From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Sat Oct 27 16:24 JST 2001 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id QAA16834 for ; Sat, 27 Oct 2001 16:24:39 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id PAA11140; Sat, 27 Oct 2001 15:46:00 +0900 (JST) Date: Sat, 27 Oct 2001 15:49:24 +0900 From: reformad@ed.niigata-u.ac.jp (reform-ml) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:03810] 国立大学再編 自主性生かす仕組みを To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200110270645.PAA24078@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 03810 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.8.8r7-J16) X-Sender: reformad@133.35.177.100 Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 71 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 3461 he-forumから転載します。           10月27日 大学改革情報ネットワーク [he-forum 2762(10/26)] 『岩手日報』論説 2001年10月25日付 国立大学再編 自主性生かす仕組みを    文部科学省は、小泉純一郎内閣の構造改革の一環として「国立大学の再編・ 統合を大胆に推進する」との方針を打ち出した。国立大学は同省の「一県一大 学」の基本方針により、現在、岩手大をはじめ全国に99校を数える。その再 編・統合は、方針の大転換であり、戦後の新制大学発足以来の改革である。  遠山敦子文部科学相は「厳しい財政状況の中で、将来へのさらなる発展を期 し、国民の期待にこたえる国立大学を確立するためには、各大学の運営基盤強 化が不可欠」と強調。「積極的に再編・統合計画を練ってほしい。各方面の意 見を聞きながら大学法人化の流れも考慮し、最終的には文部科学省が具体策を まとめたい」とする。  今回打ち出された再編・統合方針は、将来的に戦後の国立大学の歴史を大幅 に塗り替えることになる。再編・統合には大学間や学部間はもちろんのこと、 県域を超えた形での削減も示唆されているからだ。  急速な少子化による学生数の減少、公・私立大学の地方展開などを考えれば 再編・統合は時代のすう勢かもしれない。しかし、それを踏まえても大学の数 の「大幅削減」は、地方大学の切り捨てにつながるのではとの懸念がある。  地域社会と連携必要  どれだけの大学数にするのかまだ具体案は示されていないが、再編・統合が 単なる数合わせであってはならない。  国立大学は、これまで国による「統制」と「保護」の中で、自己変革のエネ ルギーと社会に対する緊張感に欠けていたことは否めない。大学教員が孤塁を 守り、研究だけに没頭し自由を享受した時代はもう終わり、今、問われている のは大学と地域社会との密接な関係である。  並行して進む国立大学の独立行政法人化では、それぞれの大学に研究、教育、 運営に主体性を求めている。目指すべきは大学の自主性・自律性の拡大と地域 社会との連携であり、再編・統合は大学改革と連動するものであってほしい。  こうした意味で、文部科学省が最終的に再編・統合を決定するのには賛同し かねる。地域には、地域ごとの特性、事情もある。各大学にまず再編・統合案 を練る仕組みづくりを求め、そこから出される案を最優先すべきである。  国立大学が地域社会や地域の産業構造に果たしてきた役割は大きく、「国立 大学のない県が出現すれば地域への影響は少なくない」との声もある。  探りたい多様な形態  県域を超えた再編・統合が推進されれば「本県に大学本部を残して」「伝統 ある学部だけに他県へは譲れない」「学生がいなくなっては困る」などと、地 域間の"誘致合戦"が過熱する可能性もある。  だが、大学の再編・統合は企業合併などとは違い、教育の将来を見据えたも のでなければならない。「一県一大学」の原則の保証はもはやない。地域エゴ を前面に出してはあすの大学づくりはおぼつかない。キャンパスを残しながら 再編・統合する形態も考えられる。さまざまな形態を追及する姿勢が必要だ。  岩手大は弘前大、秋田大との統合を選択肢に入れ、検討を始めている。3大 学とも特色ある学部を擁しており、例えば3大学に共通する教育学部系をどう するかなどが焦点となる。  大学の構造改革は、再編・統合に加え、国立大学に民間的発想の経営手法導 入、大学に第三者評価による競争原理の導入などである。いずれ、効率的でな い施設を廃止し、新たな効率的施設をつくるスクラップ・アンド・ビルド型と なる。従って、再編・統合は、国からの強制ではなく、関係者が一丸となって 自ら考え、つくり上げるものでありたい。(吉田誠一)