党文部科学部会
青少年の理科離れに歯止めを

科学技術・理科離れ対策小委で挨拶する田野瀬委員長
 文部科学部会(部会長・小野晋也衆院議員)は3月1日、党本部で1回目となる科学技術・理科離れ対策小委員会(委員長・田野瀬良太郎衆院議員)を開き、青少年の科学技術・理科離れの現状について協議した。

 冒頭、同小委員会の委員長に就任した田野瀬衆院議員は、「この委員会の目的は、若い研究者の卵をいかに育てるかにある。有識者や現場研究者、現職教員からのヒアリングや文部科学省の施策などの検証を通じて議論を深め、6月には取りまとめをしたい」と述べ、現状にあった政策によって、子供の理科離れに歯止めをかける考えを示した。

 この日、講師として招かれた国立教育政策研究所教育課程研究センターの三宅基礎研究部長、猿田総括研究官は、国際教育到達度評価学会(本部・アムステルダム)が行った「第3回国際数学・理科教育調査」結果の内容を報告。日本が前回の結果より順位が後退した要因や、中学生の学力、また理数科への興味の実態などの説明を行った。

 その中で、順位が下がった問題について、「前回より調査対象国が増えている点や平均得点が微減であることを考えると、決して学力の低下が進んでいるとはいえない」と語り、ゆとり教育が学力低下につながらないとの認識を示した。

 こうした説明に対し出席者は、「新学習指導要領が学力低下を招くとする議論があるが、これでそうしたことが誤っていることがわかった」とする意見が出される一方、「学校教育の肩代わりを塾が行っているからではないか」との見方も示された。

 今回の結果では、上位5カ国はすべてアジア地域。しかし、ノーベル賞の最多受賞国である米国は19位であり、一概にその国の理数系の力を表したものとはいえない。ただ、全体的なレベル維持の教育重視か、能力別教育の重視かの違いが、こうした結果に表れている可能性は否定できない。日本は、公立小・中学校での能力別指導を「差別」ととらえ実施されていないが、真剣に考える時期がきているようだ。