雑誌「数学セミナー」
に連載し(2001年 〜 2002年),プリントとして配布してきたものを, 大幅に加筆しました.
◯第 1 部で 2 次元, 第 2 部で 3 次元および高次元, 第 3 部で
一般のベクトル空間を扱い, 順に理解を進める構成です.
◯
アイデアを平易に説明しつつ, 計算例も具体的に示し,
計算・論理両面で「使える」道具にすることを目標としています.
◯
幾何的側面を重視し, 行列式と面積や体積との関係なども理解
しやすいよう工夫しました.
◯第 2 部までが川内での 1 年間の内容に当ります. 第 3 部は
一歩進んで, 「図形の穴を数学としてどう捉えるか」などの
話題にも触れつつ, 抽象的枠組の使い方を解説しました.
群・環・体などの現代数学の概念にも親しみながら,
最後に量子力学入門を扱います.
◯各章末に「道案内」として, 本文で扱えなかった話や
周辺の本の情報などを挙げました. 線型代数を改めて復習する際も,
話題を散策するのが楽しみになると思います. いろいろ欲ばって書
いてあるぶん, 長く使えて「お徳」ではないかと思っています.