2日未明に緊急入院した小渕恵三首相が脳こうそくだったことから、政界では「長期化しそうだ」との見方が強まっている。今年は秋までに衆院の解散・総選挙が予定され、7月には小渕首相を議長とする沖縄サミット(主要国首脳会議)が開催されるなど、重要な政治日程が控えている。また自由党の政権離脱に伴って政権の枠組み変更される。青木幹雄官房長官が首相臨時代理になったが、長期間の政権運営は困難であり、自民党内では後継首相をめぐる駆け引きが本格化する兆しだ。 森喜朗幹事長や野中広務幹事長代理、亀井静香政調会長、村上正邦参院議員会長ら自民党幹部は2日夜、「首相入院」という一報を受けて国会近くのホテルに集まり、青木氏ともに3日未明にかけて今後の対応を協議した。幹部らは首相の病状について「明日(3日)、官房長官が検査結果に基づいて発表する」と一様に口が重く、それだけ病状が深刻であることをうかがわせた。
森氏はこの夜、自宅には帰らず、国会近くのホテルに宿泊した。3日午前9時にホテルを出る際、記者団からの矢継ぎ早の質問にはほとんど答えず、病状について「あと2時間もすれば分かるでしょう」とだけ答えると、車で自民党本部に直行した。党本部には早朝から続々と幹部が姿を見せ、幹事長室にこもった。
また1日の3党首会談で事実上の連立離脱を伝えた自由党の小沢一郎党首は3日午前、党本部で記者団に対し、「昨晩遅く聞いてびっくりした。党首会談でお話した時は、本当に心のごまかしなしに話をしたと思う。こんな事態になるとは想像できなかった。できるだけ回復し、政務に復帰できる方向が見えるよう臨む」などと感想を語った。3日午後に予定される全議員懇談会については「今のところ予定通り行う」と述べた。
小沢氏らは全議員懇談会で政権離脱の方針を諮る構えだが、野田毅前自治相らは新党を結成して引き続き連立政権にとどまることにしている。これに伴い、新たな3党連立になる見通しで、政権協議などをだれが担当するかなどの課題が残っている。