From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Mon Apr 8 19:40 JST 2002 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id TAA05785 for ; Mon, 8 Apr 2002 19:40:42 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id TAA12417; Mon, 8 Apr 2002 19:02:40 +0900 (JST) Date: Mon, 8 Apr 2002 19:06:20 +0900 From: reformad@ed.niigata-u.ac.jp (reform-ml) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:04096] 国立大学協会設置形態検討特別委員会の最終報告 To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200204081001.TAA12173@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 04096 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.8.8r7-J16) X-Sender: reformad@133.35.177.100 Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 147 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 7829 国立大学協会設置形態検討特別委員会の最終報告  he-forumから転載します。あきれるばかりの内容です。4月19日の国大協 臨時総会で承認してしまうと、文部科学省の案がそのまま法令化されることに なります。                           4月8日 大学改革情報ネットワーク [he-forum 3750(4/8)] 東北大学職員組合です。  最終報告への国大協の検討結果の情報が入りテキスト化しました。(最終報告「新 しい『国立大 学法人』像について」の検討結果 平成14年4月1日 国立大学協会設 置形態検討特別委員会) *******(以下)******* 最終報告「新しい『国立大学法人』像について」の検討結果 平成14年4月1日 国立大学協会設置形態検討特別委員会 1、はじめに  国立大学協会は、文部科学省・国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議 の中間報告に対して、「国立大学法人化のありうべき方向を示すものとして評価する ことができる。しかし、なお、いくつかの重大な問題点が残されている。」として、 総括的な問題と具体的な問題を指摘していた。ここでは、中間報告と比べて変化しあ るいは新たに定まった点を中心に、最終報告をどう受け止めるべきかということを検 討する。 2、総評  国立大学の法人化は、戦後日本の大学制度改革の中でもっとも大きな改革の1つで ある。国立大学等関係者だけでなく、公私立大学、経済界、言論界、高等教育や学術 ・科学技術政策についての有識者、それに担当の文部科学省等から広く知恵を結集し て未決着部分も決着させ、最終報告がまとめられた。  最終報告の法人像は、全体として、国立大学法人法による法人化、国を設置者・経 費負担者とすること、大学を法人一体の組織、教学経営が統一された運営組織、大学 業務の特性を尊重した中期目標・中期計画、外部意見を入れた学長選考制度、さらに は柔軟な人事制度等において、基本的に国の経費で教育研究等を行う開かれた自主・ 自律の責任組織となっており、国立大学におおむね適合的な法人像になっている。  また、同時に、「高等教育・学術研究等への効果的で十分な支援について責任が問 われる」と、国の責任も明示されている。  従って、国立大学協会は、最終報告を、基本的には、国立大学が国民の期待に応え て教育研究等において世界的な競争力をもち地域に貢献する大学として飛躍していく ための改革案であると受け止める。大学構成員は新たな意識で取り組むことが必要で ある。  ただ、問題点や懸念がないということではない。とくに職員身分の非公務員型につ いては、環境整備や法的整備などの点で多くの検討課題があり、また、財務会計制度 の財政的基盤を確保する方式や運営費交付金の積算・配分方式等が依然不明である。 これらについては、政府は国立大学協会と協議しつつ、今後早急な取り組みを行うべ きである。 3、設置者  国立大学協会は中間報告に対して、学校教育法第2条・第5条との関係で、国を設 置者とし、国立大学に対する経費負担者としての国の責任を明確にするように求めて いた。また、国を国立大学の設置者とすることにより、大学組織と法人組織を一体と することになる点からも、国を国立大学の設置者とすることが必要であると見てい た。  最終報告においても、国を国立大学の設置者とすることが堅持された点は評価でき る。 4、運営組織  国立大学協会は中間報告の複数案に対して、それぞれ経営事項と教学事項を中心に した運営協議会と評議会という審議機関のほかに、役員組織について委員会方式も参 考になるとした。ただし、もともと経営と教学の分離には無理があることを指摘する とともに、役員会に議決制を持ち込むことには賛同せず、また運営組織のあり方につ いて大学ごとの幅を認めるように主張した。  最終報告では、役員会・運営協議会・評議会からなる運営組織に落ち着き、経営・ 教学の双方にまたがる案件の扱いや、役員会で議決すべき「特定の重要事項」の内容 については、各大学の裁量を認めるなど、一定の配慮がなされている。  なお、役員の選考方法については、学長を中心にした役員会が国立大学法人運営に 責任を持つことになるので、副学長の任命は学長が自らの責任で行うとともに、大学 の外部の者や事務職員から学長が任命すべき役員の数や比率、選任の基準に特段の定 めはないものと解する。 5、非公務員型  最終報告では、職員身分について「非公務員型とすることが適当である」と結論さ れた。一方、国立大学協会も、「現行法のままでは非公務員型も考慮に値する」とし ていた。公務員制度改革が小幅な場合、非公務員型の検討もありうると見ていた。  最終報告では、非公務員型は、柔軟かつ弾力的な雇用形態・採用方法・給与・勤務 時間、外国人の管理職への登用、兼職兼業の弾力化などにメリットをもっており、し かも、非公務員型の場合でも、法人への職員の引継や退職手当の機関通算には法的措 置を講ずるとし、また、医療保険・年金、宿舎については、国家公務員と同じ扱いに なるとしている。  ただ、最終報告では、非公務員型で任期制を広く導入するための法整備や労使関係 を円滑に処理する仕組み、国家公務員に準じる公共性の確保、職員身分の切り替えに 伴う各種の代替措置や移行の問題など、なお検討課題が多い。付随的な法令・予算上 の措置も必要である。非公務員型の長所を生かし、移行に伴う当面の混乱を出来るだ け避けるためにも、政府は国立大学協会と協力して、責任をもってこれらの課題の検 討と整備に当るべきである。 6、教員等の人事  非公務員型の場合、教員等人事に「教育公務員特例法」が適用されない。最終報告 では、その代替措置として、教員の人事方針・基準・手続きは、「評議会の審議」を 経ることになっており、具体的には選考についても「専門性を有する学部等の考え」 も重視されるべきだとしている。国立大学協会はその点の法令化も求めてきた。  不明なのは、学部長等の選考である。この基準・手続き等の扱いは、教員の場合と は違っている。教員と同様の基準・手続き等を採りうるものと解する。 7、学長選考  最終報告は、「学長選考委員会」を学長選考機関とした。この「学長選考委員会」 は、運営協議会と評議会の両方のメンバー(の代表)からなり、候補者の調査や絞り 込みと学長候補者の最終的な決定を行うことになっており、学内での投票はその中間 での学内意向聴取手続きに位置付けられている。  この学長選考手続きは国立大学法人における学長の性格や運営組織と整合的なもの である。ここで、「学長選考委員会」を学長選考機関とする基本点を踏まえれば、運 営協議会と評議会の両方を学長選考機関とするなど、ある程度大学ごとの工夫の余地 も残すものと理解する。なお、学長の解任に関しては、どのような学内機関がどのよ うに関与するかなど、具体的な仕組みの検討が必要である。 8、目標・評価  最終報告では、理念や長期的な目標が大学の自主性や属性の根元としてとらえら れ、中期目標は文部科学大臣が「定める」ものの、国立大学法人法等によって、各大 学の理念等を踏まえた中期目標原案への配慮の義務や大学業務の特性への配慮の義務 を文部科学大臣に課すことになった。また中期目標に掲げる項目から大学の「理念」 が削除されたし、中期目標・中期計画の原案を各大学で一体的に検討することになっ た。かなり大学らしい特徴が出るようになった。  もっとも、運用上の考慮は必要である。例えば、大学評価・学位授与機構の教育研 究評価について、評価基準や人的資源の面で法人化に見合った整備が必要であり、一 斉移行後の評価サイクルの工夫も必要であり、また目標・評価の労力が過大となり大 学から教育研究の時間を奪ってしまうことのないよう配慮すべきである。 9、財務会計  財務会計制度については、特定運営費交付金が「特定の教育研究の施設の運営や事 業の実施」として明確になったこと、「システム」について国立学校財務センターを 活用するとされたこと、長期債務を病院を有する大学に承継させる点が改められたこ と以外、中間報告と変わらない。  とくに、「高等教育や科学技術・学術研究に対する公的支援を拡充」する具体的な 方法と、運営費交付金の算定基礎・配分方式、評価の予算配分への反映方式について は、政府は国立大学協会とも協議しつつ早急に検討作業を進め、骨格の姿を示すこと が望まれる。