北海道の有珠山(732メートル)は3日午前、依然活発な噴火活動を続けており、北西側の火口群から勢いを増減しながら断続的に噴煙を上げている。同日午前に会見した北大有珠火山観測所の岡田弘教授は、火山活動が第2段階に入り本格的な溶岩ドーム形成の初期活動がみられることを明らかにした。今回の一連の噴火活動で溶岩ドームの形成が確認されたのは初めて。 岡田教授は、マグマが断層群の北側に移動し、溶岩ドームを形成しつつある指摘。さらに、昭和新山や世界の溶岩ドームの例から初期段階では爆発的な噴火や小規模な火災サージが起きる可能性にも言及した。
室蘭地方気象台によると、午前6時の遠望観測では、金比羅山西側山ろくの火口からは高さ600メートル、西山の西側山ろくからの火口からは高さ100メートルの白い噴煙が上がっていた。同9時の観測では、金比羅山の火口からの噴煙は黒灰色に変わり、高さ1000メートルになり、南東方向に流れた。
火山性地震は噴火活動が始まってから大幅に減少傾向をたどっており、振幅が3マイクロメートル以上の揺れは同日午前0時から9時までで9回、うち有感地震は1回だけだった。
胆振管内虻田町、壮瞥町、伊達市の3市町から豊浦町、洞爺村、渡島管内長万部町の隣接町村を含む6市町村28カ所の学校や公民館などに分散避難している住民約4600人は、最長で6日目となる避難所での朝を迎えた。