で確認されている」

に変えようという努力をしてるつもりです。

 つまり、誰が言った、じゃなくて、こういう手続きを満たした
ってことが大事なんだという話です。

Id: #b20010518143515  (reply, thread)
Date: Fri May 18 14:35:15 2001
Name: ブタネコ
Subject: 芽ねぎのの科学的栽培

昼は初夏を感じるような、鱧の骨切りに梅肉を落としたもの。
その前に芽ねぎの握りが出てきた。
金寿司の若旦那は高校まで野球ばかりしてて、出前の手伝いもせず、だから18才から数年の厳しい修行に耐えるエネルギーも蓄積でき、まだ20代なのに、クレヨンしんちゃんの母親みたいな女房と子供二人がいる。
中3のころ、若旦那の母親があまりの学校の成績を気にしてたが、悪い塾の教師が、その成績をつける教師は、お宅のちらし寿司のハスの味を評価できるんですか?なんていって。
さて、若旦那はそういう訳で特別な学歴はないのだが、私は才女よって顔のくげぬま婦人達を相手に呂鋒洲教授なみの堂々の科学講義。
芽ねぎはクラスターの小さい特別な水で特別に育てられてるとか。
そばの中村庵で、ふつうのねぎの捨てちゃう先っぽをかき揚げにしてくれるが、あれは洋菓子屋のように薄力粉の質をけちらないからだね〜などと、まともなねぎのたべ方にとどめ、あもう学説は紹介しませんでした。

まあ、高校までは塾は無論, 学校にもあまりいかずのんびり本を読んでいるのが。
江沢さんのこの本 なんかが読めれば。ダランベールの通った高校の蔵書の充実ぶりは長谷川さんの7行にある。
この高校の名物数学校長の自慢の息子が、微分ガロア理論を使った可積分の判定条件のラミスなんだけど。
ラッセルは18まで家庭教師にだけならっていたので、大学では人つきあいにちょっと苦労したらしいけど。
平田オリザも高校は通信で自分の時間を確保し、大学はICUかな、無論ICUにも時間泥棒教師はいるが。
Id: #b20010518021129  (reply, thread)
Date: Fri May 18 02:11:29 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517143834
Name: 崎山伸夫
Subject: 人はパンのみのために生きるにあらず(だっけ?)

>>なんかね、たかつかさんの文を読んでると、「殖産報国」のための「期待さ
>>れる人間像」つくりって感じちゃうのは、私がねじまがってるんでしょーか?
>いえ、ある程度そういうイメージで捉えてもらっても良いです。

うーん、もちろん、ごはんをちゃんと食べられるように稼ぐ、というのは 重要だから、それはそれで否定するつもりはないんだけど、 たかつかさんの意見ってそれ「だけ」を肯定するように見えちゃうんですが。

「殖産報国」とか「期待される人間像」(1965年、経団連)とか書いたのは それらが主権者意識を持たない労働者を(企業なり政府なりにとって) 都合のいい存在として求めているからで、 そこで要求される、「業務、あるいは将来の業務に必要とされる」限りの 「科学的」(というより「工業技術的」、というほうがいいかも)センスというのと、 ブタネコさんなりあもうさんなり私なりが、教育の目標として要求してる 「センス」って、別物だと思うんです。 で、前者のようなセンスは、 こなみさんが話題にするような 「科学的」という言葉で表現される単なる権威主義とは両立するし、 多分親和性も高い。


Id: #b20010518003323  (reply, thread)
Date: Fri May 18 00:33:23 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517193143
Name: こなみ
Subject: 科学的って?

 「科学的にこうだ」という言明は,ある人々にとって「なんとか学会に所属する先生が 論文にこう書かれているから正しい」というのとさして変わらんですよね。 そういう発言がとんでも系には満ち溢れているし,昼の「めざましテレビ」だっけか? 健康情報を適当に集めてわざとらしく大騒ぎしてみせる番組なんかも,「●○教授の 箔付け」が決め打ちになってる。あもうさんの宿敵の面々(^^;;)そういう構造にのって 蠢いているんだよな。たとえば, 活性水素水の白旗教授とか,呂鋒洲教授の名前が登場するときにどうその名前が使われているのかとか。

Id: #b20010517193143  (reply, thread)
Date: Thu May 17 19:31:43 2001
Name: 大'
Subject: なんかこう,身近じゃないのだ

> 日本人にとって、「科学的な考え方」は空気のようなもので有り難みを感じない

うぅむ。その例えだと,日本人のかなりの部分が窒息死してるような気が… (^^;;
「科学的な考え方」がそんなに身近なモノだったら,昼のテレビ番組のおじさんの一言で,ココアや赤ワインが発作的に売れたりはしないと思うのだ。

「科学的な考え方」の存在を知るってのと,「科学的な考え方」を実践するってのは,能力として相当かけ離れてますよね。後者を身につけるのはなかなか難しいと思う。枝葉末節を省いたら身につかないのでは? 身の回りの問題についての「実践」なしのままだと,「科学」を標榜する謎の浄水器を,ありがた〜く買ってしまいそう。

で,枝葉末節ってのは個々の事例ってつもりで使ってるんですが,それほどややこしくなくてもいいからいろんな枝葉末節に触れてないと,「科学的な考え方」と日常生活が解離してしまいそうな気がします(似たような事は,以前「どうよ」にも書いた)。化学反応ってのは理科室の試験管の中だけの出来事じゃないし,ましてや教室の黒板に書かれた反応式の事でもない。もちろん法律とかでも同様。どんな分野にしてもそのエキスだけを教えてたら,身の回りの出来事に応用できるだなんて,なかなか思えなくなっちゃうんじゃないだろうか。


Id: #b20010517190037  (reply, thread)
Date: Thu May 17 19:00:37 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517141839
URL: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
Name: あもう
Subject: 補足
 「自然とつきあうには科学という方法論がある」についてですけど
これと並んで、例えば、
 「自然とつきあうには宗教という方法論がある」
ってのもOKですよね。
 ただし、自然の扱い方とか、それぞれの枠組みが全然違う。

 「科学万能主義」についてですけど、科学は、科学で扱える
ものについてはかなり強力で万能に近いけれども、扱えないもの
もちゃんとあるので、すべてにおいて万能ではありません。

 だから、「科学で説明できない」となったときに、いずれ時間が
経てば説明できるようになる話なのか、説明できるかどうかの境界
の話なのか、そもそも科学で扱う話じゃないのか、という区別を
すればいいだけだと思うんです。
 それがうまくできないと、科学に過大な期待をする反面で、科学が
説明できないことをおおごとだと受け取るという反応が出てくるし、
「科学で説明できない」=「非科学的説明を受け入れる」
というのを成り立たせてしまうんじゃないかと。

 一般的な教育は、何をどう扱うかということについて、振り分け
の基準のようなものを伝えるところに意味があるんじゃないかと
思ったりもするわけで。

Id: #b20010517185009  (reply, thread)
Date: Thu May 17 18:50:09 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517142558
URL: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
Name: あもう
Subject: さぼれるのが一番&本屋が大事?
 これが「詳しい自己紹介」に最も近い投稿だったりして。うーん。

 塾がないといいんですよね。勉強さぼれるから。高校3年の夏頃までは
本当に好き勝手なことしかしてませんでした。勉強はさぼれるだけ
さぼって、好きな本を読んで過ごして、他にもいろいろいたずらを。
物理だけは小出昭一郎の大学向けテキストで、自分で微積つかって
やってたし、数学は、当時の教頭が数学の先生だったので、友達と
解析概論買って持ち込んで教わりにいってた。それで、数学のセンスは
私にはないって気づいたので、物理に進学することに。早めに気づいて
良かったと思う。数学に行ってたらさんざんだったんじゃないかなあ。
 それでも、複素平面の話をしてくれた先生がいて、あとからもっと
ききたいって話をせがみに行ったりして。

 のんびりムードなのはいいんだけど、良くないところもある。
 不満は本屋がないこと。ファインマンの教科書を知ったのが、模試
受けに行った先の名古屋の丸善で、他にも専門書がいっぱいあって
そのときに、都会っていいなあ、って思った。物理科に入ったら、
すでにランダウ読んだり、いろいろしてた人がいて、やっぱり専門書
が気軽に買える街はいいなあ、とうらやましかったのを覚えています。
 まあ、渋谷の志賀昆虫だってうらやましかったぞ。まともな捕虫網
を買えたのは大学に進学してからだし。

 博士課程に行ったとき、理研に通っていたんですが、そこの共同
研究者の人が、やっぱり公立でずっと過ごして東工大に行った人でした。
その人がいうには、同級生にすごくできる人がいて、「絶対麻布中学」
って言って、ちゃんと入ったそうな。ご本人は、そんな受験勉強する
気もなかったから、普通に公立のまま中、高を過ごし、大学受験で
二人とも1浪で東工大合格。ってことで、中・高の教育そのものに
価値があると思うなら、中高一貫の受験をすることに意味があるけど、
「それなりに有名な大学に行きたい」が目的だったら、あんまり意味が
ないのかもしれません。


Id: #b20010517154437  (reply, thread)
Date: Thu May 17 15:44:37 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517143834
Name: ブタネコ
Subject: 産業報国

虎姫伝説
産業報国
虎姫伝説に出てくる虎御前って、あだ討ちの曽我兄弟の彼女も虎御前なんだけど、何か関係あるのかしら?
産業報国は総力戦史観で説明されると思う。
それで、グローバル化のまっただ中、第4次大戦を戦う気力があるかというと、たかつかさんはともかく、日本の平均的オジサンは疲れぎみで戦意喪失。綾子ばあさんなんかは今でも勝ち組みの時代錯誤で意気軒高。
多国籍化で、日本の土着資本も外国人技術者を雇えるし、外資も日本人技術者を雇える。
公教育が粗悪すぎ、竹の資質の人が梅の技術者にしかなれず、日米どちらの資本に囲われるにしろ、オイラは松の人間だったなんてルサンチマンから社会が右傾化することも。
すでに藤岡+西尾のルサンチマンおじさん二人で、アジアの経済にどれだけ害を。
Id: #b20010517143834  (reply, thread)
Date: Thu May 17 14:38:34 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517002105
Name: たかつか
Subject: 殖産報国?そんなに時代外れの意見でしたか


>たかつかさんは、やっぱりブタネコさんの批判が響いてないなぁ。
ブタネコさんのは、高尚なので・・・

>なんかね、たかつかさんの文を読んでると、「殖産報国」のための「期待さ
>れる人間像」つくりって感じちゃうのは、私がねじまがってるんでしょーか?
いえ、ある程度そういうイメージで捉えてもらっても良いです。
義務教育で「科学」を重視しているのは、政策的な配慮があったという点ですね。

でも更に言うと、製造業は世界戦略の中で生産拠点を考えるので日本に拘る
理由は少なくなっています。だから、「報国」的な考えは無いです。


また、「科学技術の発展させれば、人の幸福につながる」という19世紀の思想
を色々な反例、反証を無視して、それでも「科学技術の発展させれば、人の
幸福につながる」はずだと素朴に信じていると捉えてもらっても結構です。
Id: #b20010517142558  (reply, thread)
Date: Thu May 17 14:25:58 2001
Name: ブタネコ
Subject: 大層不平等ですが

大人になってから役にたたない偏差値カースト国家の通行証取得のために捨てる時間数を考えると、虎姫から千葉からお茶って、少なくって得な方だったのでは。
公立高入試激戦区で中学は密告(内申)書地獄で、知育抑圧装置の学校に補完装置の塾がついているのが一番困る。虎馬中学。 それにしても、悪徳水業者にすればアモウさんは、『虎姫』だな〜!!
指導教授が『お茶の水』を採取に行くというのも。

この方も千葉からお茶の院だけど、通行証取得のために捨てる時間を、東京の下町娘らしく古風なお稽古ごとかなにかしてたような。
菅本さんの素粒子のゼミ(高エネの石橋さんの弦)をお茶の志賀高原のボロ山小屋でやったときは、変なイラン人の坊やを、下町のおかみさん風に厳しく躾けていた。
そのときの不平等はボロ山小屋のとなりのスイスホテルが慶応ワグネルの金持ち坊ちゃんの借りきりで、ホルンがプロ並でモーツァルトの3番のコンチェルトをこれ聞けよがしに鳴らしてて、大学時代『産業報国』の為の勉強を1行もしなくてよい御身分の方を、下町娘とブタネコは「いやみねー」と女子師範の小屋から聞き惚れていた。

神保町の東方書店や内山書店で、人民共和国の『産業報国』用の高校数学の巨大で立派なテキストが見れる。
よい教科書だと思います。なにもケチをつける気なし。

こういうテキストで学んだ技術者を搾取すれば、不平等を満喫できる幹部になれます。子供に産業報国でない民主主義国の中学高校教育をと考えるとき、定番の留学先は、
この学校で、理数もオックスブリッジ出の教師が こんな施設で楽しく授業してる。

マキコ外相にバカマツ国対が資質がないなんていちゃもんをつけてたが、資質がないのはどっち?
角栄と社会党副委員長の2世で、なにも教育しないので有名なW大文系卒も同じでも、自己学習量の差はあまりに大きい。

Id: #b20010517141839  (reply, thread)
Date: Thu May 17 14:18:39 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010516185557
Name: たかつか
Subject: センス

あもうさんの言われている事が重要であるとは思います。
そして、私と他の人の間で「法学」や「経営学」の意味が少し異なる様な
気もします。

日本人にとって、「科学的な考え方」は空気のようなもので有り難みを
感じない、「思想、宗教」的なしがらみも少ないので、余計そうなって
いる様に思います。


「・自然とつきあうには科学という方法論があること」について
 私は、枝葉末節の話を体系的に教える(経験させる)事で科学的な見方を
身につける、体系化された知識の存在を知らせる事が重要だと思っています。
ですから、枝葉末節の話の個別の理解度(テストの点数)には興味ありませ
んし、受験技術的なモノは余計なだけですし、忘れてしまうので無意味です。


「・科学で扱えるものとそうでないものがあること」
科学で扱えないモノを何と考えているのか、よく分かりませんが。「科学
万能主義」的な考えに陥らないようにすべきだと思います。


>・世の中の利害を調整するのには、法律で行うこと
>・そのために国会による立法が行われること
>・裁判を受けるのは権利であり、積極的に利用するべきであること
>・法律は条文で規定されていて、バランスと法的安定性を図るように
>つくられること
個々には疑問点もありますが、人が知っておくべきだとは思います。
でも、これらの事柄を知識としてだけ知ることにどれくらい意味がありますか?
センスを磨くには体験することが必要ではありませんか?

「民主主義」を体験的に学ばせる事はあるのかもしれませんが、従来の教育
の範疇からは外れるでしょうね。

また現実とのギャップもあると思います。法律は、運用や解釈で変わる事も
あります。裁判を増やすには裁判官も弁護士も足りないし、米国のような
訴訟社会が理想では無いと思います。

少年法改正の議論で14,15歳の少年に期待される法律の理解力の話が
ありました。例えば「黙秘権」を理解できるか?で、アメリカの調査結果
だと裁判にかけられ少年の大部分は「黙秘権」を誤解している。弁護士
と裁判官、検察官の区別が不明瞭とのことです。アメリカでは小学生でも
「黙秘権」は知っておくべきことだそうです。


あもうさんの指摘された事柄を教えることは、重要だと思いますが、義務
教育内で教えるべきなのか、ちょっと疑問に思います。



Id: #b20010517122505  (reply, thread)
Date: Thu May 17 12:25:05 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010517002105
URL: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
Name: あもう
Subject: 不平等ですねぇ
あもうなんですが。

私が小・中・高を過ごした土地は、予備校過疎な状態でした。
塾は、補習塾、公文式、あとはそろばん・習字・音楽などが
あるだけで、進学塾無し。私立の学校も通える範囲に無い。
塾無しのまま小・中・高は公立に通うことに。大学受験の
準備の大手予備校の模試は名古屋まで行かないと受けられない。

ここまで徹底的に無いと、自分で勉強するしかないし、逆に
遊ぶ時間もたっぷりとれるので、好き勝手にできて良かったような。

最近、地元に戻ると、京進っていう予備校のチェーンが
進出していた。

中高一貫で、というのも戦略の1つですが、いっそ高校に入る
までは遊びまくって置いて、「大学に行きたい」と思った
あたりで、1浪も考慮に入れた上で予備校で受験技術を集中的
にやる、というのも有りだろうと。小学校、中学校、高等学校、
大学の試験で要求される知識はそれぞれ全部違うから、早いウチ
から受験勉強に熱中することもないような。


Id: #b20010517002105  (reply, thread)
Date: Thu May 17 00:21:05 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010516205051
Name: 崎山伸夫
Subject: そして「機会不平等」へ

日能研ネタは、四谷大塚のOBとして耳が痛すぎる:-)。 その前に公文式やってたし(通いじゃなくてテキスト送ってもらってた)。 ただまぁ、点数序列な進学塾で上位クラスにいようと思うと、 「センスの破壊のやり方」にはつきあってられないんですよね。無意味な暗記は効率が悪いし。 そして6年制な学校(理科教育ML常連の山賀先生には習ったことない気がする)に行って、 liberal artsを学ぶ余裕を与えられたと。でもこれって「機会不平等」なのかも。

たかつかさんは、やっぱりブタネコさんの批判が響いてないなぁ。 そもそも経営学が単に「金儲けの方法」かというと、 組織運営なども視野に入ってくるし、 「マーケティング」は利潤を目的としない場合も必要ということで NPO運営への応用というネタでけっこう本が出ているという現状をみると違う (経営学が義務教育的な内容でないのは「金儲け」だからじゃなくて 諸学の応用という側面が大きいからじゃ?)のはさておき、 私が法学は義務教育(といわないまでも中等教育までで)である程度カバーすべきというのは、 まさにあもうさんが書いたとおりで、 さらに国民主権のセンスを入れ込んでいくことも重要。

なんかね、たかつかさんの文を読んでると、「殖産報国」のための 「期待される人間像」つくりって感じちゃうのは、私がねじまがってるんでしょーか?


Id: #b20010516205051  (reply, thread)
Date: Wed May 16 20:50:51 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010516185557
Name: ブタネコ
Subject: センスを破壊する教育

高1で3次式が登場すると、
x^3+y^3=(x+y)(x^2-x y+y^2)
x^3-y^3=(x-y)(x^2+x y+y^2)
がペアで与えられ、さあ両方の公式を暗記しましょうということに。
2番目の式のyに-yを入れれば1番目は出てくる。
2番目はx^n-y^nの特殊例で、いくつかのnについて数式処理で表を作り、一般法則を推測させたり、小学校でやった循環小数の分数化を思いださせるなんてことにはならない。
まして、(x+y)(x-y)には(x+y+z)(x+w y+w^2 z)(x+w^2 y+w z)=x^3+y^3+z^3-3xyzも別の一般化としてあり、これは行列の固有値のきれいな問題と絡むなんて教えてる方は知らない。

そういう教師の好みにあわせて編集される教科書は、2つの公式をペアで枠に囲ったり、テレビの画面みたいで、書籍ではない。テレビをぼーっと見る感覚の授業の中で思考力が退化していく。

綾子ばあさんの2次方程式不要論も実は2次関数不要論で、都市の半径rに対して、経済活動の量は2次になるといった、『量のセンス』無視なんだが、現場の公式棒暗記の教育が綾子ばあさんの教育破壊をすでに先取りして達成してるんだよなー。
Id: #b20010516185557  (reply, thread)
Date: Wed May 16 18:55:57 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010516103834
URL: http://atom11.phys.ocha.ac.jp/
Name: あもう
Subject: センスを鍛える
法律にしても科学にしても、枝葉末節の話が義務教育で必要だ
とは思いません。でも、

・自然とつきあうには科学という方法論があること
・科学で扱えるものとそうでないものがあること

・世の中の利害を調整するのには、法律で行うこと
・そのために国会による立法が行われること
・裁判を受けるのは権利であり、積極的に利用するべきであること
・法律は条文で規定されていて、バランスと法的安定性を図るように
つくられること

・お金とどうやってつきあうか

などは、義務教育で必要だと思います。
個別の話は変わるかもしれません。でも、科学でどうにかしよう、
とか法律でどうにかなるだろう、とか、そういうセンスを身につける
のは、すべての人にとって必要だと思います。枝葉末節については
その時々で専門家にきけばいいでしょうけど、どういう方法論で
どこまでできるか、というセンスが無かったら、専門家に相談にすら
行けないのでは。



Id: #b20010516143542  (reply, thread)
Date: Wed May 16 14:35:42 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010516103834
Name: ブタネコ
Subject: 義務教育が教育でない社会での教育づくり

日本脳炎より子供の脳によくないという日能塾のガキどもは、小5で労働者の3つの権利を暗記しています。みなさん3つを全部いえますか?一つは団結権です。
ガキどもは電車にワッと乗り込み、年寄りを突き倒し、老人の人格権を脅かしています。
15年もすれば、こいつらは中国の女工哀史工場に赴任し、狂産党といっしょに3つの権利を奪うのでしょう。
日能から6年制にいけば、岩石の名前を棒暗記しなくてすみますが、公立にいけば、学校と塾で棒暗記し、高校にいけば直ぐ忘れることに、長い時間を無駄にします。
路傍の石から岩石プレパラートを作り、偏光顕微鏡をのぞいた感動は一生のものでも、学校はそんなサービスをしません。
偏光顕微鏡は理科教育振興法により、地域の教材屋の繁盛のために、どこの理科室にもあるのに教師は使いません。紙屑問題集だけやってても、ひのきみなら首にならないし、出る杭になって打たれない方が利口なのです。
法律も理科もまともな教育の不在が問題なのです。それを地域からどう作っていくか。
さいわい くげぬま地区 では、人権擁護委員は板谷さんという、こどもの権利が理解できる弁護士です。
県会議員はろくなのがいない。30年前だったら中西準子の父親がいたけど。
岩石プレパラートの方は?10人くらいリクエストがまとまれば、うちの塾に地球科学のプロが顕微鏡をもって出張してくれるし、1年に1度くらい、少数派理科教師のイベントが市のはずれの高校であって、そこでやってくれればうちがよけいなことをしなくてすむ。
Id: #b20010516103834  (reply, thread)
Date: Wed May 16 10:38:34 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010515194536
Name: たかつか
Subject: 義務教育での科学

ブタネコさん。あもうさん、こんにちは。

私は、「法学」や「正しい金儲けの方法」の教育をしなくて良いと言っている
わけではありません。

企業の技術者であれば、当然法律や利益の話は重要です。
でもそれは、義務教育の中で最重要な事とは思いません。

法律も経営方法も時代と共に変わります。

一方、科学的な考え方は小さいとき、世の中の色々なものに興味を覚える時期
に教えることが重要だと思うのです。

知識は後から勉強できます、考え方はそうはいかない様に思います。

旨く言えませんが、時間がないので失礼します。

Id: #b20010516001613  (reply, thread)
Date: Wed May 16 00:16:13 2001
Name: 山村
Subject: RE:卵細胞質移植

はじめまして。耳鼻科医をやっています、山村と申します。こちらの掲示板
は、SF系の掲示板(大森望さん周辺その他)経由で知り、2年ほど前から巡
回しています。

さて、一段落ついたような話題についてで恐縮なのですが、

「卵細胞質移植の話題はヒトへの応用にあたって、専門家の間ではこれまで
どのような点が問題にされていたか」
このへんの文献も参考になるかと思いましたので、引用します。

1.まずは、Saint Barnabas医療センターの、ヒトの卵細胞質移植第1例目*
症例報告(今は4歳になっている女児について)に対するコメント。

*Cohen J,et al:Birth of infant after transfer of anucleate donor oocyte cytoplasm into recipient eggs.Lancet 350:186-187,1997.

卵細胞質移植
提供者の卵から細胞質だけをレシピエントの卵に精子と共に顕微注入する技術である。卵細胞質因子の障害のために着床が成立しないと思われる症例に対して実施し、生児を得た臨床研究が報告された(文献*)。この方法では、ドナーの卵の細胞質が7−14%移植されるが、それに伴ってドナーの染色体、mRNA、ミトコンドリア、細胞骨格、細胞周期制御因子、感染粒子などによる汚染が懸念され、さらなる検討が必要で、また、適応の決定基準も考慮しなければならない。


(柳田薫他:顕微受精の進歩とその将来.産科と婦人科2(41)185−191.2001)

卵細胞質移植の問題点について


卵細胞質はミトコンドリアmtを含んでおり、細胞質を他の卵に注入すると、当然注入した細胞質のmtが注入されキメラ状態になる。mtはDNAを有しており、たとえば、ヒトの組織中のmtではDNAのコピーを2−10個有しているとされている。そして、核DNAに比べてmtDNAはヒストン欠乏により20倍近く突然変異が起こりやすいとされている。このため、細胞質移植によって突然変異を起こしたmtDNAを移入させる可能性が指摘されている。

(佐藤嘉兵他:特集/生殖医学の最前線―卵子の細胞質移植.産婦人科の世界52(11):941-945,2000)


この領域の人達の間では当初から、卵細胞質移植という手法を用いればドナー
のミトコンドリアDNA混入等は当然起こると認識されていた、ということになりますね。
ただ、これらのリスクが、今では広く行われている顕微受精と比較してどの程
度大きいモノかは私にはわかりません。
(まあ、動物での成功例がろくにないうちにヒト相手に敢行した顕微受精じたいも、安全性の
事前の検討については問題ありといえますが)

Id: #b20010515194536  (reply, thread)
Date: Tue May 15 19:45:36 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010515175825
Name: ブタネコ
Subject: 自傷・他害

僕もあもうさんと同意見です。
広い意味の理科教育として、消費者教育や、性教育が重要では。
簡単なことを知らないで、自分を傷つけるのはつまらないことだし、利己主義の僕が無知な他者の犠牲になるのはとんでもないこと。
クラミジア感染症にhttp://www.apionet.or.jp/~nemoto/sample.html/chlamidia.htmlほど多くの人が罹患してるのですが、紙屑問題集による理数的思考力破壊の時間を、ちょっと性教育にまわしておけば、自傷の罹患者をどれだけ減らせたか。
高い健保を払っている僕も他害を受け、加害者は年金待ちの解答板書ロボット教師です。
他害では、政府エリートの理科離れによる、間違った政策から、原発震災を始めとする各種リスクをしょっています。
また、大衆がジャンク商品ばかり買う消費社会はゴミの中の社会だし、まともなものは高額商品になり、ここでも他害を受けます。
まあ、ダランベールやディドロのような変人の多い社会が僕には住みやすく、実体として予備校レベルまで、数学物理教育はどんどん死滅していっているので、若い人が数学や物理にアクセスできるチャンネルをどう確保するか?が問題です。
すべからく 少年の日を 惜しむべし (佐藤春夫)
Id: #b20010515194029  (reply, thread)
Date: Tue May 15 19:40:29 2001
Name: 大'
Subject: 雑学好きのせいかもしれない違和感

関連する話題になっているので,抜き書きを作ってどうよリンク集からリンク張らせてもらいました。随時更新予定。

以前「どうよ」に書いた(この掲示の「ところで古典の話」の段落)ような事をコメントしたくなったんですが,こっちの話とはちょっとポイントがずれる気がしたので,どうよに書いておきました


Id: #b20010515175825  (reply, thread)
Date: Tue May 15 17:58:25 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010515025812
URL: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
Name: あもう
Subject: 多分、どっちも必要でしょう
あもうともうします。初めまして。
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/にて、「水商売ウォッチング」という
浄水器・活水器の怪しい説明にツッコミを入れるという企画をやって
います。液体の物性の分光学的研究が専門です。

 結論からいうと、理科教育は必要だと思います。ウェブの企画がもとで
年明け早々に某企業から訴えるぞと脅されました。で、そのとき
考えたのですが、企業の疑似科学的活動に対する批判などをやって
いて、本当に裁判になった場合、法曹関係者が「正しい科学的手続き」
を知っててくれないと、裁判で負ける可能性があります。科学的
真実であっても、社会的に認知されるかどうかの分かれ道はおそらく
裁判で勝てるかどうかと、あるいは公取委の審判がどうなるかの
あたりにあると思います。

 一般人の司法参加の動きもあるので、これからはますます、「科学的
に正しい手続きかどうか」ということを、一般の人が理解していて
くれないと困る時代になると考えています。

 逆に、私の方は、法律の知識が必要だということを思い知りました。
この手の批判を行うには、やはり、何をやると違法かということを
ちゃんと知ってないとだめです。また、トラブルになったときの弁護士
の利用の仕方は知っておく必要があります。それに、弁護士に全部を
おまかせするのではなく、ある程度自分で方針やできそうなことを
考えてから相談する方が、とれる行動が広がりますが、やはり法的な
センスが必要になると思います。

 経営学はさすがにまだ必要になりませんが、広い意味で「お金と
どうつきあうか」という点からの教育が必要なのではないでしょうか。


Id: #b20010515121014  (reply, thread)
Date: Tue May 15 12:10:14 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010515030440
Name: たかつか
Subject: あえて第二次産業に拘ります

ちょっと誤解があるようなので補足します。

「義務教育レベルの科学は第二次産業に働く労働者や技術者には必須です」
に書いた、労働者には「専門的な職業教育」を必要としない人が含まれます。
パートタイマーの女性とか、アルバイトの人なんかを想像して下さい。

製造業は、労働者の質に関わらず生産できる様なプロセスであることが理想
です。現に工場の技術者はどんどん減っていると思います。

「第二次産業に働く技術者」ではなく、「第二次産業に働く技術者でもなん
でもない人」を採用し、教育し、実生産に携わらせる時の前提に「義務教育
レベルの科学」があります。

無論、膨大な作業手順書を書いて、定常作業はその手順通りにすれば良い
のですが、非定常作業はそういう訳にはいかない。トラブルが発生したとき
の対応、安全対策・・・・・

つまり「第二次産業に働く」と「科学的な知識、考え方」に基づく判断をする
機会が増えるので、最低限の「科学的な知識、考え方」の教育が重要になります。

そして「第二次産業」側から見ると労働力に「第二次産業向け」と「第三次産
業向け」、「第一次産業向け」という区別があるのは困るのです。

無論、だから全ての人に「科学的な知識、考え方」の教育をするのは、「第二
次産業」の我が儘という事になります。だから、「国が何で生計を立てるのか」
を問題にしました。

農産物を輸出して工業製品を輸入する?、日本の音楽、映画を輸出して外貨を
稼ぐ?、観光客を集める?、美術品を輸出する?、出稼ぎに行く?
何を選択するのでしょうか?その選択に依っては義務教育の位置づけは多少変わっ
てもいいのかもしれません。

これまでは、工業製品や技術を輸出する技術立国ではなかったのでしょうか?
だから、中堅技術者育成が教育の急務であった、でもこれは義務教育レベル
では無いですね。

確かに現在の社会は、高度な科学技術を用いた社会なので「科学的な知識、考え
方」に基づく判断をする機会が増える、従ってこの社会に生きるために「最低限
の科学的な知識、考え方の教育は必要」の方が通りやすいかもしれません。

普通の主婦がパートでクリーンルームの中に入って顕微鏡やら検査装置を使っ
て電子部品の検査をする社会なんだけど、「第二次産業に働く技術者でもなん
でもない人」はそれを魔法の世界だと思っていいのでしょうか?

「経営学」に関して言うと、普通の人が「経営上の判断」をどれ位するでしょ
うか?もっとも現在では「科学的な知識」無しに「経営上の判断」が出来ない
場合も多いと思います。
Id: #b20010515120947  (reply, thread)
Date: Tue May 15 12:09:47 2001
Name:
Subject: ミトコンドリアで生計

年齢上昇で細胞質がどうとかして減数分裂や普通の分裂に問題が出るのは、まず、分裂時に染色体を引っ張ったり細胞を変形させたりするアクチンフィラメントなどの変質じゃないかと思うんだが、ホントは必要ないミトコンドリアDNAを入れられたとしたらヤだね。
(細胞質注入で必然的に混ざるから、しょうがないのか?)
まー、これ以上わかると思えないから、オシマイですね。 ありがとうございました。

>生計を立てる
>民主制における主権者
生計(の選択幅)や主権者も必要ですが、今は正しい知識がないと命もアブナイ時代じゃないでしょうか?
ま、二次方程式が命を救う状況はチョット思い付かないけど、命にひびく結果だけ暗記するのは効率が悪い。(今の教育は命にひびかない結果だけ暗記させてるんじゃ?)
Id: #b20010515091941  (reply, thread)
Date: Tue May 15 09:19:41 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010515025812
Name: まきの
Subject: 立場はともかく

僕の意見としては「自分には二次方程式なんかいらないからやめてしまえ」と いう考えには全然賛成できないし、それは根本的には、ブタネコさんや崎山さ んが指摘されているとおりその種の反知性主義は民主的な社会とはあいいれな い、というより、宗教的かどうかはともかく権威主義的な社会に道を開くもの でしかないからです。

と、こんな大げさな文章を書くと思わず赤面しますが、例の教育改革国民会議 なんとかの問題ってのは基本的にはここにきちゃうような気がします。


Id: #b20010515030440  (reply, thread)
Date: Tue May 15 03:04:40 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010514191209
Name: 崎山伸夫
Subject: 職業教育の基礎と考えるからおかしくなるんじゃ

専門的な職業教育の基礎と考えるから、 「義務教育での科学教育は将来の技術者には必要」(でも技術者になる気がないもんね)とか 「経営学や法学は(将来の)経営者や法律家には必要」(でも経営者にも法律家にもなる気ないもんね)とか、不毛なやりとりがおきるんじゃないですか? もっといえば、たかつかさんのスタンスはその前のブタネコさんの記事であらかじめ 批判されているところ。

義務教育(だけでは難しければ中等教育(高校まで緩和してもいいとは思う)までで 「科学的な物の見方」をみにつけ、論理的な思考法を手に入れることで 「インチキ科学(VooDoo Science)」に対抗するだけの能力はある程度は養われるだろう (もちろん、必ずしも成功はしない。でも、ないよりマシ)し、 「統計のウソ」について、難しいケースはともかく 政府やマスコミがよくやってるウソ付き発表をある程度見破れるだけの能力というのは 民主制における主権者としての市民が是非とも身に付けるべきものだと思うし、 また、法学も、専門的な領域はともかくとして基本的なところは、 主権者たる市民としてはわからんとまずいと思うのだ。 ちなみに、コンピュータやネットワークというものがどういうもので、 そこで動くコードというのものはいかに我々を規定するか、という議論もまた、 私としては、「みんな」がわかるようになるべき性質のものだと思う。 もちろん、「専門家」と同じ土俵で議論できることを求めるわけではないけど、 「どの意見を採るか」という判断を下せるだけの能力は「みんな」に求められている。


Id: #b20010515025812  (reply, thread)
Date: Tue May 15 02:58:12 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010514191209
Name: くろき げん
Subject: 「理系の学問を教える大学教員」という立場から?

まきのさんは、「僕も一応理系の学問を教える大学教員としてたかつかさんの意見にはまったく反対するところはない」と「理系の学問を教える大学教員」という立場を強調した直後に、「第二次産業に働く技術者でもなんでもない人はどうか」と言ってますが、実際のところはどうなんですかね?

「理系の学問を教える大学教員」という立場に立った上で、「第二次産業に働く技術者でもなんでもない人」を代弁しようとするのもどうかと思います。

「理系の学問を教える大学教員」という立場から、「第二次産業に働く技術者でもなんでもない人」が本当は必要としているかもしれない知識に接近することを阻害しかねないような発言をしてしまうのは非常にやばい。

もちろん、まきのさんにそういう意図はないと確信してますが、個人的にはあまり感じがよくないなと思って見ています。

やはり、議論を混乱させないためには、まきのさんがなぜたかつかさんの意見に反対しないのかについてもっと詳しく述べてバランスを取るべきだと思いました。例えば、「……「自分に」いらないだけなんではないかと」のような発言の後に大事な一言が欠けているんじゃないかな?

「第二次産業に働く技術者でもなんでもない人」自身にも義務教育レベルの科学的素養が必要じゃないかというとそうではないと思います。そして、「自分に」いらないと主観的に信じているという理由で義務教育から外せと言うのは大いに問題があると思う。自分自身がいらないと信じていても、考え方の幅を広げてみればそうでなかったことがわかるかもしれない。


Id: #b20010514191209  (reply, thread)
Date: Mon May 14 19:12:09 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010514131714
Name: まきの
Subject: b0031.html#b20010514131714

たかつかさん、

僕も一応理系の学問を教える大学教員としてたかつかさんの意見にはまったく 反対するところはないのですが、やはりここでは問題は第二次産業に働く技術 者でもなんでもない人はどうか?ということでしょう。その人たちが「自分た ちには科学なんてものは役にたってないよ」というとして、「そうではなくて こう役に立ってる」といって、なおかつ、その人たちがそれに納得してくれないと、すべての人が学ぶ義務教育としては正当化 しがたいのではないか?という考え方「も」ある。

で、そういう人は、科学とか技術とか算数とかそういう難しいことは、そうい うのが得意で好きな人がやってくれると思ってるのではないかと思いま す。「自分には二次方程式なんか不要」というのはまさにそういう意見で、 「自分に」いらないだけなんではないかと。


Id: #b20010514131714  (reply, thread)
Date: Mon May 14 13:17:14 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010514094226
Name: たかつか
Subject: 経営学は実学か?

まきのさん

製造業に勤める技術者としては、最先端の科学は別として

「科学が社会にとって有用であるということが、義務教育で科学を教えることを正当化するものではないという立場」

は違う様な気がします。

そして「経営学」や「法学」は、経営者や法律家を別として一般人には無益だと思います(税法は利益があるかも)。日本人が皆、社長になれる訳ではありませんから。

義務教育レベルの科学は第二次産業に働く労働者や技術者には必須です、またソフトフェアを作るプログラマにも必要ではないでしょうか?
そして、今でこそ地盤沈下してしまっていますが、技術をもった中小企業の創始者は小金持ちには、なれたのです。

確かに、「義務教育で教えている科学」と、「実社会で必要とされている科学」の間にミスマッチがあるかもしれませんが、それは「義務教育で科学を教えることを正当化するものではないという立場」にはつながらないと思います。

無論、日本が金融商品(高等数学がいるけど)の金利、音楽や美術品、料理法や小説を海外に売って生計を立てるつもりなら別でしょうが。

「義務教育の科目として科学が高い位置にあることには反対」と言う立場の方はどうやって、生計を立てられようとしているのでしょうか?ちゃんとした意見を聞いた事がないのですが?


Id: #b20010514131300  (reply, thread)
Date: Mon May 14 13:13:00 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010511132719
Name: たかつか
Subject: これで細胞質の話は最後

Saint Barnabas医療センターの不妊治療に関する情報です。

ガさんの疑問について、卵子は胎児の段階で500万個程度作られて、減数分裂の前の状態で休止状態になっているのですよね。
それで、女性の年齢や健康の履歴が卵子の状態を変えている様です(出産年齢とダウン症の関係等が有名です)。


これ
には、女性の年齢上昇と共に減数分裂時に染色体の数の異常(異数体)が発生し易くなると書かれています。この原因が細胞質であるとも書かれています。(多分(^_^;))

これは参考まで


いわゆる、細胞質注入はこの治療に有効なはずですが、Saint Barnabasで実施した治療法は注入時が遅いため、あまり効果は無いようです。

そのため
Saint BarnabasQ&A
にあるように、若い(30代)が人工授精に連続して失敗している女性を対象にしているようです。またQ&Aによると動物実験はやっていたようです。

この件はイギリスでは再検討中
でも今は禁止日本はこれに出ています。



Id: #b20010514125535  (reply, thread)
Date: Mon May 14 12:55:35 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010513121519
Name: ブタネコ
Subject: 公教育における理数教育の役割

大雑把なことを書きます。
フランス革命によって現れた、上からの啓蒙装置としての学校教育の中で、理数教育は宗教と科学の闘争を担うものとして、中核的な役割を果たします。
真面目で立派な文献としては、
現代教育の思想と構造 : 国民の教育権と教育の自由の確立のために / 堀尾輝久著 岩波書店 1971
が、7行で画面で読めるラクチンものとしては、黒木さんの同僚が高崎さんちを間借してる
http://www.math.h.kyoto-u.ac.jp/~takasaki/soliton-lab/chron/has-hist/chap7.html
のダランベールをお読みになって、楽すぎて反省気分になったら山本義隆の解析力学の102ページに飛ばれたら。
こうしたフランスの理数の伝統は、ランジュバンやキュリー亭主のような左翼の科学者がリセのカリキュラムを作ることまで続いていて、日本のありゃま元文相総長とはちがうものが。

日本の公教育は、後発の国家独占資本主義として、理数のような大きな思想を受容するのではなく、中堅技術者の量産を急いだので、大きな思想を数百のアイテムにぶったぎり、チャートだの鉄則だのにしてしまった。
ひのきみ下のアイテム化教育の成功例が、昭和30年代の工業孝行卒技能オリンピック優勝組みで、一番悲惨なのがポモの科学論者とか科学から完全に疎外されちゃった方々。

過剰富裕化した大衆の地球破壊の総和が無視できない時代に、どんな理数教育が可能か?
麻布高校の山賀さんの高1での環境教育などあるが、都立図書館の麻布のガキのニコチンモクモクはなんとかなんないのかにゃ〜。
Id: #b20010514094226  (reply, thread)
Date: Mon May 14 09:42:26 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010514072019
Name: まきの
Subject: 「経営学のような意味では」役に立たない

ってのが、「MBAを取ると高収入の仕事につける(本当?)けど、例えば天文 学の博士号をとってもろくな仕事はない(こっちは本当)」という意味ならそれは全くその通り だと思いますが、そういう話とはちがう?

つまり、科学なり科学的知識なり科学者なり(まあ、天文学がどうかはちょっ とおいといて、、、そういえば田崎さんも出てるパリティの座談会で東大理学 部物理の須藤さんがなんというか妙に否定的な印象を受ける発言をしてます) が社会にとって役に立つというのは正しいとしても、科学を学んだことがそれ ぞれの個人にとってどう役に立つかはまた別の問題です。科学が社会にとって有 用であるということが義務教育で科学を教えることを正当化するものではない という立場は当然ありえるのではないでしょうか。

で、まあ、僕は日常生活レベルで個人にとって科学知識や科学的な考え方が役 に立たないなんてことはないと思いますし、それだけのために科学を教えると いうことは十分正当化されると思います。が、役に立たないと思っている人も沢 山いるみたいで、そういう人にとっては多分その人が身につけた科学知識や科 学的な考え方は本当にたいして役に立ってないんでしょう。現在の義務教育で 生産されるのがほとんどそういう人でしかないなら(あくまでも、「ないなら」という 仮定の話です。実際にどうかは知らないので)現在の義務教育で科学を教えて いるのは時間の無駄というのはそれはそうかも知れないと思います。「だから もうちょっとましな教え方をするべき」なのか「止めてしまった方がいい」の かというのはまた別の問題になるのではないかと。


Id: #b20010514072019  (reply, thread)
Date: Mon May 14 07:20:19 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010513121519
Name: 森山和道

玲奈さん、投稿拝読しました。
ここのところかなりテンパっているので、
僕の返事は近日中、ということにしておいて下さい。
取りあえず、読みました、ということで。

#もちろん、他の方々がいろいろご意見を交換するのも
#ちょっと待って、とは言いません。

いちおう、おおざっぱな御返事だけしておきます。
そのほうが他の方も発言しやすいと思うので。

ドーキンスとジェンキンズの対話は、科学について(という側面ももちろんあるけど)、
基本的には、教育における科学の重要性について、という主題で行われた議論がベースですよね。

後半が余計だと思ったのは非常に単純で、僕には
ドーキンスがあっちこっちで書いてきたことの繰り返しに思えたんです。

この問題──「科学」あるいは「科学教育」はどういう意味で「有用」か、と言い換えられると思います──は、
僕も非常に興味があるところなんですが(だからこそ引用した)、
あまりに細部に拘泥することなく、もうちょっと引いた感じで
意見を交換させて頂きたいと思います。

取りあえずこんなところでご勘弁を。
Id: #b20010513121519  (reply, thread)
Date: Sun May 13 12:15:19 2001
Name: 玲奈
Subject: 「義務教育の科目として科学が高い位置にあることには反対」という意見を正当化できるほど科学は有益ではないのか

森山さんによる 『虹の解体』書評を読み、いくつか疑問がわいたのでこの場をお借りします。 まず後半の「もう一つ重要なこと」に関して。 「科学批評家サイモン・ジェンキンズの意見を引用したあとでこうコメント なさっています。

私自身、これとそっくりの答えを返されたことがある。私は十分に反論できなかった。 ドーキンスは、ジェンキンズの考え方は独特だからといって 「深くは追求しないことにする」と述べている。たぶんこれは「逃げ」だ。

ドーキンスの文章では、ジェンキンズの引用文に続けて、 「科学は有益ではない、というジェンキンズの考えは独特なので、深くは追求 しないことにする。」とあります。 私はこの箇所を読んだとき、くすりと笑ってしまったほどです。なぜなら 科学の恩恵に浴さずに日々を過ごすことは不可能なほどであることは小学生でも 知っていることだろうし、にもかかわらず「科学は有益でない」として 「義務教育の科目として科学が高い位置にあることには反対」(!)している ジェンキンズの考えがいかに「独特」であるか、 説明を要しないとドーキンスが考え、読者にもそれ(「深くは追求しない」 という言葉に込めた皮肉も含め)が伝わることを疑わなかったと思うからです。

それを「逃げ」だと解釈するのはそうとうに無理があるし、ドーキンスに対して 不公平すぎるような気がするのですが。 森山さんが前段で引用されている部分にも 「もちろん科学は利潤をもたらし、科学は役に立つ。 しかし、それが存在意義のすべてではない。」(p.22)と ドーキンスはあっさり書いています。それもわざわざ説明を加えなければならないほどに、自明ではないことなのですか?  「誤りを認めることに、こんなにも寛大になれる職業」(p.54)である 科学者の謙虚さと美徳とを、 サイエンスライターである森山さんも身につけておられるせいだろうかと、 私はいぶかしみます。 これが1冊の本の書評にとどまることであれば、受け流せばよい程度のことかも しれませんが…。

それから、「後半はちょっと余計だが」とは、 具体的に何章からで、またどういう理由で「ちょっと余計」 だと判断なさったのかも教えていただきたいです。 「高らかに演説しているよう」な序文と第一章はたしかに 「まったくそのとおりだ!と意を強くする人」 (なかにはいわゆる疑似科学を本物だと信奉している人も含まれている でしょう)にとっては心地よいものですが、続く章で、各分野にわたって 豊富な具体例とドーキンスの鮮やかな解説を読むことで、 序文と第一章の「演説」が、彼の批判する「偽りの詩」やグールド的レトリックと いったものと本当に異なるのかどうかを読者一人ひとりが吟味できるのでは ないのでしょうか。


Id: #b20010511132719  (reply, thread)
Date: Fri May 11 13:27:19 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010511123343
Name: たかつか
Subject: 訂正

「徐核卵細胞」は誤りで「除核卵細胞」です。m(_ _)m
Id: #b20010511123343  (reply, thread)
Date: Fri May 11 12:33:43 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010511093703
Name: たかつか
Subject: 本筋?

黒木さんの休憩の提案に反するのかもしれませんが、m(_ _)m
今回のSaint Barnabas医療センターの不妊治療のどこが問題なのか、
私見を書きます。私は、素人なので的はずれかもしれません。

今回の不妊治療は
受精卵がうまく成長できない場合に卵子に細胞質を注入する事で
出産が可能になった。生まれた子どものミトコンドリアの遺伝子を
調べると注入した細胞質のミトコンドリアの遺伝子を持っていた
という事だと思います。

受精卵がうまく成長できない場合(ミトコンドリアの機能不全が
原因として)の別の治療法として
受精卵から核を取り出して他の徐核卵細胞へ核移植を行う事が考
えられる様に思います。この場合も生まれた子どものトコンドリア
遺伝子は徐核卵細胞のミトコンドリア遺伝子を持ちます。

さて、この2番目の方法は
母親がミトコンドリア異常を持つ場合の子供への疾患の遺伝を
予防する方法として知られていますが、ミトコンドリアの遺伝子
の機能が良く理解できていないという理由で禁止されています。
(正確には学術審議会の平成10年7月の報告
に基づいて同年8月の文部省告示、当然大学等が対象、
これも
参考になると思います)

瀬名・太田著の「ミトコンドリアと生きる」角川ONEテーマ21を読んでも
ミトコンドリアに関する研究は発展期にあって良く分からない事も多いし、
病気との関係が強い事も示唆されている様です。

さて、私は、
ミトコンドリアの遺伝子が変わると言う観点から見たときに
「受精卵への細胞質注入」と「徐核卵細胞へ核移植」に差があると思えません。

従って、一方がミトコンドリアの遺伝子の機能が良く理解できていないと
いう理由で禁止されるのであれば、もう一方も禁止されるべきだと思います。

変でしたら、ご指摘下さい。

p.s.
浦田さん、ちょっと困りましたが、気分を害してはいません。
私の引用に仕方に問題があったのだろうと思います。

「注射でミトコンドリアを活性化」に関する学術論文の有無は
分かりません。ですが、「ミトコンドリアと老化」の研究は最近盛んに
行われていて色々な物質が試されている(注射するかどうかは知りませんが)
と思います。前述の「ミトコンドリアと生きる」にも老化の話(第7章)に
老化に関するミトコンドリアと活性酸素、酵素の関係が紹介されています。
200頁にはミトコンドリアの遺伝子を欠損させて短命になったマウスに活性
酸素を吸収無毒化する試薬を注射する話も載っています。

と言うことで、卵子のミトコンドリアを活性化する細胞質注入以外の方法
もあって良いのでは無いかと推測したのです。

こういう推測は荒唐無稽だと言われるのであれば、それ以上の根拠を述べる
力は無いです。本筋ともずれますし、争うつもりはありません。

後、今回の治療は単にミトコンドリアだけを注入するのでは無く、細胞質
を注入する事で酵素などの注入も考えているように感じました。根拠は
示せませんが(^_^;)


まっ、健康食品の宣伝に近いですが、
補酵素Q10
というのもあります。(^_^;)

Id: #b20010511093703  (reply, thread)
Date: Fri May 11 09:37:03 2001
URL: ura@basic,kpu-m.ac.jp
Name: 浦田
Subject: これでやめにします
黒木さんの掲示板を荒らしているような気になりますのでこれでやめにします。
今回の問題のテーマはあくまで、ヒトのgermline modificationの最初の例ということで、不妊治療ではないでしょう。
後者の件に関しは、いくつか論文を読む必要があるので週末にでもどこかにアップしておきます。

やまがたさん、僕は「ミトコンドリアの活性」はさかんになんか使ってませんよ。また「活性」と「活性化」を混同しないでください。
「活性」は酵素活性や電位などを指標にして測定できるものです。
「活性化」は細胞ないしはミトコンドリアに対して何らかの処置をした結果、「活性」が高まった状態をさします。
僕は「活性」は使いましたが、内容が不明な「活性化」は否定的な文脈でしか使っていません。

一般向けの啓発を否定する気はありませんが、不正確な記述は好きではありませんし、原典をたどれるようにするのが
必要だと思います。やまがたさんがJ. ダイアモンドの著書の邦訳で省略された参考文献の翻訳を「勝手に」した
のはそういう意図ではないのですか?

たかつかさん、大阪クリニックの書き方が気に障ったので、つい言い過ぎてしまいました。気分を害されたのでしたら謝ります。
僕に出来る範囲でちゃんと調べておきます。

Id: #b20010511034921  (reply, thread)
Date: Fri May 11 03:49:21 2001
Name: くろき げん
Subject: 小林泰三とグレッグ・イーガンの紹介

この辺でちょっと休憩しましょう。口直しに小林泰三とグレッグ・イーガンの紹介。関連の (もしくは無関連の) 面白い本があれば他の方も紹介して下さい。


1. 小林泰三

小林泰三について知りたい人はまず「コバヤシ星人の視点」について知るべきだろう:

「基本的に嘘はつかない」というコバヤシ星人の流儀は小林泰三の作品にそのまま表われているように見える。かっちりしたロジックとぐちょぐちょした気色悪さの同居、そして邪悪さを感じさせる人の悪さ。

以下はほんの一部の作品へのひとこと感想。ネタバレにならないようにええかげんに書きます。

小林泰三著『玩具修理者』 (角川ホラー文庫 H59-1) に所収の「酔歩する男」。

僕はグレッグ・イーガンの『順列都市』 (ハヤカワ文庫 SF1289, SF1290) のアイデアと比べると楽しめると思いました。

小林泰三著『人獣細工』 (角川ホラー文庫 H59-2) に所収の「人獣細工」。

落ち込んで元気がないとき、じめじめした気持ちの悪い夜に読むと良い。さわやかな気分になれること間違いなし。傑作。表紙の直後にある村上光延による綺麗な口絵もじっくり観賞すべし。とにかく気分を一新したい方におすすめ。うひひひひひひひ。

「人獣細工」は今ここで話題になっていることに一応関係あるかな。

だから、欧米の生命倫理の議論を読んで教養を深めるのも良いかも。例えば、『バイオエシックスの基礎――欧米の「生命倫理」論』という論文集が出ているので、一緒に読むと良いかもしれません。 (良い入門書を知らない。) 世の中には様々なことを考える人がいることがよくわかります。


2. グレッグ・イーガン

ここでは、グレッグ・イーガンの『順列都市』 (、山岸真訳、ハヤカワ文庫、 SF-1289、 SF-1290) のみを紹介。

『順列都市』の世界の法則の細部のぼかし方は絶妙なので真面目に考え出すと悩むこと間違いなし。何度読んでもよくわからない。その世界では最終的に「個人もしくは複数の主観がその世界の“物理法則”に影響を与えてしまうこと」が導かれてしまうのだ。

その出発点として「あらゆる順列組み合わせから主観が何かを読み取ることによって世界が構成され、逆に主観の働きもその世界の法則に束縛されている」という理論が実際に成立している世界では必然的にどのようなことが起きるのかというアイデアがあります。

そういう世界では主観の働きが世界の“物理法則”に影響してしまうので、自分たちと別のより強力な主観を持つ存在が世界に登場すると、その世界の“物理法則”自体が変化してしまわなければいけないということになる。

実際、下巻の204頁で以下のような会話が行なわれることになります:

 マリアはあっけにとられた。「それはまるで……VR環境が、その内部の整合性を守るために、現実世界の物理法則を変更できるといっているようなものよ。VR環境に何千人という〈コピー〉がいても、地球ではそんなことは決して起きなかった」

「そのとおりですが――どちらが現実世界に近いでしょうね、エリュシオンとオートヴァースでは」ダラムは、皮肉のかけらもない笑い声をあげた。

(グレッグ・イーガン著『順列都市』下巻204頁より)

「主観が世界を読み取る」という側面を強調すれば他にも色々な小説がありますよね。例えば、上で述べように、小林泰三著『玩具修理者』 (角川ホラー文庫 H59-1) に所収の「酔歩する男」のアイデアと比べてみると面白いかも。


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Id: #b20010511010707  (reply, thread)
Date: Fri May 11 01:07:07 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510213655
Name: やまがた
Subject: うむぅ。

 でも浦田さんご自身も「ミトコンドリアの活性」としきりに使っているじゃないですか。 だから別にそれだけで疑似科学的とは思いませんが。

 それにべつにたかつかさんは浦田さんの書き込みを否定しているわけでもなんでもなくて、関係ありそうだな、 ということで示しているだけですよ。通俗的な解説にはそれなりの役割があるわけで、それを 参照しただけで否定されるべきものじゃないです。その通俗解説がまちがっているならば、 そのまちがいは指摘すべきですし、それが今回の話題にまったく関係ないというのであれば 即却下していいでしょうが、別に今回のたかつかさんがひっぱってきたものは、 そういう性質のものじゃないでしょう。


Id: #b20010510213655  (reply, thread)
Date: Thu May 10 21:36:55 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510210805
Name: 浦田
Subject: ミトコンドリア活性法
たかつかさん、僕は別に気を悪くしているわけではありません。
ただ僕には「ミトコンドリアを活性化」するなんて言い方は疑似科学的な匂いがするんですよね。
「ミトコンドリア活性」と言った場合、何を指標にしているんでしょうね?
僕の知識が乏しいせいでしょうが、「注射でミトコンドリアを活性化」するなんて何を意味するのかわかりません。
ミトコンドリアを「細胞」や「生体」に置き換えてみたら、健康食品のコピーみたいじゃありませんか?

証拠 (evidence) のない話は医療機関のHPだろうが、所詮与太話と割り切って、眉に唾して読むべきものだと思っています。

僕は原著を示しました。ここの掲示板は対等の土俵で話すところがよいところだと思いますので、たかつかさんも科学的根拠を示して下さい。

Id: #b20010510210805  (reply, thread)
Date: Thu May 10 21:08:05 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510200747
Name: たかつか
Subject: ミトコンドリア活性法?

浦田さん、こんにちは。気を悪くされたのかな?

ミトコンドリア活性法というのは、Webを検索すると他でも
見られます。不妊治療では注目されている治療法かな?と
思って書きました。

要は、(人工授精した)受精卵がうまく成長できなくい場合に
ミトコンドリアを活性にすると良いと言う話ですよね。

今回の話は「活性にする方法」として、他の卵子から細胞質を
注入し、3つの遺伝子を持つ子供が生まれ、大騒ぎになった
のだと思います。

他の方法でミトコンドリアを活性にできれば、どうでしょうか?
ミトコンドリア活性法は「他者の細胞質注入に限る」と書いて
いなかった様に感じたのですが、勘違いでしょうか?

その場合も結果オーライかもしれませんが、マッドサイエスと
呼ばれたでしょうか?

医学の方には申し訳ないのですが、医療は結果が全てで「結果
オーライ」の場合もある様な気がします。

Saint BarnabasのQ&Aが原論文の著者が所属している機関で
あることは知っています。でも、WebのQ&Aは一般の人(この
場合は不妊治療を受けたい人)に見せるために作られている訳
なので、どういう説明をしているのか知るために紹介する意味は
あると思ったのですが・・・・

専門の方には、質の悪い2次情報でしたねm(_ _)m

Id: #b20010510200747  (reply, thread)
Date: Thu May 10 20:07:47 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510195157
Name: 浦田
Subject: ミトコンドリア活性法?
たかつかさん、
彼らの方法によって生まれた子供はもう4才くらいになっているはずですから、大阪クリニックの記事は単に引用でしょう。
余り専門性のあるHPでは無いと思うから、一般向けにわかりやすく書いているだけだと思います。

また、Saint Barnabas医療センターのQ&Aを引用されていますが、
問題の論文はSaint Barnabas医療センターからのものだから、一緒のことでしょう。

#私は生殖医学も産婦人科も専門外です。でも、彼らの治療は結果オーライのマッドサイエンティストに近いと思うなあ。


Id: #b20010510195157  (reply, thread)
Date: Thu May 10 19:51:57 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510172456
Name: たかつか
Subject: ミトコンドリア活性法じゃないの?

専門家の話に口を挟む力は無いのですが、不妊治療法にミトコンドリア活性法というのがあります。この一種の様な気がするのですが。




ミトコンドリア活性法
最近、ミトコンドリアの役目が注目を浴びています。卵子は一個の細胞です。細胞は核と細胞質からなっています。細胞質の方にはエネルギーの源になるミトコンドリアがあって、加齢などでミトコンドリアが働きにくくなると、細胞の分裂は途中で止まってしまい妊娠しません。そこで、他のイキの良い卵子からミトコンドリアをもらってくる方法や注射によってミトコンドリアを活性化する方法が考案されています。


あと、The Institute of Reproductive Medicine and Science of Saint BarnabasのQ&Aも参考になる様に思います。




Id: #b20010510172456  (reply, thread)
Date: Thu May 10 17:24:56 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510095718
Name: 浦田
Subject: Re:基本的疑問
原著にあたってみました。Human Reproductionの3月のarticleです。
Barritt, JA et al: Mitochonria in human offspring derived from ooplastic transplantation. Human Reproduction, vol 16, p 513-516, 2001
オンライン・ジャーナルでは、
http://humrep.oupjournals.org/cgi/content/full/16/3/513

基本的には、何回も人工受精を試みてうまくいかなかった女性を対象としています。
で、なぜうまくいかないのか?に関する答えはすっきりとはしません。
著者らは、おそらく受精に必要なATPの量が不十分であるためだろうと考えているようですが、"potentially beneficial components" とか
"unknown cytoplasmic pathology"などとぼかして書いてあるように結論は出ていないようです。

ミトコンドリアの話は論文では、ドナーのミトコンドリアDNAが成長した子供の細胞に証明できたということ、
即ちヒトの胚細胞での遺伝的な変更を行った最初の例になった事を示すためで、原因論的な結論を出しているわけではありません。
しかし、ATPの大部分はミトコンドリアで作られますし、同誌の5月号には加齢と共にミトコンドリアの活性が低下するという報告もありますから
ミトコンドリアの活性低下→ATPの不足→不妊症、という道筋の可能性はあると思います。

Id: #b20010510132959  (reply, thread)
Date: Thu May 10 13:29:59 2001
In-Reply-To: b0031.html#b20010510095718
Name: EV / 細馬
んー、じつは勢いづいてあれこれ書いたものの、ぼくも
そこんとこよくわかってないんです。情報求む。
近くの書店にないのでまだ読んでない「ミトコンドリアと生きる」(未読)には
書いてないんでしょうか。既読者は?

Id: #b20010510095718  (reply, thread)
Date: Thu May 10 09:57:18 2001
Name:
Subject: 基本的疑問

今さら疑問に思うのは遅いんですが、なんで卵子ミトコンドリアのせいで不妊だったの?
卵母細胞から一番優秀なのが卵子になるのに、それで不妊だったってことは毎回作られる卵子が全部ダメなわけで、本人が出産できるほど元気で、卵巣が正常に活動してるのは何故だ?
てなわけで、NEWS自体が信用できんな〜。
Id: #b20010509175532  (reply, thread)
Date: Wed May 09 17:55:32 2001
In-Reply-To: b0030.html#b20010508004257
Name: たかはた よしひろ
Subject: 科研費の規制?

はじめまして,では実はないのですが,まともな書き込みはたぶん初めてです.
たかはた と申します.
某独立行政法人で木の病気の研究をしています.
理科教育メーリングリスト科学メーリングリストで「高畑義啓」で過去記事を検索していただくと私がどういう者であるのかわかるかと思います.
日本の科学技術行政に詳しいわけではありませんが,七尾さんの問題提起(規制云々という部分に限る)に疑問があるので出てきました.ちょっと揚げ足取りぽいかもしれませんが…


生命倫理に関わる研究(クローン、生命操作技術)、社会にインパクトを与える
可能性のある研究を何らかの形で規制しようとする場合、
次のどちらの方法が有用でしょうか?
1)法律を作って「〜研究は禁止」として適宜規制して行く(EX、クローン法)
2)研究アセスメント・ボードを、科研費配分の上層部において、
細かく個別研究上・研究所のチェックをして、研究助成を減らしていく

その是非はともかく,現実に有効な手段は1)しかないのでは.
科研費をいじるだけで日本の研究をコントロールできるなんてことは全くありえないでしょう.
日本で研究をおこなっているのは大学だけではありません.国立・公立研究機関,独立行政法人,特殊法人(ex. 理化学研究所)などいろいろあります.また,とくに,七尾さんが例示されたクローニングや「生命操作技術」は,今後(あるいは今でも)民間での技術開発も盛んになっていくと思います.
ですから,科研費をどうこうするだけでは効果は薄いように思います.

あ,ここでいう「科研費」ってのは文部科学省の科学研究費補助金のことですよね?
それとも科学研究費一般のことでしょうか.しかし,民間の研究費を含めてコントロールする「研究アセスメント・ボード」を設置することはそうとう難しいですし,弊害もあまりに大きいと思いますが.

これは余談かもしれませんが,もう一つ気になるのは,日本国内での研究を規制するだけで意味があるのかな,ということです.
なぜある種の研究を規制しようと考えるのか? その理由が倫理的問題にかぎらず,産業的な応用をみたときの悪影響を問題視するからでもあれば,国内での研究に対する規制だけでは効果が薄いでしょう.日本の企業もけっこう海外の大学や研究所に研究費を出しているはずですが,そこで開発された技術を持ち込まれたら国内規制は全く意味がありませんね.
税金天国と呼ばれる国があって「節税」対策に利用されているように,倫理的な問題をはらむような研究に対する規制を緩めて研究所を誘致しよう,その成果の産業的応用も国内でやってもらって税収を上げよう,そんな政策をとる国が出てくる可能性もないとは言えないのでは.

とはいえ,だから日本国内での研究は「野放し」でかまわないとか,科研費の段階で制限を加えるのがまったくの無駄だ,などとは申しませんが.


2)は、イギリス・欧州式ですが、これを日本で実施する場合、
様々な制度的問題点があると思います。それはおいておいて、
理系研究者は2)のようなシステムを実際に導入しようという動きが出たら、
やはり一斉に反対するでしょうか。しないでしょうか。

んー.黒木さんの書かれたことと重複しますが.
これまで「理系研究者」が「一斉に」なにかしたことってあるのでしょうか?
「多くの○○学者」が反対を表明したり,「××学会」が反対したりしたことはあるでしょうが,「理系研究者たち」が集団としての意志があるかのようにふるまうことはまずないのでは? そのための意思決定機関というのもありませんしね.たとえば最近問題になっている学力低下問題でも,意思表明をしていない「理系」団体の方がずっと数が多いと思いますよ.
社会的な影響が懸念される研究に関わる研究者たちに限っても,彼/彼女たちが一枚岩であるなんてことはないはずで,それは原水爆や原子炉の研究でもそうだったのでは.


Id: #b20010509135659  (reply, thread)
Date: Wed May 09 13:56:59 2001
In-Reply-To: b0030.html#b20010509034717
Name: たかつか
Subject: 不妊治療と生殖技術

哲学??に興味を持っている、金属メーカーの技術者のたかつかです。

加藤尚武の本は何冊か読みましたが理解できていないので、的外れ
かもしれませんが、ちょっとだけ。

今回の問題は「細胞質移植が「やばいこと」」かどうかではなく。
「生殖技術を用いて子供を作る」事で、遺伝情報を付加して良いか
と言うことだと思います。

「生命倫理」だと医療は
「治療:健康体に戻る」と「人為的な機能回復」に分かれるのだと
思います。

「人為的な機能回復」には、心臓ペースメーカー、義手義足、補聴器
や眼鏡の利用なども含まれます。これらの使用を問題視される方はい
ないと思いますが、「生命維持装置」や「ドーピング」になるとどう
でしょうか?私は、何らかの規制、ルールが必要ではないかと思います。

今回の「不妊治療」は、「人為的な機能回復」であって
「不妊治療」のため「生殖技術を用いて子供を作る」場合に意図的で
は無くとも「遺伝情報を人為的に変えた子供」を作ってしまった。

これを簡単に、「良い事だ」「進歩だ」と認めることで
「不妊治療」では「遺伝情報を人為的に変えた子供」を「生殖技術を
用いて」作って良い、となると困るし、

「理由があれば」「遺伝情報を人為的に変えた子供」を「生殖技術を
用いて」作って良い、となるともっと困る。
現に人工授精では、「不妊治療」という枠が外れそうです。

今回の騒動は
いわば、ドミノ倒しの最初のコマを倒して良いのかと言う問題と、
途中のどこにストッパーを入れなければならないかと言う問題を議論
する事なしに予想外のドミノが倒れて大騒ぎになっているように思い
ます。




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管理者: 黒木 玄  <kuroki@math.tohoku.ac.jp>  (Web Site)
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