From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Fri Apr 28 19:45 JST 2000 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id TAA29516 for ; Fri, 28 Apr 2000 19:45:16 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id RAA12890; Fri, 28 Apr 2000 17:42:12 +0900 (JST) Date: Fri, 28 Apr 2000 17:38:51 +0900 From: morita@ed.niigata-u.ac.jp (morita) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:02753] ロースクールについての続報 To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200004280838.RAA29832@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 02753 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.4J8) X-Sender: morita@133.35.177.100 Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 82 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 4617 [reform:02730] の続報です。朝日新聞から転載します。                 4月28日 大学改革情報ネットワーク 朝日新聞 2000.4.25 ロースクール 文部省見解 2ー3年制大学院で 修了者の司法試験 面接を中心に  弁護士や裁判官、検察官などの法律実務家を養成する新たな方式として浮上 した「ロースクール(法科大学院)構想」について、文部省の基本的な考え方 が24日、明らかになった。大学の法学部を卒業した法律家志望者を主な対象 に、2年制または3年制の修士課程の大学院を設置する。専任教員の一定数は 法律実務家とし、創造的な思考力や討論する力を養うカリキュラムを主眼とす る。2003年度の開校を目指すべきだという意見も内部で浮上している。法 務省などとの意見交換では、ロースクール修了者に限って新しい形の司法試験 を実施する案が出ているという。  政府の司法試験制度改革審議会は25日にも、文部省と法曹三者(最高裁・ 法務省・日本弁護士連合会)、大学関係者でつくる会議に、ロースクールの制 度面などを検討するよう依頼する。教育行政を所管する文部省の考えが明らか になったのは初めてで、改革論議はこれを軸に進められるとみられる。  文部省の素案によると、社会に出て即戦力となるよう、実務の教育に重点を 置く「専門大学院」のひとつとして開校し、「教員は全員専任で、研究者養成 が目的の他の大学院の倍程度の人数を置く」などとされる。養成期間について は、「二年制」「三年制」「大学法学部の4年次から二年制の大学院まで合わ せた3年間の一貫教育」などの案を検討している。  同省内では、「教育期間は長すぎないのが望ましい」などの理由で、二年制 を妥当とする意見が強いという。このほか、(1)同じ大学からの進学希望者が有 利にならないよう、入試を透明にする(2)進学しやすいように夜間の課程を置き、 奨学金を充実させる―などの点も考えられている。  ロースクールの修了者が法曹へ進む道として、司法制度改革審や法務省などに は、現行の司法試験とは別に、ロースクールの修了者に対象を絞った新たな司法 試験を設けるという案が出ている。面接を中心に、思考力や論理性をみる試験が 想定されているという。 ロースクール構想 (中) 変革期の司法 制度改革論議の中で 危機感バネに試案次々 司法研修所存続で論争     朝日新聞 2000.4.26  「これは学部浮沈の次元の問題です。多くの大学が切り捨てられ、絶望的な格 差が付けられる恐れがあります」  昨年10月16日、ロースクール(法科大学院)構想の行方をにらんで岡山大 学がシンポジウムを開いた。テーマは「地方における法学教育の新しい展開」。 パネリストの一人、法学部の神山敏雄教授は危機感を隠せなかった。  「ロースクールの数は15から20ぐらいらしい」といううわさが、全国の大 学をかけめぐっていた。それが本当ならば、法学部がある全国93大学の多くが ロースクールを持てないことになる。  1999年10月、大学審議会がロースクール構想を提案した直後の教授会で、 岡山大学法学部長だった石島弘教授は20年前に自ら学んだハーバード・ロース クールの教材を配り、力説した。  「中国・四国地方にも地域に根ざしたロースクールが必要だ。幅広い教養を持 った学生を法曹に送り出そう」  昨年7月には、新たに専任職員を採用し、学部内にロースクール設置準備室を 発足させるまでに至った。  岡山大学法学部は、中国・四国地方で唯一の法文学部法学科として1949年 に開設された。約170人が所属している岡山弁護士会の三分の一強を出身者が 占め、200人前後の卒業生のうち毎年50人近くが官公庁に就職する。元検事 総長の吉永祐介氏も、OBの一人だ。  関係者には、この地方の法学教育を背負ってきた自負がある。  昨秋のシンポジウムでは「地域の法律問題を解決し、住み良い地域づくりに指 導的役割を果たす人材の養成が期待されている」と強調した。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  「医学部並みの高い授業料になる」→「国立大学との格差が広がる」→「私立 大学のロースクールへの進学が敬遠される」  明治大学は今年1月8日に発表した提言で、ロースクールの行方について、こ んなシナリオを描いた。  そのうえで、「学生への奨学金制度の大幅拡充にとどまらず、私立大学の法科 大学院に対する大幅な財政援助を要請したい」と理解を求めている。  私立大学にとって、ロースクールの経営コストは深刻な問題だ。  毎年10人前後の司法試験合格者を出している私立大学の司法試験担当者は、 こうぼやく。  「小人数を相手にした演習形式の授業をやっていくのであれば、学生1人あた りに年間200万〜300万円の負担を強いるのではないか。もしロースクール ができたら、当面は赤字覚悟ですよ」  1881年に前身の明治法律学校として創設され、120年の歴史を持つ明治 大学。法曹界に多くの女性を送り出していることでも知られる。(略)