From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Thu May 29 16:45 JST 2003 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3p2/3.7W) with ESMTP id QAA23801 for ; Thu, 29 May 2003 16:45:54 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id QAA28579; Thu, 29 May 2003 16:12:17 +0900 (JST) Date: Thu, 29 May 2003 16:12:56 +0900 From: Masa Matsuda Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:04733] 愛知教育大学憲章について To: 改革フォーラム, 高等教育フォーラムメーリングリスト, 愛知教育シンポ Message-Id: <3ED5B2F8.1000808@auecc.aichi-edu.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 04733 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja-JP; rv:1.0.2) Gecko/20030208 Netscape/7.02 X-Accept-Language: ja Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Precedence: bulk Lines: 125 Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP Content-Length: 7206  愛知教育大学では,昨年7月以来,大学改革推進委員会(委員長は学長)におい て「愛知教育大学憲章」策定に向けて論議をしてきました。法人化如何に関わら ず,大学の長期ビジョンをつくろうということがきっかけでした。  憲章を起草するための専門委員会が昨年10月に立ち上がり,昨年2002年12月に 教授会に第一次案が示されるとともに,学内外に,この第一次案を示し,パブ リックコメントを求めました。市民や学生,教員、職員から大学憲章に対するコ メントが寄せられ,これらを踏まえ,3月の教授会に議題として提案されました。  この教授会では,大学の自治の問題や,教員養成系単科大学であることの特徴 の記載などをめぐって,論議があり,継続審議になりましたが,更に議論を重 ね,4月16日(水)に臨時教授会を開催し,「愛知教育大学憲章」及びその附属文 書である「愛知教育大学憲章制定に向けて」が全会一致で承認されました。  なお,愛知教育大学の教授会は,助手から教授までの全員参加の教授会です。    5月26日(月)には,学生・院生・事務系職員・大学及び附属学校教員の参加の もとで,大学改革推進委員会の主催の「愛知教育大学憲章制定宣言全学集会」が 開催され,学長による制定宣言,あるいは,制定への経過が改革推進委員会の憲 章担当者からの報告,全構成員から各層(学生院生,事務系職員,付属校教員, 大学教員)から,併せて9名の方の,憲章への思いや,憲章への期待が語られま した。学生からは大学に対する注文等を含め,学生参加の問題などについて話が ありました。職員からは,なぜ今憲章を作ったのかその必要性がわからないな ど,憲章への疑問もだされました。    愛知教育大学は,学生数(大学院生含む)約4000人,教職員数約700人,付属校 の生徒数3400人の約8000人からなる単科のいわゆる教員養成系の国立大学です (といってもそのうち45%の学生は,学芸諸課程と称し,教員免許取得を義務付け ていない課程に属しています)ので,憲章にもその特徴が出ています。集会で は,翻訳者から憲章の英訳の難しさなども話題になりました。予定した2時間を 超えて,3時間余の集会となりました。    この全学集会には,約150名の参加者があり、参加者全員で,この「愛知教育 大学憲章」を確認しました。  今後,この憲章を愛知教育大学の長期的理念として今後の大学づくりに取り組 むこととなります。また,憲章本文及びその付属文書は  http://www.aichi-edu.ac.jp/kaikaku/kensho.pdf  にありますので,参照ください。憲章のみ,最後にテキストでつけておきます。 全国の大学で,こうした取り組みが進むことを期待し,お知らせする次第です。 憲章のパンフもありますので,請求いただければ,お送りいたします。   以上です。 愛知教育大学物理 松田正久 mmatsuda@auec..aichi-edu.ac.jp ++++++++++愛知教育大学憲章本文++++++ 愛 知 教 育 大 学 憲 章 (2003年4月16日制定) 【愛知教育大学の理念】 愛知教育大学は,学術の中心として,深く専門の学芸を教授研究するとともに, 幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い,豊かな人間性を涵養する学問の府と して,日本国憲法,教育基本法,ユネスコの高等教育に関する宣言等の理念を踏 まえ,教育研究活動を通して世界の平和と人類の福祉及び文化と学術の発展に努 めることが,普遍的使命であることを自覚し,愛知教育大学憲章を定める。 愛知教育大学は,学部及び大学院学生,大学教職員,附属学校教職員等を構成員 とし,大学の自治の基本理念に基づき,大学における自律的運営が保障される高 等教育機関として,また国により設置された国立大学として,その使命を果たす ため,本学の教育目標と研究目標,教育研究及び運営のあり方を定め,これを広 く社会に明らかにするものである。 【愛知教育大学の教育目標】 愛知教育大学は,平和で豊かな世界の実現に寄与しうる人間の教育をめざす。 学部教育においては教養教育を重視し,教員養成諸課程では多様な教員養成プロ グラムを通して,平和な未来を築く子どもたちの教育を担う優れた教員の養成を めざし,学芸諸課程では,社会の発展と文化の継承及び創造に貢献できる広い教 養と深い専門的能力を持った多様な社会人の育成をめざす。 大学院教育においては学部教育を基礎に,学校教育に求められるさらに高度な能 力を有する教員の養成をめざすとともに,諸科学の専門分野及び教育実践分野に おける理論と応用能力を備えた教育の専門家の育成をめざす。また,大学院を教 員の再教育の場としても位置付け,教師教育の質的向上を図る。 【愛知教育大学の研究目標】 愛知教育大学は,教育諸科学をはじめ,人文,社会,自然,芸術,保健体育,家 政,技術分野の諸科学及び教育実践分野において,科学的で創造性に富む優れた 研究成果を生み出し,学術と文化の創造及び発展に貢献する。さらに,その成果 を社会へ還元することを通して,人類の平和で豊かな未来の実現,自然と調和し た持続可能な未来社会の実現に寄与する。 【愛知教育大学の教育研究のあり方】 1. 学問の自由と大学の自治 愛知教育大学は,自発的意思に基づく学術活動が,世界平和と持続可能な社会の 形成に寄与することを期して,学問の自由を保障する。また,大学の自治が保障 された自律的共同体として,教育が国民全体に責任を負って行われるべきである ことを自覚し,不当な支配に服することなく,社会における創造的批判的機能を 果たす。 2. 世界の平和と人類の福祉への貢献 愛知教育大学は,学術の基礎研究と応用研究をはじめ,未来を拓く新たな学際的 分野にも積極的に取り組み,世界の平和と人類の福祉及び学術と文化の発展に貢 献する。 3. 教師教育に関わる教育研究の推進 愛知教育大学は,広く人間発達に関わる諸学問と教育方法の結合を図りながら, 教員養成や教員の再教育などの教師教育に関する実践的教育研究を行うととも に,教師の専門性と自律性の確立をめざした教育研究を推進する。 4. 国際交流の推進 愛知教育大学は,国内外の高等教育諸機関との連携や国際交流を推進し,留学生 の積極的受け入れ及び派遣を通して,アジアをはじめ,世界の教育と文化的発展 に貢献する。 5. 大学の社会に対する責任と貢献 愛知教育大学は,学外への情報公開及び広報活動を通して,社会に対する説明責 任を果たし,学外からの声に恒常的に応え,社会に開かれた大学を実現する。 また,教育界をはじめ広く社会と連携し,社会からの要請に応えて,教育研究の 成果を還元し,社会の発展に貢献する。 【愛知教育大学の運営のあり方】 1.  大学の民主的運営 愛知教育大学は,全ての構成員が,それぞれの立場において,本学の目標を達成 するため,大学の諸活動へ参画することを保障し,民主的運営を実現する。構成 員は,大学の自治を発展させるための活動を相互に尊重するとともに全学的調和 をめざす。 2.  学生参画の保障 愛知教育大学は,学生の学修活動を支援し,教育改善への学生参画を保障する。 3.  教育研究環境の整備充実 愛知教育大学は,豊かな自然環境を保全活用し,施設設備を含む教育研究環境の 整備充実を図るとともに,障害者にもやさしい大学づくりを進める。 4.  自己点検評価と改善 愛知教育大学は,本学の教育目標と研究目標に照らして,恒常的な自己点検評価 により,不断の改善に努める。 5.  人権の尊重 愛知教育大学は,全ての構成員が相互に基本的人権と両性の平等を尊重し,教育 研究活動における,あらゆる差別や抑圧などの人権侵害のない大学を実現する。 +++++++++++++