From reform-admin@ed.niigata-u.ac.jp Wed Mar 15 19:47 JST 2000 Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (cosmos.ed.niigata-u.ac.jp [133.35.176.6]) by sakaki.math.tohoku.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id TAA06432 for ; Wed, 15 Mar 2000 19:47:56 +0900 (JST) Received: from cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (localhost [127.0.0.1]) by cosmos.ed.niigata-u.ac.jp (8.9.3/3.7W) with ESMTP id SAA01687; Wed, 15 Mar 2000 18:45:08 +0900 (JST) Date: Wed, 15 Mar 2000 18:45:08 +0900 (JST) From: morita@ed.niigata-u.ac.jp (morita) Reply-To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Subject: [reform:02658] 新潟大学の予算配分方針 To: reform@ed.niigata-u.ac.jp Message-Id: <200003150945.SAA29287@yahiko.ed.niigata-u.ac.jp> X-ML-Name: reform X-Mail-Count: 02658 X-MLServer: fml [fml 2.2.1]; post only (only members can post) X-ML-Info: If you have a question, send e-mail with the body "# help" (without quotes) to the address reform-ctl@ed.niigata-u.ac.jp; help= X-Mailer: Eudora-J(1.3.4J8) X-Sender: morita@133.35.177.100 (Unverified) Mime-Version: 1.0 Precedence: bulk Lines: 77 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Length: 5176  宇都宮大学の小林さんから問い合わせのあった「 新大学予算編成原理は如 何に」( 3月2日reform:2631)について、新潟大学の状況をお知らせしま す。  新潟大学では、財務委員会(部局長からなる委員会)のもとに教育研究基盤 校費等検討小委員会(副学長、経・歯・自然科学研究科・医学部付属病院の部 局長の5名)が10月8日に設置され、「『教育研究基盤校費等の学内予算配 分方法』についての検討結果報告書」が1月末に出されています。この報告書 によると、12年度の学内予算配分案は次のとおりです。  「a 国立学校・教育研究基盤校費の全体(27億円)から『新規プロジェク    ト推進経費(5%)』、『共通経費』及び『教養教育経費』を控除する。   b 上記控除後の残額を『教育のための経費』、『研究のための経費』及び    『学部の管理運営のための経費』として11年度の特別留保額、共通経    費、教養教育経費の供出額控除後の部局予算配分比率で学内予算配分す    る。ただし、13年度以降については、学内評価の結果を反映させた学    内予算配分とする。」  具体的には、共通経費(2.8億円)、教養教育経費(1.2億円)は11 年度と同額ですが、部局配分経費は22.9億→21.6億円へと削減されま した。それでも「12年度は各部局で痛みを分かち合うということで、各部局 が11年度と比べ、大きな増減が出ないようにしたい。11年度の学内予算配 分方式と同じ予算配分を仮定した場合の95%位を保障してはどうか。」(報告 書)とされているので、12年度はまだいいのです。報告書は「教官組織等に 関する全学的な見直し、財務担当特別補佐(仮称)の導入、学内評価委員会の 設置等全学の動きを視野に入れて、今回の措置を過渡的なものと位置付け、評 価の結果を13年度以降の学内予算配分方法に反映させることとする。」と述 べ、「評価にもとづく資源配分」を13年度から実施することを宣言していま す。  部局配分経費を削った分は新設の「新規プロジェクト推進経費」(1.4億 円)にまわされました。この経費は従来の特別留保額による学長裁量経費(11 年度は0.4%で約1千万円)を増額したもので、「『全学的な学生に対する教育 の改革プロジェクト』、『全学的な学際的研究プロジェクト(人文系、自然科 学系、生命科学系及び横断的なもの)』及び『全学的に管理運営を含むテーマ を特定しないプロジェクト』とする」と説明されています。また、「採択の審 査は財務委員会または財務委員会で委嘱した委員会で行う」とのことです。  ご承知のように国立学校の文部省予算配分方式が12年度から次のように変 更されます。 (1)新方式は「教官当積算校費」、「学生当積算校費」を廃止して「教育研究基 盤校費」に1本化。 (2)「教育研究基盤校費」は「教官数積算分」、「学生数積算分」、「大学分」 として積算されるが、単価を「教官数積算分」は修士講座・非実験に統一、 「学生数積算分」は文科に統一。「大学分」は、12年度については「教育研 究基盤校費」の総額が旧単価で積算した場合と同額程度となるようにした。 (3)その結果、11年度文部省予算では教官当積算校費が1576億円、学生当積 算校費が503億円だったのに対し、12年度の教官数積算分と学生数積算分の 合計は従来の1/3程度に縮小され(教官数積算分が341億円、学生数積算分が 326億円)、新たに設けられた大学分1456億円にまわされた。 (4)現行は「教官当積算校費」、「学生当積算校費」が各学部に配分される。そ こから「共通経費」(12%程度)、「教養教育経費」(21%程度)、「特別留保 額」等を全学に供出し、残りを「学部共通経費」、「教官研究費」(教育のた めの費用を含む)にあてているが、12年度からは逆転する。新潟大学の場合、 教官数積算分が16.7%、学生数積算分が17.5%、大学分が65.8%と試算されて いる。  この変更が、大学執行機関の「責任ある意思決定と実行」(大学審答申)の 財政的なうらづけであることは明らかですが、教官数積算分と学生数積算分だ けでは学部を運営できず、理科系の学部では研究も教育も不可能になります。 そこで大部分のまともな大学では、少なくとも12年度については大学分から 補填して、従来通りの学部運営費と教官研究費を保障しようとしているようで す。   ところが新潟大学の学長は次のように考えます。「重要なことは、国立大 学の教育、研究、社会貢献、組織運営などについて評価する第三者機関として、 学位授与機関の中に大学評価機関が設置されることであります。この評価の結 果は、資源配分の参考となることが明らかにされています。また、この資源配 分については、新年度の配分のうち、30%のみが従来のような配分であり、 70%は各大学が独自の判断で配分することになりました。この配分自体が、 評価の対象となるものであり、私たちは真剣に考え、対応しなければなりませ ん」(年頭にあたっての学長あいさつ)。新潟大学の学長は教育と研究を財政 面から保障するために心をくだくのでなく、「評価の得点を上げる」ことしか 考えていないとみなさざるをえません。  未確認情報ですが、13年度以降、「各大学が独自の判断で配分」できると された70%の約半分は評価にもとずいて部局に配分し、残りの半分は「新規 プロジェクト推進経費」とすることを新潟大学本部が検討しているとのことで す。  他大学にも似た動きはあるのでしょうか? 森田竜義 新潟大学教育人間科学部 自然情報講座 morita@ed.niigata-u.ac.jp