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数理ファイナンスにおける最適投資問題に関連して、資産の成長率が予め定めた目標を下回る確率を最小化する問題がある。この問題は、確率制御問題として定式化するとき、大偏差確率制御問題と見なせるが、これは従来の確率制御問題の範疇では直接的には捉えられないものである。すなわち、動的計画原理だけでは解析できず、Risk-sensitive Control の双対問題と見なした取り扱いが自然な方法となる。Risk-sensitive Control の時間大域的問題(エルゴード的確率制御問題)とそのH-J-B 方程式、そしてその微分の考察が問題となる。これらの内容について線形ガウスモデルを例にとって講述する予定である。
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