具体的には、有界調和関数の記述に関連して、離散群のポワソン境界の性質を調べている。
例えば最近の研究の一つに、グロモフ双曲群について、その調和測度のハウスドルフ次元を調べたものがある。
(これには有限体積リーマン多様体の被覆上のブラウン運動に応用がある。)
これは調和測度の正則性・特異性についての問題に対する一つのアプローチであるが、
手法において、ランダムウォークの確率論的性質、グリーン関数の(古典的な)ポテンシャル論的性質、
境界への群の作用のエルゴード理論的性質、双曲群のオートマチック構造を用いた熱力学形式をそれぞれ調べることが重要になる。
特にシンプルな問題を目指して研究を行っている。