From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Tue May 23 15:06 JST 2000 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id PAA25995 for ; Tue, 23 May 2000 15:06:19 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id MAA20104; Tue, 23 May 2000 12:07:24 +0900 (JST) Date: Tue, 23 May 2000 12:10:13 +0900 From: Masanori HANADA Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:02810] 熊本県立大学外国人差別に関してお願い To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200005230307.MAA28322@tsubaki.kumagaku.ac.jp> In-Reply-To: <200005221142.UAA22389@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 02810 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Macintosh Eudora Pro Version 3.1.1-Jr2 Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Precedence: bulk Lines: 101 Content-Type: text/plain; charset="ISO-2022-JP" Content-Length: 5239 お邪魔します 花田@熊本学園大学です。 以前にも投稿させていただきましたが、国公立大学では多くの外国人の先生が雇用さ れていますが、不安定な身分の方が多いのが現状です。 外国人教員任用法に基づき、任期なしで任用されているのは、国立では3割程度、公 立大学では6割程度です。 ただ公立大学では、任用法以外に、地方公務員法の非常勤特別職で任用されている外 国人も見られます。 熊本県立大学では、94年改組の時点で、文部省に対して外国人教員を専任教員で申請 し、かつ任用は地公法3条の非常勤特別職(1年任期)で任用するという人事を行い、 それは文部省から指導を受け補正申請を余儀なくされています。 さて、一昨年、熊本県立大学は、これら一年任期の外国人教員すべての任期更新を拒 否し、実質解雇しました。 この件は労働委員会に持ちこまれ、昨年3月、一年更新するという和解が2名の先生と の間で成立しました。 今年三月、この二名の先生が改めて更新拒否=解雇されました。 このお二人は、現在熊本地裁に地位保全の仮処分申請をし、法的な争いが続いていま す。 わたしども(熊本県立大学の外国人教員を守る会)は、法廷外での支援をするべく、 この度、大学関係者、学者、知識人の緊急共同声明を発表し、熊本県知事に面会を申 入、この問題の解決を図るよう申し入れようと考えております。 熊本では、4月に県知事選があり、福祉畑では熊本でも有名な潮谷義子さんが知事に 選ばれました。 なんとか、新知事に問題の所在を理解してもらい、外国人差別の撤廃と当該教員の雇 用保障をお願いしたいと考えている次第です。 そこで、以下の声明文にご賛同いただけるようでしたら、名前を連ねていただくよう お願い申し上げます。電子メールでお返事いただければ幸いです。 この件については、二年前にも同様の署名をお願いしたことがあります。その時の呼 びかけ人は下記のHPに記載されており、全国から数多くの大学人のご協力を得ること ができました。 今回も趣旨を理解していただきよろしくご協力お願い申し上げます。 http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/‾masden/mamorukai/shomei.html なお、この件についてのホームページがありますので、ご参照ください。(ちょっと 古いのが玉に瑕ですが) http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/‾masden/mamorukai/ また、裁判資料などご関心がありましたら、私の方から送らせていただきます。 熊本学園大学 花田昌宣 ============= 熊本県立大学における外国人教員差別の撤廃を求める声明  私たちは、熊本県立大学で今なお続いている外国人教員に対する雇用や任用を含め た差別的な取り扱いについて、その不当性を指摘するとともに、今年3月31日にシン シンア・ワージントン先生及びサンドラ・ミッチェル先生のお二人が外国人教員のみ に設けられた制度にもとづいて一方的に解雇されたことに対して強い抵抗と憂慮の念 を抱いています。  21世紀を間近に控え、大学教育においては国境や国籍という概念は消えつつありま す。急激な勢いで進展しているIT(情報技術)革命は、情報の質と量を深化・拡大さ せるとともに、インターネットを経由して瞬時に全世界を結び付けることによって、 世界の均質化を現実のものとしつつあります。このことは世界中の高等教育・研究機 関にあっても例外ではなく、むしろその先進性ゆえに、率先してグローバル化・ボー ダーレス化に取り組むことが求められ、現に多くの大学でそれに沿った形での改革が 進められています。  同じように、日本の大学における外国人教員の雇用・任用についても、1980年代以 降ボーダーレス化の方向で改革が進んできています。1982年に「国立大学における外 国人教員任用法」が成立し、外国人教員の採用が求められました。この法律の推進役 として大きな役割を果たされた桃山学院大学の徐龍達教授は、この法律を「日本にお ける真の意味の大学の国際化の一里塚」と位置づけられ、今後「有期限任用を撤廃し 、大学における教員雇用の国籍差別をなくす」ことが必要だと指摘されています。  また他方、元国連大学副学長の武者小路公秀氏が指摘されるように「日本人のみで 大学を管理運営していこうという、裏返しの外国人コンブレックス」が、「言葉」の 問題もあって長い間存在していることも事実です。このような外国人差別を生み出す 旧態依然とした大学の在り様が根本的に変革されない限り、大学がこれからの時代に 果たすぺき、自らの社会的役割を担うことは不可能なことと言えるのではないでしょ うか?  いま、シンシア・ワージントン先生及びサンドラ・ミッチェル先生のお二人は、滞 在ビザの失効という問題を抱えながらも、自らの雇用問題についての地位保全のため の仮処分申請の裁判を提起されています。  この問題は、単に大学における外国人教貝の雇用の可否を問う裁判ではなく、21世 紀における大学及び教育の在り方を問う問題提起でもあるのです。私たち大学関係者 は、そのような問題認識を持つと同時に、この問題が21世紀に求められる大学教育の 在り方という視点から論議され解決されることを強く望みます。  折しも、熊本県においては2000年4月に、来るべき21世紀を新しく切り拓いて行か れる新知事が誕生されました。私たちは、この歴史的認識の下、新しい県政のリーダ ー及び大学のリーダーの方々に一刻も早く、この問題を解決していただくよう強く要 望いたします。 ------------------------ Masanori HANADA Kumamoto Gakuen University 2-5-1, Oe Kumamoto Japan E-mail hanada@kumagaku.ac.jp Tel +81-96-364-5161 Fax +81-96-372-0702 ------------------------