From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Sat Jul 26 13:44 JST 2003 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3p2/3.7W) with ESMTP id NAA20940 for ; Sat, 26 Jul 2003 13:44:54 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id MAA04379; Sat, 26 Jul 2003 12:41:21 +0900 (JST) Date: Sat, 26 Jul 2003 12:41:12 +0900 From: "Ryuzaburo Noda" Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:04910] 教育基本法改正は戦争国家への最終ボタン To: Cc: Message-Id: <002801c35327$c4596a10$0200a8c0@sotecakyyc9va0> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 04910 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2800.1106 X-Priority: 3 X-MSMail-Priority: Normal X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V6.00.2800.1106 Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Precedence: bulk Lines: 69 Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp" Content-Length: 3462 やや旧聞に属しますが、大内裕和助教授(松山大学)の教育基本法 改正に関する講演会の模様を伝えた愛媛新聞の記事を紹介します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ 2003年7月9日 愛媛新聞 教育基本法改正に異議−松山大助教授大内氏が講演 戦争国家への扉開く 市場原理導入が進行 一気に社会の二極化も  教育基本法改正をめぐり賛否が議論される中、このほど「教育基本法改 正論批判」を出版した大内裕和松山大助教授(教育社会学)が「戦争と教 育の現在を考える―教育基本法『改正』とは何を意味するのか」と題して 講演した。同大の学生有志が企画し、二回目。大内助教授は「教育基本法 改正は日本の将来を大きく変える。改正は戦争国家への最終ボタン」と訴 えた。要旨を紹介する。  教育基本法改正は単なる法律問題ではなく、この二十年間の教育改革の 延長上にある。教育改革は「ゆとり」「個性化」というスローガンで進め られてきたが、皮肉にも学校現場では「ゆとり」も「個性」も奪われてい る。子どもたちは興味や意欲、関心を評価されるので、自身の人格を先生 によく見せる努力を強いられる。それは非人間的なことで、「個性」は許 されない。さらに「特色のある学校づくり」は校長の権限強化につながり、 物言わぬ教員を増やすことになる。これらの根底にあるのが教育に市場原 理、競争原理を持ち込む「新自由主義」と、国家による統制を目指す「国 家主義」の結合だ。  私が教育基本法改正を「改悪」というのは、教育をグローバル化時代の 国家戦略として位置づけているからだ。現法にある個人の尊重、個人の権 利はなくなり、「国家に役立つ人材づくり」ということを正面に打ち出し ている。  最も大きな問題は教育振興基本計画を教育基本法に導入しようとしてい ること。現法は戦前の教育勅語を否定することからできた理念法だが、同 基本計画が導入されると行政施策法に変わってしまう。つまり教育行政そ のものを定める法になってしまう。第十条で教育行政による「不当な支配」 を禁じた現法は骨抜きにされ、文部科学省の教育政策の決定力が強くなる。  財政難により今後義務教育への国庫負担は削減され、地方の教育費はカ ットされていくだろう。教育への市場原理の導入は次々進んでいく。そこ に教育基本法が改正され「新自由主義」が入ってくると、学校教育におけ る平等化は完全に否定され、エリートとノンエリートという社会の二極化 は一気に進む。そうなると貧困層や失業者は増大し、犯罪も増えるだろう。 政府は社会の破たんを抑えるため、統合理念が必要と思っている。そこで 持ち込まれたのが「たくましい日本人」や「兄弟、国を愛する心」といっ た「国家主義」。「新自由主義」によって生まれる矛盾を「国家主義」で 繕おうとしている。国家による子どもの心への介入はすでに始まっている。 一つは福岡県の小学六年社会科での「愛国心」評価。京都市でも心の教育 を推進している。昨年以降導入された「心のノート」は全国の小中学校の 98%で使用されている。拒絶しない限り、気がつかない間に統制されて いく。  教育基本法改正は戦争のできる国づくりの一貫として進められているの は明らか。学校こそ、これまで反戦平和教育の拠点だったのに、改正によ って戦後培われてきた平和意識を払拭しようとしている。この改正を通さ ないことが戦争国家への道をくい止めることになる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・   野田隆三郎 701-1145 岡山市横井上507−79   TEL/FAX 086-294-4020  e-mail nodarr.193@do9.enjoy.ne.jp