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(古典)情報幾何学とは、確率分布を要素とする多様体の微分幾何学的構造と、確率論・統計的推測・情報理論などにおける諸概念・諸問題との関係について論じる数学的体系ないし方法論である。そこでは、フィッシャー計量と呼ばれるリーマン計量とα-接続(αは任意の実数)と呼ばれる一連のアファイン接続が基本的な役割を演じる。近年、量子状態(密度行列)を要素とする多様体に対しても同様な観点からのアプローチが種々試みられ、量子情報幾何学と総称されている。
本講義では、情報幾何学の応用数学としての意義からは一歩離れ、より基礎的な視点から古典/量子情報幾何学の主要部分について解説する。目的は量子情報幾何学の紹介であるが、その前提として必然的に古典情報幾何学の紹介も含むことになる。
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