From owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Tue Aug 22 01:40 JST 2000 Received: from ml-dist.asahi-net.or.jp (ml-dist.asahi-net.or.jp [202.224.39.110]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id BAA03317 for ; Tue, 22 Aug 2000 01:40:52 +0900 (JST) Received: from ml.asahi-net.or.jp (ml.asahi-net.or.jp [202.224.39.111]) by ml-dist.asahi-net.or.jp (8.9.3+3.2W/3.7W) with ESMTP id BAA28758; Tue, 22 Aug 2000 01:40:53 +0900 (JST) Received: from localhost (daemon@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) with SMTP id BAA32504; Tue, 22 Aug 2000 01:35:52 +0900 Received: by ml.asahi-net.or.jp; Tue, 22 Aug 2000 01:35:47 +0900 Received: (from ml@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) id BAA32418 for he-forum-outgoing; Tue, 22 Aug 2000 01:34:48 +0900 Message-Id: <200008211634.BAA32418@ml.asahi-net.or.jp> To: he-forum Subject: [he-forum 1198] 沖縄タイムス社説08/21 X-Mailer: Mew version 1.94.2 on Emacs 20.4 / Mule 4.1 (AOI) Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Date: Tue, 22 Aug 2000 01:30:20 +0900 (JST) From: Hiroaki Ozawa X-Dispatcher: imput version 20000228(IM140) Lines: 50 Sender: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Precedence: bulk Reply-To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 1935 『沖縄タイムス』2000年8月21日付社説 「教員養成」再編 どうするかは大学判断で  少子化が教育全般に及ぼす影響は底知れぬものがある。  単純図式で考えても、入学する子どもが減れば、先生の絶対数も少なくなる。 逆に空き教室はどんどん増える計算だ。  それが小学校から中学、高校、大学へ連動する。  今がまさにその最中だと言えようか。  とはいえ、これからも少子化はなお進むという。  十八歳の大学受験人口で見ると、二百五万人をピークに減少の一途をたどり、 現在は百五十万人まで落ちた。近い将来には百二十万人ラインを予想する。  受験生が、ピーク時の六割弱まで落ち込むのだから、各大学にとって定員確 保は至上命題となる。景気回復が長引いており、授業料の高い私立大学は、学 生集めで一層し烈にならざるを得ない。  国立大学だって安閑としていられないのは確かだ。改革に取り組んでも、独 立行政法人化が論議され、先行きは不透明である。  文部省は、教員養成課程がある国立の大学・学部の再編、統合を検討する懇 談会を発足させるという。  少子化で、小中学校教員の採用が減ったのを理由とする。  教員養成課程は、三つの私立大以外はすべて国立大学にある。人材育成を目 指した戦前の師範学校を引き継ぎ、新潟県を除いて各都道府県に一校ずつだ。  教員採用の減少とともに、学部の卒業生が教員となる割合も十年連続して下 がり続け、昨春は過去最低の三二%というのも関連している。  懇談会は、地域ブロックごとに統合するスリム化や小学校教員養成のみの大 学など検討する方針だ。  大学や地域の反発は当然だろう。学部が地元教育の核として、教育現場と連 携しながら果たした役割は大きい。  離島県の本県に照らせば、小学校教員の大半や、中学校教師の多くが琉球大 学の教育学部卒業生だろう。もし、教員養成課程が廃止されるとすれば、県教 育への影響は計り知れない。  懇談会は、少子化時代の教員養成や大学運営などを論議してほしい。具体的 にどうするかは大学や地域に任すべきだ。 From owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Tue Aug 22 01:40 JST 2000 Received: from ml-dist.asahi-net.or.jp (ml-dist.asahi-net.or.jp [202.224.39.110]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id BAA03313 for ; Tue, 22 Aug 2000 01:40:40 +0900 (JST) Received: from ml.asahi-net.or.jp (ml.asahi-net.or.jp [202.224.39.111]) by ml-dist.asahi-net.or.jp (8.9.3+3.2W/3.7W) with ESMTP id BAA28652; Tue, 22 Aug 2000 01:40:37 +0900 (JST) Received: from localhost (daemon@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) with SMTP id BAA32468; Tue, 22 Aug 2000 01:35:45 +0900 Received: by ml.asahi-net.or.jp; Tue, 22 Aug 2000 01:35:41 +0900 Received: (from ml@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) id BAA50176 for he-forum-outgoing; Tue, 22 Aug 2000 01:34:52 +0900 Message-Id: <200008211634.BAA50176@ml.asahi-net.or.jp> To: he-forum Subject: [he-forum 1199] 琉球新報社説08/21 X-Mailer: Mew version 1.94.2 on Emacs 20.4 / Mule 4.1 (AOI) Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Date: Tue, 22 Aug 2000 01:31:55 +0900 (JST) From: Hiroaki Ozawa X-Dispatcher: imput version 20000228(IM140) Lines: 38 Sender: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Precedence: bulk Reply-To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 1892 『琉球新報』2000年8月21日付社説 教員課程再編・効率性だけでいいのか  大学はいま、独立行政法人化問題にさらされているが、今度は教員養成課程 がある国立大学・学部の縮小、統廃合の再編計画に向けて文部省が動きだした。 来年三月までに結論をまとめる方針という。  大きな理由として、少子化の影響で小中学校教員の採用数が年々、減少して いること、教員養成課程を卒業し、教員になった割合が十年連続下がり続け、 昨春は過去最低の三二%であったことなどを挙げている。再編の内容は地域ブ ロックごとに統合することや、さらなる定員の縮小などだ。  不登校、いじめ、体罰、校内暴力など、学校を取り巻く状況はかつてなく厳 しい。大分で起きた十五歳少年による一家六人殺傷事件などにみられるように、 少年犯罪も凶悪化。その背景として学校教育と家庭教育の関連が常に指摘され ている。これらの問題解決能力で資質の向上がより求められているのが教職員 である。  こうした中、教職の専門家を育成する養成課程をなぜあえて、いま再編しよ うとするのか。一方で文相の諮問機関である教育職員養成審議会は教員研修の 在り方で答申を行った。教育学部は教員養成の機能ばかりではない。少子化な どである程度の再編、縮小には理解を示している大学でも地域の教育センター 的機能を果たしていることを無視して全く廃止されることには強く反発してい る。当然だ。  大学の独立行政法人化問題もそうだが、もともと、教育や研究は効率性の観 点にはなじまない。もちろん大学の組織や研究体制、職員の身分制度の在り方 は固定的であってはならないし、時代と状況に応じた改組、改善には大学自ら 積極的に対応すべきである。  教育は国家百年の大計といわれるように、人材を育てるのは国が発展してい くための根幹にかかわる。  もっぱら効率性だけを前面に押し出した教育改革には反対する。むしろ教員 の枠を減らすことなく、国民の要請が強い少子化時代に対応した三十人学級を 実現することが先決であろう。