From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Fri Feb 9 00:35 JST 2001 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id AAA24037 for ; Fri, 9 Feb 2001 00:35:16 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id XAA17638; Thu, 8 Feb 2001 23:43:16 +0900 (JST) Date: Thu, 8 Feb 2001 23:42:45 +0900 From: morita@ed.niigata-u.ac.jp (morita) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:03332] 矢原さん、麓さんのコメントに応えて To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200102081442.XAA04126@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 03332 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.4J8) X-Sender: morita@133.35.177.100 Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 36 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 2450 矢原さん、麓さん  早速のコメント、ありがとうございました。 私の文章が「『うちわ』向けであり、もっと『外』の読者を意識して書くべき」 だという矢原さんのご批判は甘んじて受けます。  たしかに読売の社説について、矢原さんが指摘されているように内容に即し た批判が必要です。  まず教育系学部の教科専門教員とは何かということですが、小学校や中学校の 教科内容を深める授業科目を教科専門科目といい、教育学や教育心理学あるいは 教科教育法のような教職専門科目と区別されています。理科に即して言えば、小 学校に対応して小学校理科、中学校に対応して物理・化学・生物・地学に関する 専門科目が教科専門科目に当たります。この教科専門科目の教員が「ミニ理学部、 ミニ文学部」として教育大学室の批判のターゲットにされているわけです。読売 の社説は、「教科専門教員が『教育のことは知らない』と公言し、教科をどう教 えるかということをおろそかにしている」と述べていますが、教科専門教員の本 来の仕事は、「そのための前提的な積み重ね学習をもふくめて、学生を学問の発 見的、創造的な作業に参加させ、鮮烈な体験を与える」(三上勝夫)ことを通し て、「教材を深く豊かに捉える力」(林竹二)を養うことにあると思います。現 実には、教員免許取得のための多数の科目を修得しなければならない教育学部の 学生に対して、その仕事がなかなかできないことが悩みなのです。「教科をどう 教えるか」は教科専門の教員の仕事ではないなどというつもりはありませんが、 「子ども達に教えたいこと、伝えたいこと」がなく、あるいは「何を教えるのか」 についての見識を養うことなく、「どう教えるか」という問題を立てることはで きないと思います。  私は現在文部省が行っている教科専門批判は、リストラのためのキャンペーン の意味合いが強いと見ていますが、「ミニ理学部、ミニ文学部」という批判が、 教科専門の内容や方法についてのどのような問題点を批判しているのかを明らか にして講義内容の改善に役立てる必要があると思います。私自身の反省を込めて 感じていることを申しますと、「何を教えるのか」の部分について、それが明ら かになるような教科専門の講義を意識的に工夫してきたのかと言われれば、十分 とは言えないことです。「『小学校教育のための理科概論』なる教科書がないの は、教員養成大学の理科担当の教官の怠慢だ」という麓さんの指摘はもっともで、 真剣に考えてみたいと思います。  まだ言い足りないことばかりですが、今日はこのくらいにしておきます。会員 のみなさんのご意見をください。              新潟大学教育人間科学部 森田竜義 From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Fri Feb 9 00:35 JST 2001 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id AAA24037 for ; Fri, 9 Feb 2001 00:35:16 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id XAA17638; Thu, 8 Feb 2001 23:43:16 +0900 (JST) Date: Thu, 8 Feb 2001 23:42:45 +0900 From: morita@ed.niigata-u.ac.jp (morita) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:03332] 矢原さん、麓さんのコメントに応えて To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200102081442.XAA04126@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 03332 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.4J8) X-Sender: morita@133.35.177.100 Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 36 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 2450 矢原さん、麓さん  早速のコメント、ありがとうございました。 私の文章が「『うちわ』向けであり、もっと『外』の読者を意識して書くべき」 だという矢原さんのご批判は甘んじて受けます。  たしかに読売の社説について、矢原さんが指摘されているように内容に即し た批判が必要です。  まず教育系学部の教科専門教員とは何かということですが、小学校や中学校の 教科内容を深める授業科目を教科専門科目といい、教育学や教育心理学あるいは 教科教育法のような教職専門科目と区別されています。理科に即して言えば、小 学校に対応して小学校理科、中学校に対応して物理・化学・生物・地学に関する 専門科目が教科専門科目に当たります。この教科専門科目の教員が「ミニ理学部、 ミニ文学部」として教育大学室の批判のターゲットにされているわけです。読売 の社説は、「教科専門教員が『教育のことは知らない』と公言し、教科をどう教 えるかということをおろそかにしている」と述べていますが、教科専門教員の本 来の仕事は、「そのための前提的な積み重ね学習をもふくめて、学生を学問の発 見的、創造的な作業に参加させ、鮮烈な体験を与える」(三上勝夫)ことを通し て、「教材を深く豊かに捉える力」(林竹二)を養うことにあると思います。現 実には、教員免許取得のための多数の科目を修得しなければならない教育学部の 学生に対して、その仕事がなかなかできないことが悩みなのです。「教科をどう 教えるか」は教科専門の教員の仕事ではないなどというつもりはありませんが、 「子ども達に教えたいこと、伝えたいこと」がなく、あるいは「何を教えるのか」 についての見識を養うことなく、「どう教えるか」という問題を立てることはで きないと思います。  私は現在文部省が行っている教科専門批判は、リストラのためのキャンペーン の意味合いが強いと見ていますが、「ミニ理学部、ミニ文学部」という批判が、 教科専門の内容や方法についてのどのような問題点を批判しているのかを明らか にして講義内容の改善に役立てる必要があると思います。私自身の反省を込めて 感じていることを申しますと、「何を教えるのか」の部分について、それが明ら かになるような教科専門の講義を意識的に工夫してきたのかと言われれば、十分 とは言えないことです。「『小学校教育のための理科概論』なる教科書がないの は、教員養成大学の理科担当の教官の怠慢だ」という麓さんの指摘はもっともで、 真剣に考えてみたいと思います。  まだ言い足りないことばかりですが、今日はこのくらいにしておきます。会員 のみなさんのご意見をください。              新潟大学教育人間科学部 森田竜義