なんでも2HTMLの書き方使用上の注意リンク集ホーム

黒木のなんでも掲示板 (0025)

記事を書く時刻順スレッド検索過去ログ最近の記事

各記事の Id ヘッダー行の # から始まる文字列をクリックすると、その記事自身にジャンプします。その記事自身の URL を知りたい場合に利用して下さい。さらに、括弧の中の reply をクリックするとその記事に返事を書くことができ、 thread をクリックするとその記事を中心としたスレッド形式の目次を見ることができます。

Id: #a19981104230145  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 23:01:45 1998
Name: 竹内 元彦
Subject: いわずもがな

理系でも文系でもない美術系人間です。たとい内容が理解できなくてもここを訪れ、 雑談が探求へと発展してゆく生きた思考の火花を心の糧としている一納税者です。

オ−ソライズされていようがいまいが、こういう所こそ「開かれた大学」の理想形ではないかなあ。
それに、堂々とWWW上に乗っかっているファイルがなぜ「こっそり」と呼ばれなきゃいけないのかも分かりません。 巨悪はこんな目につくところで活動したりしませんよ。大学において税金ドロボーの追及を受けるべき例としては、 特定の電機メーカーからリベート貰って要りもしないマシンを大量に導入させてしまう教育機器担当の教授とか、 研究費で使いもしない趣味のカメラを幾つもコレクションしてる教授とか。そういうのから責めるのが筋では。
ここは寧ろ学閥などを越境した交流を可能にすることで、マクロな視点で時田さんのおっしゃるように節税の役目を果たしていると思います。

個人的な事を付け加えると、「あの時もっと勉強しておけばよかった…」と日々焦燥感に駆られ、 モノトナスで知的刺激に乏しい、食うための日常を生き続けている私のような一般庶民にとって、 インターネットを利用したこういう場は、古くは英国のコーヒーハウスに始まる社会教育、 生涯教育のあり方を具現されているものとして非常に重要なものなのです。 即ち「いつでも、どこでも、だれでも、なんでも、だれからでも」学ぶことの出来る開放型システムということです。
物理学者のロバート・ボイルだって、ナントカの法則を色々発見すると同時に、自然科学の普及を目指す 「見えない大学」に心をくだいていたではないですか。
今後、そういう活動が各機関で正式にオーソライズされてゆく場合の手本をこの掲示板は提供しています。 そしてこういう教育の機会を求めている一般人の立場もご一考ください。井口さん。

さて、本題。

> 北方ルネサンスから射影幾何そして多重線形交代写像なんて流れもあるのかな?

射影幾何はまず、ブルネレスキを筆頭とするイタリア建築家達のプレゼンイメージ作成、および、絵画が建築の内壁に直接描かれていた時代、描かれたヴァーチャル空間と実際の空間の見かけの一致という要請から実用化され、それをイタリア留学してたデューラー達が北方に持ち帰ったという流れが通常の美術史上の理解です。
したがって急に立体が立体ぽく見えてきたのは建築の急激な発展が原動力と私は思っていますが、もしもそれ以外の道がありうるとすると面白くなりますね。
Id: #a19981104221805  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 22:18:05 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104120102
Name: 米澤 直記
Subject: reload

HTTPのこと、ちゃんとはわかってませんが。
以前、田崎さんが「菊池さんとこでは自動的にreloadされる」とおっしゃってましたが、これは菊池さんとこのサーバがlast modifiedの値をくれないからではないでしょうか。Netscape NavigatorでView: Document Infoを見るとUnknownになっています。記事を書く書かないにかかわらず、読むたびに阪大にアクセスしに行っているようです。(Backで戻ったときには、この限りではない)

たしか稲葉さんのところは菊池さんのスクリプトを利用していたと思いますが、こちらはlast modifiedが返ってきます。というわけで、この差は、サーバの種類、あるいは設定から来てるんでしょうね。

で、ここはどうかというとlast modifiedを返しますね。


Id: #a19981104192127  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 19:21:27 1998
Name: 平間伸治
Subject: なにをそんなにこだわっているのでしょうか?

野次馬&井口さん なぜ、そこまで税金にこだわっておられるのでしょうか。 専用線接続の場合、電話代は関係ありませんし、 黒木さんが、この掲示板を撤去したとしても かかる税金のコストの違いはゼロに等しいのではないでしょうか。 黒木さんのやってることが気にくわない本当の理由を 教えて下さい。
Id: #a19981104184426  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 18:44:26 1998
URL: watanabe@tohoku.ac.jp
Name: わたなべ
Subject: 投稿してすぐ見えるようにする方法
掲示板の HTML のヘッダに

  <META HTTP-EQUIV="Pragma" CONTENT="no-cache">

と入れておけば、キャッシュが無効になって、reload を押さなくとも
すぐに表示されるようになるかも。(本当かな?)

ただ、キャッシュされてた方が良い場合もあるだろうし、あまりやり
たくはないでしょうね。

Id: #a19981104151350  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 15:13:50 1998
Name: 野次馬
Subject: 黒木くん

「私自身の数学者としての経歴には決して役に立たないこのような活動に、自分
自身の才能を儀牲にして、これだけのコストをどうして私自身が払う気になれる
かについて説明したい」 と言うのは、ちょっと自意識過剰なのじゃないのかね。

要するに単に君の趣味でやっているのだろう? それとも、大学あるいは学部の活
動として正式にオ−ソライズされているのかな。 無理に税金使って「才能を犠牲
に」する必要は無いと思うが....
Id: #a19981104150339  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 15:03:39 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104143727
Name: 田崎
Subject: 漱石

普遍性を最終目標とするなら、 「いかにして(あるいは、なぜ)個別の研究(体験)から普遍性に至ることができるのか?」 という根本的な問題が生じます。 これは、漱石の根本的なテーマの一つなのではと、ぼくは勝手に思っています。 (全集を二回通して読みました。 解説の類は一つも読んでいません。)
Id: #a19981104143727  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 14:37:27 1998
Name: 時田 節
Subject: 網の目の構造

おもいつきで恐縮ですが、『普遍』といわれると、多重線形交代写像で、このダイアグラムは可換なんてのに、Universalがとっついているのをまず思いついてしまう。
『内在』も座標によらない、幾何の深いところに考察が届いたといった感じ。
そして、急にぶっとんで、なんで日本の社会って(学生の普段の会話など)身辺のことばかりで、もっと普遍的なことを考えないのかな〜となったり。
数学で普遍がついてる定理は、学習者からすると、抽象的な御本尊が先にボンとあって、具体的な例に出会いながら、ああ、あれを充たしてると、田崎さんのいう網の目の構造のスチューデント版が段々と拡がっていくように勉強するのかな?
で、ほんとに思いつきばかり並べると、『「宿っていた」ものを、理性の力で見いだした』は漱石の夢十夜を連想させますね?それから、『それぞれの歴史的局面に応じて、人類に「見えている」世界の範囲は変わっていく。』は絵画の歴史がまさにそうなのでは?ルネッサンスから急に立体が立体ぽく見えてきたり。
北方ルネサンスから射影幾何そして多重線形交代写像なんて流れもあるのかな?
それと左巻さんの『ある調査によると30代以下の理科教員は新しい科学論派が多数だって。』ですが、網の目の構造のスチューデント版を拡げるような勉強というか頭の使い方を全然したことのない、3流予備校の名辞暗記教育が教育と考えている教師がどんどん増えているというか、恐ろしいことです。
Id: #a19981104143004  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 14:30:04 1998
Name: クララ
Subject: ごめんなさい!ブタネコさんですよね(涙)
ごめんなさい!ほんとごめんなさい!
ウミネコじゃなくて、ブタネコさんですよね・・・
あたし、ほんと馬鹿なんですよ(涙)

ウミネコって、クラ族のトップ責任者なんですよね^−^;

ウミネコとブタネコさん・・・

(??)


昔、何度も寺舘さんのこと「てらだち」さんと間違えちゃって(他のBBSネタ)途中から「てらっち」とハンドルで読み逃げしちゃった。

ブタネコさん。ごめんねっ

お背中流しましょうか?(爆)

Id: #a19981104142554  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 14:25:54 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104115739
Name: 尼;クララ
Subject: わーい、ウミネコさんだ(^^)
わーい。ウミネコさんだ〜!
こんちー。
チゲ鍋食べてる?クララだよ。
聖女クララですか・・・
#政府が泥棒しているのは環境という外部経済価値と、弧状列島#にくらす人の充溢した生活時間
ほえー。なるほど。

で、げんちゃんへ。
クララはいつもWIN、IE3.0だよ(^^;

改行積極的に改行ですか・・

☆
ク
ラ
ラ
☆

Id: #a19981104142244  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 14:22:44 1998
Reply-To: a0025.html#a19981103115548
Name: 菊池誠
Subject: 「川渡セミナー」

懐かしいな。あれは僕の一年下の連中が始めたんじゃなかったかな(記憶 あいまい)。僕は第一回から参加したような記憶があります。 最初は物理だけだった。そうね、専門馬鹿にならないための努力を 学生自身がしていたよね。
Id: #a19981104132331  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 13:23:31 1998
Name: 野次馬
Subject: 黒木くん

「私自身の数学者としての経歴には決して役に立たないこのような活動に、自分 自身の才能を儀牲にして、これだけのコストをどうして私自身が払う気になれる かについて説明したい」 と言うのは、ちょっと自意識過剰なのじゃないのかね。要するに単に君の趣味で やっているのだろう? それとも、大学あるいは学部の活動として正式にオ−ソ ライズされているのかな。 無理に税金使って「才能を犠牲に」する必要は無いと思うが..
Id: #a19981104124239  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 12:42:39 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104115739
Name: くろき げん
Subject: 数式処理バトル

ブタネコさんの言う通り、 Maple に無茶苦茶詳しい示野さんは私と同業者です(表現論という分野)。 6月に岡山理科大に行ったときには大変お世話になり、楽しいときを過すことができました。示野さんが書いた Maple 解説本ももらってしまったのだ。


Id: #a19981104123416  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 12:34:16 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104052039
Name: くろき げん
Subject: はじめまして、伊勢田さん

はじめまして、伊勢田さん。しばらく前に Arthur Fine 著の "The Shaky Game" の邦訳『シェイキーゲーム』(丸善株式会社、町田茂訳、アインシュタインと量子力学の関係にまつわる幾つかの伝説を破壊した本)を買ったときに、ウェブ上で伊勢田さんの論文を発見し、ブックマークスに登録してあったのでした。 (しかし、正直に言って、 Fine の natural ontological attitude = NOA の正確な定義がどういうものなのかわからないのだ。) その伊勢田さんが書き込んで下さって、私は驚き、嬉しく感じております。

見付けたウェブサイトはリンク集に積極的に登録するようにしています。伊勢田さんのウェブサイト掲示者リスト「あ」の項目に追加しておきました。

伊勢田さん、今後もよろしく。


Id: #a19981104120102  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 12:01:02 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104110715
Name: くろき げん
Subject: 2つ目を削除して、改行を入れておきました > クララへ

2つ目の方を削除しておきました。ううむ、なんでかなあ。なぜ、この掲示板システムとクララの相性が悪いのか?

まず、改行の問題。プレビューのときにクララの画面では横長になってないのでしょうか? (勝手に改行を入れておきました。) 改行を積極的に入れませう。>クララ

次にこちらの方がより大きな不都合だと思うのですが、投稿した記事が見えないという問題について。記事の投稿後に、

掲示板を読みに戻っても、投稿したはずの記事が見付からない場合は、リロード (Reload) すれば見えるようになります。これは少々不便な点ではありますが、御了承お願い致します。

という注意が表示されるようになっているんだけど、これじゃあ不十分なのかなあ…。IE だと知らないけど、 Netscape Communicator (もしくは Navigator)なら、シフトキーを押しながらリロードのボタンを押せば、強制的にリロードすることができます。 IE だとどうすれば良いんだ?

Java Scriptなんかを使わずに指定されたページにジャンプして、ジャンプ先のページを強制的にリロードさせることって、できるんでしたっけ? 暇があったら調べてみるかな。


Id: #a19981104115739  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 11:57:39 1998
Name: ブタネコ
Subject: 示野さん

聖女クララいわく、
『税金泥棒というのは、政府じゃないですか。これでいいのか、この日本。』
日本経済はおおざっぱに、5-5-5体制というか、石油換算で5億tを燃やして、500兆のGNPで50兆の政府予算。その50兆がどんな文化を作るかですね?政府が泥棒しているのは環境という外部経済価値と、弧状列島にくらす人の充溢した生活時間かな〜?

数式処理バトルファンの知人が岡山理大の示野さんのサイトが面白いとメールをくれた。 http://www.xmath.ous.ac.jp/~shimeno/battle/ifactor.html 黒木さんの同業者?『数学』での書評を丁寧にメンテされたり。地味だけど役にたつサイトも段々増えているな〜。
Id: #a19981104112344  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 11:23:44 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104052039
Name: 田崎 晴明
Subject: Underdetermination Thesis をめぐって(取りあえずのレスポンス)

伊勢田さん、

私の投稿( その1その2)と 拙文に目を通していただいて、光栄です。 実は、こういうレスポンスをこそ期待していたので、とてもうれしいです。

Maryland には、ぼくの親戚(みんなアメリカ人)がたくさん住んでいて、ぼくにとってはとても親しい土地です。 ぼくの従姉妹の一人(日本人の血が半分。見た目はもろにアメリカ娘。でも、精神性は不思議と日本的。)と彼女の husband は University of Maryland に行ってました。 University of Maryland は、物理の分野では、ここ20年くらいで急激にレベルが上がって東海岸の有力な大学の一つになっていると思います。


さて、伊勢田さんがおっしゃることは、一応理解しているつもりです。 当然、ぼく自身も割り切れず悩んでいる部分はありますから。 (あの文章を書くときはそういうところはばっさり落として書いたわけです。) 本当は、じっくりと時間をかけて深いレスポンスをすべきだと思うのですが、色々と時間を割きたいことや割かなくてはいけないことがあるので、ここでは、今ぼくの手持ちにある考えだけで対応できる部分について、急いで簡単に解答させて下さい。 (時間をかけてより深い解答ができるかどうかは、わかりません。 一生考え続けるようなことですから。 あと、おわかりだと思いますが、伊勢田さんだけに解答するなら明らかに冗長すぎる返答になっています。 伊勢田さん以外の方もこれを読まれるだろうという思い上がりのために、こういうスタイルを取っているわけです。 どこにも明文化されたルールはありませんが、みんながこういうスタイルを自然に選択することで、黒木掲示板はとても魅力的な知的交流の場になっていると思いますし、将来的には、知的生産の場にもなり得ると信じています。
まず、簡単なところ。
「普遍的な構造」が 徐々に広がるというイメージがわたしにはよく理解できないのですが。 ある構造が「普遍的」であるならば、その構造はあらゆる場所において 一辺に成立しているはずで、・・・
すみませんでした。 完璧に文章が悪くて誤解を与えてしまいました。 もちろん、普遍的な構造や法則は、我々の信じる限り宇宙のあらゆる場所、時間に権現できます。

現実の空間や地理の中を普遍的な構造の網の目が「広がっていく」というつもりではありませんでした。 様々な普遍的、普遍的でない構造や法則や出来事などなどから成るわけのわからない抽象的な空間の中を広がっていくという極めて独りよがりな感覚を表した言い方でした。

しかも、 そういう抽象的な空間を定義しよう積極的に主張しているわけでもありません。 ある時点で人類が認識していた網の目の構造と、後になって人類が認識している網の目の構造では、後者の方が何らかの意味で「大きく」なっている。 そういう先入観で過去の歴史を見れば、網の目が徐々に「広がって」きたように見えるという程度のことです。


次が本質です。
Underdetermination Thesis というのがあります(デュエム=ク ワイン テーゼという名前の方がよく知られて いるか)。これによれば、どんなに大量の実験・観察を重ねても、 常に複数の互いに相 矛盾するモデルがその観察と一致する、ということになっています。
ええと、ちょっと感じの悪い言い方かもしれませんが、こういう問題点は昔から知っていました。 物理を始めようと思った学生時代に色々考えているときに、素朴な実証主義にはそういう難点があるということは自分で気が付いていて、ずっと後になって the Duhem-Quine thesis という名前がついていることを知りました。 (もちろん似たような話をどこかで小耳に挟んだのかもしれませんが、そういう問題点を自然に認識している科学ファンは少なくないと思っています。 しかし、超無反省な実証主義を微塵も疑わないプロの物理学者が少なくないというのも、事実です。)

ぼくが、しきりに「普遍的な構造」とか「宿っていたものを見いだす」とか言うのも、素朴な実証主義ではダメだという強い思いがあるからです。

たとえば、地上での物体の運動について、数限りない実験を繰り返し、そのデータを整理して「落体運動大全」という本にしたとする。(やたら分厚くなるけれど。思考実験なので出来たことにして下さい。) 実質的には、どんな初期条件で物体を投げても、この「大全」を調べれば、その後の運動が予見できるようになる。 これで、人類は落体の運動について、定量的厳密性と完璧な予言能力を手に入れたことになるけれど、これは明らかに Newton 力学とは違う。 (ごく表層的に見ても、Newton 力学は、膨大な実験の結果を実質的にはたった一つの微分方程式に帰着したという「経済性」を持っている。)

では、この「大全」をじいいっと見ていれば、自然に、必然的に Newton 力学が浮かび上がってくるのか? ぼくは、全然そうではないと信じている。 「大全」と Newton 力学の間には、いわば無限のギャップがある。 答えを知ってしまった今となっては、ごく自然で当然の答えだという印象を持ってしまうが、答えを知る前、いや、答えがあるという事実を知る前に、こういった方向の答えを模索して見いだすというのは信じがたい頭脳の営みだと思う。 へんな言い方だけれど、それは論理的な思考ではない。 滅茶苦茶軽い言い方になってしまって Newton に失礼千万だけれど、なにか、ピカーンと閃くというか、霊感に打たれるというか、ある日突如 UFO がやってきて教えてくれる(最後の表現は友人を通して聞いた山本義隆さんの名言(引用は不正確))というか、おおよそ説明不可能な論理的飛躍があってこそ、Newton 力学のような「普遍的な構造」は見いだされるのだと信じている。

Underdetermination Thesis は、そうやってみつけたつもりになった「構造」が本物だってどうしてわかるんだと問う。 それは、すぐにはわからない。 出来上がったものがどの程度「普遍的な構造」らしいかという事を、もっとも厳しく懐疑的な実験と、徹底的な理論的考察と、数学的理論的な美学から検証するしかない。 さらに、「普遍的な構造の網の目」という発想のある今日では、他の様々な普遍的な構造との論理的関係に着目することで、新しい「普遍的な構造」の候補の信憑性をある程度はかることもできる。

ここで、どうしても強調しておきたいのは、「普遍的な構造」の特徴として、「観測された事実と整合する」という実証的側面はもちろん極めて大切だが、実は、「観測されていない、あるいは、不可知の要素に影響を受けない」という安定性、自立性も猛烈に大切だということ。 このあたりの認識は、一般に乏しい。 単に既存データと整合する理論を捜すという基準では無数に解が出てくる場合でも、このような自立性を課せばぐっと解がせばまる、あるいは、互いの矛盾は生じなくなる可能性は高い。 (ちゃんと考える必要はあるけれど、Underdetermination Thesis のあるバージョンへの反論も可能かも知れない。)

ちょっと単純すぎて、Underdetermination Thesis を矮小化してしまう危険のある例だけれど、万有引力の逆二乗則にしても、距離のべきがなぜ整数の 2 と断定できるのか、1.9999999999 であっても実験と矛盾はないではないかという議論が常にある。 実際、実験の精度をいくら上げても 2 という断定はできまないし、実は精度を上げると一般相対論の効果が現れて Newton 重力の検証という意味はなくなってしまう。 それでも、Newton 重力という普遍的な構造は逆二乗則で表されるべきだというのは、対応する数学的構造が美しく簡潔であるという信仰から来ていると思う。

こう言うと「社会的要因などが選択に絡んでくる」という主張そのものだと言われそうだけれど、それは確かに、そういう風に見れば、そうだろう。 極端な話「論理的な方がいい」という信念も社会的な通念の一つに過ぎないわけで、社会的な要素が排除されていることなどはあり得ない。 ただ、誤解(ないしは曲解)があると思われるのは、たとえば相対論が生まれたことを、「単に社会的通念が Newton 力学の頃とは変わったので、それに応じて違う物理を作りやがった」という雰囲気の議論があること。 この前の書き込みでも強調したように、相対論は Newton 力学を否定するものではなく、Newton 力学が見いだされる契機となったのとは、異なった側面から世界を一生懸命見ることによって見いだされたと思うべきなのだ。

それぞれの歴史的局面に応じて、人類に「見えている」世界の範囲は変わっていく。 それに応じて、最良の「普遍的な構造の網の目」による把握を行おうとするのが、理想的な基礎科学の営みだと思う。 その過程では、勇み足もあるだろうし、誤認もあるだろうけれど、試行錯誤を続けながら、少しずつ、「網の目」をより優れたものにする努力を続けているのだと信じたい。


ついでに、ちょっといい加減な話。

Underdetermination Thesis の解釈として、

まともな理論と屑理論が混ざって出てきたとして、どうやってまともな理論だけを残すんじゃい?
という標準的なものの他に、やや、自分勝手だけれど、
同じ一連の現象でも、異なった普遍的な構造を反映している可能性はある。そういうとき、科学者はどの普遍的な構造が選ぶのだろうか?
とか、
非常に明確な普遍的な構造に『近い』諸現象を探っていれば、おそらくは、普遍的な構造を認識することは可能だろうが、明確な普遍的な構造から『外れた』ところで実験データが蓄積されていったとき、科学者は『自分たちは分の悪いところにいるぞ』と自ら認識できるのだろうか、それとも、無理矢理、理論を自然に『おしつける』ことになるのだろうか?
などというのは無茶かな? (二つ目のは、菊地さんの書き込みへの反論(ま、お約束ですが)にもつながります。それは、また、今度。) こういうのは、極めて重要な科学の社会学、科学の哲学の重要なテーマだと、ぼくなんかは勝手に思っているのだけれど。
長い割には、練りの甘い文章になってしまって、反省中。 書こうと思っていて、書き損なったこともあるかも。 しかし、これ以上時間はかけられないので、この形で投稿させてもらいます。 楽観主義の科学馬鹿の言うことなので、伊勢田さんのような方に鋭く批判していただくと、本当にうれしいのです。

P.S. 「熱力学入門」は、前半の version 0.9 が完成。 後半もかなり進んできた。 特に、Gibbs の自由エネルギー、エンタルピー、多成分系の扱いの方針が定まったので、気が楽になった。 渡辺さんとの個人メールによる議論がとても有益でした。 この場でも感謝します。


Id: #a19981104110715  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 11:07:15 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104110517
Name: クララ
Subject: クララさんへ

とりあえず、保存しておいてよかったですね。。。 じゃなくてちゃんとアップされてますよ! ほんとにあなたアホ! みなさん、、、ごめんなさい・・・(涙) げんちゃん、一個削除できますか?
Id: #a19981104105737  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 10:57:37 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104100523
URL: froggy@remus.dti.ne.jp
Name: ジョゼフィーヌクララ☆
Subject: まだまだおけつが青いんです。
宮崎様。
クララです。もしかしたら、クララにも一発井口さんを蹴飛ばして欲しいのかな、と
も思ったりしたのですが最近クララ自身も、わけのわからない人にやり玉に挙げられ
ていて結構クララへの書き込みにびくついていたんですよ。だから疑心難儀となっち
ゃって、ミヤリン(宮崎さん)に逆に嫌な思いをさせてしまいましたね。本当に失礼
いたしました。わたくしめ、弱冠22歳でまだまだ寿司職人でいえば小指を切り落とし
もしていない半人前。
ということで、若気の至りということで、どうぞクララの過ちを水にながしてはくれ
ませぬか?
水・・・ということで、よろしかったら宮崎さんのお背中を流させてはくれませぬか?

>「井口という寂しい(推定)おじさんが、『税金ドロボー』といって黒木さんをい
ぢめたこと」

はぁー。そんな馬鹿らしいことを井口さんという人が書いているのですか・・・。井
口さんって有名なんですか???知らないなー。レベルが低いですね。税金泥棒という
のは、政府じゃないですか。これでいいのか、この日本。
視野が狭いですよね、視野が。
もっと税金とか、年金問題とか超高齢社会問題について論じればいいのに。グローバ
ルな視点がないんですよ、たかだか地方大学の個人を攻撃するなんて(クララはげん
ちゃんが好きだよ)

>お詫びのしるしに「クララの園」をHP大王に投票しました。(^o^) 

わお。どうもありがとうございます。以前、こちらのHPでも宣伝させていただきまし
たが、玄ちゃんはじめ多くのかたの協力を得ましてクララの園は見事上位30位以内に
はいりこんでます(ノミネート2600中)。だが、まだ票が足りませんので、クラ
ラの反省文(アンド、出師の表)を読まれている方、どうぞ投票してくださいませ。
わたしのHPから行けます。
もし、クララの園が取材されることがありましたら、必ずやSF界の良さを熱くアピー
ルし、ひいては黒木掲示板の門戸開放という素晴らしい点も述べてきたいと思います。
ということで、長くなりました。
女は3行以上掲示板に書き込みすると生意気だと思われてるようなのでそういう頭の
悪い男に反論するためにも、仙台味噌をつかって頑張って長く書いてみました。
小生のようなものが宮崎さんに対して生意気な口をきいてしまいしどく反省しており
ます。
ごめんなさいね。

チュ

Id: #a19981104102748  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 10:27:48 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104052039
Name: 宮崎恵彦
Subject: Underdetermination Thesisとは?

伊勢田さん、初めまして。

>Social constructivismの哲学的根拠として、Underdetermination Thesis
>というのがあります(デュエム=クワイン テーゼという名前の方が
>よく知られて いるか)。

これは、「事実の理論負荷性」と呼ばれているものと同一のことなのでしょうか?

>(わたし自身がこの議論を受け入れているわけではないので注意。)

もしよろしければ、伊勢田さんのお考えを聴かせていただけないでしょうか。


Id: #a19981104100523  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 10:05:23 1998
Reply-To: a0025.html#a19981104003312
Name: 宮崎恵彦
Subject: ご心配をお掛けしたみたいで

クララさま:

「この件」という書き方が良くなかったですね。私は、「井口という寂しい(推定)おじさんが、『税金ドロボー』といって黒木さんをいぢめたこと」について、クララさんがどう思われるかをお聴きしたかったのですが。

いままで、クララさんの書き込みを「くだらない」か「くだらなくない」かというような視点から考えた事がなかったもので、そこまで配慮が及びませんでした。どうもごめんなさい。オレ的にはクララさんのことを、「面白い掲示板を、さらに面白くすることにかけての天才」だと思っています。

お詫びのしるしに「クララの園」をHP大王に投票しました。(^o^)


Id: #a19981104052039  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 05:20:39 1998
Reply-To: a0024.html#a19981029194119
Name: 伊勢田哲治
Subject: 田崎さんの科学観

初めて投稿します。科学哲学屋です。

田崎さんの科学観に関する投稿を読んで、ちょっと意見を言いたく なりました。

田崎さんによれば:

>「拾ってきた」のでもなければ、「押しつけた」のでもない。 「宿っていた」
>ものを、理性の力で見いだしたと思いたいのである。

Social constructivismの哲学的根拠として、Underdetermination Thesis というのがあります(デュエム=クワイン テーゼという名前の方がよく知られて いるか)。これによれば、どんなに大量の実験・観察を重ねても、常に複数の互いに相 矛盾するモデルがその観察と一致する、ということになっています。モデルとデータは 直接に対応するものではなく、様々な付加的な仮説を使うことによって初めて対応が 成立するのだから、違う付加的な仮説を使えば違うモデルがデータとフィットすることに なるというのがその理由です。

さて、で、この議論を受け入れるとどうなるかというと、これらの相矛盾する構造の内 どれが「宿っていた」もので、どれが「たまたまデータと一致した」ものなのかわれわれ には決めるすべがなく、だから社会的要因などが選択に絡んでくるのだ、という議論が 成立するわけです。(わたし自身がこの議論を受け入れているわけではないので注意。) つまり、この種の批判に答えない限り、Social Constructivismに対する答えとしては、 「宿っていたものを理性の力で見いだした」と思うと表明するだけでは不十分だというの が論点です。

もうひとつ、「普遍的な構造の網の目」について。「普遍的な構造」が 徐々に広がるというイメージがわたしにはよく理解できないのですが。 ある構造が「普遍的」であるならば、その構造はあらゆる場所において 一辺に成立しているはずで、徐々に広げて行かなくてはいけないものは、 すでにそのこと自体によって「普遍的」でないといってよいと思うのですが? あるいは「普遍的な構造」に関するわれわれの知識を徐々に広げていく、という ニュアンスですか? 多分わたしと田崎さんで「普遍的」ということばの使い方が違うのだと 思いますが。

哲学者流の重箱の隅をつつく投稿で失礼。ではまた。

伊勢田哲治


Id: #a19981104003312  (reply, thread)
Date: Wed Nov 04 00:33:12 1998
Reply-To: a0025.html#a19981102193739
Name: クララ
Subject: 3度目・・・
これで3度目の書き込みです。
どれもうまく送信できてないようで、アップされてないようです。
短気なクララの青筋がぶちぶちと音を鳴らして・・・

宮崎さんへ。
久しぶりに覗いたらクララが名指しであった為ちょっとびっくり。
ざっと見渡しましたが「ソーカル問題」とかクララにはよくわからないのでなにも
言いません。

で、本題。
ええと、遠まわしにいってますが、「この掲示板のくだらない書き込みは他にもある」
とおっしゃってますが、それはわたしの書き込みのことでしょうか?

だったら、そういってくださいよ。
御返事おまちしています。


「な・ん・で・も・掲示板」

クララ

Id: #a19981103205748  (reply, thread)
Date: Thu Nov 03 20:57:48 1998
URL: samaki@hs.p.u-tokyo.ac.jp
Name: 左巻健男
Subject: 「大学の物理教育」所載の黒木論説を読みたい
 左巻健男です。
 『現代思想』の金森論説を読んでも、ソーカル事件の背景はいくぶんわかる
のですが、内容的なことがよくわからないんです。
 英語版もそろそろ出るという話ですね。出たのかな?
 ぼくは、理科教育の場面で、理科教育プロパー、それに文部省教科調査官な
どが「新しい科学論」じゃなくてはダメ、と言って極端に言えば「何が真理か
は科学者共同体の合意で、いわば心理学の問題」というような科学論を流行ら
せているのに、ちょっと危機感をもっています。ある調査によると30代以下
の理科教員は新しい科学論派が多数だって。
 で、これから小林道夫『科学哲学』(産業図書)をお勉強します。

 黒木論説を読みたいんですが。『大学の物理教育』は、ぼくには入手しずら
いんです。
 書いたものをそのままではなく、書き足りなかったことを入れて新しい論説
にすればWEBの載せるのは可能だと思いますが。

 

Id: #a19981103165104  (reply, thread)
Date: Thu Nov 03 16:51:04 1998
Reply-To: a0025.html#a19981102152352
Name: いなば
Subject: Re:『幻想』

よーくわかりした。センスも品位もまったくない楽しいタイトルですね。
Id: #a19981103132416  (reply, thread)
Date: Thu Nov 03 13:24:16 1998
Reply-To: a0025.html#a19981102074723
Name: Takashi Takebe
Subject: Addendum

どうも、私の使っている mule の w3 で記事を置くと tag がおかしなことになるので、file を netscape で upload して書き込んで見ます。それでも tag が死んだら申し訳ありませんが、 また管理者権限で直しておいて下さい。-> 黒木様。

先の記事の最後で書こうとした事だけ追加します。Princeton の講義録の原稿は 公開 されています。


Id: #a19981103115548  (reply, thread)
Date: Thu Nov 03 11:55:48 1998
Name: 黒木 玄
Subject: 様々な知識を持っている人達が出会える場について

この機会に、私自身の数学者としての経歴には決して役に立たないこのような活動に、自分自身の才能を儀牲にして、これだけのコストをどうして私自身が払う気になれるかについて説明したいと思います。これは、特に私の親しい友人達には知っておいて欲しいことだし、そうでない人達にとっても興味あることだと思います。

このことに関して、私にとって特に重要な経験は2つあります。1つは「川渡セミナー」であり、もう1つは「学内電子掲示板」です。

私が大学に入学した頃(その当時は教養部というのがあって、教養部留年というのがあった)、生意気ざかりの私はその授業のつまらなさに驚いたものです。しかし、 1対50とか1対100ではなく、 1対1に近い形で教官と対話するとその話は途端に面白くなるのです。そういう面白い話ができる人物をたくさんかかえこんでおきながら、その内部で活発に交流が行なわれている気配は薄く、大学ってこんなんで良いのかな、こんなんで university と呼んで良いのかな、と感じたものです。

そういう状況において学生が取れる自衛策の1つは、主に科学系の教官を何人か山奥(川渡セミナーセンター)に連れ込んで、逃げられない状態にし、色々な話を聞き出すという企画でした。それは「川渡セミナー」と呼ばれており、そのような企画を大学の教官達はほとんど全面的に支持し、手弁当で忙しい身に鞭打って山奥に拉致されにやって来たものです。そのような有意義な企画を、私が大学1年生のときからやって下さる先輩方に恵まれ、私の学生時代は大変幸福でした。そこで学んだことは、自分の知識が全く欠けている分野の話を聞くためにはどのように頭を働かせれば良いかということと、実際にそうすることの楽しさです。 (その後、自分自身で企画する側にもまわったのですが、段々、そのような企画に自分自身の手間と情熱をかけることが好きな学生の人脈が切れてしまい、今では行なわれていない。非常に残念なことです。) 現在、そういう企画を学生の誰かがやるなら、私も拉致される側に喜んで立つことでしょう。

その後、大学院生になった頃に、学内のコンピューター・ネットワークが整備され始め、誰でも自由に使える電子掲示板がそこに存在していることに気付きました。それは非常に面白いコミュニティーであり、私はそこにどっぷりはまり込むことになるわけです。そこで気付いたことは、雑談の重要性です。雑談ができないところには、面白い話をしてやろうと考える人は集まって来ません。そこに集まっている人達が個性的で過激で知識を持っていれば、自然に刺激的で面白い話が聞けるものです。さらに、学内掲示板が成功したもう1つの要因は、それがちょうど良い具合に開かれかつ閉じた世界になっていたことです。 (厳密にではなくゆるやかに「学内向け」という位置付けになっていて、ユーザー登録時に自分の実名と所属を正しく入力することが要求される。) 必ずしも完全にオープンな世界が良いわけではないということを私はそこで学びました。むしろ、面白い人物がそれを発見できるだけ十分に開かれており、かつ、目的に応じて必要なだけ閉じている空間をどのように作るかが問題なのです。

以上のような経験のもとで、様々な知識を持っている人達の話を個人的に聞けるという企画について、私はよく考えるようになりました。自分でやってみたいと感じるだけでなく、他人がそのようなことをやっていれば、当然それにも興味を持つのです。

さて、ここで私がやっている活動ですが、いかがでしょうか?

私が思うに、コンピューター・ネットワークを利用したコミュニケーションに関して、我々の全てが経験不足なのです。将来のネットワーク利用者のために、そのような経験不足の穴を埋めるための実験を今後も続けて行く必要があります。そして、そのような実験の一部を、すでにネットワーク設備にかなりの公的予算が投入されている大学が担うことは、理に適っています。しかし、そうだとしても、大学内で誰がそれをやるのでしょうか? 「やりたい人がやり、それを大学当局は邪魔をしない」以外の形式はあるでしょうか? 将来、様々な分野の交流の場をコンピューター・ネットワーク上で広げて行くためには何をすれば良いのでしょうか? そのために大学はどのような貢献ができるでしょうか?

以上、不十分ではありますが、私の経験と私が何を考えているかについて述べてみました。御理解して頂けたら大変嬉しく思います。


Id: #a19981103105346  (reply, thread)
Date: Thu Nov 03 10:53:46 1998
Name: 時田 節
Subject: パロディ?

はまださんいわく。
『(ネットの恩恵を受けているインテリがむちゃな事を言うのも理解に苦しむ)』『カラッポなサイトこそ税金泥棒』
社会に閉じたページはよそものが内容を盛れないが、黒木亭は『なんでも持ち込み』可能なのだから、井口さんもいろんなものを持ち込めばいい。
斎藤利弥さんが紹介する初期の超幾何関数と青本さんレベルの超幾何関数のギャップに悩む学生がいたら何かアドバイスしてあげるとか。その学生の親が井口さんの研究に寄付するかも?

はまださんいわく。
『ついでにあなたの申し立ての中で最も罪深いものは、「この社会不況の中....どうでもいいことにうつつを抜かしおって,まったく迷惑です.研究と教育に集中してください.」という箇所です。』
僕はパロディーを感じました。熊や八が井口さんの境遇をうらやんで、「この社会不況の中....どうでもいい高級な研究に田舎で立派なおつれあいとうつつを抜かしおって,まったく迷惑です.大企業に戻って日本の立て直しに集中してください.」という感じです。長屋の隠居はそんなこといわないすよ。
Id: #a19981102234049  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 23:40:49 1998
Name: 浜田寅彦
Subject: インターネットは特別な事か?

昨日の投稿は言葉足らずでしたので、もう少し喋ります。井口さんの反論も来ないようだし。
個人的な事情ですが、あのような言いがかりを耳にすると、かつて大学にインターネットを導入しようとした時の事が思い出されて怒りが倍増します。
(導入といっても、理学部まで来てたのを、経済学部まで電話線で結ぶだけの単純なことなんで、
休止状態の内線を復活させる許可をもらうだけなのに、公費を使う意義がどうのこうのと却下されました。)
私は、ネットはライフライン(電気や水道や電話)のようなもので、あってあたりまえと思っています。
あなたは大学の水道水でお茶をいれるなとわざわざ抗議しますか?
水道は実験器具を洗うのは良いが私用で飲むのを禁止して、トイレは有料化しますか?
学生食堂等の設備への支出は廃止し、学生・職員の厚生の名目で行っている各種予算を全部止めますか?
くだらない喩えはおいといて、公私の区別を厳格にしたら、大学のNetはすべて停止することになります。
それがあなたの願いなんでしょうか?
(ネットの恩恵を受けているインテリがむちゃな事を言うのも理解に苦しむ)

ご存知のように日本の大学のWebサイトの中身は貧弱なものです。
十分な設備と予算があるのに、カラッポなサイトこそ税金泥棒ではないのか?

ついでにあなたの申し立ての中で最も罪深いものは、
「この社会不況の中....どうでもいいことにうつつを抜かしおって,まったく迷惑です.研究と教育に集中してください.」
という箇所です。あなたは、どういう根拠と権限を持って、他人の日常生活に介入できるというのでしょうか?
(注意:論文で馬鹿な事を書いてると非難することと、個人の身の振り方(過ごし方)に注文をつけるのは別の話です。)


Id: #a19981102193739  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 19:37:39 1998
Name: 宮崎恵彦
Subject: くだらないものの代表としてのソーカル事件

宮崎@ワイカト大学大学院です。ご無沙汰しています。

しかし不思議なのは、この掲示板には、社会通念上、はるかにくだらないと思われている話題がいくらでもあるのに、井口さんが「ソーカル問題」をくだらないものの代表として挙げられた事です。

このことはSSK(Sociology of Scientific Knowledge: 要するにLatour,WoolgarやKnorr Cetinaとかのアレのことです。最近けっこうこの略語は気に入ってます。)の問題というよりも、純粋に社会心理学的に興味があります。

でも本当は、そんなことより、この件に関するクララお嬢様のご意見を拝聴したかったりして……。


Id: #a19981102152352  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 15:23:52 1998
Reply-To: a0025.html#a19981102113322
Name: 山形浩生
Subject: 『資本主義の幻想』

 『資本主義の幻想』は、原著はないです。ブタネコさんと浜田さんが言ったように、既訳のある雑誌記事をまとめて解説をつけただけです。しかも、そのまま読めばそうめんのようにスルスルわかる原文をわざと死んだ魚式のカナ釘翻訳でわかりにくくしたうえ、そこに小難しい解題をつけるという、マッチポンプの火が消し切れてないような代物。

 巻末の解説も頭痛もので、「クルーグマン・ドクトリン」だの「クルーグマン・パラドックス」だのわけわからんこと書いていますが、このクルーグマン・パラドックスとはなにか!

1)クルーグマンは、経済学者はまちがったことを言うと主張する。
2)クルーグマンは経済学者である。

 これはギリシャのなんとかいう哲学者の唱えたパラドックスであり云々!

・・・・・・・・・・・あんた、バカかね。クルーグマンだって、すべての経済学者が常にまちがうとは言ってなかろうに。中学生でももうちょっとましなことを思いつくよ、という感じ。


Id: #a19981102135908  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 13:59:08 1998
Reply-To: a0025.html#a19981102113322
Name: はまだとらひこ
Subject: Re:クルーグマン『資本主義経済の幻想』
ブタネコさんの補足をすると、ダイヤモンド社が既に翻訳が出てるのを独自に集めて2度おいしいというのだと思います。
(ダイヤモンドの習性からいって、この機会に誤訳の訂正というのは無いと想像する(笑))
Krugmanの時論は意外と翻訳がたくさんでてたんですね。そんなに巷で話題の人だとは思わなかった。
ああまたアカデミックでない文章を投稿しちまった!

Id: #a19981102125742  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 12:57:42 1998
Name: ブタネコ
Subject: 節税男

黒木さんが井口さんから『税金泥棒』の名誉称号を授かったようなので、ブタネコからは、『節税男』の不名誉称号をプレゼントしましょう。
ある、学閥のない感じのよい大学では情報基礎教育を教授1助教授3で担当し、ネット管理などの雑務はSEを月80万、週3日勤務で雇って、教員は労働を研究と教育に特化しています。これはよいことすね。
学内にネットの分かる人がいないと、CSKのような仕事の確かなとこに、上の金額の数倍で丸投げするか、上の金額程度で、ひどい会社を使い泣きを見るか?
こんなのもあります。ソフトを法外な価格でサイトライセンスする。ディーラーは学がないからソフトのサポートはできないが、ネットの面倒の手伝いくらいはしてくれる。
黒木さんはこうした高額の労働が長時間分社会に創出される機会を、その才能でうばってしまい、労働市場の情報化を妨げた悪人、すなわち小野さんの不況脱出策をじゃまする『節税男』なのだ。
稲葉様
昼休み、駅前の本屋で立ち読みしたら、94~98のフォーリンアフェアーズとハーバードビジネスレビューのアンソロジーみたい。
Id: #a19981102123519  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 12:35:19 1998
Name: 牧野
Subject: Henon-Heiles potential

w3-mode.el でみると八木さんの記事から武部さんの記事までが見えなくなっ ていてちょっと悲しい。下北沢の某書店では1冊だけ残ってました。

読んで良くわからなかったこと:「生産性」ってどうやって測るんだろう?

で、表題の Henon-Heiles ですが、数値計算の本のネタにしようと思ってちょっ と計算したら、 彼らの元論文の結果と結構合わない答が出てきて、ちょっと驚いたりして ます。

原因ははっきりし ていて、向こうが悪いと思われるんですが、だとすればとっくにだれかが指摘 しているだろうと思って論文を調べても天文関係では見つからなくて、、、力 学系とかそういった方面で、 Henon-Heiles 系の詳しい解析みたいなことが載 りそうな雑誌とかってどんなところでしょう?


Id: #a19981102120213  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 12:02:13 1998
Name: 小波秀雄
Subject: 黒木掲示板の系譜

 黒木さんが掲示板を作った背景には、1990年頃に東北大の学内ネットワーク (TAINS)上に作られた実験的掲示板(TAINSbbms)の歴史があります。これは今でも存在していて、 それなりに動いている、全国の大学の中でもわりとよく続いている電子掲示板です。
TAINSbbms はtelnet 環境があればアクセスでき、参加資格は学内者、学内者が認めたものと いうくらいのきわめてゆるいものです。資格は単に暗黙に認められればかまわないという 一見非常にルーズなものですから、ホストマシンのアドレスさえ分かれば、ここを ご覧の方でも直ちにアクセスできます。もちろん、一般に公開する筋合いのものでは ありません。
 この学内掲示板は、日本のネットワーク(当時は Internet ではなくて junet)の 黎明期に、医学部のある講師の方(今は Spring8 で偉くなっている X線タンパク結晶 解析の専門家)が計算機センターの委員としてネットワークの利用のために設けられま した。単純でわかりやすいユーザーインターフェースがその特徴で、何も知らなくても 提示される説明だけを頼りに、ユーザー登録/抹消(つまり自殺)、読む、 書く、消す、終了する、英語/日本語に切り替える、などの操作ができ、また記事を 置くカテゴリーと呼ばれる分類(ニュースグループのようなもの)は、記事を書くときに 新しくユーザーが作ることも出来るという、ほとんどユーザーにお任せの管理状態です。

で、この創設者は、みずからも沢山の面白い、または有益な記事を掲示板に提供し、 当時委員であった私や他の教官、院生諸氏も、新しくカテゴリーを作ったり投稿したりして 盛り上げました。そして、そこを舞台として、たとえばここにたまに書いておられる 渡辺雅俊さんの日本語 TeX の開発とか、応用物理の枝松さん を中心にしたグラフィックソフトの開発といった 研究支援の道具が整備され、私も多大の利益をうけました。
もちろん研究に結びつくような議論も行われ、直接的にそこから産み出された成果もあるはずで、 少なくともそのうちの一つに、神経生理学の分野での画期的な論文があります。 なによりも、その掲示板を通じて、いろいろな分野の専門家や学生が知り合って交流できるように なったことは、それまでの東北大学の殻を一定程度壊すほどの働きをしたと思います。

じゃあ、そういった東北大学の掲示板はお堅いものであったかというと、実は一見きわめて 趣味的なカテゴリーと記事内容にあふれています。たとえば私が言葉に趣味的な 関心をもって始めたカテゴリーは回文やジョークのたぐいの遊びの場でしかありません。 ここで出現した回文俳句などは、おそらく文字遊びとしては最高の傑作に属するもので ありましょう。まったく、税金でそんな遊びなんかやって、これは公務員の天下りとか、 何億円もの賄賂に匹敵するけしからん話しです!

現象として面白いのは、話題を盛り上げる能力を持った人は、概して研究上の議論に対しても アクティブであるということです。まあ、なんといっても公開の場でスタンドプレイをやるわけですから、 多少なりとも研究室で後ろ指を差されないようにしておかなければならないプレッシャーが 働くのかも知れません。

 この学内掲示版のアクセスのしやすさやユーザーへの自由度の高さは、黒木さんの掲示板作りにも かなり引き継がれているようです。みずから話題を提供することで、議論を有益なものにしようと いうやり方もそうですね。 (ちょっと話しが違いますが、 伊藤彰則さんの addmail のユーザーインターフェースも TAINSbbms の影響を強く受けています)


Id: #a19981102113322  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 11:33:22 1998
Name: 稲葉振一郎
Subject: クルーグマン『資本主義経済の幻想』

 の原著は何ですか? ご存じの方教えて。
Id: #a19981102074723  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 07:47:23 1998
Reply-To: a0025.html#a19981102074349
Name: 武部 尚志
Subject: PS to IAS lecture note

Tag の付け方を失敗したようです。
これは、Princeton の Institute for Advanced Studies の 1996〜1997 の講 義録をまとめたもので、preliminary version は研究所の web page で
の後は、 「
Id: #a19981102074349  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 07:43:49 1998
Reply-To: a0025.html#a19981101174220
Name: 武部 尚志
Subject: IAS lecture note

あと、http://math.ucr.edu/home/baez/week124.html  がお久しぶりの124週で、

7) Quantum Fields and Strings: A Course for Mathematicians, eds. P. Deligne, P. Etinghof, D. Freed, L. Jeffrey, D. Kazhdan, D. Morrison and E. Witten, American Mathematical Society, to appear.

なんかも予告されてる。

これは、Princeton の Institute for Advanced Studies の 1996〜1997 の講義録をまとめたもので、preliminary version は研究所の web page で
Id: #a19981102011408  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 01:14:08 1998
Reply-To: a0025.html#a19981101181630
URL: http://www.biwa.ne.jp/~hamada/
Name: 浜田寅彦
Subject: 「公私の区別」は本当の争点であるのか?
帰結主義と義務論などを論じようとは思わないし、大学のあり方をあなたと論争しようという気も毛頭ありません。
題につけたように、あなたの申し立てには、若干の卑しさを感じ疑います。
私もこの掲示板は、権力関係の無い不特定の人間が交差する情報交換の場としては、
日本ではめずらしくうまく機能している貴重な場と思っています。
それでは。

Id: #a19981102010105  (reply, thread)
Date: Mon Nov 02 01:01:05 1998
Name: 佐々木 拓也
Subject: この掲示板は公によく貢献するものであると存じます

 わたくしも大学の研究者ではありませんし、これから納税者になんなんとしている一学生です。そしてこの掲示板は税金の使い方のよい手本の一つにちがいないと固く信じる一人でもあります。井口さんとは異なる考えを持つ納税「予定」者として投稿いたします。

 わたくしの専門は比較文化であり、関心の中心は教育問題です。教育の現在の欠点の一つは「実感に通じる抽象化」です。そしてこの掲示板への書き込みがそうしたことにも重点を置いていることは明白です。ジターリングに関わる談義も、そこに関連するところが大である、と感じました。

 「高等」教育機関のひとびとが研究という重労働と教育という重労働を何とかつりあわせようとなさっておられ、また自分の現場だけにとどめず、他人にもその知識、智恵を譲り渡そうとするような姿勢は貴重ですし、だからそのための場はやはり同様に貴重だと信じます。

 こちらではなるほど公と私が混ざり合ってはいるようですが、むしろ、そのせいで、学海の余滴がしたたりおちるのが著しく促されていることも見逃すわけにはいきませんし、それゆえ、かえって、わかりやすさが絶えず意識されているのもまた(わたくしにとっては)大変ありがたいことです。つまり一言あればわかりやすく返答し直されうるということです。それもすべてこの掲示板が紛れもない「情報交換の場」としてあるからでしょう。しかもこちらでは文科系と理科系が交流しあってもいます。確かにそれは公と私の双方の縁によってもいますが、だからこそ、わかりやすさは一層確かなものになっています。異なる考え方を意識しているからこそなのでしょう。

 「ソーカル問題」は「くだらないこと」とは言い切れないのではないでしょうか。説明するということにまつわる致命的な問題を浮き彫りにした事件でしょうし、だからこそ、説明すること・解説することに真摯でありたいと望む方々にとっては切実な議題であろうと推測いたします。自称説明が、その実、合い言葉の掛け合いでしかなかったりするということを暴き立てることはきわめて有益であり、あらゆる学問に問われてしかるべき事柄でしょう。

 わたくしにとっては、こちらは、範といたすべき方々ばかりが集まっておられる場ですし、また、みなさんはおおむねにおいて社会にたいへん貢献なさっておられるようにしか見えません。あるいは、わたくしの目が曇っているのでしょうか。

 くだらない文章を書き連ねました。ひどい目の毒を供してしまいましたことは幾重にもお詫び申し上げますが、ぜひともこの掲示板の他に類を見ない良さ、公への貢献ぶりに感じ入っている素人(一般人)も居りますことを井口さんにも知っていただきたい一念のゆえです。

頓首 佐々木 拓也


Id: #a19981101235558  (reply, thread)
Date: Sun Nov 01 23:55:58 1998
Name: 時田 節
Subject: ソーカルこそアカデミックオンブズマン

僕には『なんでも』の空気は、井口さんの「インターネット時代の研究と研究助成の在り方」http://www.stannet.ne.jp/kazumoto/essay8.htmlと一体不可分のものに思える。
学内にカフェがあって、そこでいろんなことをしゃべる人があつまっても、そのカフェを税金泥棒とはいわないでしょ。 研究室や図書館のネットへの開放みたいに、カフェの解放があったていいんじゃないかな〜??
ソーカルこそアカデミックオンブズマンの佐々木級のエースじゃないかな?青本さんが解析のエースなら。
Id: #a19981101204951  (reply, thread)
Date: Sun Nov 01 20:49:51 1998
Name: 山形浩生
Subject: 拝啓 井口さま

井口さま  書き込み拝見いたしました。が、この掲示板に関する限り、ご主旨には賛成しかねます。どうかいまいちど、この掲示板をよく見直していただけないかとお願いする次第です。

 ぼくは大学の研究者でもなんでもなく、科学に多少関心のある一納税者にすぎません。しかしながら、ぼくはこの掲示板に関する限り、自分の税金が非常に効率よくすぐれた使われ方をしていると感じております。井口さんと同じ納税者として、ぼくはこの掲示板が末永く続いてほしいと真剣に思っていますし、それが税金の有効活用だと考えているのです。

 もちろんこの掲示板への書き込みは、純粋に研究教育関連のテーマには限られておりません。しかしまずこのページの下のほうにある、最近の書き込み一覧をごらんください。最近の大きな話題が、熱力学・統計力学の新しい教育方法と論理展開であることはすぐにおわかりいただけると思います。
 また、先月あたり大きな話題になっていたジターリングの話も、かなりの部分がその作動原理と、それをいかに剛体の運動として力学的に記述するか、といった話です。
 つまりここは相当部分が研究と大学教育に関する情報交換に費やされている掲示板だということを認識していただきたいと思います。テーマは必ずしも黒木さんのご専門の数学に限られてはおりませんが、さまざまな分野が資源を共有するのは有効活用の観点から歓迎すべきことでしょう。

 さらに、黒木さんがこの掲示板のために作成したスクリプトは、広く公開されてさまざまな人に活用されています。大学の資源を使って産み出された知的な資産が、ここを通じてぼくのような一般国民に還元されているわけです。この掲示板は、そのスクリプトのテストの機能を果たしています。国民への知的成果の還元にあたり、それなりの機能を持っているのです。おあそびですが、でもただのおあそびではないのです。税金の有効活用の一部でもあるのです。

 そして井口さんと同じく税金の使われ方に関心をいだく国民として、ぼくはこういう場がなくなってしまうことを深く憂慮いたします。われわれの税金で研究をしている研究者がなにを考え、どのような問題意識をもっており、教育についてどう思っているのか――それを直接きけるような場は、ほかにまったくといっていいほど存在しないからです。  ですからぼくは、こうした場は国民に対する情報公開として歓迎こそすれ、否定すべきものではないと考えます。

 「ソーカル問題のようなくだらないこと」という井口さんのおっしゃりようにも、ぼくは賛成できません。あれは学問において、なにが真剣に考えるべきことでなにがそうでないか、という問題を非常にエキセントリックな形で提起したものだとぼくは理解しています。そしてその問題は、あらゆる学問領域に適用できるものだと思っています。それを考えることは、あらゆる研究者が行うべきことではないでしょうか。少なくともぼくは、大学における研究者が「研究とはなにか」を考え、それに関する書誌をまとめることは、立派な研究活動の一部であるとぼくはとらえています。逆に、それを考えようとしない研究者や学者こそ困ったモノだと思っています。

 井口さんは、ホームページを拝見したところ、大学や研究所などには所属しない、完全に独立した研究者のようですね。そういう方から見ると、大学に籍をおいてある程度は身分が保証されているくせに、と苦々しく思われるのかもしれません。しかし「研究と教育に集中しろ」とおっしゃいますが、論文を書くだけが研究ではないのです。また教育も、教室や研究室にいる学生に対して行うだけが教育ではないのです。日本の、そして世界の人々に、研究自体とその周辺分野での活動で出てきた成果を還元するようなさまざまな活動は、すべて教育ととらえるべきだと思っております。さもないと、ぼくを含めた一般国民は、いったん学校を出てしまえばそういう研究や教育の恩恵をほとんど受けられないことになってしまうからです。この掲示板は、ぼくやその他ここに書き込みをしている非研究者の多くに、我が国の文教予算の成果と恩恵を直接還元してくれる、貴重な場なのです。そういった点を是非ご考慮いただいきたいと思います。

 井口さんがホームページで行っておられるような、我が国の教育予算の無駄遣いは確かに存在します。それはそれで改善する必要があります。しかしこの掲示板に関する限り、ぼくは税金分以上の効用が十分に出ていると思います。井口さんがホームページで批判なさっているようなパーティーのたぐいとは、まったく質的に異なるものではないでしょうか。

 どうか研究や教育を、大学や研究所の中だけに閉じこめないでください。どうかぼくたち一般国民に、そうした世界に多少なりともふれる機会を残してください。井口さんの言い分が通ってこのような場がすべてなくなれば、自分の研究と論文量産ばかりに血道をあげる、たこつぼ研究者ばかりが幅をきかせるようになります。いわゆる文系の学問領域で、そうした人々が利権を握って、一般人に己たちの研究もどきや関心を説明する努力をいっさい否定しているがゆえに、研究そのものが窒息しかけているような場が多々あるのです。井口さんのなさっていることは、結果的にそういう事態をさらに拡大することになりかねません。よくある大学のホームページは、一方的に情報を垂れ流しているだけです。そうではなく、こちらからもアクセスできて、生のレスポンスを得られるこうした場がいかに大事か、いまいちど考え直していただけないでしょうか。

 最初に述べましたとおり、ぼくは研究者でもなんでもない一納税者です。おそらく井口さんがごらんになって苦々しく思われたような書き込みの多くは、たぶんぼくなんかがやっているものだと思います。それは素人の戯れ言としてお見のがしいただければと切に願うものです。しかしそのような中にあってなお、この掲示板は研究の世界を一般国民にかいまみせる、開かれた学問の場をつくっているのだという点は是非ともご考慮いただけないでしょうか。それは研究にも教育にも、資するものでこそあれ害をなすものではないはずです。そして井口さんの目からみて、もしこの掲示板の現状がダメならば、それをあっさりつぶすのではなく、どのようにすればもっと研究と教育にとってよい結果を生むことができるのかを、是非ともご提案いただけないでしょうか。

 長くなりましたが、以上の点、どうかご配慮ください。すべてに賛同しろとはもうしませんが、同じ納税者でも、井口さんとはちがったこうした考えを持つ者も多いという点だけは、ぜひともご理解ください。


Id: #a19981101181630  (reply, thread)
Date: Sun Nov 01 18:16:30 1998
Name: 井口和基
Subject: 税金の無駄使いをするな!
黒木さま
 前略,
 突然のメイルで失礼します.あなたの「黒木のなんでも掲示板」を見ました.
 こんなくだらない掲示板をわれわれの税金を使って,大学のインターネットシステ
ムと電話代を使ってこっそりやってもらっては困ります.早急に止めていただきたい.
もしおやりになるのなら,個人のメイルアドレスを使って行ってください.それがこ
の社会の常識というものです.この掲示板に参加している,大学関係者にも私の主旨
をお伝えください.これは,こそくな公私混同です.
 この社会不況の中,大学職員が,「ソーカル問題」などとどうでもいいことにうつ
つを抜かしおって,まったく迷惑です.研究と教育に集中してください.こんなこと
をしているほど暇なら,われわれに税金を返して下さい.お願いします.ふざけるの
もいい加減にしてほしいと思います.

 敬具.

井口和基
アカデミックオンブズマン

Id: #a19981101174220  (reply, thread)
Date: Sun Nov 01 17:42:20 1998
Name: 時田 節
Subject: Polchinski 2

Polchinski 結構売れてるみたい。そんでも友人の検索結果だと、
barnesandnobleには在庫がありますね。
http://shop.barnesandnoble.com/booksearch/results.asp?author_first=Joseph+ Gerard&author_last=Polchinski&match=exact&options=and&userid=1LWI160GII& pcount=
Here are your search results for Author is Polchinski, Joseph Gerard We found 3 matching titles. 1 - 3 are displayed below in bestselling order.
1.String Theory: An Introduction to the Bosonic String In-Stock: Ships 2-3 days. Joseph Gerard Polchinski / Hardcover / Date Published: September 1998 Our Price: $49.95
2.String Theory: Superstring Theory and Beyond In-Stock: Ships 2-3 days. Joseph Gerard Polchinski / Hardcover / Date Published: September 1998 Our Price: $49.95

あと、http://math.ucr.edu/home/baez/week124.html 
がお久しぶりの124週で、
7) Quantum Fields and Strings: A Course for Mathematicians, eds. P. Deligne, P. Etinghof, D. Freed, L. Jeffrey, D. Kazhdan, D. Morrison and E. Witten, American Mathematical Society, to appear. なんかも予告されてる。
Id: #a19981031160229  (reply, thread)
Date: Sat Oct 31 16:02:29 1998
Reply-To: a0025.html#a19981031010955
Name: 八木
Subject: re:クルーグマン

 新橋の書原って本屋でもほかのクルーグマンの本と一緒に並んでました。このぶんだと、なんだね、このふざけた訳は?ってクレームが無事(?)つくかもしれませんね。


Id: #a19981031010955  (reply, thread)
Date: Sat Oct 31 01:09:55 1998
Name: 山形
Subject: クルーグマン

あ、お買いあげどうもありがとうございます。恐縮です。実はあの本のあとがきでは、Web版にあった黒木さんの名前が削除 されておりまして、なにとぞお気を悪くなされぬよう。 「あまりに内輪ネタだ」 とクレームがつきまして。
Id: #a19981031000130  (reply, thread)
Date: Sat Oct 31 00:01:30 1998
Reply-To: a0025.html#a19981030224907
Name: くろき げん
Subject: 山形訳のクルーグマンは買った

ううむ、 Polchinski も買わないといかんかなあ…。 eprint に出ている論文よりも分かり易ければ買っても良いけど、原論文の方が分かり易いという場合が結構あるんだよなあ…。

さて、声に出して読めそうな山形浩生訳(訳者あとがき)のポール・クルーグマン著『クルーグマン教授の経済入門』(発行:メディアワークス、発売:主婦の友社、2200円、原書 The Age of Diminished Expectations: U.S. Economic Policy in the 1990s) を仙台の淳久堂で買って来ました。隣にクルーグマン著の別の本『資本主義経済の幻想』が置いてあったので、ついでに買わされてしまったのだ。本って関係しそうなものをどうしても数冊以上買ってしまうよなあ。で、私が発見した時点で各々残り2冊、私が両方買ったので各々残り1冊になってしまいました。もしかして結構売れている?


Id: #a19981030224907  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 22:49:07 1998
Name: 時田 節
Subject: Polchinski

PolchinskiのうわさのString Theory I IIが友隣社に入荷してた。衝動?買。
山形訳は藤沢の有隣堂では平積みでどんどん低くなっている。
Id: #a19981030173845  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 17:38:45 1998
Reply-To: a0024.html#a19981029194119
Name: 田崎 晴明
Subject: ニュートンのパラダイムとアインシュタインのパラダイム

随分前に、 ニュートンのパラダイムとアインシュタインのパラダイム といった議論がわき起こりかけてすぼんだことがありましたが、 「普遍的な構造」との関連で、ぼくの思っていることを書きます。 別に独創的な事ではなく、大豆生田さんが言おうとされていたこととほぼ同じ事だと理解しています。


Einstetin 以前に、物理学者は、Newton 力学と電磁気学という二つの「普遍的な構造」を知っていた。(他にも、熱力学など、たくさん知られていたが。) これらは、それぞれ、世界の中から、 物体の運動、電気・磁気現象という側面に着目することで、そこに「宿っている」ことが見いだされた美しい構造たちであった。 しかし、これらの二つの普遍的な構造の間の論理的・数理的な関係は、明らかではなかった。 実は、どうもしっくり来ないところがあった。

Einstein は、このしっくり来ない部分に目を付けて、もう一つの独立な普遍的な構造である特殊相対性理論を見いだした。(というのが、もっとも簡単化した歴史。) しかも、特殊相対性理論は、Newton 力学とも、電磁気学とも、完全に論理的な関係で結ばれていた。

だから、Einstein による革命は、(単純化して言えば)

Newton 力学 ← ??関係?? → 電磁気学
という状況から、
Newton 力学 ← 論理的な関係 → 相対論 ← 論理的な関係 → 電磁気学
という状況への移行と思って良い。 普遍的な構造は、Newton 力学、相対論、電磁気学の三つになり、 論理的な関係もついた。 これによって、普遍的な構造の網の目は、より豊かになり、またよりしっかりとしたものになった。 素晴らしいことである。
「共役不可能性」とかごちゃごちゃ言う人は、上のような状況を何らかの意味で 誤解していると思われる。

ひょっとすると、相対性理論を信じるとか受け入れるということは、 Newton 力学を偶像破壊して踏みにじってどぶに捨てて、 新たな信仰に改宗することだと思っているのかも知れない。 確かに、相対性理論と Newton 力学には違うところはあるけれど、 別にそのために、我々が身を引き裂かれる必要はない。 二つの理論は、世界の異なった側面に着目して得られた「普遍的な構造」なのだから、 理論を使う人が世界のどの側面を理解したいかに応じて、二つを使い分ければ 良いだけのことだ。 (相対性理論は Newton 力学を含むから、使い分ける必要はなく、いつでも相対性理論を使えば良いという主張があり得るが、それは無意味である。 相対論的効果が現れない低速度の現象の解析に相対論を用いても、 話がややこしくなって、見通しが悪くなるだけである。 量子力学と Newton 力学を考えると、この議論はより明確になる。 太陽の回りの地球の運行を議論するのに、Schroedinger 方程式を使うのは、 完全なきちがい沙汰である。)

「パラダイム」という言葉を狭い意味で、それぞれの 理論の枠組みの中での基本前提みたいな意味で使うことにすると、 確かに「Newton 力学の『パラダイム』」と「相対論の『パラダイム』」は相いれないだろう。 しかし、その事実は科学者にとっては、何ら問題ではない。 正しい認識を持った科学者は、これら二つの『パラダイム』を外から眺め、 両者の関係を議論し、 両者を必要に応じて利用する視点を持っているのである。

科学者たちの基本的なノリを決める漠然とした時代的な空気みたいな 意味で、「パラダイム」ということばを用いることもできるのだろう。 すると、「Newton 力学と電磁気学という二つの普遍的な構造にみんなが満足していた『パラダイム』」から、「両者の関係に不満を持ち、より新しい力学の法則を模索する、あるいは、受け入れる『パラダイム』」への移行があったと言えるのかもしれない。 Einstein の天才以外にも、このような移行を可能にした要素があったのか といったことは、とても面白い科学の社会学の問題だとぼくは思う。 でも、それは単純な科学批判にはつながらないはずだ。


Id: #a19981030173119  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 17:31:19 1998
Name: 菊池誠
Subject: 風邪なので、へろへろ

「ユニバーサリティ」:
僕は、自分の仕事が”世界のすべてをユニバーサリティクラスで分類する”作業の 一部だと思っていた。最近はそう思わなくなった。ユニバーサリティ信仰が なくなったというよりは、ユニバーサリティは前提としてノンユニバーサルな ところに興味が向いているという感じかなあ。

「ポッツ模型の分配函数の複素零点の評価」:
僕は数年前「イジング模型の分配函数の複素零点の評価」(別にポッツでもいいんだけど)について学会で喋ったことが あったけれど、駄目駄目研究の駄目駄目講演だった。Sokalと違って志が低かったんだと思う。 この問題は、また面白くなりつつあるようだけど、勉強してないからついていけないのだ。


Id: #a19981030171045  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 17:10:45 1998
Reply-To: a0025.html#a19981030122514
Name: 大'
Subject: Mac user その2

未だに Macを使っている超マイナーな立場からの発言ですので、 weightを軽くして読んで下さい。

Mac で,しかも netscape 2.02 を使ってる,超超マイナーな立場からです。(^^;;

えぇと,この環境だと <nbsp> が半角の「ハ」と表示されます。こんなのは HTML(のいつからかな)にちゃんと対応してない古もじらが悪いので「直せ」はおろか「直して欲しい」とも言えないな。でもただのスペースになったらちょっと幸せかなぁ。:)

以上,ご報告まで。


Id: #a19981030162906  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 16:29:06 1998
Reply-To: a0025.html#a19981030132239
Name: 田崎

最近創刊された online 出版が売り物の雑誌のなかには、 「final version を preprint serverに登録するな」 といってくるところもあります。
ああ、そこまで来ているのですね。 思っていたより早いですね。 ぼくは、色々な意味で世間から遠ざかっているので、物理の世界でも そういう事は進行しているのでしょう。きっと。

何年か前に、Los Alamos の preprint server が referee 制を導入して、 本気で雑誌をつぶしにかかる計画があると耳にしたことがあるのですが、 今のところ動きはないですね。 図書館に溢れる膨大な雑誌を見るだに、こういったメディアはおそかれ、はやかれ 滅びるしかないのだろうと思っています。 (ぼくは、いわゆる愛書家なので、出版メディアそのものが潰れるとは 思いたくない。 文学書にしろ、専門書にしろ、じっくり読む本は、どっしりとしたハードカバーがいい と思っています。)


Id: #a19981030132239  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 13:22:39 1998
Reply-To: a0024.html#a19981030063622
Name: 牧野
Subject: online journal

黒木さん、

詳しい説明ありがとうございます。

しかし、物理学会も、論文誌の電子化も大事でしょうけど、『大学の物理教育』みたいなものこそオンライン化すればいいのに、、、

とはいえ、手紙1枚で済むことなら、やはり、正式に許可を得られたらどうかと思います。まあ形式的なものでしょうし。

というようなことを書きかけていたら、田崎さんの新しい文章が入っていますね。天文では雑誌の種類が少ないせいもあって、過去30年程度ならばほぼ完全に NASA のデータベースにスキャナで取り込んだものが入っています。ところが、雑誌が電子化されると、NASA のデータベースには実体はなくて、出版社のほうにファイルがあるわけです。が、それはアクセス制限されていて雑誌を購読している人/機関しか読めないということが現におきています。

また、いくつかに最近創刊された online 出版が売り物の雑誌のなかには、「final version を preprint server に登録するな」といってくるところもあります。私が経験したところでは、 Elsevier が出した New Astronomy という雑誌はそういう方針です。

こうなると、雑誌が電子化したせいでかえって不便になるわけで、なかなか、、、 ネットワークがこれだけ発達した今では、専門雑誌については商業出版という 形をとり続けること自体に無理があるのではないかと最近思っています。


Id: #a19981030122514  (reply, thread)
Date: Fri Oct 30 12:25:14 1998
Reply-To: a0024.html#a19981030084250
Name: 田崎
Subject: drag and drop

未だに Mac を使っている超マイナーな立場からの発言ですので、 weight を軽くして読んで下さい。

Mac には(他のにもあるかな?まったく知らない。) drag and drop によるテキストの編集という 技があって、エディタなどで、テキストの部分を選択した後、選択部分の上で マウスボタンをおさえ、そのまま動かして、マウスボタンを放すと、選択部分が 新しい位置に移動します。(option を押しながらやると、コピーになる。) これを異なったアプリケーション間でも行うことができます。 (その場合には、必ずコピーになる。) 以前の黒木掲示板の入力フォームは、この drag and drop 編集に完全に対応していました。 そこで、長い記事を書くときは、愛用のエディターで書いた後、 名前、url、subject、本文を、それぞれ選択して、ひょいひょいと drag and drop していました。 これは、いちいち、コピー、クリック、ペーストを繰り返すのに比べると、 かなり楽でした。 で、今回新しくなったら、本文以外の フィールドでは、この技が使えなくなってしまいました。 あ、確かに形状が違いますね。

という報告でした。 (Mac ユーザーのマイナーさを考えると、一人では、直せとは言えない。)


1つ前の記録:黒木のなんでも掲示板 (0024)


管理者: 黒木 玄  <kuroki@math.tohoku.ac.jp>  (Web Site)
CGI_Board 0.42