2000/06/14  18:44

離散家族で合意目指す 第2回首脳会談

 【ソウル14日共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を初めて訪問している韓国の金大中大統領は十四日午後(日本時間同)、宿舎の百花園迎賓館で金正日総書記と二回目の首脳会談を行った。

 韓国政府や大統領同行記者団によると、両首脳は(1)離散家族の再会実現(2)北朝鮮のインフラ整備をはじめとする経済協力(3)平和共存や当局者対話の枠組みづくり―などでの合意を目指して協議。金大統領は、対話継続のため金総書記のソウル訪問も正式に招請したとみられる。

 ソウルで会見した梁栄植・統一省次官は「会談の進展次第で合意文書も出るだろう」と述べた。

 十三日の一回目の首脳会談で両首脳は、南北関係改善の必要性で認識が一致していた。

 同行記者団が送信した映像によると、会談冒頭のやりとりで金総書記は「金大統領や随行員たちに(滞在中)不便なことはないか」などと配慮を示し、韓国マスコミの報道ぶりや離散家族、亡命者の反応まで幅広く話題を展開、終始笑顔を見せながらほぼ一方的に話した。


「ネット留学」も可能に 大学審が提言

 国際化時代の大学教育の在り方を検討している文相の諮問機関、大学審議会の部会は十四日、インターネットによる海外の大学の通信教育を国内で受けた場合でも、留学したのと同様に卒業資格や単位を認めることを盛り込んだ提言をまとめた。

 提言は、情報技術(IT)の急速な進展に対応し、多様な形態の教育を幅広く認める方向を打ち出しており、国境を超える「大学のボーダーレス化」に弾みがつきそうだ。

 同部会は三十日に「審議の概要」をまとめ、各方面から意見を聞いた上で、年内に答申を出す。

 ネットによる授業は米国、英国などの大学がここ数年で次々に導入。ネット学習だけで卒業できる大学もあり、日本での受講者も徐々に増えている。


ゼロ金利長く続けられない 日銀総裁

 日銀の速水優総裁は十四日の定例会見で「ゼロ金利政策をいつまでも続けていくべきでないことは明らか。金融政策の自由度を復活させたいという気持ちは常に持っている」と述べ、金融政策運営面からも同政策の解除が必要だとの見方を示した。

 総裁は「(本来、金利は)上がったり、下がったりするもの」と述べ、ゼロ金利政策の長期化で、金融政策運営の手段が縛られていることに懸念を表明。日銀の審議委員の間でも「(ゼロ金利政策は)緊急対策ということで一致していると思う」と述べた。

 総裁は「デフレ懸念払しょくが展望できる情勢は近づいている」との見方をあらためて示し、今年一―三月期の国内総生産(GDP)で国内民間需要が三期ぶりに増加したことを「民間需要の回復傾向を示す有力な材料と考えてよい」と評価した。しかし「(こうした動きが)今後どの程度持続的なものになるかどうか、先行きがはっきりつかめない」として、ゼロ金利政策解除に向けて今後の経済指標などを注視していく姿勢を示した。


連絡事務所設置を協議 首脳が再会談へ

 【ソウル14日共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問中の韓国の金大中大統領は十四日午前、平壌の万寿台議事堂で北朝鮮のナンバー2、金永南・最高人民会議常任委員長と約四十分間会談し、連絡事務所の相互設置やホットライン開設、離散家族再会問題などを協議した。韓国同行記者団が明らかにした。金正日総書記は出席しなかった。

 韓国政府筋は、午後に二人だけの首脳会談が予定され、最初の合意文書が発表される見通しと述べた。金大統領は会談で金総書記のソウル訪問を招請、首脳同士の対話継続を目指す。

 新華社通信によると、北朝鮮当局者は、両国が同日中に二重課税防止と投資保護に関する二協定に調印することを明らかにした。大統領は閣僚らも交えた金常任委員長との会談で(1)経済協力の政府レベルへの格上げ(2)政府間対話の活発化―なども協議した。


東証、下げ幅4百円超す

 十四日の東京株式市場は、景気の先行きや米国株式市場に対する警戒感などから買いが手控えられる中、ほぼ全面安の展開となり、東証平均株価(225種)は大幅続落した。一時四三六円安まで売られ、午後一時十分現在、前日比三七五円一四銭安の一万六五三九円八一銭で取引されている。

 前日の米国株は値上がりしたものの、日本時間の十四日夜に米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて見送りムードが強まった。

 朝方は当面の利益を確保する目的で、ハイテク・情報通信関連の主力銘柄に売り注文が先行。その後、相場下落への不安感が広がって売られる銘柄が急増、下げ足を速めた。

 市場では「米国の景気に対する先行き懸念、総選挙による経済対策の空白など、投資家の弱気心理が強まっている」(大手証券)との指摘も出ている。


手口、動機に残るなぞ 篠沢容疑者送検

 女性六人が殺害された宇都宮市の宝石店「ジュエリーツツミ宇都宮店」での放火殺人事件で、宇都宮中央署捜査本部は十四日、強盗殺人と放火容疑で栃木県小山市の元飲食店経営篠沢一男容疑者(49)を送検した。

 篠沢容疑者は調べに対し、荒井紀美子店長(49)と従業員五人を店舗奥の休憩室に押し込み、用意していたガソリンをまいて火を付けたことを認めており、捜査の焦点は、密室で行われた犯行の詳しい手口や動機の解明に移る。

 これまでの調べによると、荒井店長ら五人の遺体は休憩室で、堀美知子さん(51)の遺体は休憩室内のトイレで見つかった。死因はいずれも焼死で、ガソリンが体にかけられていたことを示す油性反応があった。


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