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日時:12月3日(月) 14:30--18:30


場所:WPI-AIMR(片平)



 16:15-17:15 講演:瀬野裕美
 「生態系制御に関する数理モデル解析:人間の介入の効果を含む個体群動態の基礎理論 」

   概要
現在の地球上の生態系の多くは人間の生活の影響を受けている。20世紀半ばを 過ぎてから徐々に生態系への影響の深刻さが認識され,社会問題として取り上 げられる事例が蓄積されるに伴って,科学的問題としても取り組まれるようになった。従来,農業・水産業における資源管理の対象となっていた系に対して, 現在では,保全生物学,景観生態学等の応用的な生態学によって,レジリアンス, 生態系サービスなどの生態系と人間社会との相互作用に関する概念が導入されながら,その持続可能性について検討されている。この流れに沿うように, これまで,農業・水産業に関連する資源管理の最適化の数理モデル研究に加えて, 数理生態学でも,人間による環境条件の悪化が生態系に与える影響に関する数理 モデル研究が発展してきたが,近年,人間による環境条件の改変による生態系維持という側面をテーマとする数理モデル研究も育ちつつある。今後,このような人間による生態系制御の問題を取り扱う数理モデルの基礎研究が新たに体系化されてくると期待される。本講演では,生態系ダイナミクスに対する人間の介入による生態系制御という観点から,基礎的な個体群動態モデルから数理的に得られ る諸結果を概観し,将来の発展が期される数理モデル研究のテーマについて検討 したい。