集 中 講 義

10月30日(火)〜11月2日(金)
15:00〜17:00

川井ホール
白石 潤一 講師
(東京大学大学院 准教授)
講義題目
変形 W 代数、差分 L 作用素と Macdonald 対称多項式

簡単な内容

 この講義では、線形代数と複素解析だけを予備知識として、具体例による計算を中心に古典可積分系(ソリトン系)や Macdonald 対称多項式の理論について学びたいと思います。ある差分 Lax 作用素(L作用素)によって定められる方程式系は、Korteweg-deVries (KdV)方程式の差分アナログを含むような古典力学の可積分系となります。その時間発展則はハミルトニアンとポアソン括弧を用いて代数的にも記述できるのですが、その構造は変形 W 代数と呼ばれるものになります。そのような差分 L作用素は、分数階の差分の場合にも意味を持っています。
 分数階の場合を考えたい理由のひとつとして、ある極限において Macdonald 対称多項式の理論へと自然につなげられる、ということが挙げられます。
 Macdonald 対称多項式の理論を量子力学の可積分系とみなすとき、まだいろいろな問題を含んでいるように思えます。例えば、ソリトン系に対して知られている著しい数学的構造の量子アナログはそれらの存在も含めて全く未解決なのです。講義ではまた、重要と思われる未解決問題を提示してアプローチの可能性を議論していきたいと考えています。


必要な予備知識



談話会講演題目

マクドナルド対称多項式の理論、量子及び古典可積分系からのアプローチ



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