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講義題目 |
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実数値可測基数の存在公理および類似の公理について
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簡単な内容 |
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選択公理の仮定のもとでは,集合の平行移動に関して不変なσ-加法的な(自明でない)測度μに対し,μで非可測な集合が必ず存在する(ヴィタリの定理).特にルベーク測度をどのような測度μ拡張しても,それが平行移動に関して不変でσ-加法的である限り,μに関する非可測集合が存在する.
平行移動に関する不変性を要求しなければ,ルベーク測度を実数の巾集合全体に拡張するσ-加法的測度は存在しえる.実数値可測基数の存在公理はそのような測度の存在を帰結する公理である.集合論の公理系(ZFC)にこの公理を付け加えた体系では,連続体の濃度は非常に大きなものになる.特に連続体仮説はこのような世界では強く否定されることになる.
本講義では,実数値可測基数の存在公理とそれに類似する他のいくつかの公理に関する基本的な事実をできるだけ
self contained な形で論じ,関連するいくつかの最近の結果について触れる予定である. |
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必要な予備知識 |
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数学に関する一般的な知識以外では,集合論の初歩,特に順序数と基数に関する基本的な事項の理解を前提とする.
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