From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Wed Apr 19 18:53 JST 2000 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id SAA08359 for ; Wed, 19 Apr 2000 18:53:22 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id RAA10466; Wed, 19 Apr 2000 17:09:23 +0900 (JST) Date: Wed, 19 Apr 2000 17:06:38 +0900 From: morita@ed.niigata-u.ac.jp (morita) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:02737] GPAについて討論しませんか? To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200004190806.RAA15863@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 02737 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.4J8) X-Sender: morita@133.35.177.100 (Unverified) Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 70 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 4164 [reform:2736]で渡辺さんがGPAについての問題点を詳細に論じてくれ ました。 この問題が突如浮上してきた契機は、やはり大学審議会答申です。 「第2章 大学の個性化を目指す改革方策   1 課題探究能力の育成―教育研究の質の向上―   (1)学部教育の再構築    2)教育方法等の改善―責任ある授業運営と厳格な成績評価の実施―」 の部分で答申は次のように述べています。 「大学の社会的責任として、学生の卒業時における質の確保を図るため、教 員は学生に対してあらかじめ各授業における学習目標や目標達成のための授 業の方法及び計画とともに、成績評価基準を明示した上で、厳格な成績評価 を実施すべきである。」(p48) 「厳格な成績評価については、例えばGPAと呼ばれる制度を活用した取組 を行っている大学(注*1)もある。  各大学においては、このような例も参考としつつ、各大学の状況に応じた 厳格な成績評価の仕組みを整備していくことが必要である。」(p50) 「*1(参考)厳格な成績評価等についての取組例  (1)学生の評価方法として、授業科目ごとの成績評価を5段階(A,B, C,D,E)で評価し、それぞれに対して、4・3・2・1・0のグレード ポイントを付与し、この単位当たりの平均(GPA、グレード・ポイント・ アベレージ)を出す。 (2)単位修得はDでも可能であるが、卒業のためには通算のGPAが2.0以上 であることが必要とされる。 (3)3セメスター(1年半)連続してGPAが2.0未満の学生に対しては、退 学勧告がなされる。(ただし、これは突然退学勧告がなされるわけではなく、 学部長等から学習指導・生活指導等を行い、それでも学力不振が続いた場合 に退学勧告となる。) ※なお、このような取扱いは、米国において一般的に行われているものであ るが、その場合、1セメスター(半年)に最低12単位、最高18単位の標 準的な履修を課した上で成績評価し、行われるのが一般的である。」 (p50脚注)  「例えば」、「このような例も参考としつつ」として例示したにすぎない 大学審答申の記述を受けて、十分に検討することなくGPAを導入しようと している大学があります。  新潟大学では、昨年11月に出された大学教育委員会ワーキンググループ の中間報告書(学際的基幹大学としての新潟大学に関する具体的検討事項・ 中間報告書)に、次のように記述され、この4月から工学部が試行的に導入 しています。  「新潟大学全体として平成12年4月から成績評価のシステム(GPA)   を試行的に導入し、実施すべきことを提言する。」  「現行のカリキュラムや履修システムや単位評価の点で、GPAの導入に   対する対応が間に合わず、学生指導の上で支障を来す学部もあり得るが、   試行期間をおいて改善、検討を重ね、平成13年4月入学生から全学的   に完全実施すべきである。」  この報告書では、GPAを導入するメリットとして次の点をあげています。  (1)GPAの導入が学生には履修登録の際の自主規制として機能し、適切   な履修を心掛けるきっかけを学生に提供することになる。  (2)3年以上在学による卒業の際の審査基準、卒業研究を卒業要件として   課している学部では卒業研究の履修に入る際の可否についての審査基準、   転部あるいは転学部の際の審査基準として使える。  (3)成績不良者の把握が容易になり履修上の指導がスムーズになる。  (4)履修単位の上限設定に際してもGPAによりその部分的な制限解除が   可能になる。  (5)厚生関連事項の基準、奨学金申請の際の参考資料としうる。  これだけでは、従来の成績評価を点数化しただけのようにも見えますが、 3月に行われた新潟大学のFDでは、「GPAは相対評価の視点を含む」と され、「なるべく成績が正規分布に乗るようにすべき」という主張が提案者 からなされています。GPAを導入することで評価の点数を稼ぎたいという 思惑から導入を急ぐ学部もあるようです。  GPAを含む「厳格な成績評価」について、reform上で討論しませ んか。すでに導入している大学があれば、その経験をお知らせください。学 生諸君の意見を歓迎します。            4月19日 大学改革情報ネットワーク世話人                 新潟大学教育人間科学部 森田竜義                    morita@ed.niigata-u.ac.jp