From owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Wed Dec 27 23:51 JST 2000 Received: from mail.asahi-net.or.jp (mail.asahi-net.or.jp [202.224.39.39]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id XAA04472 for ; Wed, 27 Dec 2000 23:51:36 +0900 (JST) Received: from ml.asahi-net.or.jp (ml.asahi-net.or.jp [202.224.39.111]) by mail.asahi-net.or.jp (Postfix) with ESMTP id C221A5D65; Wed, 27 Dec 2000 23:51:58 +0900 (JST) Received: from localhost (daemon@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) with SMTP id XAA49928; Wed, 27 Dec 2000 23:45:42 +0900 Received: by ml.asahi-net.or.jp; Wed, 27 Dec 2000 23:45:36 +0900 Received: (from ml@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) id XAA25772 for he-forum-outgoing; Wed, 27 Dec 2000 23:41:47 +0900 Message-Id: <200012271441.XAA25772@ml.asahi-net.or.jp> To: he-forum Subject: [he-forum 1542] 岩手日報12/27 X-Mailer: Mew version 1.94.2 on Emacs 20.4 / Mule 4.1 (AOI) Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Date: Wed, 27 Dec 2000 23:23:53 +0900 (JST) From: Hiroaki Ozawa X-Dispatcher: imput version 20000228(IM140) Lines: 56 Sender: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Precedence: bulk Reply-To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 2833 『岩手日報』2000年12月27日付 ■2000年県政この1年―(9) 大学改革 少子化が経営直撃 「国立」でも法人化の波  少子化が大学経営を直撃している。県内の私立大・短大5法人は今年、一致 団結して県私立高等教育協議会(会長・大堀勉岩手医大理事長)を結成した。 県に経常的な財政支援を要請、県民世論に窮状を訴えた。  定員割れの恒常化で経営難が続く久慈市のアレン国際短大(岩島久夫学長) は立て直しへ今春、経営陣を刷新。久慈市は財政支援として3000万円の振 興補助金を交付した。同じく学生減少の打開策として、一関市の麻生東北短大 (神山正学長)は、経営母体を学校法人第一麻生学園から大阪に本部がある同 藍野学院系列に移すことを決定。平成14年に学科再編を予定する。  国立大の動きも急だ。5月の国立大学長会議で、中曽根弘文文相(当時)は 「国立大の法人化で大学の自主性が大幅に拡大、教育研究の進展を図ることが できる」と発言。国立大を国の組織から切り離し、法人化する方向が事実上定 まった。  文部省は、行革に伴う省庁再編の一環として採用された「独立行政法人」を 基本的な考え方として、大学の自主性を尊重する特例措置を設ける方針。13 年度中の具体案づくりを目指す。  岩手大は文相発言直後の6月上旬、法人化に関する初の全学説明会を開催。 本格検討の「のろし」を上げた。それまでの設置形態検討委を「法人岩手大学 将来構想検討委」に組織替え。課題を精査、検討する態勢を整えた。  海妻矩彦学長は「15年度以降、早いところから法人化することになるだろ う」と対応の緊急性を強調。学内世論は「おおむね現実論でまとまっていると 認識している」として、国の動きを見ながら13年度内には地域性、国際性な どの課題も盛り込んだ「法人岩手大」の具体論をまとめる考えだ。  全国の大学・短大進学率は今や50%に近い。18歳人口の減少で、大学審 議会は「大学全入時代」の到来を予測している。21世紀に生き残りをかけた 大学間競争は、地方に一層厳しい。改革の大波は、本県の高等教育の在り方を 問い直すことにもなりそうだ。 ◎記者の目 開かれた大学いかに構築  今や大学は、戦後の新制大学が目指した「エリート養成機関」という側面だ けでは成り立たないのは論をまたない。少子化の進行で刻々と「大学全入時代」 が近づく一方、当の学生のみならず社会が大学に求めるニーズの多様化は今以 上に進むだろう。  新制大学の誕生から半世紀。岩手大の海妻矩彦学長は「(国立大は)文部省 の付属機関として独自の指針をつくる必要もなくここまできた」と、自省とと もに各大学が個性化を怠ってきたことを指摘する。  個性化という面では、私学にも同様の反省があるだろう。急激な改革論議の 高まりは、半面でそれだけ対応が後手に回ったことを露呈している。地域にあっ て「世界に開かれた大学」をいかに構築するか。全国規模の大学間競争の中、 各校の改革への取り組み過程が、そのまま大学の評価を左右するのは間違いな い。(報道部・遠藤泉記者)