From owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Mon Aug 7 14:10 JST 2000 Received: from ml-dist.asahi-net.or.jp (ml-dist.asahi-net.or.jp [202.224.39.110]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id OAA06505 for ; Mon, 7 Aug 2000 14:10:14 +0900 (JST) Received: from ml.asahi-net.or.jp (ml.asahi-net.or.jp [202.224.39.111]) by ml-dist.asahi-net.or.jp (8.9.3+3.2W/3.7W) with ESMTP id OAA02752; Mon, 7 Aug 2000 14:10:05 +0900 (JST) Received: from localhost (daemon@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) with SMTP id OAA09824; Mon, 7 Aug 2000 14:05:20 +0900 Received: by ml.asahi-net.or.jp; Mon, 7 Aug 2000 14:05:16 +0900 Received: (from ml@localhost) by ml.asahi-net.or.jp (8.8.8/3.7W) id OAA54518 for he-forum-outgoing; Mon, 7 Aug 2000 14:03:14 +0900 Message-Id: <200008070503.OAA54518@ml.asahi-net.or.jp> Date: Mon, 07 Aug 2000 14:08:20 +0900 From: Hideaki Arai To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Subject: [he-forum 1167] 日本教育新聞7/28 高等教育局長インタビュー MIME-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit X-Mailer: Becky! ver 1.25.04 Sender: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp Precedence: bulk Reply-To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP Content-Length: 3514 日本教育新聞2000年7月28日 文部省新幹部に聞く(4)工藤智規・高等教育局長 見出し:教員養成大学の質を改革 「文部省新幹部に聞く」四回目は工藤智規・高等教育局長。国立大学の独立行政 法人化という難題に取り組みつつ、教員養成大学の改革構想を練る。量的な調整 と併せて質的な向上が必要という。大学入試の改善では、大学と高校が日常的に 意見交換することの必要性を力説した。 −−−大学改革では、どんな高等教育機関を目指しているのですか。 局長 大学審議会、学術審議会が掲げた「個性が輝く大学」「知的存在感のある 国づくりへの貢献」ということだと思います。どの大学でも、学生が自分に誇り を持って世の中に巣立っていけるような教育をやっていただき、研究面では各大 学の独創的な研究者をバックアップしながら、どう研究体制を構築していくかが 課題です。 −−−大学にはいわゆる「出口管理」が求められていますが。 局長 大学によっては、補習などの努力をしています。入試改革でも、入り口は できるだけ受験生に負担をかけないで、かつ、大学で必要な基礎能力を測るよう な改善が進んでいます。  問題は、在学中の教育です。出口管理というと卒業時だけと見られますが、む しろ在学中に、能力を開花させ、興味・関心を広げて立派な人材を養成していた だく。これは各大学のご努力次第です。 −−−中教審が大学と高等教育との接続について提言しました。今後、双方はど うかかわる必要があるのでしょうか。 局長 大学の入試が高校以下の教育に与えている影響は大きいので、その入試で 何を問うのか、という目配りが大事です。そのとき、高校側の意見を聞く懇談の 場が必要です。 −−−教員養成大学の改革はどのように進めますか。 局長 量と質の両面で検討が必要だと考えています。教員需要は減っていますの で量的な問題があることは確かです。また、本当に教員養成大学が、学校現場で すぐ使える教育をしているのかという質的な問題をもう一度問い直す必要があり ます。 −−−国立大学の独立行政法人化に関する考え方、見通しは。 局長 すでに大臣が方針を示されているように、文部省としては、独法化という 方向が国立大学の発展のためにも有効な方向だと考えています。  独立行政法人通則法は大学に適用しにくい部分があります。大学向けの制度設 計を行うため、調査検討会を発足させて、平成十三年度中には一定のまとめをし たいと思います。 −−−一部に異論も根強くあります。 局長 みな不安はあると思います。今まではぬるま湯のような体質のところにい た面もあります。ただ、今の国立大学のままで未来が明るいとは言えません。そ の上、法人格がないために不自由な部分もあるわけです。独法化はチャンスでは ないでしょうか。この機会に一定の自律性を持てる可能性があります。 −−−来年度予算の概算要求の考え方はいかがでしょうか。 局長 国立大学で言えば、全体の投資額が必ずしも多くありません。教育研究条 件を改善する取り組みが必要です。あるいは努力している大学には、金を回し各 大学での改革を助長するような予算の確保はしたいと思います。このほか、私学 の元気が出るような予算にしたり、育英奨学の一層の充実などを考えています。 −−−定員割れの私学が増えているようです。どう対応されますか。 局長 予算を確保するということになるますが、今回、経常費助成金の配分基準 を見直しました。定員割れを起こした場合、機械的に助成金をカットするのでは なく、しっかりした大学の特色ある教育研究を推奨するようにしようというもの です。 くどう とものり 京都大法学部卒後、昭和44年入省。大学課長、会計課長、 助成局担当審議官、体育局長、学術国際局長などを経て本年6月から現職。青森 県出身。昭和22年生まれ。