From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Tue Jun 10 17:15 JST 2003 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3p2/3.7W) with ESMTP id RAA27917 for ; Tue, 10 Jun 2003 17:15:31 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id QAA14491; Tue, 10 Jun 2003 16:34:12 +0900 (JST) Date: Tue, 10 Jun 2003 16:31:13 +0900 From: 東京大学職員組合 Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:04776] 国大協総会に向けての要望 To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <5.1.1.8.2.20030610162917.051d4228@pop.asahi-net.or.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 04776 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: QUALCOMM Windows Eudora Version 5.1.1-J X-Sender: m6876kd678h@pop.asahi-net.or.jp Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Precedence: bulk Lines: 125 Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp" Content-Length: 7561 reform各位  東京大学職員組合は6/10、下記の要望書の国大協会員への配布を国大協事務局へ 要請しました。                            東職書記長 -------------------------------------------------------------------------- 2003年6月10日 国立大学協会 会員各位 東京大学職員組合    国立大学協会第112回定期総会に向けての要望  国立大学協会(以下、国大協)の定期総会に当たり、会員各位が大学の構成員及び国民 に対して責任ある対応を取られるようここに再度要望いたします。  国大協は、「国立大学相互の緊密な連絡と協力をはかることにより,その振興に寄与す ることを目的とする」ために1950年設立された団体ですが、文科省との関係において、事 実上国立大学全体の意思を代表する窓口となってきました。メディアもまた、国大協が国 立大学全体の意思を代表すると認識しています。したがって、大学に働く私たち教職員及 び国民は、国大協の行動に重大な関心を持たざるを得ません。  国立大学の法人化問題が起こると、当初国大協は大学のあるべき姿について検討を行い ました。しかし、法案の内容が具体化するにつれて、それが自らのまとめたあるべき将来 像と離れて行くにもかかわらず、案文の字句解釈に終始するようになりました。この間の 推移は国大協公式サイト中の「国立大学協会の見解・資料等」にリンクされた文書からも 明らかであります。(http://www.zendaikyo.or.jp/dokuhouka/kokudai.htm)  国大協は事態を広く大学構成員に説明し、その意見を背景に行動しようとしませんでし た。これは、ことの重大性からして到底許される行為ではありません。私達はあなた方国 大協会員諸氏に大学の設置形態の変更や教職員の身分変更を追認するような権限を預けた 覚えは全くありません。しかも、大学構成員の声を背景に持たないために、国大協の発言 は政府・与党等から軽く見られてきました。法人化問題が今日の状況に至った一因は、教 授会自治の閉鎖性以上に、国大協自身の閉鎖的体質にあると言われています。 特に国家公務員試験採用職種である事務職、技術職までを非公務員化することには大いに 異議があります。文部科学省の国会答弁においてもその根拠は何ら明確となっておりませ ん。国大協は、いかなる法的根拠に基づいて職員が国家公務員の身分を奪われるのかにつ いて、きちんと職員に説明することが可能でしょうか。 この間、国大協は沈黙を続けています。法案の閣議決定以後、種々の問題点が明らかにな ってきているにもかかわらず、あなた方国大協会員諸氏は衆議院での審議を傍観するだけ で、何らの積極的対応を取ろうとしませんでした。それだけではなく、5月30日の理事 会においては、法案が国会で審議中であることや執行部の交代期に当たっていることを理 由に、今次総会で意見表明の文書を出さないとの方針を決めたと聞きます。黙ったままで いて「自由」や「自治」が守られた例が、どこにあるのでしょうか。 また、このような姿勢は、国民――特に大学に通ったことのない人や私立大学の卒業生・ 関係者――にはどのように映るでしょうか。国民が大学や学問に対して第一に期待してい るのは、何ものも恐れず、何ものにもこびず、おもねず、何ものに対してもはっきりとも のを言うことではないでしょうか。職員組合にも、一般国民から「今の国大協に何を要請 しても無意味であり、もう国大協を見限れ」との意見が寄せられています。しかし私達は、 総会を前に、大学構成員及び国民に対して責任ある対応を示すことを再度、強く要請する ものであります。沈黙は国立大学の存在を否定していることに他なりません。それともこ の沈黙は、もはや国立大学は必要ないという国大協の意思表示でしょうか。 法人化は大学を活性化し学術を発展させる可能性を持ちます。しかし今回の「国立大学法 人法案」は、政府・文科省の短期的かつ利己的動機に基づくものであり、朝日新聞の社説 も文科省の支配強化を危惧しています(下に抜粋)。 5月23日の文教速報によると、文教施設部は労働安全衛生法対策を学長裁量経費、競争 的研究資金の間接経費などを総動員し今年度中に対策を講じるように大学経理部に指示し、 追加財政支援はしないことを明言しています。その一方で、国立学校特別会計の借入金は 法人の債務になると言われています。また総務省では、主務官庁が行う評価とは関係なく 勧告(業務の改廃を含む)ができるよう独法評価の制度設計を進めていると聞きます。 国立大学法人は、最初の段階から政府・文科省に手足を縛られてスタートすべく設計され ていると言わなければなりません。  国大協サイトの英文ページには、次のように、学問の自由と大学の自治を守るために国 大協が発足したことを示す文章があります。ここに示された精神が現在の国大協にどれだ け残っているのか、疑問を感じずにはいられません。 The founding President of the JANU, Shigeru Nanbara (President of The University of Tokyo) said that the primary purpose of the JANU was to defend the `freedom of scholarship' as specified in the new Constitution of Japan, and to establish this as an immovable principle. The issues of autonomy of universities and freed om of scholarship should not be defended solely by the individual actions and tr aditions of universities, as was the case before the Second World War. Rather, t hese should be regarded as common issues, defended and established by the collec tive organization and power of many universities. 貴職におかれては以上の指摘を真摯に受け止められ、6月10日からの国大協総会におい て大学人としての良心に悖らぬ行動をとられることを切に願うものであります。 以 上 ******************************************************************************* 国会で審議中の「国立大学法人法案」に関する朝日新聞6月2日付社説は以下のとおりです (68%抜粋。強調は引用者): 文科省支配を断て ・・・・・・・ 衆院で焦点となったのは、法人化された後も、大学に対する文部科学省の強い関与や支 配が実質的に残るのではないかという問題だった。文科省の答弁はあいまいで、納得でき るものではなかった。 いまの政府案のままで、個性豊かな大学を育てるという目的を実現できるのか。大いに疑 問と言わざるを得ない。議論を深め、必要な修正を加えてもらいたい。法案によれば、各 大学の教育研究や組織の運営の方向を示す「中期目標」について大学の意見は聴くものの、 最終的には文科相が決定する。「目標」を実現する「中期計画」にも文科相の認可が必要 だ。 これでは、文科省官僚が事細かに介入して、大学の自主性を損なってしまった従来の二の 舞いになりかねない。 「税金投入の責任を負う国として、適正な内容かどうかを見るだけだ。何をやりたいかは 大学が決める」。遠山文科相はそう答弁した。しかし、法案をどう読んでも、大学が十分 な自主性をもって目標や計画を決められる内容とは思えない。  ・・・・・・ 大学の活動の死命を制する機関であるにもかかわらず、文科省は[評価]委 員会の具体的な運営や構成について明確な見解を示していない。 はっきりしているのは、委員を選ぶのが文科省当局だということだ。しかも、委員会の事 務局に官僚を送り込む考えのようだ。委員会が文科省の言いなりになるなら、予算を通じ た大学支配は変わらない。 ・・・・・・・ 法案は、大学職員の人事権は学長が持つとしているが、文科省と大学間の人事交流や天下 りを規制する規定はない。 ・・・・・・・ 法人化は、新しい大学像を大学がみずから描く好機だ。文科省支配を断ち切ることが、そ のための大前提である。 ========================================== 東京大学職員組合 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 Fax:03-3813-1565 Tel:03-5841-7971 E-Mail HP URL 独行法反対首都圏ネットのページは東職HPの中にあります ==========================================