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黒木のなんでも掲示板3 (0013)

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Id: #e20011129014534  (reply, thread)
Date: Thu Nov 29 01:45:34 2001
Name: NOVO
Subject: 初めまして

こんにちは、NOVOです。   NIFTY の FECO MES(7&8) と FNETD MES(6,7,8) 当たりで色々なテーマに首を突っ込んで居ます。特に興味があるのが経済と歴史ですが、特にインフレについては昔から興味があり、多少は本も読んで私なりの意見もあります。   このサイトは BUTTEN さんの紹介で覗いて見ました。   戦後間もなく旧制高校に入り、工学部を出て素材産業の会社に就職。10年ばかり前に退職して、昼間はテニスと昼寝、夜はパソコンをいじって居ます。   最近までDOS池にどっぷりで、インターネットは天気予報を見る程度でした。プログラムも専ら98上のDOSで書いて居ました。(それで時々小遣いを稼いだりして。)
Id: #e20011128054405  (reply, thread)
Date: Wed Nov 28 05:44:05 2001
Name: くろき げん
Subject: 「インターネットは核戦争を生き延びるための国防省の軍事プロジェクトとして生み出された」というのは都市伝説

この都市伝説を信じている人が多いことが「インターネット&核戦争」を検索するとわかる。

ニック・ウィングフィールド曰く

ARPA(DARPAの以前の名称)が資金援助をした初の広域コンピューターネットワーク計画が、ARPANETでした。これはしばしば、核に対して回復力を持っていると誤解されていますが、実際には、これはリソースの共有のために作られたのです。ARPAがコンピューター科学の研究を支援する際に抱えていた問題を解決するためのものでした。国中のコンピューター科学学部が、「毎年、世界一のマシンを支給してもらわなければ、世界的な研究はできない」と言っていました。ARPAには毎年そんな予算がありませんでした。だから、これらを接続して、みんなが共有できる方法はないものだろうか?と考えたのが、ARPANETの出発点です。

これは CNET Japan Newsmakers からの引用。解説とインタビューの全体は以下の場所で読める:

軍事支出はハイテクに湯水のように予算を出すことができるので良い場合がある、というようなことを言う人がいるようです。しかし、上の引用を読めばわかるように、インターネットはそのようなやり方で成功したのではなく、限られた予算の中でリソースを共有するという常識的で真っ当な考え方のもとで始まり、そして成功したのです。


Id: #e20011118173253  (reply, thread)
Date: Sun Nov 18 17:32:53 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011118035117
Name: くろき げん
Subject: 仏語の数学文献も読めるようになっておいた方が良い

そうそう、基本文献 (EGASGA) が仏語なので、仏語の授業を取っておいた方が良いかもしれません。現実問題として EGA や SGA を全部読むのは不可能なので、専門家にどの部分をどう読めば良いのかについて教えてもらう必要があります。 (ぼくは非専門家なので無理。)

最大の問題はそういう勉強をする段階に到達することなのですが……。

いきなり難しいことをやろうとすると死にますが、自分の現在の知識と力量で遊べる数学を毎日レベルアップして行くようにすれば、大学卒業の時点では相当なレベルに達しているはず。

自分の手と頭で遊んでみること抜きに数学は絶対に理解できないと思う。数学を苦手になるための確実な手段は数学で遊んでみることを止めることです。算数が本当に得意な子供は数字の計算を遊びの一種として楽しみながらやってしまいますが、そういう子供であっても中学や高校の段階で遊ぶのを止めるようになると数学を苦手になってしまう。高校まで数学が得意であっても (そういう奴は授業など無視して遊び感覚で問題集を勝手に解いてしまっていたはず)、大学に入って数学で遊ぶのを止めるとあっというまに数学が苦手になってしまうのだ。


Id: #e20011118035117  (reply, thread)
Date: Sun Nov 18 03:51:17 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011111223720
Name: くろき げん
Subject: 地道に勉強を続けながら何か面白そうなことを見付けてから質問し直すのが良いと思う

まず、数学のどの分野をやるにしても、大学の理系新入生がやる線形代数や微分積分学は当然マスターしておかなければお話になりません (実際にはそれだけでも結構大変なはず)。そういう基礎無しでは数学の本をまともに読むことができないと思います。

そして、卒業までには学部レベルの代数・幾何・解析もひと通りマスターしておかなければいけない。あと、物理学や工学などで数学がどのように使われているかについても注意を払って、数学的な教養を広げておくことも大事なことだと思います。

そうやって地道な勉強を続ける過程で何か面白そうなことを見付けたときに「この先にどういう面白いことがあるのですか?」と適切な相手を見付けて質問するのが良いと思います。もしもその面白いことが数論幾何に関係していれば自然に数論幾何を勉強するようになるでしょうし、もしかしたら別の分野に面白いことを見付けるかもしれない。

実際には数学の世界は面白いことばかりなので困ってしまうことが多いと思いますが、その面白いことの中で特に面白いと感じたことを続けてやればいいのだと思います。


Id: #e20011111223720  (reply, thread)
Date: Sun Nov 11 22:37:20 2001
Name: 伊藤 昇
Subject: 教えてください!(無知な者で申し訳ありません)

自己紹介:数論幾何について知りたくて検索していたところ、ここにたどり着きました。早稲田大学の数理科学科の一年生です。興味は数学、哲学、ジェンダーです。哲学は主にミッシェル・フーコーに興味があります。ウィトゲンシュタインは本をもってるだけ、といったレベルです。(申し訳ありません、、、。) さて、数論幾何をやろうと思うときにまず何を勉強すればよいですか?できれば具体的に本を紹介していただけるとうれしいのですが、、、。位相幾何や微分幾何と関係ありますか?代数幾何に数論幾何は入るのですか?どうかどなたか教えてください。
Id: #e20011105042152  (reply, thread)
Date: Mon Nov 05 04:21:52 2001
Name: くろき げん
Subject: スベンソンによる「開放経済のもとで流動性の罠から安全かつ確実に脱出する方法」

ラルス・E・O・スベンソン、「開放経済下における名目金利の非負制約:流動性の罠を脱出する確実な方法 (pdf)」、日本銀行金融研究所ディスカッション・ペーパー・シリーズ2001年収録分、 2001/1。以下はこの論文からの引用:

……

……本稿はこの提案を拡張し、開放経済のもとで流動性の罠から安全かつ確実に脱出する方法があることを論ずる。その方法とは、(1)上昇トレンドを持つ物価水準目標経路(要するに長期的なプラスのインフレ目標に対応)を宣言すること、(2)(a)自国通貨を切り下げ、定常状態に比し実質ベースで自国通貨安の水準に為替レートをペッグすること、そして(b)物価水準目標経路に到達した段階で、物価水準ターゲティング(ないしインフレーション・ターゲティング)に移行し、為替レート・ペッグを放棄すると宣言すること、 そして(3)後はただそれを実行すること、というものである。

 この方法は、(a)自国通貨を実質ベースで長期均衡水準以下に引き下げる、(b)長期実質金利を低下させる(いずれ自国通貨が実質ベースで増価するはずであるため、実質ベースでの増価期待が国内の長短実質金利を相対的に低下させる)、そして(c)インフレ期待が上昇する(為替相場がペッグされているため、実質ベースでの増価期待は自国のインフレ期待を発生させる)ことを通じて、景気回復を急起動(jump-start)させるはずである。GDPギャップは、(a)および(b)により需要超過方向へ転じ、デフレは(a)、(c)のほか、GDPギャップの需要超過方向への動きが加わってインフレに転化する。経済は、流動性の罠から脱出することになる(信認されたペッグの下では名目短期金利はプラスになる)。物価水準が上昇し、やがて物価水準目標経路に到達するので、その段階で為替レート・ペッグは放棄される。

 この提案では、民間部門のインフレ期待が決定的な役割を果たしており、また中央銀行がこの期待に影響を及ぼすための具体的な方法が示されている。中央銀行が何を言うべきかだけでなく、何をすべきかを明確にすると同時に、為替レート・ペッグの成功をつうじて中央銀行がその決意を迅速に明らかにできる外国為替市場という舞台を示すことにより、クルーグマン提案の内包する信認の問題も解決している。特に、物価水準目標経路は、数年にわたるゼロないしマイナスのインフレによって生じた「物価水準ギャップ」を解消するうえで、Krugman [32]やBernanke [8]が提案した高インフレ目標の設定よりも、適切な方法といえる。物価水準目標経路は、インフレ率が当初高く、やがて低下することを可能にするので、「アンカー付き緩和(anchored expansion)」として機能し、Posen [54]が提唱した可変的インフレ目標より優れたアンカーとなる。

……


Id: #e20011105040816  (reply, thread)
Date: Mon Nov 05 04:08:16 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011104052914
Name: くろき げん
Subject: 先進諸国の合計特殊出生率と日本の少子化問題

先進諸国の合計特殊出生率の推移」、「合計特殊出生率」、「スウェーデン なぜ出生率上昇?」より

                    先進諸国の合計特殊出生率の推移

    合計特殊出生率=15歳から49歳までの女子の年齢別出生率を合計した値

    | 日本  アメリカ  フランス  ドイツ  イタリア  イギリス  スウェーデン
----+--------------------------------------------------------------------
1970| 2.13    2.46      2.47     2.01     2.43                1.94
1975| 1.91    1.80      1.96     1.45     2.14                1.78
1980| 1.75    1.84      1.99     1.46     1.61      1.89      1.68
1985| 1.76    1.84      1.83     1.30     1.42                1.74
1990| 1.54    2.08      1.78     1.45     1.33                2.13
1995| 1.42    2.02      1.70     1.25     1.19      1.69      1.73
----+--------------------------------------------------------------------
1997| 1.39    2.03      1.71     1.37     1.18                1.52
1998| 1.38    2.06      1.75     1.36     1.15                1.50
1999| 1.34              1.77     1.36     1.19                1.50
2000|                                                         1.55

関連リンク

奥村芳孝氏の「スウェーデン なぜ出生率上昇?」からの引用:

……

 女性が高学歴になり就業率が高まると、晩婚化が起こり、出生率が低下するというのが先進国の「通説」である。しかしスウェーデンなどの北欧諸国では、これは部分的にしか当たらない。就業率の上昇はむしろ、出生率上昇につながっている。八〇年代後半の出生率上昇も、景気が回復して女性の雇用状態が改善したためとみられている。

 就業率高いほど出産

 スウェーデン人の多くは、女性が働くのは普通のことと考えており、子供を持つのは、職と収入が確保されてからという前提がある。女性の経済的自立度は高い。育児手当は、育児休業前の所得に比例しており、高収入の女性ほど手当は多い。

 統計庁の調査では、女性の就業率が高い地方自治体ほど、出生率が高いという事実が明らかになっている。女性の収入と出生率の関係を調べたところ、年収が十万クローナ (約百二十万円) 以上の女性は、同五万クローナ (約六十万円) 以下の女性より三倍も出生率が高い。

 八十年代後半の出生率上昇期で見ると、「両親保険制度」の変更という追い風もあった。これは両親が出産、育児のために休業すると、社会保険から損失所得の八十%を支給する制度。

 それまでは出産の間隔が二年以内なら、前回の出産時と同じ額を支給されたが、八六年の改正で二年半に延長になった。二年の間隔だと続けて出産に踏み切る動機は弱かったが、二年半以内なら第二子も産もうという女性が増加。第一子と第二子の出産間隔は平均二十五ヶ月程度と約一年短くなった。

 こうした出産支援策はその後も継続したので、九〇年代に一転して出生率が低下したのは主にスウェーデン経済の不振、その結果としての女性就業率の低下によるものであり、今回の底打ちは就業率の好転によるところが大きいと見ていいのではないか。

 出産・育児支援の体制が充実している場合、女性が働いている場合、女性が働いて十分な収入を得れば、出生率は上がるのである。

 背景に手厚い支援

 国や自治体の財政は九八年から黒字となり、この四月に出された経済政策法案でも、さらに家族政策の強化が打ち出された。たとえば来年度から児童手当の増額、育児休暇期間の延長などが始まる。子供を持つ家庭にとって、将来の見通しは暗くない。

 スウェーデンの家族政策の柱は、子供のいない家庭といる家庭で生活条件を平等にすること、それに、労働と育児の両立。公的な保育の充実や育児休暇の拡充などは女性の社会参加、男女平等への重要な政策と位置付けられている。これは少子化対策を狙っているわけではないが、結果的に、就労や晩婚化などによる少子化の傾向をくい止めている。

……

世界的なIT不況下でのスウェーデンの今後は結構注目ですかね。

ところで、日本の政府の地方と合わせて600兆円を超す巨大な総債務についてはよく知られているようですが、政府が400兆円を超す金融資産を保有していることはあまり知られてないようです (例えば、日銀の「資金循環統計からわが国の金融がどこまでわかるか」の図表1を見よ)。政府の借金の重さを単純に「純債務=総債務−金融資産」のGDP比で測るとき、日本は実は先進諸国の中で最良の部類に属しているのだ。

政府の総債務600兆円のような数字だけが一人歩きすることによって、「デフレ不況下での財政再建」という財務省好みの政策を最優先課題にするのが正しいという考え方が広まってしまっているのだ。そして、現在、「デフレ不況下での財政再建」は旧大蔵族の小泉首相によって推進されつつあり、民主党や社民党などの野党も積極的に賛成している。

上で述べたように純債務のGDP比で見たり、もしくは国債利払いのGDP比で見ると、日本の政府の借金は他の先進諸国に比べて重いわけではない。他の先進諸国との違いは、日本が急激に少子高齢化に突き進んでいることなのだ。ただし、その問題も現在70%近い生産人口の割合が中位推定によれば2030年に1950年と同じ60%程度に下がるという程度の問題なので、極度に悲観的になるのは誤りです。しかし、現在の日本の急激な少子高齢化が日本の将来の経済に関する最大の不安要因であることは間違いありません。

以上のように、日本の将来への不安要因は、政府の債務というより、人口構成の問題だということを理解すれば、政府の巨大な総債務の金額だけを大々的に取り上げ、「デフレ不況下での財政再建」を推進することによって不況をさらに悪化させつつ、「No pain, no gain!」と叫び続けても、将来に対する不安は何も解消されないことがよくわかります。

現在、デフレ不況のせいで失業率が増加し続け、特に20歳代の失業率が非常に高くなっています。ただでさえ日本の出産・育児支援体制がものすごく貧弱なのに、将来の収入について不安に思っている若い世代が増加しているとすれば、出生率が下がり続けるのは当然なのだ。

以上の視点に立てば、現在の日本に必要なのは、デフレ不況からの早期脱出のためのマクロ経済政策と出産・育児支援体制を充実させるための大規模な政策を同時に実行することだということになります。

しかし、最大の問題は、不況対策重視な政治家は主に自民党の所謂“抵抗派”の人たちであり、民主党や社民党のような野党まで米国では右派の政策に分類されてしまう財政再建優先の政策を支持してしまっていること。財政再建は確かに重要な問題だけど最優先課題だとはとても思えない。

というわけで支持できる政党が皆無という状態になってしまうわけです。選挙になると本当に困ってしまうんだよね。


Id: #e20011104052914  (reply, thread)
Date: Sun Nov 04 05:29:14 2001
Name: くろき げん
Subject: スウェーデン便り

少子化問題が騒がれた後でよく話題に出るようになったスウェーデンですが、1971年にスウェーデンに居住した奥村芳孝氏による「スウェーデン便り」は結構ためになります。

少子化対策関連の情報は「スウェーデン なぜ出生率上昇? (日本経済新聞2001年5月26日、 jpeg 640KB)」と「スウェーデンの誤解 2」にあります。

後者によれば、日本では「スウェーデンモデル」の失敗について書く学者がいるが、実際にはスウェーデンでは現在人口政策として家族政策や育児支援策を採ってないので、スウェーデンにおける90年代後半の出生率低下を家族政策の失敗と書くのは誤りであり、出生率低下の最大の要因は経済悪化であると推測され、実際好況の現在では出生率がまた上昇に転じているのだそうだ。

前者にはもう少し詳しい話が書いてあります。


Id: #e20011103033640  (reply, thread)
Date: Sat Nov 03 03:36:40 2001
Name: くろき げん
Subject: スティグリッツによる大罵倒:IMFとアメリカ財務省に対する批判

ジョセフ・スティグリッツ、「世界経済危機でわたしが学んだこと」、山形浩生訳 (The Insider, The New Republic 2000/4/17)。結構よく引用されているスティグリッツ (2001年ノーベル経済学賞受賞者の一人) による大罵倒文。

今の日本の現状 (破滅せずに平穏な生活を続けている多くの幸運な人たちがデフレで喜んでいる裏で産出の総和が減少し続け、その痛みが一部の人たちに集中しているところで、 "No Pain, No Gain" と叫び続けている首相が絶大な支持率を誇り、政府から独立性を強めた日銀が十分な金融政策を実行する気がない状態) と比べてみるとちょっと示唆的ですよね。


Id: #e20011031230937  (reply, thread)
Date: Wed Oct 31 23:09:37 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011031114855
Name: くろき げん
Subject: 実は日銀自身が「良い物価下落」説の発信源

いやあ、鴨さん、恐ろしいことに「良い物価下落&日銀」だとか「良い物価下落&日本銀行」を検索してみればすぐにわかるように、「良い物価下落」論の主要な発信源の一つは日本銀行なんですよ。

日銀は、デフレ (=一般物価水準の下落) が不況の継続と失業率の増加の大きな原因になっていると指摘されているのに、「良い物価下落」 (これは為替要因のからんだ相対的価格調整の問題) の話をして誤魔化そうとしていたのがよくわかります。

実はぼくも数ヶ月前までは日銀が非難されなければいけない理由をはっきり理解してませんでした。でも、色々調べてみると、日銀はやはり相当に変なんですよ。

しかも、1998年の日本銀行法改正で「旧日銀法にあった政府の広範な監督権限は大幅に見直され、合法性のチェック(日本銀行の行動が日銀法に反するものでないかどうかのチェック)に限定」ということになり、日銀の政府からの独立性が相当に強まっている。


Id: #e20011031114855  (reply, thread)
Date: Wed Oct 31 11:48:55 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011030234309
Name: かも ひろやす
Subject: 「今のデフレはそれなりに良いことだ」な人

「今のデフレはそれなりに良いことだ」も、けっこう広まっているんですね。 認識の甘さが露呈してしまった。反省。

しかし、野口悠紀雄

ただし、退職後の人びとが増えてくれば、この状態は、原理的には変わる。彼らは、供給者としての企業から切り離されているという意味で、ほとんど純粋な消費者であるからだ。しかし、現在の日本では、こうした立場からの声が聞こえてこない。その原因は、多くの人びとが、メインの職場を退職した後も、どこかの職場に属しており、したがって供給者の立場から離れられないことだろう。
は、いったい、何を考えているんだろう? まさに、そういう立場の人々を、低金利が直撃しているというのに。
Id: #e20011031011619  (reply, thread)
Date: Wed Oct 31 01:16:19 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011030203224
Name: くろき げん
Subject: 「内外価格差を埋める良いデフレ」説はトンデモ

トンデモ・ウォッチャーの趣味がある人はこの不況下で経済に関してトンデモなことを言って世間的に名声を得ている人たちに注目するべきだと思います。

バブル崩解直前までのは2%程度だった失業率が年々増加しついには5%程度に上昇してしまい (実状はもっとひどいと言われている)、特に失業率が急激に増加した1997年から1998年にかけて経済・生活問題が原因で自殺した人が年間3000人台から6000人台に急増しているというシャレにならない状況で、経済に関するトンデモな説しかも失業や借金で苦しんでいる人たちをさらに苦しめるために役に立つ説を唱えることによって名声を得ている人たちがいるんだよね。

トンデモ説の例:ハイパーインフレが起きる、制御不可能なインフレが起きる、内外価格差を埋める良いデフレ、日本は600兆円を超える借金ですでに破綻している、国債が暴落する、……。これらの与太話を信じている人って結構多そうですよね。

特に多そうなのが「内外価格差を埋める良いデフレ」論を信じている人。

誤解その一。為替要因の無視。

さて、問題です。経済企画庁による「生計費調査(1999年)による購買力平価及び内外価格差の概要」によれば、 1998年には東京の物価はニューヨークの1.08倍だったのが、 1999年には東京の物価はニューヨークの1.20倍と内外価格差が拡大し、東京の対ロンドン、対パリ、対ベルリン、対ジュネーブの内外価格差も全て同様に拡大しました。さて、その原因は何でしょう?

その原因は単なる円高だったんですね。1998年には平均して1ドル131円程度だったのが、1999年には1ドル114円程度の円高になった。この為替要因が強く効いたせいで数字の上で内外価格差が広がってしまったのです。為替要因を除けば、東京の物価はニューヨークに比べて相対的に3%ほど下がっていることになります。

逆にもしも1999年に1ドル140円の円安になっていたとすれば、東京の物価はニューヨークの0.98倍という数字が出ていたことになるのだ。生計費で見たときの内外価格差は為替要因に大きく依存してしまう程度の数字に過ぎないんですね。

それじゃあ、日本においては価格調整は必要ないかというともちろんそんなことはない。それについては次を見て下さい。

誤解その二。「物価が平均的に下がって行くこと」 (デフレ=一般物価水準の下落) と「ある商品が別の商品よりも相対的に安くなること」 (価格調整) の混同。

物価が平均的に上昇するインフレ下であっても、今まで高目だったある商品の値段の上昇率が他の商品よりも低く押さえられていれば、その商品は相対的に他の商品よりも安くなるわけです。これは良い価格調整です。

しかし、たとえ物価が平均的に下落しても、それ以上に収入が減ったり、失業者が増えたりするのでは嬉しくないのだ。

一般物価水準の下落 (デフレ) をインフレ下でも可能な相対的な価格調整と混同して、デフレは良いことだと誤解している人が結構多いように思われます。

誤解その三。失業や借金の問題の無視。

本当にあらゆるモノの値段が一斉に同じだけ伸縮する限りにおいて、我々の生活は、デフレが起ころうが、インフレが起ころうが何も変わりません。

しかし、現実にはデフレになって利益が金額的に減少しても、すでに雇っている人の賃金の額を減らすことは難しいし、借金の額はデフレになってもまけてもらえません。

デフレになって利益が金額的に減少しているにもかかわず、すでに雇っている人の賃金の額を減らせないとなると、リストラをしたり、新規採用を控える企業が増加し、失業者も増加することになります。

デフレになって利益が金額的に減少しても、借金の額はまけてもらえないので、借金が相対的に重くなることになります。 (もちろん、デフレ下では名目金利も下がるのでその分は助かるのですが、名目金利はマイナスになれないので、デフレが進行すると実質金利が高止まりしてしまう。) 借金で首がまわらなくなった企業は倒産することになり、ここでもまた失業者が増加してしまうことになります。

P.S. 「雇用不安と構造改革 「痛み」は避けられないのか」上智大学経済学部シンポジウム2001年10月27日(土)中継 (copy) によれば、パネルディスカッションで浜田宏一 (内閣府経済社会総合研究所長・イエール大学教授) が野口悠紀雄の持論である「良いデフレ」論を「為替を考慮しない理屈で、院生の答案なら落第」と一蹴したようですね。その野口悠紀雄は朝日新聞で「金融緩和が構造改革を遅らせる 「痛み」なくせば、非効率さ温存」という説も唱えているようです。


Id: #e20011030234309  (reply, thread)
Date: Tue Oct 30 23:43:09 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011030203224
Name: やまがた
Subject: デフレ礼賛

>「現在のデフレはそれなりに良いことなので、対策をとる必要はない」なんて主張

実は一部でなにやら人気のある木村剛という人は、『日本経済「出口」あり』というひどい本で、まさにそういう主張をしています。曰く、年率2-3%程度のデフレは経済に大した影響は与えない、一部の人にとっては物価が安くなるからかえっていい面もある。だからあわてて騒ぐ必要はない、とのこと。

 でも、年3-4%のインフレは、中央銀行の信用を失墜せしめ、通貨を堕落させ、日銀の組織としてのプリンシプルを踏みにじるもので許し難い、のだそうです。こんなやつが元日銀マン、なんだもんなー。


Id: #e20011030203224  (reply, thread)
Date: Tue Oct 30 20:32:24 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011030191346
Name: かも ひろやす
Subject: ハイパーインフレ?

いえ、私の論点というか興味は、「インフレ恐怖症」な人を説得するには何が有効かであって、デフレ対策の必要性について反論する気はないんですよ。

私だって、「今デフレ対策をとるとハイパーインフレの危険がある」なんて主張を信じているわけではありません。ただ、そう主張する人がいるのは事実です。おそらく、それを信じている人もそこそこいるんじゃないかな。それに対して、「現在のデフレはそれなりに良いことなので、対策をとる必要はない」なんて主張は、見たことがないんですよ。(もし、それが単に私の無知で、実際にはそんな主張をする人がいるなら、ぜひ、教えてください。)そんな状況の下で、デフレ対策反対派を説得するには、「デフレの怖さ」はあまり役に立たなくて、「ハイパーインフレの非現実性」のほうが効くんじゃないかなと思うのですが、いかがなものでしょう。

あ、もちろん、「デフレ対策反対派の説得に役立たないから有害である。やめろ」なんて、どこかの人みたいなことは言ってませんよ。反対派の説得に役立たなくても、賛成派の拡大に役立つんだし。

ちなみに、「今デフレ対策をとるとハイパーインフレの危険がある」との主張については、経済は複雑で何が起こるかわからないからハイパーインフレも起こるかもしれないという主旨のほとんどオカルトみたいなのばっかりで、信用できないなあというのが、私の現在の考えです。具体的に過去のこのハイパーインフレはデフレ対策の失敗で起きたとか論証してくれるたら、私も考えを改めますけど。


Id: #e20011030191346  (reply, thread)
Date: Tue Oct 30 19:13:46 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011030144926
Name: くろき げん
Subject: 金融政策=中央銀行による物価の制御

ウェブで検索すれば中央銀行による物価の制御の仕方 (金融政策) に関する解説は多数見付かります。例えば、日銀のウェブサイトに「わかりやすい金融政策」という解説があります (もっと良い解説があったらどなたか教えて下さい)。結構、日銀のウェブサイトは勉強になるんですね。

あと、岩田規久男による「インフレ目標付長期国債買い切りオペの提案」 (「ESRI-経済政策フォーラム」第一回「金融政策の課題-更なる金融緩和を巡って」、2001.3.8) の「日銀エコノミストの反対論に答える」の節の「さらに、将来、インフレを目標の範囲に抑えるために……」から始まる最後の段落も見て下さい。

一般にデフレからの脱出よりもインフレの抑制の方が簡単だと言われています。デフレから抜け出すために金利を下げようとしても金利にはゼロ以上でなければいけないという制約があります (実際に日本はそういう罠にはまっている)。それに対してインフレを抑制するために金利を上昇させることはいつでもできるし、場合によっては預金準備率を引き上げるという強力な手段も利用できます。

インフレに関しては経済学入門書の金融政策の章を読んだ方がわかり易いと思います。すでに岩田規久男やクルーグマンやブランシャールやスティグリッツやなどの著書を紹介しました。

不況の時期は目の前で教科書に書いてあるような事態が起こっているわけですから、マクロ経済学を学ぶのに非常に適していると思います。最近の経済統計の数値をウェブで容易に手に入れられる点もありがたい。

ところで、鴨さん自身は「ハイパーインフレ」だとか「制御不能なインフレ」についてどのようにお考えでしょうか? もしも鴨さん自身が「ハイパーインフレ」 (教科書的には月に50%以上のインフレのこと) が起こる危険性が考慮に値するとお考えならばその理由を説明して欲しいです。それとも、もしも実は私と似た意見を持っているのに (もしくは事情をよく理解してないが質問する価値はあるとは思っているが)、自分では説明できないから代わりにして欲しいというのであれば、まず自分で調べてから疑問点を尋ねるようにして欲しいと思います。


Id: #e20011030144926  (reply, thread)
Date: Tue Oct 30 14:49:26 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011027044509
Name: かも ひろやす
Subject: 説得の言葉

新聞・雑誌でインフレ政策に反対している人の多くは、制御を失ってハイパーインフレになる危険を主張しています。ということは、「インフレ恐怖症」な人に「デフレは怖い」と説得しても、「でも、ハイパーインフレも怖い」と言って、納得してくれないのでは。そんな人を説得するのに有効なのは、「このように制御します」でしょう。
Id: #e20011029215626  (reply, thread)
Date: Mon Oct 29 21:56:26 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011027012520
Name: 斉藤
Subject: ここら辺などはどうですか

関連サイトなどから自分なりにまとめてみました。

1. ELISA法は全国の屠殺場でスクリーニングを実施するために導入した
なにしろ117箇所もあるそうですから、高価な機械は購入できないというのが
一番大きいのではないでしょうか。ELISA用プレートリーダーなら各保健所に
あるでしょうから、自治体で十分対応可能。実施するまでの準備期間もあまり
ありませんでしたから。

2. ELISA法で黒となったものは、BSE研究班で確認する
具体的なところは分かりませんが、帯広畜産大や動物衛生研究所が該当するよ
うです。

3. 確定診断は病理学的方法
どこでやるか確認はできませんでしたが、少なくとも動物衛生研究所は担当し
ているようですね。

全般的な印象ですが、フローチャートのようにリニアに判定していくのではな
く、いくつかの検査を総合的に判定していく、という風に受け取りました。少
なくとも病理学的所見が一番確実だと個人的には思いますので、スクリーニン
グはスクリーニングとしてとらえればいいのではないでしょうか。まあ後は、
直接見てみてください。

経過は農水省のサイトの「第1回BSE対策検討会 議事要旨」に詳しくでて
います。全部は読んでないけど。また
厚生労働省のサイトの「「第1回牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議」の結
果について」のフローチャートや「牛海綿状脳症に関する検査の実施について」
のスクリーニング検査要領、も参考になるでしょう。
当事者のコメントとして忘れてはいけないのが動物衛生検査所の「牛伝達性海
綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy:BSE)の発生と動物衛生研
究所の対応」です。

ちなみに全頭検査の妥当性ですが、今まで検査をしていなかったことから、風
評被害対策からも、防疫の観点からも当分は必要ではないでしょうか。ある程
度安全性の目処が立つまでは、抜き取り検査には移行できないと思います。
Id: #e20011027211014  (reply, thread)
Date: Sat Oct 27 21:10:14 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011027044509
Name: くろき げん
Subject: 失業、自殺、犯罪

失業、自殺、犯罪」 (労務屋レポート 2001年5月)

政府機関のウェブサイトなどで公開されている基本的なデータが要領良くまとめられているのでおすすめです。 1997-8年以後に急増したのは失業率と自殺だけではなく、犯罪もそうなんですね。

上のレポートは「セーフティー・ネットを準備すればいくら失業を出してもいいかのような議論が一部に見られますが、非常に危険ではないかと思います」という一文で終わっています。実際、「セーフティネット」という流行語が妙な形で利用されていると思う。


Id: #e20011027044509  (reply, thread)
Date: Sat Oct 27 04:45:09 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011014050133
Name: くろき げん
Subject: デフレと失業率の増加と自殺の増加の関係

小泉首相は財政再建や不良債権処理のような経済構造改革には失業者が急増するというような「痛み」が伴うことをはっきり大声で述べています。そして、小泉首相の頼みの綱は高い支持率であるようです。その高い支持率がどのような結果をもたらせているか、今度どのような結果をもたらせることになるかについては次のリンク先を読んで下さい:

ところで、「良いデフレ」が存在すると思っている人たちを減らすためには、失業率とインフレ率の関係に関する経験則 (フィリップス曲線の話) について知っている人を増やす必要があります。

経験的に、インフレ率が下がると同時に失業率が増加する傾向があること、特にその傾向はインフレ率が1パーセントを切ると特にひどくなること (現在の日本のデフレはまさにこの状態) が知られています。各国のデータのグラフが『経済セミナー2001年10月号に掲載の原田泰・岡本慎一「日本経済の大停滞とマクロ経済学の5つの法則」 (56-65頁) にあるので興味のある人は覗いてみて下さい。

経済学入門書では、例えば『スティグリッツ入門経済学日本版第2版』 (東洋経済新報社、 1999.4、 2001年ノーベル経済学賞記念におすすめ、現在の日本の不況に関しても結構つっこんだ解説がされている、 396-406頁を見よ、個人的にはノーベル賞のおかげでスティグリッツ教授 (および実は他の多くの良識ある経済学者たち) の日本の不況に関する意見が広まることを希望) の第11章にも解説があるし、この辺の読者はすでに買っている人が多いと思われる『クルーグマン教授の経済入門』の「インフレ退治のコスト」の節 (92-97頁) にも解説があります。

ここで紹介したどちらの入門書にも書いてあることですが、恐ろしいのはインフレそのものよりもインフレ恐怖症の方なんだよね。年に数パーセントのインフレの方がデフレよりも圧倒的に良好で健全な状態だということに関して経験的な根拠があるにもかかわらず、インフレ恐怖症にかかっている人が多過ぎて、「日本銀行および日本政府はデフレからインフレへ移行するための政策をできるだけ早目に実行するべきだ」という提案に感情的に強く反対する人たちがいる。

それどころか、有効なデフレ対策を実行しようとせずに (実は日銀が協力してくれないとどうにもできないのだが)、失業者を増加させ、さらにデフレ圧力を高める改革を断行すると宣言している小泉首相の支持率がものすごく高い。「景気が回復すれば改革をやる気がなくなる」という意見に賛成している人までいる。その上、野党もデフレ対策のための有効なマクロ経済政策の実行を提案せずに、小泉経済改革の方針をおおむね支持しているようだ。

こういう日本の現状の帰結が自殺者の急増である疑いが強いと思うのですが、この責任はいったい誰が取ってくれるの?


Id: #e20011027012520  (reply, thread)
Date: Sat Oct 27 01:25:20 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011027010232
Name: くろき げん
Subject: 追加

検査に関して全くの無知な上に真面目に調べてないので何がどうなっているのかわからないのですが、以下のようなことを考えました:

ここに書き難いと感じた場合には、別の場所に書いて、ここ (e0013.html#e20011027012520) にリンクを張り、リンクをたどり、 referer の記録を残してくれれば気付くことがきっとできると思います。


Id: #e20011027010232  (reply, thread)
Date: Sat Oct 27 01:02:32 2001
Name: くろき げん
Subject: 狂牛病の全数検査と結果の発表の仕方に関する情報を求む

「逃げ場所」の一つでまきのさんが10/16に非常にもっともな疑問を述べているので表に出してしまいましょう。詳しい内容はリンク先を読んでもらうことにして、疑問をこちらでも繰り返しておきます。

現在の狂牛病検査は、まず多数の検体の同時自動処理が容易で感度が高い (したがって白のもの黒であるかのような反応が出てしまう場合がある) エライザ法でひっかかった検体を、手間がかかるウェスタンブロット法 (こちらの感度は低い、よって黒のものを白と判定してしまう可能性がある) で再度検査するという方法を採用しているようです。

このやり方で疑問なのは、それじゃあ感度の高いエライザ法で黒と出た検体を相対的に感度の低いウェスタンブロット法で再検査してみたら白と出た場合はどうするのか、ということです。

この件について話題になっている中西準子の雑感(その149 -2001.10.15)「狂牛病試験」を見てみると、エライザ法とウェスタンブロット法は簡易試験法に分類されており、「確定診断」の「病理検査」は別に行なうことになっているようです。

そして、千葉と東京のケースでは上で想定したような「エライザ法では黒だがウェスタンブロット法で白」となったようです。そして、千葉のケースでは「確定診断」の「病理検査」では黒となり、最終判断は黒ということになり、東京のケースでは逆に白、白となったようです。

この辺の検査の手続きがどうなっているか、そのやり方が合理的な理由の説明に関する情報はどこにあるのでしょうか?


Id: #e20011017173213  (reply, thread)
Date: Wed Oct 17 17:32:13 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011014050133
Name: まきの
Subject: 新しい「国立大学法人」像について

そういえば こんなページがありますね。大学として意見をまとめているところもある ようですが、本来は個人で勝手になんかいうものみたいだからいいたいことが あるひとはいったほうがいいかも。

まあ、いったら聞くっていう気もあんまりしないですが、いわないよりはいい かもしれないし。


Id: #e20011014050133  (reply, thread)
Date: Sun Oct 14 05:01:33 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011013172920
Name: くろき げん
Subject: 大学院“改革”が悲劇の出発点になった

「大学院重点化」という名の大学院“改革”の実態の一部については Yomiuri On-Line 中部発の「教育の大地第二部:大学院はいま」でレポートされています。「定員2倍 仕事も激増」「院生あふれ もう限界」「モラトリアム院生 急増」……。

大学教授にとっても大学院生にとっても嬉しくない“改革”がなぜ実行されてしまったか、その“改革”の煽動者は誰で損してないのは誰なのか、などなどについてはもっと詳しい調査があっても良いように思えます。

“改革”による大学院の研究・教育環境の悪化と就職難に加えて、もしも育英会奨学金が本当に廃止されるということになれば、日本で次の世代の科学研究がどれだけのダメージを受けるかちょっと想像が付きませんね。まあ、しばらくのあいだは研究に理解があって裕福な親を持つ大学院生たちが育つので目立たないかもしれませんが、長期的には皆に不愉快な結果をもたらすことになるでしょう。

科学研究のレベルを上げることと特定の組織や分野に重点的にお金をたくさん配ることは違います。特に日本の場合はアメリカと違って、研究者の輸入超過はできないでしょう。だから、人を自前で育てなければいけない。しかし、現実には人を育てるためにお金が使われているようには全然見えないのだ。官邸から出て来る「科学」の話はどの組織と分野にどれだけ重点的にお金を配るかという話だけ。


Id: #e20011013172920  (reply, thread)
Date: Sat Oct 13 17:29:20 2001
Name: 団藤保晴
Subject: ポスドク1万人計画と科学技術立国

 しばらくご無沙汰していました。記者コラム「インターネットで読み
解く!」の読者共作「ポスドク1万人計画と科学技術立国」は、ここに
いらしている方には読んでいただきたいと思い、ご紹介に来ました。

 http://dandoweb.com/

 科学技術立国を考えているのなら、あるまじき封建制が敷かれている
ことにもう気付かねばならないのに、東大定年延長といい、事態はむし
ろ悪化していくばかりです。

Id: #e20011012122724  (reply, thread)
Date: Fri Oct 12 12:27:24 2001
Name: おおまめうだ
Subject: 奨学金滞納

「返還免除は廃止すべし」という議論は聞いた事があるが、 「奨学金の滞納が問題」と批判されるときには、 返還免除分も滞納に入れているのかな。
Id: #e20011010084943  (reply, thread)
Date: Wed Oct 10 08:49:43 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011010033309
Name: くろき げん
Subject: 大橋巨泉議員が小泉首相に子が親の地盤を受け継いで立候補することの禁止を提案したが誤魔化される

大橋巨泉議員が9/9の参議院予算委員会で小泉首相に対して、最近目立っている議席の安易な世襲を防ぐために、子が親の地盤を受け継いで立候補することの禁止 (巨泉氏が言うには他の地域で立候補するのは可) を提案していたようですね。

この規則を現職の二世議員についてもすぐに適用することを小泉首相が決定してくれるなら尊敬してしまいますがまあ無理でしょうね。政治改革による「痛み」を自分自身が被りたくない人気のある二世議員は結構多いですから。

現在の日本の不況は、構造改革が遅れているから続いているのではなく、自民党を中心とした政権と旧大蔵省 (現財務省) と日本銀行にデフレ不況対策のための適切な金融政策を連動させたマクロ経済政策を実行する能力が欠けていたから続いてしまっている可能性が高いことを忘れちゃいけないと思う。


Id: #e20011010055304  (reply, thread)
Date: Wed Oct 10 05:53:04 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011010033309
Name: くろき げん
Subject: 速水日銀総裁は需要不足のデフレ不況下でインフレを懸念

[東京 9日 ロイター]によれば、速水日銀総裁が9/9午後の参議院予算委員会で

これだけの大量の流動性供給を続けていると、いずれ何かを契機にしてインフレに火が点いて、スピード早く燃え広がることも起こりうる

と述べ、そのことについて諮問会議後に官邸で記者団に対して、

可能性はいつでもあるということだ。(私は)戦中、戦後のインフレを経験している。デフレの後に、上海事変などがあってインフレになった

と述べたのだそうだ。「上海事変などがあってインフレになった」ってのは高橋財政のことか?

例えば「高橋財政&インフレ率」で検索すれば次のような文章が見付かります:

そこで、昭和恐慌前後の金利動向と金融政策を振り返ってみよう。高橋是清が犬養毅内閣の下で大蔵大臣に就任したのは1931年12月13日、悪名高い歳入補填国債の日銀引受発行を開始したのが32年11月25日、2.26事件により暗殺されたのが36年2月26日であった。

この高橋蔵相在任期間の平均のインフレ率をみると、+2.4%上昇と極めて安定的に推移している(物価指数はGDPデフレ―ターを使用)。恒常的に年率10%以上のインフレが続くのは高橋蔵相暗殺後、本格的な戦時体制が確立されてからであり、実質的に軍部が政治的実権を握り、軍事費が急拡大したためであると考えられる。

また、注目できるのは、高橋是清の就任直後からコールレート翌日物は大きく低下し、その後は2.5%〜3.0%程度で安定的に推移していること、また、このような短期金利の低位安定化により、長期金利(ここでは証書貸付金利をとっている)も低下トレンドで推移していることである。

一方、日銀のバランスシートに占める国債のシェアをみてみると、日銀引受前の32年から大幅に増加(それ以前の10%から20%へ上昇)し、それに伴ってインフレ率は対前年比ベースで▲10%以上の下落から+2%台の上昇へ回復している。このことからインフレ率上昇を意図した国債の買いオペの大幅な増額には一定の効果があったと推測される。

(「1930年代デフレ脱出からの教訓と金融政策」 (日本経済ウィークリー2001年9月7日65号 (plain text)、クレディスイスファーストボストン証券会社経済調査部) より。改行位置は原文と異なる。強調は引用者による)

平均してプラス2.4%のインフレ率なら大歓迎だよね (1980年代中頃のバブル前の好況時の日本のインフレ率もその程度でした)。当時の日本がお馬鹿だったのは、ひどいデフレ不況からの回復に成功した高橋是清を殺して、軍事費を急拡大してしまったこと。

日銀総裁自身がデタラメな根拠で不安を煽るというのは困ったものだ。

需要不足が解消することによってデフレが転じてインフレぎみになるのは要するに不況が終了するということだから大歓迎だと思うのですがねえ。


Id: #e20011010033309  (reply, thread)
Date: Wed Oct 10 03:33:09 2001
Name: くろき げん
Subject: 小泉首相曰く、「経済理論で理解できない現象が起こっている」

9/9の参議院予算委員会で、小泉純一郎首相は例の口調で現在の日本のデフレ不況について次のような発言をしたようですね (「経済理論で理解できない現象」という言葉が含まれていたのは正しいはずですが正確な引用ではないことに注意、強調は私による):

ものすごい財政赤字。銀行は金融緩和でお金がジャブジャブしている。だから、ひどいインフレにならなければいけないはず。でも、現実にはデフレになっている。これは経済理論に合てはまらない。今の日本では経済理論で理解できない現象が起こっている!

クルーグマンによる新バージョンでなくて良いから、誰か「流動性の罠」 (単に貨幣供給量を増やしても財市場に影響を与えることができない状態に陥ったせいで需要不足を解消できなくなる罠) について小泉首相にレクチャーしてやってくれ。


Id: #e20011006123919  (reply, thread)
Date: Sat Oct 06 12:39:19 2001
Name: くろき げん
Subject: 流行語としての「構造改革」

塩飽典子氏による流行語としての「構造改革」の解説 (The World Compass 2001年6月号)。

1986年頃に「構造調整」という言葉が結構流行っていたとは知らなかったな。「構造改革」という言葉は1997年の橋本政権のときから流行語になったんですね。その橋本政権は「構造改革」によって数字の上ではちょっと上向きかけていた景気に急ブレーキをかけてくれたのだ:

日本経済の失業率および国内総生産とその成長率

 年度 |失業率|名目GDP(兆円)|名目成長率|実質成長率|インフレ率
------+------+-------------+----------+----------+----------
 1980 | 2.1% |    248.6    |  10.4%   |   2.6%   |   7.8%   
 1981 | 2.2% |    264.0    |   6.2%   |   2.8%   |   3.4%   
 1982 | 2.5% |    277.0    |   4.9%   |   3.2%   |   1.7%   
 1983 | 2.7% |    289.5    |   4.5%   |   2.4%   |   2.1%   
 1984 | 2.7% |    309.6    |   6.9%   |   4.0%   |   2.9%   
 1985 | 2.6% |    330.0    |   6.6%   |   4.2%   |   2.4%   
 1986 | 2.8% |    344.9    |   4.5%   |   3.2%   |   1.3%   
 1987 | 2.8% |    362.0    |   5.0%   |   5.1%   |  -0.1%   
 1988 | 2.4% |    387.8    |   7.1%   |   6.3%   |   0.8%   
 1989 | 2.2% |    416.9    |   7.5%   |   4.9%   |   2.6%   
------+------+-------------+----------+----------+----------
 1990 | 2.1% |    450.5    |   8.1%   |   5.5%   |   2.6%   
 1991 | 2.1% |    474.6    |   5.3%   |   2.5%   |   2.8%   
 1992 | 2.2% |    483.2    |   1.8%   |   0.4%   |   1.4%   バブル崩解
 1993 | 2.6% |    487.5    |   0.9%   |   0.4%   |   0.5%   
 1994 | 2.9% |    492.3    |   1.0%   |   1.1%   |  -0.1%   
 1995 | 3.2% |    502.0    |   2.0%   |   2.5%   |  -0.5%   
 1996 | 3.3% |    515.2    |   2.6%   |   3.4%   |  -0.8%   
 1997 | 3.5% |    520.2    |   1.0%   |   0.2%   |   0.8%   橋本政権
 1998 | 4.3% |    514.5    |  -1.1%   |  -0.6%   |  -0.5%   
 1999 | 4.7% |    513.7    |  -0.2%   |   1.4%   |  -1.6%   
------+------+-------------+----------+----------+----------
 2000 | 4.7% |    513.7    |   0.0%   |   1.2%   |  -1.2%   
 2001 | 5.0% |    503.4    |  -2.0%   |  -1.0%   |  -1.0%   小泉政権(予測値)

インフレ率はGDPデフレータ (=名目GDP成長率−実質GDP成長率) で、2001年度の数値はいい加減な予測値です (インフレ率が -1% 程度で実質成長率が -1% 程度になり、失業率は 5% 程度になるだろうという悲しい予測)。

P.S. 塩飽典子氏 (三井物産戦略研究所中央資料センター主任ライブラリアン) が The World Compass (バックナンバー) に連載している「流行語」に関する記事:


Id: #e20011006093836  (reply, thread)
Date: Sat Oct 06 09:38:36 2001
Name: くろき げん
Subject: メモ:ブランシャールのマクロ経済学のコア

オリヴィエ・ブランシャール著『ブランシャール マクロ経済学』下巻 (東洋経済新報社) の504-505頁に書いてある「マクロ経済学のコア」の引用:

それぞれは「短期」「期待」「長期」「金融政策」「財政政策」に関する基本的な考え方。


Id: #e20011006084044  (reply, thread)
Date: Sat Oct 06 08:40:44 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011005220825
Name: くろき げん
Subject: かぎかっこを付けなければいけない「受益者負担」「効率優先」を押し付けられるのは嫌

「民業圧迫・官需独占を許すな!民間でやれることは民間で!」が基本的なスローガンであることは事実だとしても、正式文書に日本育英会統合・廃止の方針の理由は「銀行の教育ローン」の競争相手だからだと書いてあるかどうかはわかりません。詳しい情報はどこで見られるかな?

あと、特殊法人の統合・廃止・民営化の動機は「財政投融資のずさんな運用とそれにまつわる天下りに対する批判」への対応です (財政投融資は郵便貯金などの資金を旧大蔵省 (現財務省) 資金運用部が特殊法人などに融資する制度)。

そして、特殊法人改革は小泉政権の目玉なんだよね。小泉改革は正義の改革であり、小泉改革を批判する人たちはすべて日本を駄目する抵抗勢力なのだ、と信じている人たちはたくさんの特殊法人を潰さないと納得しないでしょう。

そういう背景のもとで日本育英会は「統合・廃止の方針」の特殊法人に分類されてしまったわけです。

2001年4月の財投改革および特殊法人改革に関する参考ページ:


Id: #e20011006074017  (reply, thread)
Date: Sat Oct 06 07:40:17 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011005134926
Name: くろき げん
Subject: 「株買え」とか書いてあったりしないか、ちょっと心配

伊藤隆敏氏らの提言の全文はネット上で読めますか? 先の記事からもリンクしましたが、大蔵省副財務官時代の伊藤隆敏氏は日経新聞のインタビューに答えて、「極論だが【日銀は】株式買い入れもできるかもしれない」だとか「クルーグマン……らが唱える調整インフレ論とは一線を画す」だとか言っているようですが、その辺はどうなっているんですかね? なんでクルーグマンに喧嘩を売る?

あと、「【日銀が】土地を買う」とかいう無茶な話が自民党議員から出ていませんでしたっけ?


Id: #e20011005220825  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 22:08:25 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011005085345
Name: kyo@n
Subject: 脅威クローン
はまださん、くろきさん、ありがとうございます。たいへん参考になりました。
滞納額が廃止/統合の原因ではないことを知りほっとしました。
そして回収率が96%であることを知り、感動しました。当たり前といや当たり前
なんだけどな。

その廃止原因ですが、kyo@nも、くろきさんのように「銀行の教育ローン」
の競争相手だから廃止、とは考えていたのですが、「まさかねぇ」というのが
本心でした。でもその「まさか」なんですねー。ちょっと酷いし、ほんとに
恥ずかしいなぁ。よく「米百票」引用したよなぁ。しかも「給与式奨学金」を
ぶち上げといていつの間にかウヤムヤとは恐れ入るぞ。

やっぱり「受益者負担」と「効率優先」がこの国をダメにしたと思う。なんとか
しなくっちゃ。
#でもどうしよう?

Id: #e20011005205305  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 20:53:05 2001
Name: くろき げん
Subject: 日本のとった呆れかえる狂牛病対策 (Nature, vol. 413 P.333, 27 September 2001)

日本のとった呆れかえる狂牛病対策」 (Nature, vol. 413 P.333, 27 September 2001)。 Nature に掲載された話題の記事です。


Id: #e20011005154024  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 15:40:24 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011005054143
Name: かも ひろやす
Subject: 生活のなかの理性と非合理・トピックス

う〜ん。要約しすぎというか、一番聞きたい部分が略されてしまったというか。
さらに的川氏は、組織としての役割や、各組織ごとのものの決め方のような「文化」の違いが「統合」によってどうなるのか考えて欲しいと力説。単純に「たして2で割るようなものではない」難しさを述べていた。
といった一般論だけではなく、具体的に宇宙研とNASDAにはそれぞれどのような「文化」があり、「統合」によってそれがどう損なわれるかが、読者としても気になるところだし、統合への反対を広くアピールするにも重要な点となるはずです。もし、的川さんのシンポジウムの発言ではちゃんと触れられていたのに紹介文から漏れただけなら、残念なことです。

それはそうと、「政治的問題から逃げない」ことについては、別の観点からも賛成。あまり明るくない分野で安易に似非科学批判を試みると、批判自体が別の似非科学的言説に堕してしまう危険があります。つまり、似非科学批判には常に「木乃伊とりが木乃伊になる」危険をはらんでいて、似非科学批判者は、自覚してそれを避けなくてはなりません。そのためには、意識して地に足をつけた議論をする必要があります。多くの場合、「政治的問題から逃げない」ことは地に足をつけることに有効です。

ということで、今後の発展に期待しましょう。(クッキーがうっとうしいけど)


Id: #e20011005134926  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 13:49:26 2001
Name: くろき げん
Subject: インフレ・ターゲティングと自力増資できない銀行国有化の提言

インフレ・ターゲティングと自力増資できない銀行国有化の提言 (発起人:伊藤隆敏一橋大教授、深尾光洋慶大教授、星岳雄カリフォルニア大学サンディエゴ校教授、賛同者:伊藤元重東大教授、奥野正寛東大教授、清水啓典一橋大教授、林文夫東大教授)

参考ページ


Id: #e20011005085345  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 08:53:45 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011005015902
Name: はまだ
Subject: ついでに

ネットで検索しても出ないので、不確かな記憶だけども、
1983年に有利子化したときに(リンク先にあるように一時的な措置)、
返還が滞っているとか、採用の決定が不透明だとかいう、育英会たたきが新聞に載ってたと思う。


Id: #e20011005054143  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 05:41:43 2001
Name: くろき げん
Subject: 生活のなかの理性と非合理・トピックス

生活の中の理性と非合理「超自然現象」や疑似科学を調べる」における「生活のなかの理性と非合理・トピックス」の過去ログに「宇宙関係3研究機関統合へ」 (2001.8.21) という記事があって、宇宙科学研究所の的川泰宣氏による批判の要約があります。

そこの新・「超自然現象」や疑似科学を調べる掲示板には「構造改革」というタイトルの記事 (2001.9.8) があります。そこから「小泉内閣の科学技術政策の基本方針は、基礎研究を失速させると科学者が懸念」 (Nature 412, 364 (2001)) という記事にリンクが張られています。

「2001年08月25日 18時00分00秒開始」と最近始まったウェブサイトなのですが今度の発展を期待しております。似非科学批判をしながら政治的問題からも逃げないという姿勢は私が好むところでもあります。 (個人的には似非科学批判をしながら政治的問題からは逃げるという姿勢には疑問を感じている。)


Id: #e20011005044309  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 04:43:09 2001
In-Reply-To: e0012.html#e20010930062828
Name: くろき げん
Subject: 整理回収機構による不良債権買い取り価格の弾力化

これは「整理回収機構 (RCC) は、国民負担をなるべく小さくするよう義務付けられており、民間の債権回会社に比べ買い取り価格が低くなる傾向があったが、その点を弾力的に運営することにする」 (産経新聞 2001.7.28) という話だったようですね。この話を「簿価で」という噂と混同していたのは誤りだったようですが、「国民負担をなるべく小さくする」という方針から銀行にとってありがたい方針に軌道修正がなされたことになります。

P.S. 正直に言うと、政治や経済のことはややこし過ぎて、何が真実で、どのようにするのが良いのか、について自信を持つことができません。調べておくべきことを無知のせいで気付けなかったりすることもよくある。それでも、数日前よりはましな知識のもとで、結果的に正解に至らなくても、正しい方向に間違うように努力するべきだと思います。

つまるところ、ぼくは……、90%まちがってたわけです。しかしながら、ほかのみんなは150%まちがってた――かれらは「奇跡」しか見ず、リスクはぜんぜん見なかったんですから。 (ポール・クルーグマン、「アジアは復活するか?」 1998.3 より)


Id: #e20011005032558  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 03:25:58 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011005015902
Name: くろき げん
Subject: 日本育英会行政コスト計算書

日本育英会行政コスト計算書目次


Id: #e20011005015902  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 01:59:02 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011004220212
Name: はまだ@インフレ待望(笑)
Subject: 「不良債権問題」???
よく調べましょう。日本育英会の予算の半分近くは、財投債です。
もし、育英会の予算が債券ではなく、すべてが財政支出なら、『今回の見直し』
対象にはなっていません。

話題はずれますが、第2の予算と言われた「財政投融資」を廃止して、
なにをどうするのか良くわからないのが不思議に思っています。
ビジネス雑誌は読まないんだけど、誰か良い見通しを出してますかね。

Id: #e20011005013440  (reply, thread)
Date: Fri Oct 05 01:34:40 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011004211955
Name: くろき げん
Subject: 決定じゃなくて方針です

日本育英会の「統合を含め廃止」は行政改革推進事務局がまとめた方針でそうなっているというだけで、まだ決定事項ではありません (NIKKEI NET 10/3 「特殊法人改革、統合・廃止は18」)。しかし、どうするつもりなんですかね? やばいと思ってないのかしら?

詳しい情報をぼくもまだ見てないので見付けた方はリンクを張って下さい。


Id: #e20011004232617  (reply, thread)
Date: Thu Oct 04 23:26:17 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011004220212
Name: くろき げん
Subject: 「民業圧迫・官需独占を許すな! 民間でやれることは民間で!」が基本的なスローガン

「行政構造改革」の基本的なスローガンは「民業圧迫・官需独占を許すな! 民間でやれることは民間で!」です。 (行政改革推進事務局のウェブサイトにおける「民業圧迫」を検索)

そのスローガンを日本育英会の奨学金事業 (「奨学金」と言いながらその実態は基本的には金利の低い教育ローン制度) に適用して、「日本育英会は民間金融機関を圧迫している」と考える人がいても不思議じゃないでしょう。実際、日本育英会の奨学金事業が縮小または廃止されれば、教育ローンの需要が毎年コンスタントに生じるはずですから民間金融機関はちょっと嬉しいでしょう。

「民間金融機関を圧迫している」という考え方が政治的に誰にとって好都合であるかについては、最低でも小泉首相が大蔵族であることを思い出しておいた方が良いと思います。 (現在では財務族と呼ぶべきか?)

社民党が「道路財源の扱いは従来から大蔵省と建設省の権限争いの面もあり云々」と言っているのはその辺の事情を気にしているからです。「改革」を利権争いに勝利するための隠れ蓑に使っているのではないか? 「小泉政権の行政改革は正義にかなっており基本的に正しい」と考えるのは政治的にあまりにも素朴過ぎる考え方ですよね。

教育制度は生まれの環境の悪影響をできるだけ取り除くようになっているべきです。そのためには、高等教育における奨学金制度を充実するだけではなく、公的初等中等教育も充実しなければいけません。しかし、現実の教育関連政策は逆方向にまっしぐらなのだ。


Id: #e20011004220212  (reply, thread)
Date: Thu Oct 04 22:02:12 2001
In-Reply-To: e0013.html#e20011004211955
URL: http://w3rep.math.h.kyoto-u.ac.jp/
Name: kyo@n
Subject: 聖なるものはあると思うな
kyo@n=西山享とします。代入ではありません。恒等式です。

単なる推測に過ぎないんですが、日本育英会の廃止(統合?)が
打ち出された背景には、奨学金返還の滞納者による「不良債権問題」
があるのでしょうか? それともやはり「聖域なき」ってーのに
こだわっているだけでしょうか?

ちなみに滞納者による「不良債権問題」は結構問題になっているようで、
大阪府の育英会は滞納者の増加+府からの補助金減額のあおりをくって、
来年度から大学生の奨学金事業を停止するそうです。無期限停止かどうかは
読売新聞の記事からはわかりませんでした。

#もっとも研究職で結局奨学金は返還しなかったからなぁ。
#少し後ろめたい気分もあるな。

Id: #e20011004211955  (reply, thread)
Date: Thu Oct 04 21:19:55 2001
In-Reply-To: e0012.html#e20010930062828
Name: 斉藤真也
Subject: はあ、廃止ですか

斉藤です
そうなんですか、育英会の廃止ですか。

> まず、行政改革について。公共性が低くて単に政官業癒着に利するだけの構造は何とか
> するべきだと思いますが、公共性の高い部門まで「聖域なき行政改革」の名のもとに潰
> すというのはまずいですよね。
奨学金制度って現在の公共だけでなく、未来の公共でもあるわけですよね。何か一連
の改革って、次の世代の日本をどうするというビジョンが全く見えないんだすよね。
米百俵って、今の世代が痛みを引き受けて、次世代に託す話じゃなかったのかな。

ところで今ある奨学金の借金(変な表現)はどこかが引き継ぐのでしょうか?近くに
猶予期間中の奴がいるのですが、どうなるのかな
Id: #e20011004134156  (reply, thread)
Date: Thu Oct 04 13:41:56 2001
In-Reply-To: e0012.html#e20011004020041
URL: samaki@ipc.kit.ac.jp
Name: 左巻健男
Subject: 西沢潤一さんは
有馬朗人さんより正直だと思いました。
 ただ責任をどうとるか今後に注目ですが。

 ついでに: 
 BUNTENさん、どうも。ご無沙汰しています。

 さらについでに:
 一生懸命情報提示をしてあげようと思っても相手に誠意がないだけでなく悪意があるんではないかと感じると意欲が失せますね。しばらくそういうところはお休みです。

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