推奨文献
このサイトの管理人おすすめの読み物リスト
黒木 玄
2002年5月20日 経済の節に「スティグリッツによる日本経済再生の処方箋」を追加
2002年3月21日 教育の節に広田照幸の発言の抜粋を追加
2002年3月3日 教育の節に新美の「教育改革の社会経済学的分析」を追加
2002年2月8日 物理学の節に『エレガントな宇宙』を追加
2002年2月2日 クルーグマンの節に『恐慌の罠』を追加
2001年12月24日 経済の節に岩田規久男著『デフレの経済学』を追加
2001年12月13日 経済の節にブランシャールの著書を追加
2001年10月31日 経済の節にスティグリッツの著書を追加
2001年10月13日 経済の節に「GDP・景気・経済 SITE」へのリンクを追加
2001年9月21日 経済の節に岩田規久男の著書を追加した。
2001年8月23日 「暗闇への跳躍:クルーグマンによる日本の経済政策批判」を分離
2001年8月21日 経済の節に「経済を子守りしてみると。」を追加
2001年8月18日 経済の節に「クルーグマンによる日本の経済政策批判」を追加
2001年8月6日 数学の節に鈴木クニエのウェブサイトへのリンクを追加
2001年7月31日 教育の節に江沢洋の『理科が危ない』を追加
2001年7月27日 教育の節を追加
2001年7月17日 『数学ビギナーズマニュアル』を追加
2001年5月17日 作成
目次:教育、経済、戦争、「知」の欺瞞、科学哲学、倫理学、悪質なカルトの問題、トンデモ、進化、言語、脳、自閉、環境学、物理学、論理学、数学
しかし、私は自然科学を商売にしていますが、考えてみますと、この科学の基本には、やはり、物ごとを詮索したいという気持があります。「好奇心」について、英語の辞書を引いてみましたら、もう少しいい意味がみつかりました。つまり、「精密あるいは精緻を好む」という意味もあるらしいのです。これは「いい加減なことではなかなか満足しない」ということです。
(朝永振一郎「好奇心について」より、『科学者の自由な楽園』岩波文庫緑152-2)
- ポール・クルーグマンの著書。クルーグマンは世間に広まっている経済に関する誤解を正すために役に立つ非常に面白い本をたくさん書いている。 The new Paul Krugman website、 The unofficial Paul Krugman Web Page、 The MIT Paul Krugman website。
- 岩田規久男の著書。日本の経済学者の書いた経済学入門書では岩田の著書が最も読み易かった。
NEW 2001.9.21
- 岩田規久男著、『デフレの経済学』、東洋経済新報社、 2001.12。デフレはどうして起きるのか、デフレはなぜ経済厚生を悪化させるか、デフレ不況にはどのように対処すれば良いか、について基礎的な事柄を粘り強く順番に易しく解説している。この本は非常に面白いのでおすすめ (ただし、ひどい誤植が目立つので注意)。下の本と合わせて読めばさらに楽しめると思う。
NEW 2001.12.24
- 岩田規久男著、『経済学を学ぶ』、ちくま新書 002、筑摩書房、 1994.9。わかり易く書かれた経済学の入門書。
- 岩田規久男著、『マクロ経済学を学ぶ』、ちくま新書 065、筑摩書房、 1996.4。これも平易な入門書。
- 岩田規久男著、『嘘ばっかりの「経済常識」』、サトウサンペイ絵、講談社+α文庫 G-19-1、 1996.12。最も気楽に読める易しい経済学入門。
- 岩田規久男著、『日経を読むための経済学の基礎知識改訂3版』、日本経済新聞社、 1994.4。気楽に各種データに触れることができる。
- 岩田規久男著、『金融法廷』、日経ビジネス人文庫、 い2-1、 2000.11。住専問題、銀行の不良債権問題、三洋証券・拓銀の破綻、山一の廃業、長銀問題に関する各種史料を仮想的な裁判形式のフィクションとして再構成するこによって誰のどのような振る舞いに問題があったかをわかり易く読者に示している。
- 岩田規久男著、『ゼロ金利の経済学』、ダイヤモンド社、2000.6。これを読むと日銀関係者による言い訳がいかに信用できないかがよくわかる。例えば、日銀側は量的緩和論に対する理由としてなんと「日銀のバランス・シート悪化」を唱えている。引用:「唯一のマネタリーベースの供給者である中央銀行は、自己資本を持っていなくても営業可能な経済主体であり、中央銀行のバランス・シート悪化がなぜ問題になるのかが説得的に示されたことはない」(156-157頁より)。岩田は押さえた口調で冷静に批判しているが日銀の主張の中には明らかに滅茶苦茶なものが含まれている。中央銀行を信用できない国の経済はどうすればまともに運営できるのか? 岩田は最後の章で日銀の説明責任と透明性が不十分であることを指摘している。
- 岩田規久男、「[金融]マネーサプライの量的緩和を」、東京財団研究事業部ニューズレター、 No.45、 2001.2。引用:「量的緩和によって、さしあたり、ゼロ金利政策当時と同じ状況が生ずる。日銀が3〜4%程度のインフレが実現するまで徹底的に量的緩和を続けることを宣言すれば、それを織り込んで株価は上昇に転じ、短期名目金利だけでなく、長期名目金利も低下するであろう。それは円安要因となり、輸出を下支えする。」
- オリヴィエ・ブランシャール著、『ブランシャール マクロ経済学』、上、下、鴇田忠彦・知野哲朗・中野真樹・渡辺慎一訳、東洋経済新報社、 1999.7。マクロ経済学のコア。
NEW 2001.12.13
- ジョセフ・E・スティグリッツの著書など
NEW 2001.10.31
- 梶井厚志、松井彰彦著、『ミクロ経済学――戦略的アプローチ』、日本評論社、 2000.2。略して『ミク戦』。訂正とまついの弁明。ゲーム理論的分析の考え方が易しく解説されている。「教科書」としてだけではなく一般向けにも推薦できる楽しい雰囲気の本。数学の一般教養の一つの基準はこの本を読めるかどうかである。高校までの数学の素養があれば読めるように工夫されている。別の主題:ピアスくんと済子さんの恋のゆくえはどうなるのか。紹介。松井が『経済セミナー』で2001年8月号から連載している「慣習と規範の経済学」も面白い。
- GDP・景気・経済 SITE。様々な統計がウェブ上で公表されているのは嬉しいのだが、欲しいデータを見付けるのは結構面倒な作業である。しかし、このサイトを利用すればその手間は大幅に低減される。
現代の戦争の姿は大幅に変化してしまっている。
- ペルベース・フッドボーイ、「暗黒の火曜日:イスラマバードから」。必読!
- 加藤朗著、『現代戦争論――ポストモダンの紛争LIC』、中公新書 1143、中央公論、 1993.8。国際テロに対する軍事力の無効性。巻末著者略歴によれば、著者は1951年生まれ、現在防衛研究所所員、国際政治・紛争研究専攻。現在は桜美林大学国際学部教授。
- 松村劭著、『戦争学』、文春新書 019、文藝春秋、 1998.12。表紙著者略歴によれば、著者は1934年生まれ、防衛大学校卒、陸上幕僚監部情報幕僚、作戦幕僚、防衛研究所研究員、陸上自衛隊西部方面総監部防衛部長などを歴任後、1985年退職。在職中は在日米軍との共同作戦計画にも携わった。元陸将補。専門は戦略・戦術研究、情報分析。
- 松村劭著、『新・戦争学』、文春新書 117、文藝春秋、 2000.8。戦略爆撃の疑わしい効果。
- 中村好寿著、『軍事革命(RMA)――〈情報〉が戦争を変える』、中公新書 1601、中央公論、 2001.8。最新鋭米軍に対する対抗戦略。巻末著者略歴によれば、著者は1943年生まれ、防衛大学校卒業、防衛大学校助教授、米国国防大学客員研究員、陸上自衛隊東北方面総監部幕僚、ジョージア工科大学客員教授、防衛研究所主任研究員を経て、退官。
- 加藤尚武著、『現代倫理学入門』、講談社学術文庫 1267、講談社、 1997。引用:「……相対主義を正しく使う条件は限定される。普通価値判断が変わったと思われている事例で本当に変わったのは事実判断である」 (220頁より)。倫理学にはどのような基礎概念があるかを知るための入門書、実際にはそう簡単に答が出ない問題を扱っているのだから、このような本を読むときに各々の結論を必ずしも受け入れる必要はない。基礎的な考え方のパターンを注意深く抽出しながら読む進むべきである。
- 加藤尚武のクローン問題関係のエッセイ:
- 内井惣七、「科学者の責任を考えるために」、 2001.3
- スティーヴン・ハッサン著、『マインド・コントロールの恐怖』、浅見定雄訳、恒友出版、 1993.4、原書 "Combatting Cult Mind Control"、 1988、 1990。悪質なカルトとどうやって闘えば良いのかについて詳しく書かれた本。この本によれば、カルト信者は正面からの論争によって説得するべきだと考えている人は間違っている。この本によれば悪質なマインド・コントロールを施された信者相手の議論はむしろ信者の盲信を強化するだけなので逆効果で有害なのだ。
- 小久保温、「自己啓発セミナーに関する情報」
- スティーヴン・ピンカー著、『言語を生みだす本能』上、下、椋田直子訳、 NHK ブックス 740、 741、 1995.6、紹介。言語学をこれほど楽しく紹介した本は他に存在しない。非常に楽しめる。
- 佐野洋子、加藤正弘著、『脳が言葉を取り戻すとき――失語症のカルテから』、 NHK ブックス 845、 1998.11。引用:「平成九年度の厚生省の発表によれば、全国の失語症者の数は、三三万人にものぼるという」 (4頁より)。自分自身もしくは家族の誰かが将来失語症になってしまう確率はかなり高いことを皆知っておくべきだと思う。この本は上のピンカーの本と同時に読むと良い。
- V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー著、『脳のなかの幽霊』、山下篤子訳、角川21世紀叢書、角川書店、 1999.7、原書 "Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind"、 1998。これは非常に面白い本である。誰でもすぐにできる視覚に関する実験付き。 (欠点は養老孟司の解説がおまけで付いて来ること、ラマチャンドランは科学的にできるだけ客観的な推理を行なおうとしているが、養老はそれとは全く逆の解説を付けてしまっている、脳関係の科学書の解説を養老に頼むのは誤りだと思う、例外もあるが一般に養老に近い人たちは要注意なので信用しない方が良い) 紹介
- 中西準子著、『水の環境戦略』、岩波新書、新赤版324、 1994.2
- 中西準子著、『環境リスク論――技術論からみた政策提言』、岩波書店、 1995.10、紹介
- 松田裕之著、『環境生態学序説 持続可能な漁業、生物多様性の保全、生態系管理、環境影響評価の科学』、共立出版、 2000.12。著者自身による紹介。大量の訂正あり。リチャード・ドーキンスと中西準子を読んだ方はこれも楽しめるはず。この本の第7章は「利己的な遺伝子」の良い入門になっており、松田は中西の共同研究者でもある。もちろんこれを読んだ後にドーキンスと中西に進んでも構わない。
- ブライアン・グリーン著、『エレガントな宇宙』、林一、林大訳、草思社、 2001年12月25日。超弦理論 (超ひも理論) の一般向けの解説書。 2002年2月6日の時点ですでに第9刷発行になっている。全米でベストセラーになったようだが、日本でもかなり売れているようだ。「独断と偏見で選ぶ ベストサイエンスブック2001」で第一位!
NEW 2002.2.8
- 朝永振一郎著、『物理学とは何だろうか』、上、下、岩波新書、黄85、黄86、 1979、内井惣七による紹介
- ファインマンの著書は全て読む価値がある。明晰に考えることとわかり易く説明することの楽しさを学ぶことができる。ファインマンは難しい事柄についてその本質を損なわないままわかり易く説明することの天才である。ファインマンのそういうスタイルの重要性は物理学だけではなく、社会のあらゆる場所で強調されるべきである。ここでは以下の2つだけを紹介しておく:
- R・P・ファインマン著、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』、上、下、岩波現代文庫、社会 5、 6、岩波書店、 2000.1、江沢洋の解説付き
- R・P・ファインマン著、『光と物質のふしぎな理論――私の量子電磁力学』、釜江常好、大貫昌子訳、岩波書店、 1987.6、原書 1985、数学および物理学の予備知識を前提とせずに量子電磁力学 (QED) の本質を説明することにファインマンが挑戦
- 片山泰久著、『量子力学の世界――はじめて学ぶ人のために』、ブルーバックス B101、1967、講談社。量子論に関して「ネコ」だとか「月」などと言う前にまずこういう本を読むべきである。のんびりした雰囲気のいい味の本である。ファインマンの『光と物質のふしぎな理論』と合わせて読めば量子力学入門として互いに補う形になるので良いと思う。紹介。
- キップ・S・ソーン著、『ブラックホールと時空の歪み――アインシュタインのとんでもない遺産』、林一、塚原周信訳、白揚社、 1997.7、原書 "Black Holes and Time Warps - Einstein's Outrageous Legacy"、 1994。ブラックホールの物理学と現代科学史に関する本、原題を見ればわかるようにこの本はSFを含んでいる。
- 山本義隆著、『古典力学の形成――ニュートンからラグランジュまで』、日本評論社、 1997.6
- 山本義隆著、『熱学思想の史的展開――熱とエントロピー』、現代数学社、 1987.2、 2000.3
- 田崎晴明著、『熱力学――現代的な視点から』、新物理学シリーズ 32、培風館、 2000.4。著者自身による紹介と訂正・コメント。この本の序章に書いてある「普遍性と科学」の哲学は必読。「普遍性とはなにか?」「くりこみ理論の地平」も参照せよ。そこには解析学を用いる数理科学全般において不可欠な哲学が書いてある。数学的モデルは単に数値が観測と合うだけではなく、普遍性が何らかの形で保証されてなければあまり信用できないということになる。そして、普遍性の重要性に注目することによって、様々な領域に様々な理論が存在し、そららの間に様々な関係があるという科学観が得られるのだ。
- 戸田山和久著、『論理学をつくる』、名古屋大学出版会、 2000.10。この本は論理学を何も知らない人でも読めるように書かれた非常に詳しい本である。「完全性定理」の様々なバージョンの理解を目標にして読めば良いだろう。 (「完全性定理」は論理学を学ぶ人が最初に理解しなければいけない第一定理である。「完全性定理」を理解できたら、「不完全性定理」と「カット除去定理」を次の目標にすると良い。)
- ゲーデルに関しては以下がおすすめである:
- 竹内外史著、『新版 ゲーデル』、日本評論社、 1998.9。私は竹内外史の語るシャイだけど親切なゲーデルが好きだ。
- 高橋昌一郎著、『ゲーデルの哲学――不完全性定理と神の存在論』、講談社現代新書 1466、 1999.8。副題に「神の存在論」とあるので怪しげな本であると勘違いしてしまう方がいるかもしれないが実際にはそうではない。高橋はゲーデルについて書かれた文献を丹念に調査しており、ゲーデルに関して広まってしまった様々な誤解について非常に詳しい。ゲーデルの生涯に関する信頼できる知識を得たければ高橋が書いたものを読むべきである。 (bk1 における「オリオン」の書評はくだらないので読まない方が良い。時間の無駄である。駄目な書評者は他にもいるので注意した方が良い。ちなみに好田順治による翻訳はひどいことで非常に有名である。)
NEW 2001.8.20
- レイモンド・スマリヤン著、『ゲーデルの不完全性定理』、高橋昌一郎訳、丸善株式会社、 1996。ゲーデルの不完全性定理 (incompleteness theorems と実際には複数形であることに注意) の教科書。スマリヤンに関してはこの本をいきなり読むよりも論理パズルの本を楽しんだ方が良いかもしれない。不完全性定理の世界は論理パズルの題材選びのための宝庫なのだ。そして、スマリヤンの論理パズルには独自の芸術性がある。
- 松本和夫著、『数理論理学』、共立出版、1970年初版第1刷、 2001年8月15日復刊。内容:古典命題論理と一階古典述語論理の完全性定理、直観主義論理、 LK および LJ のカット除去定理、 Peano 算術の無矛盾性、様相論理、束論と論理の関係の補足。論理学を学ぶ人はまず「完全性定理」を理解することを目標とするべきである。それが終わった後には次の目標として「不完全性定理」や「カット除去定理」を選ぶのが標準的だと思う。復刊された松本の本では「完全性定理」と「カット除去定理」を学ぶことができる。「不完全性定理」に関してはスマリヤンの『ゲーデルの不完全性定理』がおすすめである。
NEW 2001.8.20
- 田中一之による解説、仙台ロジック倶楽部の関係資料より
- Solomon Feferman, "Penrose's Goedelian Argument: A Review of Shadows of the Mind by Roger Penrose", PSYCHE, 2(7), May 1995。ペンローズのデタラメな議論をフェファーマンが厳しく批判している。不完全性定理の概説を含む。
- 日本評論社 (no frame) の雑誌『数学セミナー』 (毎月12日発売) と 『数学のたのしみ』 (奇数月25日発売)。たまには一般向けの数学の雑誌を買ってみるのも悪くないだろう。日本で数学文化が花開いていることを知ることになる。
- 鈴木クニエのてくてく本棚。一般向けの数学書が多数紹介されている。偏りまくっている私の紹介より参考になることが多いと思う。日記も読むべし。
- フェルマーの最終定理の解決の数学的ドラマに関しては次の2冊をすすめる:
- 谷山豊著、『谷山豊全集』、日本評論社、 1994。ワイルズによるフェルマーの最終定理の解決は谷山豊が1956年に発表したある難解な予想を経由している。当然その予想の原文もこの全集に収録されている。数学の論文や論説だけではなく、若き谷山豊の書いた多くのエッセイや手紙が収録されており、研究や人生に関する問題を論じたものも多く、それらは現在でも読む価値がある。例えば、少数精鋭主義批判、大学院の問題、……。アンドレ・ヴェイユについて書いたものも幾つか収録されていて面白い。難点は8000円と値段が高いことである。図書館から借りて読むのが良いかもしれない。もしも最寄りの図書館に入ってなければ谷山豊の数学史上の重要性を強調して購入してもらうのが良いと思う。「谷山豊」を検索。 1955年に来日したアンドレ・ヴェイユは日本の若手数学者たちとの討論の際「今度は君達が予言する番だ」を連発した。そのとき谷山豊は所謂「谷山・志村予想」を提出し、数学史に名を残すような本物の予言者になった。
NEW 2001.5.26
- アンドレ・ヴェイユ著、『アンドレ・ヴェイユ自伝――ある数学者の修業時代』、シュプリンガー・フェアラーク、 1994.5。アンドレ・ヴェイユは20世紀を代表する大数学者であり、伝説的な思想家のシモーヌ・ヴェイユの兄である。この兄妹の人生は戦争に翻弄された。紹介。
- 決闘で若くして死んだ天才少年数学者のエヴァリスト・ガロアの生涯と数学:
- 19世紀は数学的天才たちの時代である。ガウス、アーベル、ヤコビ、ガロア、……:
- ポール・ホフマン著、『放浪の天才数学者エルデシュ』、平石律子訳、草思社、 2000.4、原書 "The Man Who Loved Only Numbers"、 1998、抱腹絶倒、読むと楽しくなる本
- エッシャーは数学的直観を芸術の形で表現した。いや、芸術的直観を数学の形で表現したのかもしれない。とにかく、エッシャーの作品が数学と芸術の実りある交流の実例であるのは事実である:
- J・アダマール著、『数学における発明の心理』、伏見康治、尾崎辰之助、大塚益比古訳、みすず書房、 1990、原書 1945。言語が思考を支配しているという発想に染まってしまっている人はこの本を読んで考え方を改めるべきだ。「数学者は言語を用いて考えているのか」、「印字視覚型の思考をする人」
- G・ポリア著、『いかにして問題をとくか』、柿内賢信訳、丸善、発行1954、第11版1975。わからなくなったときにどう対処すれば良いのかについて書いてある本。私は数学を、「与えられた問題を解く」というセンスではなく、「その数学の世界はどうなっているか」という考え方で理解するべきだと考えている。しかし問題を解くための基礎的な能力抜きに数学の世界がどうなっているかを理解することは不可能である。そういう意味で「いかにして問題をとくか」に関する知識は重要なのだ。
- 高崎金久著、『新入生のための数学序説』、実教出版、 2001.2。著者自身による紹介と訂正。中学・高校の数学の内容を本格的なスタイルで再構成した本。この本を読めば中学・高校の数学の真の姿を理解できるだろう。中学・高校の数学と最先端の数学は決して断絶してはいない。数学の世界の真の姿を見るためにはまずそのことに気付かなければいけない。数学の世界を素直に眺める準備ができると、読んで理解できる文献の種類が大幅に増えるという御利益があるだけではなく。気付かないうちに物事の見方や考え方が根本的に変化してしまうはずである。
- 佐藤文広著、『これだけは知っておきたい 数学ビギナーズマニュアル』、日本評論社、 1994.6。記号の使い方の慣習や数学における独特の言い回しや初心者には難解に感じられる数学的難所などについて詳しく解説している。数学の初心者向けに非常に実用的なことが書いてある。この本を前もって読んでおけば時間の節約になること間違いなし。紹介。
NEW 2001.7.17
- R・クーラン、H・ロビンズ著、I・スチュアート改訂、『数学とは何か――考え方と方法への初等的接近』、森口繁一監訳、岩波書店、 2001.2。中学・高校レベルの数学をマスターしたらこの本を読んでみよう。
- 堀田良之著、『加群十話――代数学入門』、すうがくぶっくす 3、朝倉書店、 1988.10。この本は高校生でも読める可能性大。加群の理論=群や環の表現論という現代代数学における普遍的な概念の応用に関する十のトピックスを読むことができる。
- I・R・シャファレヴィッチ著、『代数学とは何か』、蟹江幸博 (正確には「蟹」ではなく、「解」の部分を「角羊」に変えなければいけない) 訳、シュプリンガー・フェアラーク東京、 2001.7。紹介。訳者による『代数学とは何か』のページ。
NEW 2001.7.13
- 私がどのような雰囲気の数学が好きかを知りたければ久賀道郎が書いたものを読んで欲しい。専門分野は違っていてもそのセンスや考え方に共感している:
- 久賀道郎著、『ガロアの夢――群論と微分方程式』、日本評論社、 1968年7月出版、 2000年5月第24刷のロング・セラー。英訳もされている名著。非常に楽しい本。数学ファンは必読。面白おかしく読みながら数学的本質もよく理解でき、しかも数学の世界の深いところまで連れて行ってくれるというちょっと信じられないような本である! 内容はガロア理論の幾何学版と微分方程式版の解説と当時 (1968年) 未解決の問題を出すことによって読者を煽ること。
- 久賀道郎著、『ドクトル・クーガーの数学講座』、 1、 2、日本評論社、 1992.8
- 現代数学入門のためには岩波講座の以下の4冊が超おすすめ! 数学の世界にはどのような風景が広がっているのかを知ることができる。「流れ」と「広がり」では後者の方が難しい内容になっています:
- 上野健爾、砂田利一、深谷賢治、神保道夫著、『現代数学の流れ 1』、岩波講座 現代数学への入門 (19)、岩波書店、 1996
- 青本和彦、加藤和也、上野賢治、高橋陽一郎、神保道夫、難波完爾著、『現代数学の流れ 2』、岩波講座 現代数学への入門 (20)、岩波書店、 1996
- 上野賢治、青本和彦、砂田利一、深谷賢治著、『現代数学の広がり 1』、岩波講座 現代数学の基礎 (33)、岩波書店、 1996
- 木村達雄、高橋陽一郎、村瀬元彦、木上淳、坂内英一著、『現代数学の広がり 2』、岩波講座 現代数学の基礎 (34)、岩波書店、 1997
2001年5月19日 全部買うと幾らになりますかね? ここに挙げてある本はどれも読む価値があるものばかりです。そして、様々なことを考えるための基礎になるはず。自分の知っている本の中から見繕ってみて、自分自身が一般向けにどういう本があるかをあまり知らないことと一般向けの本の選択の難しさを実感してしまいました。特に、物理学・論理学・数学の部分が悩ましかった。ここに挙げてある本以外にも紹介したい本があります (特に人文社会科学系の本)。それらをどのように読んだら面白いか (もしくは害がないか) について詳しく説明しなければいけないような感じがしたので、ひとまず省略することにしてしまいました。おすすめできない本のリストもあった方が良いですかね? 皆さんの御想像通り、大量にあります。