From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Fri Mar 16 10:17 JST 2001 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id KAA13944 for ; Fri, 16 Mar 2001 10:17:27 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id JAA27097; Fri, 16 Mar 2001 09:03:21 +0900 (JST) Date: Fri, 16 Mar 2001 08:59:55 +0900 From: Toru Tsujishita Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:03376] [Weekly Reports 43] 抄 To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 03376 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Macintosh Eudora Version 4.3.2-J X-Sender: tujisita@mailhost.math.sci.hokudai.ac.jp Mime-Version: 1.0 Content-Transfer-Encoding: 7bit Precedence: bulk Lines: 355 Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp" Content-Length: 20438 ---------------------------------------------------------------------------- Weekly Reports Digest No.43 2001.3.12 Ver 1 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/wr-43-01312.html 総目次:http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/all.html ━━━━━━━━━━━━━━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [43-1]第3回2/27文部科学委員会[42-1-3]の続き [43-2]21世紀の大学を考える懇談会第3回2001/01/31議事要旨 [43-3]中央教育審議会総会(第1回2001.2.1)議事録より [43-4]文科省・調査検討会議議事要旨 [43-5]民主党『大学改革ワーキングティーム』設置 [43-6]国大協・学長懇談会2000.5.1 議事録より [43-7]独法問題千葉大情報分析センターホームページ [43-8]独法化反対首都圏ネットワーク事務局「「長尾試案」の再検討を求める」3.6 [43-9]出版・意見等紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [43-1]第3回2/27文部科学委員会[42-1-3]の続き http://www.shugiin.go.jp/itdb_main.nsf/html/kaigiroku/009615120010227003.htm 町村文部科学大臣「私がつぶすとかつぶさないとか、そういう僣越な話をする のではなくて、まさに納税者が、そんな大学に税金を使うことはまかりならず という声が実はあるわけですね。」 ◆問題点1 「納税者」の具体的発言が仄めかされているが、誰がどこで発言 したのか。  大半の日本人は納税者だから、どの納税者かを明確に述べる必要がある。大 企業や財界など、ごく一部の<納税者>の発言であったとすると、それを重視 する発言を公的な場で政府高官が述べたことになる。  実際に、国立大学を独立行政法人化するな、という「納税者」の声も多数あ る(たとえば、新聞「全大教」第128号 2000/2/10 http://www.zendaikyo.or.jp/kikansi/2000-2.htm に21万6383筆の署名が報告されている。)。 ◆問題点2 大学の外見的パーフォーマンスを町村大臣は強調しすぎている。 廃学の是非は実際に当該大学の教育研究活動が活性化したかどうかに基づい て判断されるべきであって、表面的な改革をしたかどうかで判断されるべきこ とでないことは言うまでもない。目に見える改革をしないのはけしからないと いう見方だけでは、大学の多様で地味な努力への意欲を殺ぎ、大学は衰退して いくのではないか。  ・・・ なお、文部科学大臣の発言の最後に 「ただ、なかなか大学で難しいのは、世の中に受け入れられやすいITと かこういう分野だと、みんな、そうだそうだ、こういうことになるのでありま すけれども、例えば、大変地味で社会的には余り目立つことは少ないけれども、 しかし長い目で見ると大変有意義な学問をやっている、研究をやっているとい うところもありますので、その辺をどう冷静、客観的に実務評価をしていくの かというあたりもやはりあわせて考えていかなければならないので、一概にそ のときのファッションというか、そのときの非常にニーズが強いところだけで 考えてもいけないというのもまた一面の事実であろうかとは思っております。」 とあるが、この点についても大学関係者へのリップサービスに留まることなく、 実際にどのような制度的措置によって、この問題が解決できるのかを具体的に 検討・提言されないかぎり、独立行政法人化のリスクは制御できていない。 ---------------------------------------------------------------------- [43-1-1]衆議院文部科学委員一覧 http://www.shugiin.go.jp/itdb_main.nsf/html/iinkai/iin_j0060.htm 国立大学について調べるだけの時間の人もない委員が多いので、国大教員から 具体的なデータ(特に具体的な例や問題点など)等を発信していくべきではな いか。 ・・・(電話・ファックス・e-mail のリスト)・・・・ ---------------------------------------------------------------------- [43-2]21世紀の大学を考える懇談会第3回2001/01/31議事要旨 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/002/gijiroku/001/010101.htm 阿部博之委員の意見発表「21世紀の大学−国際的に魅力のある大学−について」 石 弘光 委員の意見発表「日本の大学と国際競争力 社会科学系大学の視点から」より ---------------------------------------------------------------------- 意見交換( ○ :委員, ● :事務局)  ・・・・は省略部分  ・・・・ ○ 新しい大学を作る試みについて具体的に取り組んでいただきたい。年齢・ 性別・国籍の話が出たが、これらの問題も抜本的に打破することまで考えた、 懇談会や検討会を作ればどうか。 ○ 直近の問題として国立大学の独立行政法人化というチャンスををどうとら え、長期的なものの1ステップにするのかということが緊急の問題であり大学 人はそれを考える責任がある。したがって、このような問題を考えていくこと ができる場は必要である。 ● 本懇談会はこれで終わりとは考えていない。別の形で整理したい。 cf:[39-3] http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/wr-39-01205.html#[39-3] ---------------------------------------------------------------------- [43-3]中央教育審議会総会(第1回2001.2.1)議事録より http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/001/010201.htm 抜粋: http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/201-tks-machimura.html ○町村文部科学大臣「...多少の反対なりいろんな問題が生じたとしても, 大きな方向でやっぱり思い切って変えていく,スピーディーに変えていくとい うのが,私の文部科学大臣としての考え方でございますが,できるだけスピー ディーに,思い切って大胆にという方向で考えていきたいと思います。... できるだけ大胆に,スピーディーに,皆様方の英知を結集していただいて,方 向づけをしていただければありがたいと,かように考えているところでござい ます。...」 -------------------------------------------------------------------- [43-4]文科省・調査検討会議議事要旨 [43-4-1]人事制度委員会(第5回2001.1.15)」議事要旨 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/001/010101.htm [43-4-2]財務会計制度委員会(第5回2001.3.1配付資料) http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/chosa-zaimu.htm#l05 国立大学法人の財政構造(例) http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/k130305-04.pdf ---------------------------------------------------------------------- [43-5]民主党『大学改革ワーキングティーム』設置 座長:参議院文教科学委員会理事内藤正光議員 http://www.mnaito.com/ ---------------------------------------------------------------------- [43-5-1] 内藤議員メールマガジンNo 27(2001.2.16) 「大学改革ワーキングティームの座長に就任」 http://www.mnaito.com/mailmagazine/vol_27.htm 「ご存知の方も多いかと思いますが、国立大学改革の一環で「国立大学の独立 行政法人化」についての議論が文部科学省(旧文部省)で進められています。民 主党としても一定の考え方をまとめあげるために、「国立大学の独立行政法人 化について検討するワーキングティーム」が設置され、その座長に私が就任す ることになりました。 ・・・ 以上の問題意識を持ちながら、先ずは来週のワーキングティームで問題提起を して、その後何人かの有識者の意見を聞きながらまとめていきます。昨年のク ローン法案の時と同様、節目節目で皆さんにも概要をお伝えしていきます。ご 期待下さい。」 ---------------------------------------------------------------------- [43-5-2]藤村修(衆議院文部科学委員会理事・民主党)「教育政策」 http://www.aianet.ne.jp/‾fujimura/kyouiku/fujimura/fujimuraan.htm 「・・・  いま全国で8割は私学であります。その私学の経営に国が乗り出して、民業 を圧迫しているじゃないかと言われております。撤退していいんじゃないしょ うか。・・・  だから基本的に民営化で、地方から希望があれば公立化。大半の大学はそう して日本の国の管轄から外してもらいます。」 ---------------------------------------------------------------------- [43-6]国大協・学長懇談会2000.5.1 議事録より http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00501-kdk-giji.html 「以上の報告があったのち、会長から、昨年秋の総会で「国大協としては独立 行政法人通則法をそのままの形で国立大学に適用することには反対」というこ とを確認しているので,その枠内で自由にご意見を頂戴したい旨述べられた。 ・・・ (29)文部省が独法化を前提として話し合いたいということであれば,それは会 長として拒否する。国大協としては,各大学が共通した意見のみ示すことしか できないと考える。各大学がそれぞれの意見を出すことは結構である。ご意見 があった理論武装の点については,第1常置委員会の審議を見守りたい。 ・・・ (33)通則法のもとでの独法化には反対であるということを我々は決めた。特例 措置とか調整法なども論理的には通則法の傘の中に入るのではないか。そうい う提案をしてくる文部省に国大協として会うことは慎重に願いたい。まったく 新しいスキームで考える議論であるなら話は別である。 ・・・ (39)通則法のもとでは反対との点について,解釈を詰めると,法人化には一切 反対というのと,法人格をもってもよいとに分かれる。これまで,そこは敢え て曖昧にしてきた。当面は,第1常置委員会での検討を見守り,国大協として 意思表明することは6月定例総会までしないことにしたい。 ・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [43-7]独法問題千葉大情報分析センターホームページ http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/9154/geodiary.html 速報 No.2 (2001.3.9)特集:評価委員会問題 「・・・ こうした考えに立ち、開かれた学内情報・討論メディアの成立をめざして、と にかく本センターをたちあげたわけである。 速報などへの投稿によって多く の方々の情報・意見提供と討論参加を願っている。本センターの主要な活動は、 速報とホーム・ページの発行である。この実務を担うために有志数名によって 事務局がつくられたが、目指すべきことがらの大きさに比してまだまだ脆弱で ある。上記の趣旨に賛同していただける方が積極的に参加されることを期待し ている。」 ---------------------------------------------------------------------- [43-8]独法化反対首都圏ネットワーク事務局「「長尾試案」の再検討を求める」3.6 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe1703.htm ・・・ 私たちは、現在、国大協が国立大学の改革について語ろうとするなら、以下 の諸点が必須であると考える。 (1)現行の国立大学制度の問題点について、本格的な現状分析に基づいた提言 を行うべきである。その分析を前提として、大学が大学であるために必要な基 本的要件とは何かを提起すべきである。その結果として、設置形態や法人格の 議論が生まれるものであり、現在の国大協の作業は順序が逆である。 (2)設置形態についての議論は、文部科学省の調査検討会議とは別個の立場で 行うべきである。この点で、特別委員会と調査検討会議の双方に参加している メンバーの責任は重要であると言わねばならない。 (3)かりに「国立大学法人」を希求するなら、それは独立行政法人とは全く異 なるシステムでなければならない。また、大学が自律的に運営される自治体で あるための諸条件が保障されるようなシステムでなければならない。この場合、 法案を含めた検討を行い、その過程を公表すべきである。 (4)国立大学の組織・運営構想に関しては、トップダウンではなく、ボトムアッ プのネットワーク型の組織という大学本来が持つ性格に立脚したものにすべき である。そのさい、教員のみならず、職員の役割、学生・大学院生など諸構成 員それぞれの立場を尊重すべきである。 (5)自民党提言の言う「再編統合」「選別と淘汰」とはっきり対峙し、地方国 立大学の果たしている重要な役割に立脚した、大学システム全体の展望を示す べきである。 国大協は、国立大学全体の連合(Federation)として極めて重要な役割を担っ ている。ここでの決断は、ひとり国立大学のみならず、高等教育全体に大きな 影響を及ぼすことを自覚しなければならない。独立行政法人化への対応という 観点からではなく、学問の自由・大学の自治という根源的視点からの検討が求 められている。「自主性・自律性」は、「法人格の取得」によって自動的に 「高まる」(第3項) ものではない。自ら高め、獲得するものなのである。 ------------------------------------------------------------------------ [43-9]出版・意見等紹介 ---------------------------------------------------------------------- [43-9-0]中村睦男北海道大学次期学長インタビュー 『札幌タイムス』2001年3月7日付 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/netha1712.htm ---------------------------------------------------------------------- [43-9-1]中村 忠一「国立大学民営化で300の私大が潰れる ―迫りくる国立大学独法化の弊害と危険性を警告する!」 エール出版社2001年1月発行ISBN: 4-7539-2034-8¥1,700 http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=30779111 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4753920348/249-3494674-7366715 内容(「BOOK」データベースより) 「政府、財界、マスコミすべての分野で、「国立大の独法化・民営化」が主流 となっている。大学の弱点を見つけ、これを誇張して問題を論じるのは容易で あるが、何の役にも立たない。テーマも、国立大を面白おかしく批判し、民営 化論を展開すればご時世に合ったものとなる。だが、それは誤りである。真正 面からこの問題に取り組み正しい結論を見つけることが研究者としての責務で ある。このため実際の状況について、数値という客観性の証明が必要である。 本書ではこれを行うのが主目的である。」 内容(「MARC」データベースより) 「国立大民営化は誰のため? 国立大学ってそんなに非効率? 私立大学は効率経 営のお手本か。東大が国立大独法化に1番に手を上げたのはなぜか。国立大の 独法化・民営化論に、数値という客観性の証明を付けて反対する。」 ============================================================================ [43-9-2]IDE 2001.2/3「取材ノート」から「経済産業省と教育改革」 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/310-yokoyama.html 「・・・私が加わっている某研究会にも,大学関係者に混じって経済産業省の 官僚が何人か,常連メンバーとして顔を見せる。一見畑違いに思える彼らだが, 教育の現状を深く憂い,討論の場面では鋭い問題提起を投げかけている。どう も,教育問題に関心をもつ同省官僚は一人や二人ではないようだ。経済界・産 業界に,今の教育に対する危機感や不信感,閉塞感が根強いことが,彼らの目 を教育問題に向けさせているのは間違いない。  社会が複雑化・高度化してくると,ある問題を1省庁だけで仕切ることは不 可能になってくる。開ざされた世界の中で,文部省と各教育機関だけで運命共 同体を構成できた時代は終わっている。国の基本である教育には,今後も多く の官庁が独自の問題意識からさまざまな関わりをしてくるだろうし,社会のあ らゆる分野からの注文も相次ぐだろう。文部科学省を見ているだけでは,教育 行政は理解できない時代が来ている。」 ---------------------------------------------------------------------- [43-9-3]宮崎 哲弥「政策科学/空説にすぎぬ町村氏の構想」より 北海道新聞論壇2001.2.27 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/227-miyazaki.html 「・・・日本では政治家や官僚においてすら政策科学的なアプローチが貧弱で、 国民に対する提案が「雑感」か「思い付き」以上のものでないことがしばしば ある。  さしずめ文部科学大臣の町村信孝氏が「文芸春秋」に発表した教育改革構想 は、まさに「雑感」「思い付き」の典型といえるのではないか。(「文部科学 大臣は考える」=「文芸春秋」)  町村氏の提言の最も基本的な資料となっているのは、客観的なリサーチの結 果でもなければ、各種の統計的事実でもない。何と小説、村上龍氏の「希望の 国のエクソダス」なのである。 ・・・  町村氏は少年による殺人やバスジャックなどの犯罪の遠因が、日本から「希 望」が失われたためではないかと推定している。そして若い世代から「希望」 を奪っているのは、厖大(ぼうだい)に膨れ上がった財政上の累積債務残高で あり、少子高齢化の急進であると述べている。  ・・・  さらに提言では「ゆとり教育」や「学年進行の自由化」(いわゆる「飛び級」 や留年の容認)が「生きる力」の涵養や個性の尊重、悪平等是正の美名の下で 正当化されている。  しかし、教育社会学者の大内裕和氏はこうした一連の「教育の個性化」は急 速な階層分化を招来する危険性が極めて高いことを緻密に論証している。 (「象徴資本としての『個性』」=「現代思想」2月号)  ・・・  大内氏は「教育の個性化」は個別化、私事化の傾向に拍車を掛け、取り組ま なければならない公共的な問題を特定し解決す能力を生徒、学生から奪う施策 だと強く批判している。 ...以下略」 ---------------------------------------------------------------------- [43-9-4]村井実(慶応義塾大学名誉教授)「国公立大学の「独法化」案をめぐって」 教育学術新聞2001.2.14 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/214-murai.html 「 ・・・・  正直に言って私自身は、「独立行政法人化」ということが制度上何を意味す るかには、ほとんど不案内である。だが、少なくとも明治以来の歴史と現状に ついての私の理解からすれば、上記の政府の発案やそれへの賛杏の論議を聞い ての印象は、なに、政府はいまなお日本の大学や学術を政治主導で動かそうと 考えているのか、そして人々はいまなお、この事態を、単に国公立大学の行政 改革の問題としてしか受けとめず、それ以上に、日本の教育と学問の自立と民 主の理念に関わる根本問題として徹底した体制変革を要するものとは考えない のか、ということである。‐  ・・・  政治家たちは、大学の教育や研究のあり方を国益を目的に決定してきた過去 の姿勢を反省して、真の国益というのは、国民が大学において極力自由にその 教育と研究とに従事するところに生まれるはずのものであったことを知らなけ ればならない。教育や研究については、そのあり方を考えるのも決定するのも、 政府ではなくどこまでも大学目身でなければならないことを知らなければなら ない。大学の「独立行政法人化」という今回の発想にしても、政府にそういう わきまえがあってはじめて、発想が積極的な政治的意味をもつといえるのであ る。  だがそうなれば、この「独立行政法人化」という発想については、過去の大 学体制の克服という意味で、とくに重要な二つの要件が含まれていなければな らないことになる。  一つは、すでに上記の議論でも明らかなことであるが、教育と学術研究とを 政治から独立する働きとして確実に保障するということである。  ・・・  もう一つは、国公立大学と私立大学との区別は、もはや完全に取り払われな ければならないということである。・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [43-9-5]梅原猛 ものつくり大総長インタビューより「官僚OB厚遇に怒り」 朝日新聞2001.3.5朝刊より http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/305-umehara.html 「本当に怒ったのは、教員選考をし、事務職員を決めるころです。専務理事に野 村さんが、責任者の自分に経理を見せてくれと何べん要求しても見せない。学 長予定者の野村さんは常勤で年七百万。専務理事はその三倍で宿舎に財団の車 を使う。労働、通産、建設、文部省OBの理事、職員らも一千万を超す給料だ。  文部省に提出する大学の組織図も、総長、学長中心の組織図を書くと、理事 会申心の組織図に書きかえてくる。事務局や理事会が支配する大学はありえな い。予算は国立並みなのに、大学の体をなしてない。  ・・・・  とにかく大学に対する考えが違う。  ・・・・  ロボットのような総長と学長が欲しかったんだろうが、誤算だったろうな。  ・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [43-9-6]「Daily教育コラム通信 BY はいつ でこ」 http://www.yukichi.ne.jp/‾deko/ 「この活動を通じて僕自身が確認できたこと、それは8つのことだったと思い ます。 1.競争によって得られた喜びは疑うことが必要でありそうだということ。 2.しかられてすることも、ほめられるからすることも、そう変わりはない  ということ。喜ばれるからするということに真価があるということ。 3.豊かさは豊かさを求めない心の中にこそ存在しそうだということ。 4.自分と違う考え、思想、宗教を持つ人の中にこそ学ぶことが多そうだと言う こと。 5.困難から逃げることに、立ち向かうことと同じ価値を見いだしてほしいこと。 6.向上心を他人に求めてはいけないし、自分にも求めなくていいということ。 7.みかんを分けて食べたときのおいしさを忘れないでほしいということ。 8.友達は作るものではなくて、いつの日か出会うかもしれない人であること。」 ============================================================================ 発行者: 辻下 徹 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/ e-mail: tujisita@geocities.co.jp 発行部数 1177 (2001.3.11現在) Mag2:687|CocodeMail:346|Pubzine:58|Macky!:45|emaga:23|melma:18 --------------------------------------------------------------------------- End of Weekly Reports 43 ============================================================================